名古屋市「新瑞橋」美容外科・美容皮膚科・形成外科・一般皮膚科

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眼瞼下垂手術について

「最近、なんだか目が小さくなった気がする」「まぶたが重くて、視界が狭く感じる」「鏡を見ると、疲れたような顔に見えてしまう」――そんなお悩みはありませんか?これらは単なる疲れや加齢のせいだと諦めてしまいがちですが、もしかしたら「眼瞼下垂(がんけんかすい)」という状態かもしれません。

眼瞼下垂は、見た目の印象を左右するだけでなく、成人の方では約4.7%から13.5%という割合で見られる一般的な目の疾患であり、肩こりや頭痛、視野の狭まりなど、日常生活の質(QOL)にも大きく影響を及ぼすことがあります。しかし、ご安心ください。適切な知識を持ち、ご自身の状態を正しく理解することで、そのお悩みは改善できる可能性があります。

この記事では、眼瞼下垂の基礎知識から、切開なしで改善する方法や保険適用となる手術の種類、さらに手術費用やダウンタイム、そして後悔しないためのクリニック選びのポイントまで、専門医が詳しく解説します。あなたの目の悩みを解決し、明るく快適な毎日を取り戻すための一歩を、私たちと一緒に踏み出しましょう。

眼瞼下垂の基礎知識とセルフチェック

「最近、なんだか目が小さくなった気がする」「まぶたが重くて、視界が狭く感じる」「鏡を見ると、疲れたような顔に見えてしまう」――そんなお悩みはありませんか?これらは単なる疲れや加齢のせいだと諦めてしまいがちですが、もしかしたら「眼瞼下垂(がんけんかすい)」という状態かもしれません。

眼瞼下垂は、見た目の印象を左右するだけでなく、日常生活の質(QOL)にも大きく影響する疾患です。しかし、適切な知識を持ち、ご自身の状態を正しく理解することで、そのお悩みは改善できる可能性があります。形成外科専門医、美容外科専門医として、私が日々多くの患者さんと向き合う中で感じているのは、早期に「これは眼瞼下垂かもしれない」と気づくことの重要性です。まずは、ご自身の目の状態を知ることから始めていきましょう。

眼瞼下垂とは?目の開きが悪くなる主な原因

眼瞼下垂とは、上まぶたが正常な位置よりも下がってしまい、目の開きが悪くなる状態を指します。上まぶたが瞳孔(どうこう)の一部、またはほとんどを覆ってしまうため、視界が遮られたり、周囲から「眠たそう」「疲れている」といった印象を与えたりすることが特徴です。この状態は、成人の方では約4.7%から13.5%という割合で見られる一般的な目の疾患として知られています。特に年齢を重ねるにつれて、その割合は高くなる傾向があります。単なる見た目の問題だけでなく、視野が狭まることで転倒のリスクが増えたり、運転に支障をきたしたりするなど、日常生活に具体的な影響を及ぼし、生活の質を低下させることもあるのです。

目の開きが悪くなる主な原因はいくつかありますが、特に多く見られるのは以下のタイプです。

  • 腱膜性(アポニューロシス性)眼瞼下垂
    • 加齢が主な原因となり、まぶたを持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋)の先端にある「腱膜」という薄い膜が、本来付着しているまぶたの軟骨部分(瞼板)から伸びたり、剥がれたりすることで起こります。
    • このタイプは、成人の方に最も多く見られます。
    • 長期間にわたるコンタクトレンズ、特にハードコンタクトレンズの装用は、着脱時の摩擦やレンズの重みにより、まぶたの組織に繰り返し負担をかけるため、腱膜性眼瞼下垂のリスクを高めることが報告されています。
    • 白内障手術などの目の手術の経験がある方も、術中のまぶたへの牽引などが原因で、まぶたの組織に負担がかかり、腱膜性眼瞼下垂を発症しやすくなる傾向があります。
  • 筋原性眼瞼下垂
    • まぶたを持ち上げる筋肉そのものの機能が生まれつき弱い、あるいは何らかの病気によって機能が低下している場合に起こります。
    • 遺伝性の疾患や、進行性の筋肉の病気が原因となることがあります。
  • 神経原性眼瞼下垂
    • まぶたを持ち上げる筋肉を動かす神経(動眼神経など)に問題がある場合に起こります。
    • 脳の病気や、特定の神経疾患が背景にあることがあります。
  • 機械性眼瞼下垂
    • まぶたにできもの(腫瘍など)ができたり、過剰な脂肪や皮膚のたるみがたまったりして、物理的にまぶたが重くなり、目の開きが悪くなる状態です。
    • まぶたを持ち上げる機能自体は正常でも、重さに耐えきれずに下がってしまいます。

これらの原因によって、まぶたの下がり具合や症状の現れ方は大きく異なります。ご自身の目の状態を正しく知ることが、適切な対策や治療へとつながる第一歩となるでしょう。

眼瞼下垂の種類とよくある症状

眼瞼下垂は、その原因によっていくつかの種類に分類され、それぞれ特徴が異なります。形成外科や眼科の専門医は、これらの分類を基に、より適切な治療法を検討していきます。

眼瞼下垂は大きく分けて以下の種類があります。

  • 先天性眼瞼下垂
    • 生まれつきまぶたの筋肉や神経の発達が不十分なために起こるタイプです。
    • 多くの場合、まぶたを持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋)の形成不全が原因となります。
    • まれに、食事の咀嚼など顎の動きに連動してまぶたが動く「マーカス・ガン現象(Marcus Gunn jaw-winking現象)」と呼ばれる神経原性の先天性眼瞼下垂もあります。これは、通常、咀嚼筋を動かす三叉神経と、まぶたを動かす動眼神経の一部が異常に連結しているために起こります。
  • 後天性眼瞼下垂
    • 生まれてから何らかの原因でまぶたが下がってくるものです。
    • 成人で最も多く見られるのは、やはり加齢を原因とする腱膜性眼瞼下垂です。
    • 腱膜性眼瞼下垂
      • 加齢、長期にわたるコンタクトレンズ装用、目の手術などが原因で、まぶたを持ち上げる腱膜が伸びたり剥がれたりするタイプです。
      • 慢性的な刺激や炎症も関与することがあります。
    • 神経原性眼瞼下垂
      • まぶたを動かす神経に異常があるタイプです。
      • 動眼神経麻痺、ホルネル症候群、重症筋無力症などが原因となります。
      • 神経の経路に問題が生じることで、まぶたを持ち上げる指示がうまく伝わらなくなります。
    • 筋原性眼瞼下垂
      • まぶたの筋肉そのものに異常があるタイプです。
      • 進行性外眼筋麻痺、眼咽頭型筋ジストロフィーなどの筋肉の病気が原因となります。
      • 筋肉の機能が低下し、まぶたを十分に持ち上げられなくなります。
    • 機械性眼瞼下垂
      • まぶたの腫瘍、過剰な脂肪、高度な皮膚のたるみなど、物理的な重みでまぶたが下がるタイプです。
      • まぶたの組織が重く、挙上機能に負担がかかることで起こります。
    • 偽眼瞼下垂
      • まぶた自体は下がっていないのに、眉毛の下垂や上まぶたの皮膚のたるみなどで、下がっているように見える状態です。
      • 見た目は眼瞼下垂と似ていますが、治療法が異なるため鑑別が重要です。

眼瞼下垂のよくある症状としては、次のようなものが挙げられます。これらの症状に心当たりがある場合は、注意が必要です。

  • 視野の狭まり
    • まぶたが瞳孔を覆うことで、特に上方の視野が見えにくくなります。
    • 信号が見えにくい、車の運転で前方が確認しづらい、本を読むときに文字が読みづらいなど、具体的な支障が出ることがあります。
  • 肩こりや頭痛
    • 目の開きを補うために、無意識におでこの筋肉を使ったり、あごを突き上げたりするため、首や肩に常に負担がかかります。
    • 慢性的な肩こりや頭痛の原因となることが少なくありません。
  • 目の疲れ
    • 常にまぶたを開けようと努力することで、目に過度な負担がかかり、疲れやすくなります。
    • 眼精疲労がひどくなり、かすみ目やドライアイのような症状を伴うこともあります。
  • 眠たそうな印象・老けて見える
    • まぶたが重く、目が細くなるため、周囲から「疲れている」「眠たそう」「怒っている?」といった誤解を招くことがあります。
    • 実年齢よりも老けて見える原因となることもあります。
  • おでこの深いシワ
    • 眉毛を上げてまぶたを持ち上げようとする癖がつくため、おでこに深い横ジワができることがあります。
    • これは「代償動作」と呼ばれるもので、無意識に行っていることが多いです。

これらの症状は、日常生活の質を著しく低下させる可能性があります。早めに専門医に相談し、適切な診断と治療を受けることが大切です。

今すぐできる眼瞼下垂のセルフチェックと診断基準

眼瞼下垂は、見た目の印象だけでなく、日常生活にも大きな影響を及ぼすことがあります。ご自身のまぶたの状態を簡単にチェックできる方法と、専門医が行う診断の基準についてご紹介します。まずはご自宅でできるセルフチェックをぜひ試してみてください。

【眼瞼下垂の簡単セルフチェック】

  1. まぶたの位置の確認
    • 鏡の前に立ち、リラックスした状態で正面を見ます。
    • 黒目の中心に光の反射点があるか確認しましょう。
    • 上まぶたの縁が、その光の反射点からどのくらい離れているか、または覆っているかを確認してください。
      • 正常な場合
        • 上まぶたの縁は、黒目の上から1〜2mm程度の位置にあります。
      • 眼瞼下垂の可能性がある場合
        • 上まぶたの縁が、黒目の上から2mm以上下がっている、または黒目の中心(瞳孔)にかかっている状態です。
        • 特に、上眼瞼縁(まぶたの端)が上角膜縁(黒目の上の端)を覆う距離が、軽度で4mm以下、中度で4mm超6mm以下、重度で6mm超となる場合、眼瞼下垂と診断されることがあります。
  2. おでこのシワの確認
    • おでこに力を入れて眉毛を上げないと、目を開けにくいと感じますか?
    • おでこに深いシワが常にある場合、無意識にまぶたを持ち上げようとしている可能性があります。
  3. 目の奥の感覚の確認
    • 目の奥に常に重い感じや、ひどい疲れを感じますか?
    • 夕方になると特にまぶたが重く、目が開きにくくなるなどの症状はありませんか?
  4. 肩こり・頭痛の有無
    • 慢性的な肩こりや頭痛に悩まされていませんか?これは、まぶたの開きを補うために、首や肩の筋肉に余計な負担がかかることで起こることがあります。

これらのチェック項目で複数当てはまる場合、眼瞼下垂の可能性が考えられます。

【専門医による診断基準】

専門医は、患者さんの具体的な症状や病歴を詳しくお伺いし、精密な目の診察を行います。特に重要な評価は以下の点です。

  • MRD-1(Marginal Reflex Distance-1)の測定
    • 黒目の中心にある光の反射点から、上まぶたの縁までの距離を測定します。
    • この距離が短いほど、まぶたが下がっていると判断されます。
    • 一般的に、この距離が2.5mm未満の場合、眼瞼下垂と診断されることがあります。
  • 挙筋機能(Levator Function: LF)の評価
    • まぶたを持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋)がどのくらい機能しているかを評価します。
    • 眉毛を抑えた状態で、下を向いたときから上を向いたときまでの、まぶたの動きの幅を測定します。
    • この機能が低下している場合、手術方法の選択において非常に重要な判断材料となります。例えば、挙筋機能が極端に悪い場合は、別の術式を検討する必要があります。
  • ミュラー筋機能の評価
    • 上まぶたにはミュラー筋という筋肉も存在し、眼瞼挙筋とともにまぶたの挙上に関わっています。
    • 点眼薬を使ってミュラー筋の反応を見ることで、その機能も評価します。
  • 偽眼瞼下垂の除外
    • まぶた自体は下がっていないのに、眉毛の下垂や皮膚のたるみなどで、下がっているように見える「偽眼瞼下垂」ではないかを確認します。
    • これは、重篤な基礎疾患の鑑別も含め、正確な診断が極めて重要です。
  • その他の多角的な評価
    • 眼裂高(Palpebral Fissure Height: PFH)、Bell現象(目を閉じようとしたときに眼球が上転する反射)、前頭筋機能、眼位(目の位置)、眼球運動など、多角的な評価を行います。
    • これらの情報から、眼瞼下垂の正確な原因と重症度を診断し、最適な治療計画を立てます。

セルフチェックはあくまで目安です。正確な診断と適切な治療のためには、形成外科や眼科の専門医の診察を受けることが大切です。特に、経験豊富な医師による詳細な診察と検査は、ご自身の目の状態を正しく理解するために不可欠です。

眼瞼下垂と間違いやすい病気3つ

まぶたが下がるという症状は、眼瞼下垂だけでなく、他の病気でも見られることがあります。ご自身で「眼瞼下垂かな?」と思っていても、実は異なる病気が原因である場合もありますので、正確な診断を受けることが非常に重要です。形成外科専門医として、私が日常の診察で鑑別を行うことの多い、眼瞼下垂と間違いやすい代表的な病気を3つご紹介します。

  1. 偽眼瞼下垂(ぎがんけんかすい) まぶたそのものが下がっているわけではなく、他の原因によって目が小さく見えたり、視野が狭く感じられたりする状態です。眼瞼下垂と非常に似ているため、慎重な鑑別が必要です。
    • 眉毛下垂(びもうかすい)
      • 加齢によって眉毛の位置が下がり、上まぶたにかぶさって見える状態です。
      • おでこの筋肉が下がることで、まぶたが下がっているように見えますが、まぶた自体の挙上機能は正常です。
    • 眼瞼皮膚弛緩症(がんけんひふしかんしょう)
      • 上まぶたの皮膚がたるんで、目の縁にかぶさって見える状態です。
      • まぶたを持ち上げる筋肉の機能は正常ですが、余った皮膚が原因で視野が狭まります。 これらの場合、治療法は眼瞼下垂に対するものとは異なるため、原因を特定することが大切です。
  2. 重症筋無力症(じゅうしょうきんむりょくしょう) 全身の筋肉の力が入りにくくなる自己免疫疾患の一つで、まぶたが下がることが最初の症状として現れることがあります。この病気は神経と筋肉の伝達に異常が生じることで起こります。
    • 特徴的な症状
      • 朝は比較的まぶたが開きやすいものの、夕方になるとまぶたが下がってくるなど、一日の中でも症状に変動が見られる「日内変動」が特徴です。
      • 目の動きが悪くなる、ものが二重に見える(複視)といった症状を伴うこともあります。 この病気は、眼瞼下垂の手術だけでは改善せず、内科的な治療が必要になります。見逃すと全身状態に影響を及ぼす可能性もあるため、特に注意が必要です。
  3. ホルネル症候群(ホルネルしょうこうぐん) 交感神経という神経に異常が生じることで、まぶたの下がり(眼瞼下垂)だけでなく、瞳孔が小さくなる(縮瞳)、顔や首の発汗が低下するといった3つの特徴的な症状(三徴)が現れる症候群です。
    • 原因となる病気
      • 脳や首の神経の病気、肺の腫瘍などが考えられるため、眼瞼下垂の症状だけでなく、他の症状も併せて注意深く診察し、鑑別診断を行うことが非常に重要です。
      • 命に関わるような重篤な病気が隠れている可能性もあるため、早期の精密検査が求められます。

これらの病気は、眼瞼下垂と症状が似ているため、自己判断せずに形成外科や眼科、あるいは神経内科の専門医に相談し、正確な診断を受けることが何よりも大切ですし、私のクリニックでも常に念頭に置いて診察にあたっています。適切な診断によって、根本的な原因に基づいた最適な治療へと進むことができるでしょう。

眼瞼下垂の治療法;切開なしと手術による改善

「最近、目の開きが悪い」「まぶたが重い」と感じることはありませんか。これらは眼瞼下垂のサインかもしれません。眼瞼下垂は、見た目の印象だけでなく、頭痛や肩こりといった体の不調にもつながることがあります。しかし、ご安心ください。眼瞼下垂には、メスを使わずに改善する方法から、専門的な手術によって根本的に解決する方法まで、様々な治療の選択肢があります。

形成外科専門医、美容外科専門医として、私が日々の診療で最も大切にしているのは、患者さん一人ひとりの症状やご希望、生活スタイルに合った治療法を一緒に見つけることです。そのためには、詳細な病歴の聴取と丁寧な診察が不可欠です。このプロセスが、治療計画の正しい指針を提供すると考えています。

ご自身の目の状態を正しく理解し、適切な治療へと進むことが、より快適で質の高い生活を送るための第一歩となるでしょう。

切開なしで眼瞼下垂を改善する方法3選

切開を伴う手術に抵抗がある方のために、メスを使わずに眼瞼下垂を改善するアプローチも存在します。形成外科医、美容外科医の視点から、代表的な方法を3つご紹介いたします。これらの方法は、比較的軽度の眼瞼下垂に適しています。

  1. 埋没法(挙筋短縮固定術)
    • まぶたの裏側から医療用の細い糸を使用します。
    • 瞼板という軟骨組織と、まぶたを持ち上げる挙筋を縫い合わせることで、まぶたの引き上げ効果を出します。
    • 二重のラインを作る際に用いられる手法と似ていますが、眼瞼下垂の改善を目的とする場合は、目の開きを改善するように糸をかけます。
  2. ミュラー筋タッキング
    • まぶたの裏側にあるミュラー筋という筋肉を短縮する方法です。
    • ミュラー筋のゆるみが主な原因の場合や、挙筋機能が比較的良好な軽度の下垂に適用されます。
    • 研究によると、挙筋機能(LF)が7mm以上の軽度下垂の場合に推奨される術式の一つです。
  3. 眼瞼下垂専用コンタクトレンズ
    • まぶたが垂れてくるのを物理的にサポートする特殊なコンタクトレンズです。
    • 根本的な治療ではありませんが、手術をためらっている方や、一時的な症状緩和を求める方に選択肢の一つとなります。

これらの方法は、ダウンタイムが比較的短く、体への負担が少ないというメリットがあります。しかし、効果の持続性や改善度には限界があるため、患者さんの下垂の程度や希望する仕上がりによって、最適な方法を選択することが大切です。美学的に魅力的なまぶたは、適切なまぶたの高さや形状、バランスの取れた二重のラインなど、いくつかの特徴を兼ね備えています。治療を選ぶ際には、機能的な改善だけでなく、見た目の美しさも考慮に入れ、医師と十分に相談することが重要です。

保険適用となる眼瞼下垂手術の種類と術式

眼瞼下垂の症状が日常生活に支障をきたすほどの場合、美容目的ではないと医師が判断すれば、保険適用で手術を受けることができます。保険診療で行われる主な眼瞼下垂手術の種類と術式は、患者さんの眼瞼下垂のタイプや、まぶたを持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋)の機能によって選択されます。

一般的に、手術手技の選択には、術前の挙筋機能(LF)が最も重要な要素となります。これは、まぶたを持ち上げる筋肉の力がどれくらいあるかを示す指標です。

代表的な術式は以下の通りです。

  1. 眼瞼挙筋前転術・短縮術(挙筋切除術)
    • まぶたを持ち上げる眼瞼挙筋の働きが比較的良好な場合に行われる手術です。
    • 緩んでしまった挙筋を前に引き出して縫い縮めることで、筋肉の力を強化し、まぶたの開きを改善します。
    • 適応: 挙筋機能(LF)が7mm以上の軽度下垂、または4mmから7mm未満の中度下垂の患者さんに推奨されます。
    • 特徴: 自然な仕上がりが期待でき、目の開きが良くなります。
    • 先天性眼瞼下垂の患者さんを対象とした研究では、この術式を受けた患者さんの約74%が、手術後6ヶ月時点で良好な結果を示しています。ただし、過小矯正(まぶたの開きが不十分な状態)が19%、過剰矯正(まぶたが開きすぎる状態)が7%の患者さんに見られました。術前の挙筋機能は、過剰矯正のリスクの最も重要な予測因子であることが示されています。
  2. 前頭筋吊り上げ術(眼瞼吊り上げ術)
    • 眼瞼挙筋の機能が著しく低下している場合や、全く働かない重度の眼瞼下垂の場合に行われる手術です。
    • おでこの筋肉(前頭筋)の力を使ってまぶたを持ち上げるように、まぶたとおでこを特殊な素材や患者さん自身の太ももの筋膜などでつなぎます。
    • 適応: 挙筋機能(LF)が4mm未満、または1mm未満の重度の下垂の患者さんに考慮されます。
    • 特徴: まぶたをしっかりと開けることができるようになります。

これらの手術は、目の機能的な改善だけでなく、見た目の改善にもつながります。

切る手術と切らない手術の比較

眼瞼下垂の治療法として、「切る手術」と「切らない手術」のどちらを選択するかは、患者さんの症状の重さやライフスタイルによって大きく異なります。形成外科専門医、美容外科専門医として、両者の主な違いを分かりやすく比較してみましょう。

項目 切る手術(例:挙筋前転術、前頭筋吊り上げ術) 切らない手術(例:埋没法、ミュラー筋タッキング)
適応 – 中度から重度の眼瞼下垂 – 軽度の眼瞼下垂
– 挙筋機能の低下が大きい場合 – 挙筋機能が比較的良好な場合
効果 – 根本的な改善が期待でき、効果の持続性が高い – 比較的軽度の改善にとどまる場合がある
– 目の開きが大きく改善する – 効果の持続性は切る手術に劣る場合がある
持続性 – 長期的です – 個人差がありますが、再発の可能性が切る手術より高い場合があります
ダウンタイム – 腫れや内出血が強く出やすく、回復に時間がかかる傾向があります – 腫れや内出血が比較的少なく、回復が早い傾向にあります
– 数週間から数ヶ月程度が目安です – 数日から1週間程度が目安です
費用 – 機能改善目的であれば保険適用となることがあります – 基本的に自由診療となることが多く、費用は医療機関で異なります
– 自由診療では数十万円になることもあります
傷跡 – まぶたに切開線が残りますが、二重のラインに沿うため目立ちにくい工夫をします – 表面に傷跡はほとんど残りません
手術の複雑さ – より専門的な技術と経験が必要です – 比較的簡便な手技です

術前の挙筋機能は、手術の成功や転帰を予測する上で重要な因子です。また、美容的な観点からも、患者さん一人ひとりの骨や軟部組織の非対称性、眼球の位置、神経支配の状況などを詳細に評価し、最適なアプローチを選択することが、美しい仕上がりへとつながります。どちらの治療法を選ぶかは、医師との十分な話し合いを通じて、ご自身の目の状態やライフスタイル、期待する結果を明確にすることが何よりも大切です。

手術費用とダウンタイムの目安

眼瞼下垂の治療を受ける際、費用とダウンタイムは多くの方が気になる点ではないでしょうか。これらは、選択する術式や手術が保険適用になるかどうかによって大きく異なります。

1. 手術費用について

  • 保険適用の場合
    • 機能的な改善を目的とした眼瞼下垂手術は、保険が適用されることがあります。
    • まぶたが瞳孔に被さり視界を遮るなど、日常生活に支障が出ていると医師が判断した場合に適用されます。
    • 費用は、健康保険の自己負担割合(1割、2割、3割)によって変わります。
    • 例えば、片目の手術で数万円程度が目安となります。ただし、手術以外の診察料や薬代は別途かかります。
  • 自由診療の場合
    • 美容目的で目の開きを改善したい場合や、保険適用の基準に満たない場合は、自由診療となります。
    • 費用は、選択する術式(切開の有無、挙筋前転術、眼瞼吊り上げ術など)やクリニックによって大きく異なります。
    • 数十万円かかることが一般的です。

2. ダウンタイムの目安

ダウンタイムとは、手術後の腫れや内出血などが落ち着き、通常の生活に戻れるまでの期間を指します。術式によって大きく異なります。

術式 ダウンタイムの目安(一般的な腫れや内出血)
切開手術 2週間~1ヶ月程度
切らない手術 数日~1週間程度
  • 一般的な経過
    • 手術直後: 腫れや内出血が最も目立つ時期です。痛みを感じることもありますが、処方される痛み止めでコントロールできます。
    • 1週間後: 抜糸が必要な場合は行われます。大きな腫れは徐々に引いてきますが、まだ内出血が残っていることもあります。
    • 1ヶ月後: ほとんどの腫れや内出血が引き、落ち着いた状態になります。しかし、完全に馴染むまでには数ヶ月かかることもあります。

ダウンタイム中は、無理のない範囲で安静に過ごし、医師の指示に従うことが大切です。術後には、過矯正(開きすぎ)、不完全閉眼(まぶたが閉じきらない)、露出性角膜炎、眼瞼内反症などの合併症が起こる可能性もゼロではありません。しかし、これらの合併症が発生した場合でも、適切な管理戦略によって対処が可能です。発生しうる様々な合併症に対処できる能力を持つことが、真に優れた眼瞼下垂外科医であるとされています。ご不安な点があれば、いつでもご相談ください。

眼瞼下垂手術に関するQ&A

Q1: 手術後、まぶたの見た目は完全に左右対称になりますか? A1: 人間の顔は元々完全に左右対称ではありません。手術によって目の開きは改善されますが、完全に左右対称の仕上がりを保証することは難しいです。担当医はできる限り自然でバランスの取れた状態を目指して手術を行います。

Q2: 眼瞼下垂の手術は痛いですか? A2: 手術中は局所麻酔を使用するため、痛みを感じることはほとんどありません。麻酔が切れた後も、通常は処方される痛み止めで十分にコントロールできる程度の痛みです。

Q3: コンタクトレンズはいつから使用できますか? A3: 手術の種類や回復の状況によって異なりますが、一般的には抜糸後1週間から1ヶ月程度は控えていただくことが多いです。詳細は術後の診察で担当医にご確認ください。

Q4: 手術後、二重の幅は変わりますか? A4: 眼瞼下垂の手術では、まぶたの開きを改善するために、結果的に二重のラインが変化することが多くあります。元々二重の方も、手術によって二重の幅が広がる、あるいは狭まる可能性があります。手術前から、ご希望の二重のラインについて医師とよく相談することが大切です。

当院からのメッセージ

眼瞼下垂は、患者さんの見た目の印象だけでなく、日常生活における不便さや、頭痛、肩こりなどの身体的な不調にも深く関わっています。形成外科専門医、美容外科専門医として、当院では患者さん一人ひとりの症状を丁寧に診察し、ご希望を詳しく伺った上で、最適な治療法をご提案することをお約束いたします。

切開を伴う手術はもちろんのこと、切開しない方法まで、幅広い選択肢の中から、患者さんのライフスタイルや価値観に合わせた治療計画を共に立てていくことを大切にしています。手術に対する不安や疑問、費用についてのご心配など、どんな些細なことでも構いません。まずは、お気軽にご相談ください。専門医による丁寧なカウンセリングを通じて、患者さんの不安を解消し、安心して治療を受けていただけるよう、誠心誠意サポートさせていただきます。明るい視界と、自信を持って過ごせる毎日を取り戻すために、ぜひ一度当院へお越しください。心よりお待ちしております。

手術で後悔しないために知っておくべきこと;リスクとクリニック選び

眼瞼下垂の症状にお悩みの方が、明るい毎日を取り戻したいと手術を検討されることは、決して珍しいことではありません。しかし、手術と聞くと、どのような結果になるのか、痛みはあるのか、失敗しないかなど、さまざまな不安を感じることは当然のことです。安心して手術を受けていただくためには、事前にしっかりと情報を集め、手術のメリットだけでなく、起こりうるリスクや合併症についても深く理解しておくことが大切です。

形成外科専門医、美容外科専門医(JSAPS)として、私は日々の診療で多くの患者さんと向き合っていますが、どんなに細心の注意を払って手術を行っても、術後に合併症に遭遇する可能性はゼロではありません。大切なのは、正しい知識を持って、信頼できるクリニックを選ぶことです。それによって、理想的な結果に近づき、後悔のない選択ができるようになります。

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眼瞼下垂手術の主なリスクと合併症4選

眼瞼下垂の手術は、目の機能改善や見た目の印象を良くする効果が期待できる一方で、他の医療行為と同様に、リスクや合併症が伴う可能性があります。ここでは、眼瞼下垂手術で特に注意すべき主なリスクと合併症を具体的に解説いたします。

  • 1. 過矯正(目の開きすぎ)や過小矯正(目の開きが不十分)
    • 目の開き具合を調整する手術のため、希望する開き具合とわずかに異なることがあります。
    • 眼瞼挙筋の機能が、手術結果に大きく影響することが報告されています。
    • 先天性の眼瞼下垂に対する手術では、術後6ヶ月時点で約19%の患者さんに過小矯正が、約7%の患者さんに過剰矯正が見られたという報告もあります。
    • これは、まぶたを持ち上げる筋肉の力が、術前と術後でバランスを取りにくい場合に起こりえます。
  • 2. 不完全閉眼や露出性角膜炎
    • 手術によりまぶたの開きが大きくなることで、完全に目が閉じきらなくなる「不完全閉眼」のリスクがあります。
    • 目が閉じきらないと、涙の蒸発が促進され、目の表面が乾燥しやすくなります。
    • これにより、目の表面(角膜)の炎症である「露出性角膜炎」を引き起こす可能性も考えられます。
    • 術前評価でBell’s現象(目を閉じようとしたときに眼球が上転する反射)をしっかり確認することが重要です。
  • 3. 左右の目の非対称性
    • 人間の顔は元々完全に左右対称ではありません。
    • 手術によって目の開き方が改善しても、左右でわずかな差が生じ、完全に左右対称の仕上がりを保証することは難しいです。
    • 手術では、できる限り自然でバランスの取れた状態を目指して調整を行います。
  • 4. 傷跡や予想と異なる眼瞼の輪郭
    • まぶたの皮膚を切開する術式の場合、個人差はありますが、どうしても切開線が残ります。
    • 通常は時間の経過とともに目立たなくなりますが、まれに目立ちやすい傷跡になったり、まぶたの輪郭が予想と異なる形になったりすることがあります。
    • これを「眼瞼輪郭異常」と呼び、術前のデザインと、術中の細やかな調整が極めて重要になります。

これらの合併症が発生した際でも、適切に管理・修正できる能力を持つことが、真に優れた眼瞼下垂外科医であるとされています。ご不安な点は、カウンセリングでしっかりご質問ください。

失敗や後悔を避けるためのクリニック選びのポイント

眼瞼下垂の手術で後悔しないためには、クリニック選びが非常に重要です。形成外科専門医や美容外科専門医(JSAPS)としての視点から、失敗や後悔を避けるためのポイントを具体的にご紹介します。

  • 1. 医師の専門性と経験
    • 眼瞼下垂の手術は、まぶたの解剖学的知識と高い技術が求められる、専門性の高い医療行為です。
    • 形成外科や眼科の専門医資格を持ち、眼瞼下垂手術の経験が豊富な医師を選ぶことが大切です。
    • 多様な手術手技を習得し、患者さん一人ひとりの状態に合わせた適切な術式を選択できる医師が理想的です。
    • 特に、術後合併症への対処能力を持つ医師を選ぶことが、長期的な安心につながります。
  • 2. 丁寧な術前評価と診察の質
    • 手術計画を正しく立てるためには、詳細な病歴の聴取と、綿密な診察が不可欠です。
    • 当院では、まぶたの開き具合だけでなく、以下の項目を多角的な視点から評価します。
      • MRD-1(Marginal Reflex Distance-1)
        • 黒目の中心から上まぶたの縁までの距離です。
      • 挙筋機能(Levator Function: LF)
        • まぶたを持ち上げる筋肉の力の強さを測ります。
        • この挙筋機能は、最適な手術手技を選択する上で最も重要な要素とされています。
      • Bell’s現象(ベル現象)
        • 目を閉じようとしたときに、眼球が上転する反射の有無を確認します。
      • 前頭筋機能(ぜんとうきんきのう)
        • おでこの筋肉が、まぶたの動きにどの程度関与しているかを評価します。
      • 眼位(がんい)
        • 目の位置のズレがないかを確認します。
      • 眼球運動
        • 目の動きに異常がないかを確認します。
    • これらの包括的な評価を行うクリニックを選びましょう。
  • 3. 十分な説明とカウンセリングの質
    • 手術の内容、期待できる効果、そして起こりうるリスクや合併症について、患者さんが納得できるまで丁寧に説明してくれるクリニックを選びましょう。
    • 質問に対して明確に答えてくれるか、患者さんの不安に寄り添ってくれるかも大切なポイントです。
    • 万が一、合併症が起きた際の対応策についても、詳しく説明してくれるか確認することをおすすめします。
  • 4. 術後のフォロー体制
    • 手術は成功して終わりではありません。
    • 術後の定期検診や、腫れ、痛み、違和感などに対する適切なアフターケアが非常に重要です。
    • そして、合併症が発生した場合の管理戦略がしっかりしているクリニックを選ぶことで、より安心して治療を受けることができます。
    • 当院では、手術後の患者さんが安心して回復できるよう、万全のサポート体制を整えています。

術前・術後の具体的な過ごし方と注意点

眼瞼下垂の手術を成功させ、スムーズに回復するためには、術前と術後の過ごし方も非常に重要です。形成外科専門医の視点から、具体的な注意点を確認し、手術に備えましょう。

【術前の過ごし方】

  • 服用薬の確認: 持病で服用しているお薬がある場合は、必ず事前に医師に伝えてください。
    • 血液をサラサラにする薬などは、手術前に一時的に休止する必要がある場合があります。
    • 自己判断で中断せず、医師の指示に従うことが大切です。
  • 禁煙: タバコは血行を悪くし、傷の治りを遅らせる可能性があるため、手術の数週間前から禁煙することが強く推奨されます。
    • 喫煙は合併症のリスクを高めることも知られています。
  • 飲酒の制限: アルコールは血行を促進し、内出血や腫れを悪化させる可能性があるため、術前は控えめにしましょう。
  • 健康状態の管理: 手術日に体調を崩さないよう、規則正しい生活を心がけ、十分な睡眠を取ることが大切です。
    • 体調が良い状態で手術に臨むことが、安全な手術とスムーズな回復につながります。

【術後の過ごし方と注意点】

  • 安静と冷却: 術後数日間は安静に過ごし、まぶたを冷やすことで、腫れや内出血を抑えることができます。
    • 冷却は、清潔なガーゼなどで包んだ保冷剤を、まぶたの上に優しく置くようにしてください。
    • 直接肌に当てると凍傷の恐れがあるため注意が必要です。
  • 洗顔・入浴: 術後しばらくは、傷口を濡らさないように注意が必要です。
    • 医師の指示に従い、洗顔やシャワー、入浴の開始時期を確認しましょう。
    • 多くの場合、抜糸までは患部を濡らさないように指示されます。
  • 運動・コンタクトレンズ: 激しい運動は、血行を促進し、腫れを悪化させる可能性があるため、術後しばらくは避けるべきです。
    • また、コンタクトレンズの装用も、まぶたへの刺激となるため、医師の許可があるまで控えてください。
    • メガネの使用をおすすめします。
  • 異常時の対応: 術後に強い痛みや、視力低下、目の充血、発熱など、気になる症状が現れた場合は、すぐにクリニックに連絡し、指示を仰ぐようにしてください。
    • 特に、過矯正(開きすぎ)、不完全閉眼(まぶたが閉じきらない)、露出性角膜炎、眼瞼内反症などの合併症が起こる可能性もゼロではありません。
    • しかし、これらの合併症が発生した場合でも、適切な管理戦略によって対処が可能です。

これらの注意点を守ることで、より安全に、より早く回復を目指すことができます。

無料カウンセリングで疑問を解消

眼瞼下垂の手術を検討する上で、不安や疑問を抱えることはごく自然なことです。そのような時には、積極的に無料カウンセリングを活用し、疑問を解消することをおすすめします。カウンセリングは、クリニックの雰囲気や医師の考え方を知る貴重な機会です。当院でも無料カウンセリングを随時実施しております。

Q&A

Q1: 手術後、まぶたの見た目は完全に左右対称になりますか? A1: 人間の顔は元々完全に左右対称ではありません。手術によって目の開きは改善されますが、完全に左右対称の仕上がりを保証することは難しいです。担当医はできる限り自然でバランスの取れた状態を目指して手術を行います。

Q2: 眼瞼下垂の手術は痛いですか? A2: 手術中は局所麻酔を使用するため、痛みを感じることはほとんどありません。麻酔の注射の際にチクッとした痛みがある程度です。術後は麻酔が切れると多少の痛みを感じることがありますが、通常は処方される痛み止めで十分にコントロールできる範囲です。

Q3: コンタクトレンズはいつから使用できますか? A3: 手術の種類や回復の状況によって異なりますが、一般的には抜糸後1週間から1ヶ月程度は控えていただくことが多いです。まぶたへの刺激を避けるため、医師の許可が出るまでメガネのご使用をおすすめします。詳細は術後の診察で担当医にご確認ください。

Q4: 手術後、二重の幅は変わりますか? A4: 眼瞼下垂の手術では、まぶたの開きを改善するために、結果的に二重のラインが変化することが多くあります。元々二重の方も、手術によって二重の幅が広がる、あるいは狭まる可能性があります。手術前から、ご希望の二重のラインについて医師とよく相談することが大切です。

Q5: 再手術は可能ですか? A5: 状態にもよりますが、再手術が可能なケースもあります。過矯正や過小矯正、左右の非対称性など、術後の状態によっては、修正手術を検討することがあります。再手術の可否や適切な時期については、担当の医師にご相談ください。

当院からのメッセージ 眼瞼下垂は、患者さんの見た目の印象だけでなく、日常生活における不便さや、頭痛、肩こりなどの身体的な不調にも深く関わっています。形成外科専門医、美容外科専門医(JSAPS)として、当院では患者さん一人ひとりの症状を丁寧に診察し、ご希望を詳しく伺った上で、最適な治療法をご提案することをお約束いたします。

切開を伴う手術はもちろんのこと、切開しない方法まで、幅広い選択肢の中から、患者さんのライフスタイルや価値観に合わせた治療計画を共に立てていくことを大切にしています。手術に対する不安や疑問、費用についてのご心配など、どんな些細なことでも構いません。まずは、お気軽にご相談ください。専門医による丁寧なカウンセリングを通じて、患者さんの不安を解消し、安心して治療を受けていただけるよう、誠心誠意サポートさせていただきます。明るい視界と、自信を持って過ごせる毎日を取り戻すために、ぜひ一度当院へお越しください。心よりお待ちしております。

まとめ

眼瞼下垂は、見た目の印象だけでなく、頭痛や肩こり、視野の狭まりなど、日常生活に様々な影響を及ぼす可能性があります。しかし、正しい知識を持ち、ご自身の状態を理解することで、そのお悩みは改善できる可能性があることを本記事ではご紹介しました。自己判断で悩みを抱え込まず、気になる症状があれば、まずは形成外科や眼科の専門医にご相談ください。

当院では、患者さん一人ひとりの症状やご希望を丁寧に伺い、最適な治療法をご提案することをお約束いたします。切開の有無に関わらず、様々な選択肢がありますので、不安なこと、疑問に思うことがあれば、どんな些細なことでも構いません。専門医による丁寧なカウンセリングを通じて、安心して治療に臨めるよう、誠心誠意サポートさせていただきます。明るい視界と自信を持って過ごせる毎日を取り戻すため、ぜひ一度ご相談ください。心よりお待ちしております。

参考文献

  1. Zhou X, Liu F, Du Y, Li D, Ouyang T, Yang J. Consensus on the diagnosis and treatment of blepharoptosis.
  2. Cates CA, Tyers AG. Outcomes of anterior levator resection in congenital blepharoptosis.
  3. Ahmad SM, Della Rocca RC. Blepharoptosis: evaluation, techniques, and complications.
  4. Bacharach J, Lee WW, Harrison AR, Freddo TF. A review of acquired blepharoptosis: prevalence, diagnosis, and current treatment options.
  5. 美容眼瞼形成術における眼瞼下垂治療と組み合わせた瞼板前縁の管理.