ヒアルロン酸注入で何ができるの?初めてのヒアルロン酸ガイド
年齢とともに気になるほうれい線や目の下のくぼみ。「メスを使わずに理想の自分に近づきたい」と願う方にとって、ヒアルロン酸注入は身近で魅力的な選択肢です。注射だけでシワを改善し、シャープな輪郭を手に入れることができます。
しかし、その「手軽さ」のイメージだけで施術を決めるのは待ってください。ヒアルロン酸注入は、時に皮膚の壊死や失明といった重篤なリスクも伴う医療行為です。また、ただ注入するだけでは不自然な「ヒアル顔」になってしまう失敗例も後を絶ちません。
この記事では、ヒアルロン酸で叶う理想の姿から、痛みや費用、そして後悔しないためのクリニック選びまで、あなたが本当に知るべき情報を網羅しました。ご自身の魅力を最大限に引き出すために、まずは正しい知識を身につけましょう。
ヒアルロン酸注入で叶える理想の顔立ち
年齢を重ねるにつれて気になるほうれい線や目の下のくぼみ。 あるいは、もう少し鼻が高かったら、顎のラインがシャープだったら。 このようなお顔立ちに関する様々なお悩みに応えるのがヒアルロン酸注入です。
ヒアルロン酸は、もともと私たちの皮膚や関節などに存在する成分です。 水分を抱え込む性質(保水力)があり、肌の潤いや弾力を保っています。 体にもとからある成分のため、アレルギー反応のリスクが非常に少なく、安全性が高い「生体適合性」という特徴があります。
近年、美容医療は局所的な修正から、顔全体の調和を重視する包括的なアプローチへと移行しています。 ただシワの溝を埋めるだけでは、満足のいく自然な結果は得られません。 医師が患者様のお悩みの根本原因を分析し、リフトアップ効果やボリュームの最適化を戦略的に計画することが重要です。 このアプローチにより、お顔全体のバランスが整い、より若々しく調和のとれた自然な美しさを引き出すことを目指します。
ほうれい線・マリオネットラインのシワ改善効果
ほうれい線や口角から下に伸びるマリオネットライン。 これらは無表情のときでも目立つため、老けた印象や不機嫌な印象を与えがちです。 この「刻まれたシワ」は、加齢で皮下脂肪やコラーゲンが減少し、骨格も変化することで皮膚がたるみ、深くなっていきます。
ヒアルロン酸注入は、シワの溝の直下に直接注入します。 そして皮膚を内側から持ち上げることで、シワを目立たなくさせる治療法です。
【ヒアルロン酸によるシワ改善の仕組み】
- ボリューム補充効果 へこんでしまったシワの下にヒアルロン酸を注入し、物理的に皮膚を持ち上げて溝を浅くします。
- 肌のハリ・弾力アップ ヒアルロン酸が持つ高い保水力で、周辺の組織に潤いを与えます。これにより、肌自体のハリや弾力をサポートする効果も期待できます。
重要なのは、ただシワの溝を埋めるだけでなく、顔全体のバランスを見ながら注入することです。 例えば、ほうれい線の本当の原因が頬のたるみにある場合も少なくありません。 その場合は、頬骨の高い位置にヒアルロン酸を注入してリフトアップさせます。 そうすることで、より自然で効果的な改善が期待できるのです。 一人ひとりの骨格やたるみの状態に合わせ、注入部位や量を調整することが、若々しく自然な仕上がりへの鍵となります。
目の下のクマ・くぼみを解消して若々しい印象に
「しっかり寝ているのに疲れて見える」 「実年齢より老けて見られる」 これらのお悩みの原因として、目の下のクマやくぼみが挙げられます。
特に、加齢とともに眼窩(がんか)という目の周りの脂肪を支える組織がゆるみます。 そして皮膚が薄くなることでできる「影クマ」は、セルフケアでの改善が難しい症状です。
ヒアルロン酸注入では、このくぼんだ部分に少量ずつ丁寧に注入します。 ボリュームを補い皮膚を平らにすることで、影を目立たなくさせます。 その結果、お顔全体がパッと明るく、若々しい印象に変わります。
ただし、目の下の皮膚は非常に薄くデリケートです。 そのため、特に繊細な技術が求められる部位でもあります。
【目の下への注入における注意点】
- 製剤の選択 粒子が細かく、なめらかで柔らかいヒアルロン酸製剤を選ぶ必要があります。硬い製剤だと凹凸が目立ちやすくなります。
- 注入層と量 皮膚の浅い層に注入しすぎたり、量が多すぎたりすると、ヒアルロン酸が青白く透けて見える「チンダル現象」が起こることがあります。
- 医師の技術 血管や神経の走行を熟知し、解剖学に基づいた正確な注入ができる経験豊富な医師を選ぶことが極めて重要です。
目の下の治療は、ほんの少しの変化で大きく印象を変えることができます。 だからこそ、信頼できるクリニックで、ご自身の状態に合った最適な治療計画について相談することが大切です。
鼻筋・顎の輪郭形成でシャープなEラインへ
ヒアルロン酸注入はシワ改善だけでなく、輪郭形成にも広く用いられます。 鼻筋を高く通したり、顎の形をシャープに整えたりといった、いわゆる「プチ整形」です。 メスを使わず、注射だけで理想のフェイスラインに近づけることができるのが大きな魅力です。
特に横顔の美しさの指標とされるのが「Eライン(エステティックライン)」です。 これは、鼻先・唇・顎先を結んだ直線のことを指します。 ヒアルロン酸を鼻根部や鼻筋、顎先に注入することで、このEラインを美しく整えることが可能です。
| 注入部位 | 期待できる効果 |
|---|---|
| 鼻 | ・鼻筋を高くする ・鼻根部の高さを出す ・鷲鼻などの凹凸をなめらかにする |
| 顎 | ・顎をシャープに見せる ・顎を前に出してEラインを整える ・顎にできる梅干しジワを改善する |
輪郭形成では、形をしっかりと維持するために、比較的「硬い」テクスチャーのヒアルロン酸製剤を使用します。 柔らかい製剤では、重力や筋肉の動きによって形が崩れやすくなってしまうためです。 しかし、ただ高くしたり尖らせたりするだけでは、不自然な印象になりかねません。 おでこから鼻へのラインや顔全体のバランスを考慮した、オーダーメイドのデザインが自然で美しい仕上がりを実現します。
唇・涙袋・おでこをふっくらさせて魅力的に
ヒアルロン酸は、お顔の各パーツにボリュームを与え、より魅力的で若々しい印象を作り出すことも得意な治療です。
- 唇 年齢とともに薄くなる唇にボリュームを出したり、縦ジワを改善したりします。ふっくらと潤いのある魅力的な唇に導きます。口角に注入して、自然に微笑んでいるような印象を作ることも可能です。
- 涙袋 目の下にヒアルロン酸を注入して涙袋を形成します。目が大きく見え、優しく可愛らしい印象の目元になります。
- おでこ 丸みのあるおでこは、女性らしく若々しい印象を与えます。ヒアルロン酸で額に自然な丸みを出すことで、横顔のシルエットも美しく整います。また、額にハリが出ることで、横ジワの改善も期待できます。
これらの部位は皮膚が柔らかく、表情によってよく動く場所です。 そのため、なじみが良く、しなやかな「柔らかい」テクスチャーのヒアルロン酸製剤が適しています。 注入直後は少し違和感を覚えるかもしれませんが、通常は1週間ほどで馴染んできます。 部位ごとの特性に合わせた製剤選びと、繊細な注入技術が、ナチュラルで魅力的な仕上がりにつながります。
ボトックス注射との違いと効果的な使い分け
シワ治療としてヒアルロン酸と共によく名前が挙がるのが「ボトックス注射」です。 どちらも注射による手軽な治療ですが、その作用の仕組みと得意なシワの種類が全く異なります。
| ヒアルロン酸注入 | ボトックス注射 | |
|---|---|---|
| 作用の仕組み | 物理的に溝を埋め、ボリュームを補う | 筋肉の動きを一時的に緩める |
| 得意なシワ | 静的ジワ (無表情でも刻まれているシワ) | 動的ジワ (表情を作ったときにできるシワ) |
| 主な適用部位 | ほうれい線、マリオネットライン、目の下のくぼみ | 眉間、目尻、額、顎の梅干しジワ |
| その他の効果 | 輪郭形成(鼻・顎)、ボリュームアップ(唇・涙袋) | エラの張り改善(小顔)、多汗症治療 |
例えば、眉間に深く刻まれてしまったシワを考えてみましょう。 この場合、まずはボトックス注射でシワを寄せる筋肉の動きを止めます。 それでも残ってしまう溝に対して、ヒアルロン酸を少量注入するという「コンビネーション治療」が非常に効果的です。
このように、ヒアルロン酸とボトックスは、どちらか一方が優れているというものではありません。 お悩みの原因に合わせて適切に使い分けたり、組み合わせたりすることが重要です。 これにより、より満足度の高い結果を目指すことができます。 ご自身のシワがどちらのタイプなのか、どのような治療が最適なのか、まずは専門の医師にご相談ください。
施術前からアフターケアまで知っておきたい全知識
ヒアルロン酸注入を初めて検討される際、たくさんの疑問や不安があるかと思います。 どのような流れで進むのか、痛みやダウンタイムはどの程度なのか。 費用はいくらかかるのか、など気になることは尽きません。
しかし、施術前からアフターケアまでの一連の流れを知ることは重要です。 事前に知識を得ることで、安心して施術に臨むことができます。 ここでは、カウンセリングから施術後の過ごし方までを一つひとつ丁寧に解説します。
カウンセリングから施術後までの具体的な流れ
ヒアルロン酸注入の満足度は、カウンセリングで決まると言っても過言ではありません。 医師と患者様の認識をすり合わせる、非常に重要なプロセスです。
- カウンセリング・診察
- お悩みと理想の共有 医師があなたのお悩みや理想の仕上がりを詳しくお伺いします。 「ほうれい線を浅くしたい」といった具体的な希望だけでなく、「優しく見られたい」「疲れた印象をなくしたい」などの、なりたいイメージを遠慮なくお伝えください。 逆に「こうはなりたくない」というイメージを共有することも、ミスマッチを防ぐ上で有効です。
- 医師によるアセスメント お顔全体のバランス、骨格、皮膚の厚み、筋肉の動きなどを診察します。 シワやたるみの根本的な原因を解剖学的に分析し、最適な治療計画をご提案します。 この時、効果だけでなく副作用やリスク、費用についても丁寧に説明します。 疑問や不安な点は、ささいなことでも必ず質問しましょう。 信頼できる医師は、患者様が納得するまで真摯に向き合ってくれます。
- 施術当日
- 準備 正確な注入のために、まずメイクを落として肌を清潔な状態にします。 次に、施術前後の変化を客観的に評価するため、写真撮影を行います。 痛みを和らげるために、麻酔クリームの塗布や局所麻酔注射を行います。
- デザインと注入 鏡を見ながら、注入部位やデザインの最終確認を行います。 マーキング後、医師が極細の針や特殊な針(カニューレ)を用いて、丁寧にヒアルロン酸を注入していきます。 施術時間は部位によりますが、10分〜30分程度です。
- 施術直後 注入部位を軽く圧迫し、クーリング(冷却)します。 これにより、腫れや内出血のリスクを最小限に抑えます。
- アフターケア 施術後はすぐにご帰宅いただけます。 施術当日からメイクも可能ですが、注入部位を強くこすらないようにご注意ください。 万が一、施術後に強い痛みや皮膚の色の変化など気になる症状が出た場合に備え、緊急連絡先などアフターフォローがしっかりしているクリニックを選びましょう。
痛みはどのくらい?麻酔の種類と痛みを抑える工夫
注射と聞くと、痛みが心配になる方も多いでしょう。 ヒアルロン酸注入では注射針を使うため、チクッとした痛みは伴います。 しかし、痛みを最小限に抑えるために、医療現場では様々な工夫がされています。
- 麻酔の使用で痛みをコントロール
- 麻酔クリーム 皮膚の表面に塗るタイプの麻酔です。 皮膚の感覚を鈍らせ、針を刺す時の痛みを和らげます。
- 局所麻酔注射 歯科治療でも使われる注射の麻酔です。 注入部位の神経の働きを一時的にブロックし、痛みをしっかり抑えます。
- 麻酔成分入りの製剤 ヒアルロン酸製剤自体に麻酔成分(リドカイン)が含まれているものも多くあります。 注入しながら麻酔が効くため、施術中の不快感を軽減します。
- 針の選択と医師の技術
- 極細の注射針 針が細ければ細いほど、皮膚を通過する際の抵抗が少なく、痛みも軽減されます。
- マイクロカニューレ 先端が丸く、横に穴が開いている特殊な針です。 血管や神経を傷つけるリスクが低く、痛みや内出血を大幅に軽減できます。 また、1つの入り口から広範囲に注入できるため、針を刺す回数自体を減らせます。
施術後に麻酔が切れると、ズーンとした鈍い痛みを感じることがあります。 しかし、この痛みは数日で自然に治まることがほとんどです。 痛みが長引く場合は、我慢せずに必ずクリニックへご相談ください。
ダウンタイムの期間と症状(腫れ・内出血)の経過
ダウンタイムとは、施術による症状が落ち着き、普段通りの生活に戻るまでの期間です。 ヒアルロン酸注入はダウンタイムが比較的短い治療ですが、症状の出方には個人差があります。
- 主な症状と経過の目安
- 腫れ・むくみ 注射による刺激やヒアルロン酸の保水性により、注入部位が腫れたりむくんだりします。 通常、施術後2〜3日がピークで、1週間ほどで自然に落ち着きます。
- 内出血 注射針が皮下の毛細血管に触れると内出血が起こります。 直後よりも翌日以降に青紫色で現れ、その後1〜2週間かけて黄色っぽく変化しながら吸収されていきます。 ほとんどはコンシーラーで隠せる程度です。
- ダウンタイムを穏やかに過ごすためのポイント
- 血行を促進する行動は避ける 施術当日は、長時間の入浴、サウナ、激しい運動、飲酒は控えましょう。 血行が良くなると血管が拡張し、腫れや内出血が悪化する可能性があります。
- 注入部位を刺激しない 注入部位を強く押したり、マッサージしたりするのは避けてください。 ヒアルロン酸が移動したり、炎症が長引いたりする原因になります。
効果の持続期間と長持ちさせるためのポイント
ヒアルロン酸の効果は永久ではありません。 注入されたヒアルロン酸は、体内の酵素によって少しずつ分解・吸収されていきます。 持続期間は製剤の種類や注入部位、個人の体質により異なりますが、目安は6ヶ月〜2年程度です。
- 製剤の種類による違い 一般的に、鼻や顎の輪郭形成に用いる硬いヒアルロン酸は、分子の結びつきが強く分解されにくいため、持続期間が長い傾向にあります(約1〜2年)。 一方、唇や涙袋など柔らかい部位に用いる製剤は、なじみが良い分、吸収が早く持続期間は比較的短めです(約6ヶ月〜1年)。
- 効果をできるだけ長持ちさせるには
- 定期的なメンテナンス ヒアルロン酸が完全に吸収される前に、少量を追加で注入する「タッチアップ」が効果的です。 定期的なメンテナンスは、美しい状態をキープしやすくします。
- 健やかな生活習慣 極端なダイエットや睡眠不足は、肌の代謝に影響を与えます。 バランスの取れた食事や十分な睡眠を心がけ、体の内側から美しさをサポートしましょう。
- 日々のスキンケア 肌の健康状態は、治療結果にも影響します。 ある研究では、手術前に特定の美容成分で肌の状態を整えることで、術後の回復が促進されたという報告もあります。 日頃から保湿や紫外線対策を徹底し、肌のコンディションを良好に保つことが、長期的な美しさにつながる可能性があります。
部位別・製剤別の料金相場と総額費用の目安
ヒアルロン酸注入は自由診療のため、料金はクリニックによって様々です。 カウンセリングの段階で、費用の総額を明確に確認することが非常に重要です。
- 料金を構成する主な要素
- 製剤料:使用するヒアルロン酸の種類と量(cc)によって決まります。
- 施術料:医師の技術料などが含まれます。
- その他:初診料、麻酔代、マイクロカニューレ代などが別途必要な場合があります。
- 料金相場の目安(1ccあたり) | 施術部位 | 注入量の目安 | 料金相場(税込) | 持続期間の目安 | | :— | :— | :— | :— | | ほうれい線 | 1〜2cc | 60,000円〜150,000円 | 約1年〜2年 | | 目の下のクマ | 1cc | 70,000円〜120,000円 | 約1年 | | 涙袋 | 0.5〜1cc | 50,000円〜80,000円 | 約6ヶ月〜1年 | | 唇 | 1cc | 60,000円〜100,000円 | 約6ヶ月〜1年 | | 鼻・顎 | 1〜2cc | 70,000円〜160,000円 | 約1年半〜2年 | ※上記はあくまで一般的な目安です。実際の料金はクリニックにご確認ください。
ヒアルロン酸に関するFAQ
Q. なぜクリニックによって料金がこんなに違うのですか? A. 料金の違いは、主に以下の要因によります。
- 使用する製剤の品質:正規代理店から仕入れた高品質な製剤は原価が高くなります。
- 医師の技術力と経験:経験豊富な医師の技術料は料金に反映されます。
- 安全対策と設備:マイクロカニューレの使用や、緊急時対応の体制もコストに含まれます。 料金の安さだけで選ぶのではなく、安全性や信頼性を重視してクリニックを選ぶことが、後悔しないための鍵となります。
Q. 見積もり以外に追加費用がかかることはありますか? A. クリニックによっては、カウンセリング時に提示された料金以外に、麻酔代や針代などが追加で発生する場合があります。 カウンセリングの際に、提示された金額に何が含まれているのか、追加費用が発生する可能性はあるのかを必ず確認しましょう。 当院では、患者様一人ひとりのお悩みに合わせて最適な治療プランをご提案し、事前に明確な総額費用をご提示します。 まずはお気軽にカウンセリングへお越しください。
後悔しないために知るべき安全性とクリニック選び
ヒアルロン酸注入は、シワ改善や輪郭形成に役立つ身近な施術です。 しかし「注射だけ」という手軽なイメージとは裏腹に、これは体内に物質を注入する、紛れもない「医療行為」です。 だからこそ、安心して施術を受けるためには安全性を正しく理解することが大切です。 そして信頼できるクリニックを選ぶことが、何よりも重要になります。 納得のいく結果を得て心から満足するために、知っておくべき重要なポイントを一緒に確認していきましょう。

内出血やしこりだけじゃない 重篤な副作用(血管閉塞)のリスク
ヒアルロン酸注入には、副作用が起こる可能性があります。 その多くは一時的で、時間の経過とともに自然に改善していきます。
- 内出血
- 注射針が皮下の毛細血管に触れると起こります。
- 通常は1〜2週間ほどで、紫色から黄色へと変化しながら消えていきます。
- 腫れ・むくみ
- 注射による刺激やヒアルロン酸の保水性により生じます。
- 施術後2〜3日をピークに、数日〜1週間ほどで落ち着くことがほとんどです。
- しこり
- 注入したヒアルロン酸が、一時的に塊のように感じられることがあります。
- 多くは時間とともになじんでいきますが、長く続く場合はご相談ください。
- アレルギー反応
- 非常にまれですが、赤み、かゆみ、熱感などが現れることがあります。
- 施術直後だけでなく、数日経ってから症状が出ることもあります。
これらの副作用は比較的軽微なものですが、最も警戒すべきは「血管閉塞」という重篤な副作用です。 これは、注入されたヒアルロン酸が誤って動脈に入り込み、血流を塞き止めてしまうことで発生します。 血流が途絶えた先の皮膚組織は栄養を受け取れず、最悪の場合、皮膚が壊死したり、失明に至ったりするケースも国内外で報告されています。
顔には無数の血管が複雑に走行しており、その配置には大きな個人差があります。 ある研究レビューでは、特に前頭部の血管分布に著しい解剖学的変異が見られることが示されています。 これは、教科書通りの血管走行ではない方が多いということを意味します。 そのため、医師には顔の解剖に関する深い知識はもちろんのこと、想定外の血管走行にも対応できる高度な技術と経験が不可欠です。 万が一、施術中に激しい痛みや皮膚の色の急な変化など、血管閉塞の兆候が見られた場合は、直ちにヒアルロン酸を溶かす緊急処置が必要となります。
「ヒアルロン酸は溶かせる」は本当?修正治療の実態
「もし仕上がりがイメージと違ったら…」という不安に対し、ヒアルロン酸には切り札があります。 それは、専用の分解酵素(ヒアルロニダーゼ)を注射することで、注入したヒアルロン酸を溶かし、元に近い状態に戻せる点です。 これは、ヒアルロン酸治療の大きなメリットの一つと言えるでしょう。
【ヒアルロン酸分解注射が行われるケース】
- 注入量が多すぎて、不自然な仕上がりになった
- 注入後の形に左右差が生じてしまった
- しこりができてしまい、なじまない
- 血管閉塞など、緊急の対応が必要になった
ただし、この修正治療にも知っておくべき注意点があります。
- アレルギーのリスク 分解酵素に対しても、まれにアレルギー反応が起こる可能性があります。
- ご自身のヒアルロン酸も溶ける可能性 注入したヒアルロン酸だけでなく、もともと体内にある自身のヒアルロン酸も、わずかに分解されてしまうことがあります。
- 完全には元に戻らないケースも 注入から時間が経過し、ヒアルロン酸の周りにコラーゲンの膜(線維化)が形成されると、一度の注射では溶かしきれないことがあります。
「いざとなれば溶かせるから大丈夫」と安易に考えるべきではありません。 そもそも修正が不要であるように、初回から慎重にクリニックと医師を選ぶことが最も賢明な選択です。
失敗例から学ぶ 信頼できる医師・クリニックの見極め方
残念ながら、ヒアルロン酸注入による「失敗」と感じる結果になってしまうケースも存在します。 よくある失敗例とその原因を知ることは、信頼できる施術者を選ぶ上で重要な指針となります。
| よくある失敗例 | 主な原因 |
|---|---|
| 左右非対称になる | ・医師のデザイン力不足 ・顔全体のバランスや筋肉の動きを考慮していない |
| 皮膚表面がボコボコする | ・注入層が浅すぎる、または注入量が不均一 ・皮膚の厚みに合わない製剤を選択している |
| いわゆる「ヒアル顔」 | ・過剰な量を注入している ・患者様の骨格を無視した画一的なデザイン |
| 青白く透けて見える(チンダル現象) | ・目の下など皮膚の薄い部位の浅い層に注入している |
| 鼻筋が太く不自然になる(アバター様) | ・鼻の形成に適さない柔らかい製剤を使用している ・骨格に対して注入量が多すぎる |
これらの失敗を回避し、安心して任せられるクリニックを見つけるために、以下の点をチェックしてみてください。
【信頼できる医師・クリニックの見極め方チェックリスト】
- □ カウンセリングに十分な時間をかけ、丁寧に話を聞いてくれるか
- □ 施術のメリットだけでなく、リスクや副作用も具体的に説明してくれるか
- □ 顔の解剖学、特に血管走行の個人差について熟知しているか
- □ あなたの悩みに合わせ、複数の治療法やデザインを提案してくれるか
- □ 症例写真が豊富で、その仕上がりが自然で美しいか
- □ 緊急時の連絡先やアフターフォローの体制が明確になっているか
- □ 必要以上の量を勧めたり、高額な契約を急かしたりしないか
カウンセリングは、治療内容を理解するだけでなく、医師との信頼関係を築けるかを見極める場でもあります。 少しでも疑問や不安を感じたら、複数のクリニックで話を聞き、心から納得できる医師を見つけることをお勧めします。
自然な仕上がりを実現するための重要なポイント
ヒアルロン酸注入で目指すべきゴールは、誰が見ても「注入した」とわかる変化ではありません。 ご自身の本来の魅力を引き出し、自然で健康的に若々しく見える仕上がりです。 そのために、私たちは以下の3つのポイントを特に重要視しています。
1. 顔全体の調和を最優先に考える 気になるほうれい線の溝だけを埋めても、根本的な原因が頬のたるみであれば、顔がパンパンに見えて不自然な印象になりかねません。 優れた医師は、お顔全体の骨格、脂肪の付き方、筋肉の動きを総合的に評価します。 そして、全体の調和が最も美しく見えるように、注入する場所と量を戦略的に計画します。
2. 部位の特性に合わせた「適材適所」の製剤選び ヒアルロン酸製剤には、硬さや粒子の大きさ、組織へのなじみやすさなどが異なる、多種多様な製品があります。 例えば、シャープなラインを作りたい顎には形を保ちやすい硬い製剤を。 よく動く唇や皮膚の薄い目の下には、なめらかで柔らかい製剤を選ぶ必要があります。 この製剤選択を的確に行うことが、自然で長持ちする結果につながります。
3. 「やりすぎない」注入量 美しく仕上げる秘訣は、時に「少し物足りない」と感じるくらいで一度施術を終えることです。 注入直後は麻酔や組織の反応で多少の腫れがあるため、その時点で完璧を目指すと、腫れが引いた後に「入れすぎた」と感じてしまうリスクがあります。 ヒアルロン酸は、足りなければ後から追加(タッチアップ)することが可能です。 安全性を最優先し、慎重に美しさを追求することが、最終的な満足度を高めます。
当院では、患者様一人ひとりのお顔立ちと理想に真摯に向き合い、オーダーメイドの治療をご提案します。 まずはお悩みをじっくりお聞かせいただくカウンセリングへ、お気軽にお越しください。
まとめ
今回は、初めてのヒアルロン酸注入で気になるポイントを、幅広く解説しました。
ヒアルロン酸注入は、シワ改善や輪郭形成など、様々なお悩みに応えてくれる魅力的な治療です。 しかし、手軽なイメージとは裏腹に、これは紛れもない「医療行為」です。
満足のいく結果を得るための鍵は、顔の解剖学を熟知し、あなただけの美しさのバランスを見極めてくれる、信頼できる医師を選ぶことです。 この記事で得た知識を参考に、まずは勇気を出してクリニックのカウンセリングへ足を運んでみてはいかがでしょうか。 あなたの悩みや理想を専門家と共有することが、自信を持って輝くための大切な第一歩になるはずです。
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参考文献
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- and Song B. “Hyaluronic Acid: A Review of Clinical Applications in Human and Veterinary Dentistry.” Journal of veterinary dentistry 43, no. 1 (2026): 63-73.
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