名古屋市「新瑞橋」美容外科・美容皮膚科・形成外科・一般皮膚科

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円形脱毛症の治療について

円形脱毛症の主な原因と種類5選

突然、円形の脱毛斑が見つかると、多くの方が大きな不安を感じることと思います。見た目の変化は、時に精神的な負担となり、生活の質(QOL)を大きく低下させることもあります。円形脱毛症は、決して珍しい病気ではありません。皮膚科医として、そして形成外科・美容外科専門医(JSAPS)としての視点から、この病気の原因や種類、見過ごしやすいサイン、他の脱毛症との違いについて、患者さんの立場に寄り添いながら詳しく解説いたします。ご自身の状態を理解し、一歩前向きに治療へと進むための一助となれば幸いです。

円形脱毛症の種類と発症メカニズム

円形脱毛症は、その症状の現れ方によっていくつかの種類に分類されます。単に髪の毛が抜けるだけでなく、その範囲や進行パターンは患者さんによって大きく異なります。

主な種類は以下の通りです。

  • 単発型(たんぱつがた)
    • 頭皮にコイン大の脱毛斑が一つだけ現れるタイプです。
    • 比較的軽症で、自然に治ることも少なくありません。
  • 多発型(たはつがた)
    • 単発型の脱毛斑が複数箇所に現れるタイプです。
    • 脱毛斑が融合して広範囲になることもあります。
  • 全頭型(ぜんとうがた)
    • 頭部全体の髪の毛が、ほとんどすべて抜け落ちてしまう重度のタイプです。
  • 汎発型(はんぱつがた)
    • 頭髪だけでなく、眉毛、まつ毛、ひげ、さらには全身の体毛まで抜け落ちる最も重いタイプです。
  • 蛇行型(だこうがた)
    • 生え際や後頭部の毛髪が、帯状に波打つように抜け落ちるタイプです。
    • 比較的治療が難しいとされています。

円形脱毛症が発症するメカニズムは、主に「自己免疫反応」が関与していると考えられています。私たちの体には、外部からのウイルスや細菌などを攻撃して体を守る「免疫」という防御システムが備わっています。しかし、円形脱毛症では、この免疫システムに異常が生じます。

具体的には、本来は自分の体を守るはずの免疫細胞が、なぜか毛根の細胞を「異物」と誤って認識してしまいます。その結果、毛根を攻撃して炎症を引き起こし、髪の毛の成長を妨げてしまうのです。髪の毛が育つ途中で成長を止めてしまい、抜け落ちて脱毛斑が形成されます。

このメカニズムの重要な点は、毛根そのものが破壊されているわけではない、ということです。毛根は生きているため、免疫の攻撃が収まれば、適切な治療によって再び髪の毛が生えてくる可能性が大いにあります。

なぜ起こる?自己免疫が関わる主な原因

円形脱毛症の最も根本的な原因は、自己免疫の異常であるとされています。体が自分自身の組織を攻撃してしまう「自己免疫疾患」の一つなのです。毛根の細胞が免疫細胞、特にTリンパ球という細胞から攻撃を受け、炎症が起こることが脱毛の直接的な引き金となります。

では、なぜこのような自己免疫反応が起こるのでしょうか。そのメカニズムは複雑で、まだすべてが解明されているわけではありません。しかし、近年の研究により、いくつかの要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。

円形脱毛症の発生に関わる主な要因は以下の通りです。

  • 遺伝的要因
    • ご家族や親族に円形脱毛症の患者さんがいる場合、発症するリスクがやや高まることが知られています。
    • 特定の遺伝子が免疫システムの過敏な反応に関与している可能性が指摘されています。
  • アトピー素因
    • アトピー性皮膚炎、気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎など、アレルギー体質(アトピー素因)をお持ちの方は、円形脱毛症を発症しやすい傾向があります。
    • これは、体質的に免疫システムが過敏に反応しやすいことが背景にあると考えられます。
  • 精神的・肉体的ストレス
    • 強い精神的なストレスや、過労、睡眠不足などの肉体的なストレスが発症の引き金となることがあります。
    • ストレスが直接的に円形脱毛症を引き起こすわけではありませんが、免疫システムに影響を与え、自己免疫反応を促進させる可能性があると考えられています。
    • ただし、ストレスがない状況でも円形脱毛症が発症することもあります。
  • 併存疾患(へいそんしっかん)
    • 円形脱毛症の患者さんの中には、甲状腺疾患(橋本病など)や膠原病(こうげんびょう)といった他の自己免疫疾患を合併している方もいらっしゃいます。
    • これは、免疫システムの全体的な不調が背景にあることを示唆しています。

これらの要因が単独ではなく、いくつも組み合わさって円形脱毛症の発症につながることが多いです。自己免疫の異常は、ご自身では気づきにくい体の中の変化であるため、異変を感じたら早めに専門の医療機関を受診することが大切です。

初期症状から進行度まで:見過ごしやすいサイン

円形脱毛症は、突然髪がごっそり抜けるイメージがあるかもしれませんが、初期の段階では、ご自身では気づきにくい小さなサインから始まることがほとんどです。

以下のようなポイントに注意して、日頃からご自身の頭皮や髪の毛をチェックしてみましょう。

  • 小さな円形の脱毛斑(だつもうはん)
    • 最も一般的な初期症状は、頭皮にコインのような丸い形の脱毛斑ができることです。
    • 特に、後頭部や側頭部など、自分では見えにくい場所にできることが多く、初期の脱毛斑は髪の毛に隠れて見つけにくいことがあります。
  • 自覚症状の少なさ
    • 痛みやかゆみといった自覚症状がほとんどないため、「いつの間にか髪が抜けていた」というケースが非常に多いです。
    • ご家族や美容師さんから指摘されて、初めて気づくという方も少なくありません。
  • 特徴的な抜け毛
    • 脱毛斑の周囲の毛を軽く引っ張ると、抵抗なく簡単に抜けてしまうことがあります。
    • 抜けた髪の毛の根元が、鉛筆の芯のように細くなっている「感嘆符毛(かんたんふもう)」と呼ばれる特徴的な毛が見られることがあります。これは、毛根が免疫攻撃を受けているサインの一つです。
  • 進行のパターン
    • 脱毛斑が一つだけの場合を「単発型」と呼びます。
    • 進行すると、脱毛斑が複数になる「多発型」へと移行することがあります。
    • さらに脱毛が進むと、頭全体の髪の毛がすべて抜け落ちる「全頭型」、眉毛、まつ毛、体毛など全身の毛が抜けてしまう「汎発型」へと進行する場合もあります。
    • 脱毛の範囲が広いほど、また進行が速いほど、治療が長期化する傾向があります。
  • 再発の可能性
    • 一度治ったように見えても、ストレスや体調の変化をきっかけに再発することがあります。
    • これは、免疫システムが再び毛根を攻撃し始めるためです。

これらのサインに気づいたら、「気のせいかな」と自己判断せずに、早めに皮膚科医や専門のクリニックへご相談いただくことが重要です。早期に発見し、適切な治療を開始することが、症状の改善へとつながる鍵となります。

AGAや他の脱毛症との見分け方

脱毛症には円形脱毛症以外にも様々な種類があり、見た目だけでは判断が難しいケースも少なくありません。ご自身の脱毛がどのタイプなのかを正しく理解することは、適切な治療へと進むための第一歩です。形成外科医の視点から、円形脱毛症と他の代表的な脱毛症との違いを具体的に解説します。

脱毛症の種類主な特徴(見分け方のポイント)好発部位(どこに現れやすいか)頭皮の状態(見た目や感触)
円形脱毛症境界がはっきりした円形や楕円形の脱毛斑が突然現れる。痛みやかゆみはほとんどない。頭皮のどこでも発生し、眉毛、まつ毛、体毛にも及ぶことがある。見た目は健康で、炎症のサイン(赤み、かゆみ)はほとんど見られない。つるつるしていることが多い。
AGA(男性型脱毛症)生え際が後退したり、頭頂部が薄くなったりと、特定の部位から徐々に進行する。おでこの生え際(M字型)、頭頂部(O字型)。皮脂の分泌が多く、頭皮がべたつきやすいことがある。
脂漏性脱毛症(しろうせいだつもうしょう)頭皮に赤み、かゆみ、フケ、湿疹が見られ、皮脂が多くべたつくのが特徴。頭全体、特に皮脂腺が多い部分(生え際、頭頂部など)。赤み、炎症、大量のフケ、かゆみが強く、頭皮が脂っぽい。
牽引性脱毛症(けんいんせいだつもうしょう)髪の毛を強く引っ張り続けることで、その部分の毛が抜ける。特定の髪型が原因となる。髪を強く結ぶ部分(生え際、こめかみ、分け目など)。長期間引っ張られた部分に炎症や毛穴の赤みが見られることがある。
びまん性脱毛症頭部全体的に髪の毛が薄くなり、毛の密度が低下する。特定の部分だけでなく、全体的に量が減る。頭部全体。頭皮自体に大きな異常は見られず、健康な状態に見えることが多い。

円形脱毛症との主な違い:

円形脱毛症は、境目が明確な丸い脱毛斑が特徴的です。頭皮に炎症や痛み、かゆみなどの自覚症状が少ない点が大きな見分けるポイントです。毛根が破壊されているわけではないため、脱毛斑の頭皮はつるつるとした健康的な状態に見えることが一般的です。

一方で、AGAは男性ホルモンの影響で、生え際や頭頂部からゆっくりと薄毛が進行します。脂漏性脱毛症は、頭皮の炎症や過剰な皮脂が原因で、赤みやフケ、強いかゆみが伴います。牽引性脱毛症は、特定の髪型による物理的な負担が原因で脱毛が生じます。

これらの違いを理解することで、ご自身の脱毛が円形脱毛症なのか、それとも別の脱毛症なのかをある程度見分けることができます。しかし、正確な診断を下すためには、やはり専門医による詳細な診察と検査が不可欠です。自己判断せずに、まずは専門の医療機関を受診してください。

自然治癒の可能性と治療せず放置するリスク

円形脱毛症の中には、実際に治療をしなくても自然に治るケースも存在します。特に、脱毛斑が一つだけで小さく、発症から比較的期間が短い「単発型」や「軽症の多発型」の場合、数ヶ月から1年程度で自然に回復することがあります。これは、免疫システムの異常が一時的なものであったり、自然に回復したりすることによるものです。

しかし、「いずれ治るだろう」と安易に自己判断し、治療せずに放置することには、様々なリスクが伴います。

  • 脱毛範囲の拡大と重症化
    • 軽症に見える円形脱毛症であっても、自己免疫反応が活発化すると、脱毛斑が急速に大きくなったり、新しい脱毛斑が次々と出現したりする可能性があります。
    • 放置している間に、単発型から多発型、さらに全頭型や汎発型といったより重症なタイプへと進行してしまうことも少なくありません。
  • 生活の質(QOL)の著しい低下
    • 頭部広範囲にわたる円形脱毛症の患者さんは、健康関連のQOLスコアが低いことが多くの研究で示されています。
    • 脱毛による見た目の変化は、精神的なストレスや不安、自己肯定感の低下に直結し、日常生活や社会生活に大きな影響を及ぼすことがあります。

最新の円形脱毛症治療:ステロイドからJAK阻害薬まで

円形脱毛症は、突然髪が抜け落ちることで多くの方が大きな精神的負担を感じる病気です。見た目の変化は日常生活や社会生活にも影響を及ぼし、不安な日々を過ごされている方も少なくありません。しかし、近年、円形脱毛症の治療は目覚ましく進歩しており、形成外科専門医、美容外科専門医(JSAPS)として、患者さんの苦痛を和らげ、より良い選択肢を提供できるよう日々研鑽を積んでおります。特に、これまでのステロイド療法に加え、新たな作用機序を持つJAK阻害薬が登場したことで、重症の患者さんにも希望の光が差しています。

症状別治療法一覧:ステロイド注射・外用・内服の選択肢

円形脱毛症の治療法は、患者さんの脱毛の広がりや重症度、年齢など、さまざまな要素を考慮して選択されます。円形脱毛症は、毛包レベルで慢性的な炎症が起こる自己免疫性の脱毛症であるため、この炎症を抑えることが治療の基本的な考え方となります。

最新の円形脱毛症診療ガイドライン2024では、患者さんの年齢、脱毛の重症度、病期という3つの視点から、総合的に判断して最適な治療法を選ぶという「AA-cube」という新しい考え方が導入されました。これにより、一人ひとりに合わせた柔軟で効率的な治療が可能になります。

主なステロイドを用いた治療法は以下のとおりです。

  • ステロイド外用療法
    • 軽症の円形脱毛症に広く用いられる治療法です。
    • 脱毛斑に直接ステロイドの塗り薬を塗ることで、毛根への免疫攻撃を抑える効果が期待できます。
    • ご自宅で手軽に行えるのが特徴です。
  • ステロイド局所注射療法
    • 脱毛斑が比較的小さく、数も少ない場合に有効な治療法です。
    • 脱毛斑に直接ステロイドを注入することで、局所的に高い効果を発揮します。
    • 円形脱毛症診療ガイドライン2024では「強い推奨」とされている治療法です。
    • 当院でも、ケナコルト(トリアムシノロンアセトニド)の局所注射を行い、多くの患者さんで良好な結果を報告しています。
  • ステロイド内服療法
    • 脱毛が広範囲に及ぶ場合や、進行が速い場合に検討される治療法です。
    • 全身に作用するため、短期間に高い効果が期待できる反面、副作用にも注意が必要です。
    • 診療ガイドラインでは「弱い推奨」とされていますが、短期的に症状を改善したい場合などに有効な選択肢となります。

これらの治療は、患者さんの状態を形成外科専門医が慎重に診察し、個々に合わせた最適な方法を提案いたします。

ステロイド注射の効果と痛み、治療頻度・費用

ステロイド局所注射は、円形脱毛症の治療の中でも、比較的高い効果が期待できる治療法の一つです。直接患部に薬剤を届けることで、毛根周囲の炎症を効率よく抑え、発毛を強力に促します。特に、脱毛斑の範囲が小さい場合や、他の治療で効果が得られにくい場合に有効とされています。

  • 効果の出る時期
    • 注射後、通常1ヶ月から2ヶ月ほどで、脱毛斑の毛穴から細く短い毛(軟毛)が生え始めるのが確認できることが多いです。
    • しかし、効果の現れ方や発毛のスピードには個人差がありますので、すべての方に同様の効果が現れるわけではありません。
  • 治療頻度
    • 円形脱毛症診療ガイドライン2024においても強く推奨されている治療法ですが、通常、1ヶ月に1回程度の頻度で行われるのが一般的です。
    • 脱毛斑の状態や発毛の進行度を見ながら、医師が最適な治療計画を立てていきます。
    • 効果を見ながら、治療を継続するかどうかを判断することになります。
  • 痛みについて
    • 注射の際には、脱毛部位に細い針を刺しますので、チクッとした痛みを感じることがあります。
    • 痛みに不安を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、患者さんの不安を軽減するため、注射の速度や針の選び方にも細心の注意を払っています。
    • 痛みに特に敏感な方には、注射前に患部を冷却したり、麻酔クリームを使用したりすることも検討できますので、遠慮なくご相談ください。
  • 費用
    • この治療法は健康保険が適用されます。
    • そのため、患者さんの自己負担割合(1割、2割、3割など)に応じて費用が発生します。
    • 具体的な費用については、診察時に詳しくご説明させていただきますので、ご安心ください。

重症円形脱毛症への新薬:JAK阻害薬の効果と安全性

これまで治療が非常に難しかった広範囲な円形脱毛症や、頭全体の毛が抜ける全頭型、全身の毛が抜ける汎発型円形脱毛症に対して、近年、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬という新しいタイプの内服薬が登場し、治療の選択肢が大きく広がりました。これは、円形脱毛症の治療における「革命」ともいえる画期的な進歩です。

JAK阻害薬は、円形脱毛症が自己免疫性疾患であり、毛根を攻撃している特定の免疫系の経路に着目して開発されました。これまでの研究では、Th1/インターフェロン経路が主な原因とされてきましたが、最近の研究ではTh2経路、IL-9、IL-23、IL-32といった複数の免疫メディエーター(免疫反応を伝える物質)も病態に関与することが示唆されています。これらの免疫経路の活性化を抑えることで、毛根への攻撃を止め、発毛を促します。

現在、バリシチニブ(成人向け)とリトレシチニブ(12歳以上向け)という2種類のJAK阻害薬が保険適用されています。これらはそれぞれ異なるタイプのヤヌスキナーゼ(バリシチニブはJAK 1/2阻害剤、リトレシチニブはJAK 3/TEC阻害剤)を阻害することで、免疫の過剰な働きを抑えます。米国FDAや欧州EMAでも承認されており、日本の円形脱毛症診療ガイドライン2024では、脱毛の重症度を示すSALTスコアが20以上の中等度から重度の円形脱毛症に対して「強い推奨」とされています。

  • 効果
    • 高い発毛効果が報告されており、これまで治療が困難だった重症の患者さんにも改善が見られています。
  • 安全性
    • 服用前には血液検査などを行い、患者さんの全身の状態を詳しく確認します。
    • 治療中も定期的な検査が必要で、感染症、代謝異常、血栓症などの副作用が報告されています。
    • そのため、診断・治療に熟練した医師が在籍し、添付文書の適応を満たし、患者さんとの治療的意思決定(TDM:治療方針について患者さんと医師が共に意思決定すること)が可能な施設において、形成外科専門医の厳重な管理のもと、慎重に治療を進めていくことが大切です。

局所免疫療法や紫外線療法など、その他の治療法

ステロイド療法やJAK阻害薬以外にも、円形脱毛症の治療には様々なアプローチがあります。患者さんの症状や治療への反応に応じて、最適な方法を検討していきます。

  • 局所免疫療法
    • SADBE(サドベ)やDPCP(ジフェンシプロン)などの化学物質を脱毛部位に塗布し、人工的に軽度のかぶれ(湿疹反応)を起こさせる治療法です。
    • これは、毛根を攻撃している異常な免疫反応を、人工的なかぶれによる別の免疫反応に置き換えることで、毛根への攻撃を「そらす」ことを目的としています。
    • 円形脱毛症診療ガイドライン2024では「弱い推奨」とされていますが、ステロイド治療で効果が不十分な場合や、広範囲にわたる脱毛の場合に検討されることがあります。
  • 紫外線療法
    • 特定の波長の紫外線を脱毛部位に照射する治療法です。
    • PUVA療法や、より限定的な範囲に照射できるエキシマライト療法などがあります。
    • 紫外線の免疫抑制作用を利用して、毛根周囲の免疫反応を調整し、発毛を促す効果が期待できます。
    • こちらも診療ガイドラインでは一部「弱い推奨」とされています。
  • その他の全身療法(オフタグ使用)
    • 欧州の専門家によるコンセンサス声明では、グルココルチコステロイド、シクロスポリン、メトトレキサート、アザチオプリンなどが、ガイドラインの推奨とは別に、オフタグ(承認外使用)で使用される全身療法として挙げられています。
    • しかし、日本の円形脱毛症診療ガイドライン2024では、メトトレキサート内服や生物学的製剤はエビデンス不足などを理由に「推奨しない」と評価されており、治療選択には慎重な判断が求められます。
  • 当院の導入治療
    • 当院では、上記の治療に加え、頭皮環境の改善と発毛促進を目的とした独自の治療も行っております。
    • 水光注射は、発毛に必要な有効成分や成長因子を頭皮に直接注入することで、毛根に栄養を届け、健やかな髪の成長をサポートします。
    • また、キュアジェットによる導入治療は、エアージェットの力で有効成分を深部に浸透させ、頭皮の活性化を促します。
    • これらの治療は、既存の治療と組み合わせることで、より良好な結果を目指すことができ、多くの患者さんで効果を実感いただいています。

患者さんの状態やご希望に応じて、これらの治療法を組み合わせることも可能です。形成外科専門医として、見た目の改善とQOL向上を目指した治療を提案いたします。また、円形脱毛症診療ガイドライン2024では、QOL向上のための「かつらの使用」も「強い推奨」とされており、ご希望に応じて適切な情報提供も行います。

治療期間の目安と保険適用について

円形脱毛症の治療期間は、脱毛の程度や種類、選択した治療法、そして個人の体質によって大きく異なります。そのため、「いつまでに治る」と一概に言うことはできません。数ヶ月で改善が見られる方もいれば、年単位での治療が必要になる方もいらっしゃいます。焦らず、根気強く専門医と一緒に治療を続けることが、回復への大切な一歩となります。

軽度の円形脱毛症であれば、自然に治ることもありますが、特に脱毛斑が複数ある場合や、脱毛が進行している場合は、治療を受けずに放置すると脱毛がさらに広がるリスクがあります。円形脱毛症は患者さんのQOLを著しく低下させることが知られており、身体的な見た目の変化だけでなく、精神的な苦痛も伴います。早期に形成外科専門医の診察を受け、適切な治療を開始することが、より良い回復への近道となります。

  • 保険適用となる主な治療
    • 多くの円形脱毛症の治療法は健康保険が適用されますので、自己負担割合に応じた費用で治療を受けることができます。
    • 具体的な治療法としては、ステロイド外用薬(塗り薬)、ステロイド局所注射(当院のケナコルト注射も該当します)、ステロイド内服薬、JAK阻害薬(一定の条件を満たす重症例に適用)、局所免疫療法、一部の紫外線療法などがあります。
  • 保険適用外の治療
    • 一方で、再生医療的なアプローチや、美容的な側面を持つ治療、例えば当院で行っている水光注射やキュアジェットを用いた導入治療などは、現在のところ自由診療となります。
    • 保険適用外の治療には、患者さんご自身への十分な説明と同意(インフォームドコンセント)が必須です。

治療費に関するご心配は当然のことと思いますので、診察時に各治療法の詳細な費用や保険適用について、明確にご説明させていただきます。また、高額療養費制度などの経済的負担を軽減するための制度についても、必要に応じて情報提供をいたします。患者さんが安心して治療に専念できるよう、当院では全力でサポートさせていただきます。

円形脱毛症に関するFAQ

患者さんからよくいただく質問とその回答をまとめました。

  • Q1: 円形脱毛症は完治しますか?
    • A1: 円形脱毛症は毛根そのものが破壊されているわけではないため、適切な治療を受けることで、発毛する可能性は十分に高いです。
    • しかし、一度治ったように見えても、ストレスや体調の変化をきっかけに再発する可能性もあります。
    • そのため、完治というよりも、長期的な視点での管理と、再発予防のための生活習慣の見直しが大切になります。
  • Q2: 治療中に日常生活で気をつけることはありますか?
    • A2: 治療中は、心身のストレスをできるだけ避けることが重要です。
    • 規則正しい生活を心がけ、十分な睡眠とバランスの取れた食事を意識しましょう。
    • 頭皮への過度な刺激や摩擦は避け、優しいヘアケアを心がけることも大切です。
    • また、脱毛による精神的な負担が大きい場合は、かつらやウィッグなどを活用し、QOL(生活の質)を向上させることも推奨されています。
  • Q3: 子供でもJAK阻害薬は使えますか?
    • A3: はい、使用できる場合があります。
    • 現在、一部のJAK阻害薬(リトレシチニブ)は12歳以上のお子さんにも保険適用となっています。
    • ただし、年齢や脱毛の重症度、全身の状態などを医師が慎重に判断し、お子さんへのリスクとベネフィット(利益)を十分に考慮した上で治療を進めることになります。

円形脱毛症は、一人で抱え込まず、専門医と一緒に治療に取り組むことが最も大切です。当院では、形成外科専門医・美容外科専門医(JSAPS)として、患者さんの症状やご希望に合わせた最適な治療計画を提案しております。特に、ケナコルト(トリアムシノロンアセトニド)の局所注射はもちろんのこと、水光注射やキュアジェットによる導入治療など、幅広い選択肢を提供し、患者さんが一日も早く笑顔を取り戻せるよう全力でサポートいたします。円形脱毛症でお悩みの方は、ぜひ一度、当院にご相談ください。丁寧な診察とカウンセリングを通じて、最適な解決策を一緒に見つけましょう。

治療効果を高めるための日常生活とQOL向上策

円形脱毛症は、突然の脱毛によって見た目に変化が生じるため、多くの方が身体的な悩みだけでなく、深い精神的な負担を感じていらっしゃいます。実際に、広範囲にわたる円形脱毛症の患者さんは、健康関連の生活の質(QOL)が低いことが多くの研究で示されています

まとめ

今回は円形脱毛症の主な原因や種類、そして多岐にわたる治療法について詳しくご紹介しました。突然の脱毛は大きな不安を伴いますが、円形脱毛症は毛根が破壊されるわけではなく、適切な治療で改善する可能性が十分に高い病気です。ステロイド療法から最新のJAK阻害薬まで、様々なアプローチがあり、症状や進行度、患者さんの状態に合わせて最適な治療法を選択できます。

大切なのは、一人で悩まず「もしかして」と感じたら、できるだけ早く専門の皮膚科医や形成外科医にご相談いただくことです。早期に適切なケアを始めることで、回復への道が開けます。前向きに治療に取り組み、安心して毎日を過ごせるよう、私たちがお手伝いさせていただきます。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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参考文献

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  4. 円形脱毛症診療ガイドライン 2024.
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