唾液腺(顎下腺、耳下腺、舌下腺)を萎縮させるボトックス治療について
「なんだか顔が大きく見える」「顎下のラインがぼやけている」「唾液の量が気になり日常生活で不快感を覚える」といったお悩みをお持ちではありませんか?
多くの方が「これは脂肪のせいだ」と自己判断しがちですが、形成外科専門医の視点から見ると、その背景には「唾液腺の肥大」が関係している可能性が考えられます。実際、私たちの口からは毎日1.0〜1.5リットルもの唾液が分泌されており、この唾液腺が肥大すると、お顔の見た目だけでなく生活の質にも影響を与えることがあるのです。
この記事では、そんな唾液腺の肥大によって生じるお悩みを解消する有効な選択肢「唾液腺ボトックス治療」について、そのメカニズムや効果、リスクまで詳しくご紹介します。ご自身の気になる症状と照らし合わせながら、ぜひ読み進めてみてください。
唾液腺ボトックス治療を知る前に:唾液腺とボトックスの基本知識
お顔の輪郭に関して、「なんだか顔が大きく見える」と感じる方や、「顎下のラインがぼやけている」とお悩みの方はいらっしゃいませんか。また、「唾液の量が気になり、日常生活で不快感を覚える」といった方もいらっしゃるかもしれません。形成外科専門医、美容外科専門医(JSAPS)である私の視点から申し上げますと、そのようなお悩みの背景には、唾液腺の肥大が関係している可能性があります。
当院では、患者さんの個々のお悩みに真摯に寄り添い、状況に応じて「唾液腺ボトックス治療」をご提案することがございます。この治療がどのようなものなのか、患者さんに安心して理解していただくためにも、まずは唾液腺の働きやボトックスという製剤について、基礎的な知識を分かりやすく解説いたします。
唾液腺の役割と肥大・唾液過多の原因
私たちの口の中では、毎日1.0〜1.5リットルもの唾液が分泌されています。唾液は単なる水分ではありません。食べ物の消化を助ける酵素を含んでいたり、口の中の食べかすや細菌を洗い流して清潔に保ったりする大切な役割を担っています。これにより、虫歯や歯周病から歯や歯ぐきを守る働きもしています。
しかし、この唾液を作り出す唾液腺が通常よりも肥大したり、唾液の分泌量が過剰になりすぎたりすると、お顔の見た目だけでなく、生活の質にも影響を与えることがあります。
唾液腺が肥大する主な原因としては、以下のような要因が考えられます。
- 慢性的な刺激
- 食いしばりや歯ぎしりの癖、硬いものを頻繁に食べる習慣などが、唾液腺に継続的な負担をかけ、徐々に肥大を引き起こすことがあります。
- 生活習慣
- アルコールの過剰摂取や喫煙といった習慣も、唾液腺の炎症や腫れに関係すると考えられています。
- 遺伝的要因
- もともと唾液腺が発達しやすい体質の方もいらっしゃいます。これは体質的なもので、特に病気ではありません。
- 特定の疾患
- 稀ではありますが、シェーグレン症候群のような自己免疫疾患や、唾液腺自体の炎症、あるいは腫瘍などが原因で唾液腺が肥大することもあります。もし、肥大とともに痛みを感じたり、急激に腫れが進行したりする場合は、速やかに専門の医療機関を受診してください。
また、唾液過多症の原因は非常に多岐にわたります。神経系の問題、服用している特定の薬剤の副作用、口腔内の刺激などが考えられます。唾液腺ボトックス治療は、唾液の分泌を一時的に抑えることで、これらの症状を和らげることを目的としています。唾液過多の根本的な原因を「完全に止める」治療ではないことをご理解いただくことが重要です。
顎下腺・耳下腺・舌下腺の位置と特徴
私たちの顔には、主に3つの大きな唾液腺が存在し、それぞれが異なる場所に位置しています。これらの唾液腺の大きさは、顔の輪郭や全体の見た目に大きな影響を与えることがあります。

耳下腺(じかせん)
- 位置
- 耳たぶのすぐ前下方、いわゆる「エラ」と呼ばれる下顎の角(下顎角)の少し前方に位置しています。
- 特徴
- 耳下腺が肥大すると、お顔の横幅、特にエラの後ろ側が横に張り出して見える原因となることがあります。これにより、顔全体が大きく見える「大顔」や「エラ張り」のような印象を与えることがあります。食事中に特に活発に唾液を分泌することも特徴です。
- 位置
顎下腺(がっかせん)
- 位置
- 顎の骨の下縁に沿って、左右の顎の角の少し内側に位置しています。
- 特徴
- 顎下腺が肥大すると、顎のラインがぼやけてしまい、顎下がもこもこと膨らんで見えることがあります。これにより、二重顎のように見えたり、顔全体がたるんでいるような印象を与えたりすることがございます。「太ってもいないのに、なぜか顎下がスッキリしない」というお悩みは、顎下腺肥大が原因である可能性も十分に考えられます。
- 位置
舌下腺(ぜっかせん)
- 位置
- 舌の付け根の真下、口腔内の底部分に位置しています。
- 特徴
- 舌下腺も顎下腺と同様に、肥大すると顎下のふくらみ感に影響を与えることがあります。顎下のたるみや、全体的に重たい印象の原因の一つとなり得るのです。
- 位置
これらの唾液腺の肥大は、しばしば「脂肪が蓄積している」と誤解されがちです。そのため、脂肪溶解注射や脂肪吸引といった治療を受けても、期待通りの効果が得られないケースが数多く見られます。正確な診断が、患者さん一人ひとりに最適な治療へと導くための最初の、そして最も重要なステップとなります。
ボトックス(ボツリヌストキシン)とは:作用と安全性
「ボトックス」という言葉は、美容医療の分野でよく耳にされるかもしれません。ボトックスとは、ボツリヌス菌が産生する天然のタンパク質を高度に精製した医療用製剤のことで、一般的には「ボツリヌストキシン」とも呼ばれます。このタンパク質には、神経から筋肉へ、あるいは神経から分泌腺へと送られる「信号」を一時的にブロックする作用があります。
- 作用の仕組み
- 筋肉に注射した場合、筋肉を収縮させるための神経伝達物質である「アセチルコリン」の放出を抑えます。これにより、筋肉の過剰な働きを一時的に弱める効果があります。美容領域では、表情じわの改善や、エラの張りの改善などによく用いられます。
- 唾液腺に注射した場合も同様の仕組みで、唾液を分泌する腺細胞への神経からの伝達を一時的に抑制します。これにより、唾液の分泌量を調整する効果が期待できるのです。
- 安全性
- ボトックスは、世界中で長年にわたり、美容医療だけでなく、神経内科や眼科など、様々な医療分野で広く使用されてきました。その安全性は非常に確立されていますので、ご安心ください。
- 効果は一時的なものであり、一般的には数ヶ月で徐々に元の状態に戻ります。ボトックス製剤が体内に蓄積されることはなく、時間とともに体内で分解されて自然に消失していきます。
- ただし、どのような医療行為でもそうですが、治療を受ける際には、医師による適切な診断と、確かな技術を持つ医師による正確な施術が非常に重要です。
唾液腺ボトックス治療の主な目的と適応
唾液腺ボトックス治療は、形成外科専門医、美容外科専門医(JSAPS)としての私の専門的な視点から、以下のような幅広い目的と適応を持っています。患者さん一人ひとりの具体的なお悩みと唾液腺の状態を丁寧に診察し、正確な診断のもとに最適な治療計画を立てることが何よりも大切です。
主な目的
小顔効果と輪郭形成(美容目的)
- 耳下腺の萎縮による輪郭改善
- 「エラ(咬筋)の後ろが横に張り出している」と感じる場合、多くはその原因が「耳下腺肥大」によるものです。この耳下腺にボツリヌストキシンを注射することで、耳下腺を一時的に萎縮させ、横に張り出していた輪郭をすっきりと整え、小顔効果を目指します。
- 顎下腺・舌下腺の萎縮によるフェイスライン改善
- 「太ってもいないのに、なぜか顎下がもこもこと膨らんでいる」というお悩みの場合、それは「顎下腺肥大」や「舌下腺肥大」によるものである可能性が高いです。これらの唾液腺にボツリヌストキシンを注射することで、顎下のもこもこ感を改善し、シャープで引き締まったフェイスラインを作ることができます。
- 重要性
- この顎下のふくらみを「脂肪沈着」と誤診し、脂肪溶解注射や脂肪吸引といった治療をしても、期待する効果は得られないことがほとんどです。形成外科専門医、美容外科専門医による正しい診断に基づき、適切な治療を行うことで、しっかりととした輪郭の改善効果が得られます。
- 耳下腺の萎縮による輪郭改善
唾液過多症に伴う症状の緩和(機能改善目的)
- 過剰な唾液分泌による不快感や、それに伴う生活の質の低下に悩む患者さんに対して、唾液腺の分泌機能を抑えることで症状の緩和を目指します。ただし、前述の通り、この治療は唾液過多を「完全に止める」治療ではなく、過剰な分泌量を「調整する」治療であることをご理解ください。
当院では、患者さんの状態を詳細に診察した上で、厚生労働省の承認を受けたアラガン社製ボトックスビスタ、または韓国製のボツリヌストキシンを用いた治療をご提案しております。料金につきましては、アラガン社製ボトックスビスタの場合、耳下腺両側、顎下腺両側、舌下腺のそれぞれに対して15,900円(税込)です。韓国製ボツリヌストキシンの場合は、耳下腺両側、顎下腺両側、舌下腺のそれぞれに対して10,800円(税込)となっております。
ご自身の顔の輪郭や唾液に関するお悩みが、どの唾液腺の肥大によるものなのか、あるいは唾液過多の症状がどの程度なのかを知るためにも、ぜひ一度、形成外科専門医、美容外科専門医が在籍する当院にご相談ください。専門的な視点から、最適な治療法をご提案させていただきます。
唾液腺ボトックス治療の具体的な効果とリスク5選
唾液腺の肥大や唾液の過剰な分泌は、見た目の印象や日々の生活に影響を及ぼし、多くの方が悩みを抱えていらっしゃいます。形成外科専門医として、このようなお悩みを抱える患者さんと日々向き合っています。ボトックス治療は、これらの悩みを改善する有効な選択肢の一つです。しかし、どのような効果が期待できるのか、またどのようなリスクがあるのか、治療を検討されている方は多くの疑問や不安を感じていらっしゃるのではないでしょうか。
この項目では、唾液腺ボトックス治療によって得られる具体的な効果や、注意すべきリスクについて詳しくご説明いたします。患者さんの疑問を解消し、安心して治療をご検討いただけるよう、正確な情報を提供してまいります。
期待できる小顔効果と唾液量の改善
唾液腺ボトックス治療には、主に美容目的と機能改善目的の二つの効果が期待できます。それぞれの効果について詳しく見ていきましょう。
小顔効果と輪郭形成(美容目的)
- お顔の輪郭をすっきりと整える小顔効果が期待できます。
- 特に「エラの奥の部分が横に張り出している」と感じる場合、その原因は「耳下腺肥大」によるものかもしれません。
- 耳下腺にボツリヌストキシンを注射することで、耳下腺を一時的に萎縮させます。
- これにより、横に張り出していた輪郭が整い、すっきりとした小顔効果を目指せます。
- また「太ってもいないのに、顎の下がもこもこと膨らんでいる」というお悩みの場合もございます。
- これは「顎下腺肥大」や「舌下腺肥大」が原因である可能性が高いです。
- これらの唾液腺にボツリヌストキシンを注射することで、顎下のもこもこ感を改善できます。
- シャープで引き締まったフェイスラインを作り出すことが可能です。
- 形成外科専門医として多くの患者さんを診ていますが、この部分のふくらみを「脂肪の沈着」と自己判断され、脂肪溶解注射や脂肪吸引を検討される方もいらっしゃいます。
- しかし、もし原因が脂肪ではない場合、これらの治療では残念ながら十分な効果は得られません。
- 当院では、正しい診断のもと、肥大した唾液腺にボツリヌストキシンを注射することで、しっかりと輪郭の改善効果が得られます。
唾液量の改善(機能改善目的)
- 唾液腺の活動を一時的に抑制することで、過剰な唾液分泌が適度に抑えられます。
- 唾液過多による不快感を軽減する効果が期待できます。
- これは唾液分泌の量を正常な範囲に近づけることを目的としたものです。
- 唾液の分泌を完全に止める治療ではないことをご理解ください。
- 適切な診断と治療により、日常生活における不便さが減り、生活の質が向上することが見込まれます。
治療の流れと効果の出現・持続期間
唾液腺ボトックス治療は、外来で短時間のうちに完了する処置です。その流れと効果の期間について、具体的にご説明いたします。
カウンセリングと診察
- まず、患者さんのお悩みや症状を詳しくお伺いします。
- 形成外科専門医が、超音波検査なども用いて唾液腺の状態を丁寧に診察いたします。
- ボトックス治療が適しているか、期待できる効果やリスクについて詳しくご説明し、ご納得いただいた上で治療計画を立てます。
- 患者さんの不安を解消し、安心して治療を受けていただくための大切なステップです。
施術
- 治療部位を消毒した後、極細の針を用いて肥大した唾液腺にボツリヌストキシンを少量ずつ注入します。
- 耳下腺、顎下腺、舌下腺のいずれか、または複数の唾液腺が対象となります。
- 注射の際には、塗る麻酔クリームや冷却を使用し、痛みを最小限に抑える工夫をいたします。
- 施術時間は通常10分から15分程度と、比較的短時間で終了します。
施術後
- 注射後はすぐに日常生活に戻っていただけます。
- まれに、注射部位にごく小さな内出血や軽い腫れが生じることがございます。
- これらは通常数日から1週間程度で自然に落ち着き、目立たなくなりますのでご安心ください。
- 効果の出現と持続期間
- ボツリヌストキシンの効果は、注入後すぐに現れるわけではありません。
- 個人差はありますが、通常効果を実感し始めるまでには数日、または1週間から2週間ほどかかります。
- 最も効果が高まるのは、注入後1ヶ月から2ヶ月の時期です。
- 効果の持続期間は、一般的に3ヶ月から6ヶ月程度とされています。
- 効果が薄れてきたと感じた場合には、再度治療を受けることで効果を維持することができます。
- 定期的な治療により、より長期的な効果が期待できます。
治療に伴う痛みと起こりうる副作用
唾液腺ボトックス治療は注射による施術ですので、痛みや副作用についてご心配されるのは当然のことです。詳しくご説明いたします。
治療に伴う痛み
- 注射の際には、チクッとした軽い痛みを感じることがあります。
- しかし、当院では極細の針を使用し、経験豊富な形成外科専門医が迅速に施術を行います。
- これにより、痛みは最小限に抑えられます。
- 痛みに敏感な方には、施術前に麻酔クリームを塗布したり、注入部位を冷却したりするなどの工夫をいたします。
- できる限り快適に治療を受けていただけるよう配慮しております。
起こりうる副作用
- 治療後に一時的に生じる可能性のある副作用には、以下のようなものがあります。
- 内出血・腫れ
- 注射部位にごく小さな内出血や軽い腫れが生じることがございます。
- 通常数日から1週間程度で自然に吸収され、目立たなくなります。
- だるさ・倦怠感
- まれに、全身のだるさや倦怠感を覚えることがありますが、これも一時的なものです。
- 口渇(口腔乾燥)
- 唾液腺の活動が抑制されることで、一時的に口の中が乾燥しやすくなることがあります。
- これは唾液腺ボトックス治療特有の副作用の一つです。
- 嚥下困難(えんげこんなん)
- 顎下腺や舌下腺への注入の場合、ごくまれに一時的に飲食物を飲み込みにくくなる症状が出ることがあります。
- これは唾液腺の機能が一時的に抑制されるためです。
- 味覚異常
- 一時的に味覚が変化する方もいらっしゃいますが、これは非常にまれな副作用です。
- 内出血・腫れ
- これらの副作用の多くは一時的なものであり、時間とともに自然に改善していきます。
- しかし、万が一不安な症状が続く場合は、すぐにクリニックにご連絡ください。
- 治療後に一時的に生じる可能性のある副作用には、以下のようなものがあります。
口渇、嚥下困難など副作用への対処法
唾液腺ボトックス治療後に、もし口渇や嚥下困難といった副作用が出たとしても、適切な対処法を知っていれば安心して回復を待つことができます。
口渇(口腔乾燥)への対処法
- こまめな水分補給
- 水やお茶などを少量ずつ頻繁に飲むことで、口腔内の乾燥を防ぎます。
- 口腔保湿剤の活用
- 市販されている口腔保湿スプレーやジェル、洗口液などを利用することで、口腔内の潤いを保ちやすくなります。
- 刺激の少ない食事
- 香辛料や塩分の強い食事は避け、口の中を刺激しないよう注意しましょう。
- 加湿
- 室内が乾燥している場合は、加湿器を使用することも有効です。
- 禁煙・節酒
- タバコやアルコールは口腔内を乾燥させる原因となるため、控えることが望ましいです。
- こまめな水分補給
嚥下困難(えんげこんなん)への対処法
- 食事の工夫
- 硬いものやパサつくものは避け、柔らかく、水分を多く含んだ食事を選びましょう。
- とろみをつけることも有効です。
- ゆっくりと食事をする
- 一口の量を少なくし、時間をかけて丁寧に咀嚼(そしゃく)して飲み込むことを意識しましょう。
- 姿勢の調整
- 食事の際に、上体を起こすなど、飲み込みやすい姿勢を試してみてください。
- これらの対処法を試しても症状が改善しない場合や、不安が強い場合は、必ず施術を受けたクリニックにご相談ください。
- 形成外科専門医として、適切なアドバイスや処方、または他の対処法をご提案いたします。
- 副作用の症状は時間とともに落ち着くことがほとんどですので、焦らず対処することが大切です。
- 食事の工夫
他の治療法と比較したメリット・デメリット
唾液腺の肥大や過剰な唾液分泌に対する治療法は、ボトックス治療以外にもいくつか存在します。形成外科専門医の視点から、それぞれの治療法のメリットとデメリットを比較し、ご自身にとって最適な選択をするための情報を提供いたします。
ボトックス治療
- メリット
- 非外科的治療
- メスを使わないため、体への負担が少なく、ダウンタイム(回復期間)が非常に短いです。
- 手軽さ
- 施術時間が短く、通院の負担も少ないため、日常生活に支障をきたしにくい治療です。
- 可逆性(もとにもどる特性)
- 効果は永続的ではなく、もしも治療結果が望ましくないと感じた場合でも、時間とともに元の状態に戻ります。
- 非外科的治療
- デメリット
- 一時的な効果
- 効果は3〜6ヶ月程度であり、効果を維持するためには定期的な再治療が必要です。
- 保険適用外
- 美容目的の治療となるため、原則として保険は適用されず、全額自己負担となります。
- 当院では、アラガン社製ボトックスビスタの場合、耳下腺両側、顎下腺両側、舌下腺それぞれに対して15,900円(税込)です。
- 韓国製ボツリヌストキシンの場合は、耳下腺両側、顎下腺両側、舌下腺それぞれに対して10,800円(税込)で提供しておりますが、クリニックによって費用は異なります。
- 一時的な効果
- メリット
手術(唾液腺摘出術など)
- メリット
- 永続的な効果が期待できます。
- デメリット
- 全身麻酔が必要な外科手術であり、入院や長いダウンタイム、傷跡が残る可能性があります。
- 神経損傷のリスクも考慮する必要があります。
- メリット
薬物療法
- メリット
- 内服薬のため、手軽に開始できます。
- デメリット
- 効果が限定的であることや、口渇などの全身的な副作用が出やすいことがあります。
- メリット
ご自身の症状やライフスタイル、治療に対するご希望などを総合的に考慮し、形成外科専門医にご相談いただくことで、最適な治療法を見つけることができます。特に、「顔の輪郭が気になるけれど、原因が分からない」「唾液の量が多すぎて困っている」といったお悩みは、自己判断せずに専門医の診断を受けることが何よりも大切です。当院では、患者さん一人ひとりの状態を丁寧に診察し、適切な治療選択をサポートいたします。どうぞお気軽に当クリニックへご相談ください。
唾液腺ボトックス治療を受ける前の準備とクリニック選びのポイント3つ
唾液腺の肥大や唾液の過剰な分泌は、見た目の印象だけでなく、日々の生活にも影響を及ぼし、多くの方が悩みを抱えていらっしゃいます。形成外科専門医、美容外科専門医(JSAPS)として、そのようなお悩みに日々向き合っています。唾液腺ボトックス治療は、これらの悩みを改善する有効な選択肢の一つです。しかし、治療を受ける前には、患者さんご自身でしっかりと準備をすることが大切です。ご自身の症状や治療への期待を明確にし、信頼できるクリニックを選ぶことが、より安全で満足のいく結果につながります。ここでは、治療を検討する際に知っておくべき重要なポイントを具体的に解説いたします。
治療の費用相場と保険適用の有無
唾液腺ボトックス治療は、美容目的の治療となるため、基本的に保険が適用されない自由診療となります。そのため、治療にかかる費用はクリニックによって大きく異なります。患者さんの唾液腺の状態や、使用するボツリヌストキシンの種類、注入する量によっても費用は変動します。一般的に、治療費用には、初診料や再診料、薬剤費、そして施術の手技料などが含まれることが多いです。
当院で行っている唾液腺ボトックス治療の場合、厚生労働省の承認を受けたアラガン社製ボトックスビスタを使用する際は、耳下腺の両側、顎下腺の両側、舌下腺それぞれに対して15,900円(税込)です。また、韓国製のボツリヌストキシンを使用する場合は、耳下腺の両側、顎下腺の両側、舌下腺それぞれに対して10,800円(税込)となります。これらの費用は、患者さんの具体的な症状や、どの唾液腺に治療を行うかによって変わることがございます。
形成外科専門医として多くの患者さんを診察していますが、顎下のラインがぼやけている、あるいは顔が大きく見えるというお悩みで来院される方の中には、ご自身で「これは脂肪沈着だ」と判断されているケースが少なくありません。その結果、脂肪溶解注射や脂肪吸引といった治療を検討されている方もいらっしゃいますが、もし原因が唾液腺の肥大である場合、これらの脂肪をターゲットにした治療では期待する効果は得られません。誤った診断に基づいて治療を進めてしまうと、時間や費用が無駄になってしまうだけでなく、精神的な負担も大きくなってしまいます。そのため、正しい診断に基づいた治療を行うことが、結果的に費用対効果の高い満足のいく結果につながることを、患者さんにはぜひご理解いただきたいと考えています。保険適用外の治療ではありますが、医療費控除の対象となる場合もございますので、詳細についてはお近くの税務署へお問い合わせください。
信頼できるクリニックと専門医の選び方
唾液腺ボトックス治療を成功に導くためには、信頼できるクリニックと、豊富な知識と経験を持つ専門医を選ぶことが極めて重要です。特に、形成外科専門医や美容外科専門医(JSAPS)といった専門の資格を持つ医師を選ぶことを強くお勧めいたします。
信頼できるクリニックと専門医を選ぶための重要なポイント
- 専門医の資格と豊富な経験
- 治療を検討する際には、形成外科専門医や美容外科専門医の資格を持つ医師が在籍しているか必ず確認しましょう。
- これらの専門医は、唾液腺の位置や周辺の神経、血管などの解剖学的構造を深く理解しています。
- 正確な診断と安全な治療を提供するためには、専門知識と豊富な臨床経験が不可欠です。
- 不適切な部位への注入は、顔の左右差や嚥下(えんげ:飲み込み)の違和感など、予期せぬ副作用につながる可能性があります。
- 正確な診断能力と提案力
- 「えら(咬筋)の後ろが横に張り出している」場合、その原因が「耳下腺肥大」である可能性があります。
- また、「太ってもいないのに顎下がモコモコと膨らんでいる」というお悩みは、「顎下腺肥大」や「舌下腺肥大」によるものであるケースが非常に多いです。
- 形成外科専門医として、患者さんの顔貌を全体的に評価し、肥大している唾液腺を正確に特定することが最初のステップです。
- もしこのふくらみを「脂肪沈着」と誤って診断し、脂肪溶解注射や脂肪吸引を提案するクリニックがあったとすれば、その治療では期待する効果は得られないでしょう。
- 超音波検査などを活用し、原因を明確に特定した上で、患者さんにとって最適な治療法を具体的に提案してくれる医師を選ぶことが肝要です。
- 丁寧なカウンセリングとインフォームドコンセント
- 患者さんの悩みや希望をじっくりと聞き取り、治療方法、期待できる効果、治療に伴うリスクや副作用、そして費用について、時間をかけて丁寧に説明してくれるクリニックを選びましょう。
- 特に、唾液腺ボトックス治療は唾液の分泌量を「完全に止める」治療ではなく、「調整する」治療であることを正確に説明してくれるかどうかも重要です。
- 患者さんが疑問や不安を解消できるまで、納得のいくまで話し合いができる環境が整っていることが大切です。
- 充実したアフターフォロー体制
- 治療後の経過観察や、万が一副作用が生じた場合の対応について、しっかりとした体制が整っているかを確認してください。
- 例えば、口渇(こうかつ:口の乾燥)や嚥下困難(えんげこんなん:飲み込みにくさ)などの副作用が生じた際に、速やかに相談できる窓口や、適切な対処法を指導してくれる体制があるかどうかが、安心して治療を受ける上で非常に重要となります。
治療後の日常生活での注意点と口腔ケア
唾液腺ボトックス治療を受けた後は、治療効果を最大限に引き出し、副作用のリスクを最小限に抑えるために、いくつかの注意点と適切な口腔ケアを実践することが大切です。
治療後の主な注意点
- 患部への刺激を避ける
- 注入直後から数日間は、治療部位を強くこすったり、マッサージしたりすることは避けるようにしてください。
- ボツリヌストキシンが意図しない部位に広がり、予期せぬ効果や副作用を引き起こす可能性があるためです。
- 洗顔やスキンケアの際も、優しく触れることを心がけましょう。
- 飲酒・激しい運動の制限
- 治療後しばらくの間は、飲酒や激しい運動を控えることが望ましいです。
- 血行が促進されることで、注入部位の腫れや内出血が悪化する可能性があります。
- 通常は施術後24時間程度は控えることを推奨しますが、症状に応じて医師の指示に従ってください。
- 入浴について
- 治療当日の長時間の入浴は避け、シャワー程度に留めることが望ましいです。
- これも血行促進による腫れや内出血のリスクを避けるためです。
- 翌日からは通常の入浴が可能となることが多いですが、念のため確認しましょう。
口腔ケアの重要性とその具体策
唾液腺ボトックス治療の副作用として、一時的に口渇感(ドライマウス)が生じることがあります。これは、唾液分泌が一時的に減少することによって起こり、日常生活に影響を与える可能性もあります。口渇は虫歯や歯周病のリスクを高めることがあるため、適切な口腔ケアが非常に重要となります。
- こまめな水分補給
- 水やお茶などを少量ずつ、頻繁に摂取することで、口腔内を常に潤った状態に保つよう心がけましょう。
- 特に、カフェインを含む飲料やアルコールは利尿作用があるため、控えめにすることをお勧めします。
- 口腔保湿剤の活用
- 市販されている口腔保湿スプレーやジェル、あるいは保湿効果のある洗口液などを利用することも有効です。
- これらは、物理的に口腔内に潤いを与え、不快感を軽減するのに役立ちます。
- 丁寧な口腔衛生の維持
- 唾液が減少すると、口の中の自浄作用(食べかすや細菌を洗い流す働き)が低下し、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
- そのため、食後の丁寧な歯磨きや、フロス、歯間ブラシを使ったケアを徹底し、口腔内を清潔に保つことが非常に重要です。
- 定期的な歯科検診も欠かせません。歯科医と連携して、口腔内の健康を維持しましょう。
- 食生活の工夫
- 口渇感がある際は、硬いものやパサつくもの、香辛料の効いた刺激の強い食品は避ける方が良いでしょう。
- 水分を多く含む食品や、とろみのある食品を選ぶと、食べやすく、口の中の不快感を軽減できます。
これらの注意点を守り、適切な口腔ケアを行うことで、治療効果を最大限に享受し、より快適に治療期間を過ごすことができます。
医師に相談すべきことと治療判断の基準
唾液腺ボトックス治療を検討するにあたり、患者さんと医師との十分なコミュニケーションは不可欠です。ご自身の状態や治療への期待、そして抱えている不安を具体的に医師に伝え、納得した上で治療を受けることが、安全かつ満足度の高い結果につながります。
治療前に医師に相談すべき具体的なポイント
- 具体的な症状の経過
- 唾液腺の肥大や唾液過多がいつ頃から始まり、どのような状況で特に気になるのかを具体的に伝えましょう。
- 例えば、「食事中や飲酒後に耳の下が張る」「緊張すると顎下がモコモコする」といった、具体的な状況を伝えることが診断の手がかりとなります。
- 既往歴と現在服用中の薬
- 過去にかかった病気(特に自己免疫疾患や神経疾患)、現在服用している薬、アレルギーの有無など、ご自身の健康状態に関する情報はすべて正確に伝えましょう。
- ボトックス治療を受けられないケースや、注意が必要なケースもあるため、非常に重要な情報です。
- 治療に期待する効果の具体像
- 治療によってどのような改善を最も望んでいるのか、明確に医師に伝えましょう。
- 「フェイスラインをシャープにしたい」「顎下のモコモコ感をなくしたい」「唾液の量を減らして口の不快感をなくしたい」など、具体的な目的を共有することが、治療計画を立てる上で大切です。
- 懸念しているリスクや副作用
- 治療後の口渇感や嚥下困難(えんげこんなん)、一時的な表情の変化など、心配な点があれば遠慮なく質問しましょう。
- それらのリスクに対する具体的な対策や、万が一症状が出た場合の対処法についても確認してください。
- 他の治療法との比較に対する疑問
- 手術や薬物療法など、唾液腺の症状に対して他にも治療法がある場合があります。
- それぞれのメリットとデメリットを医師とともに比較し、唾液腺ボトックス治療がご自身にとって最適な選択肢であるか、疑問が解消されるまで話し合いましょう。
治療を受けるかどうかの判断基準
医師からの説明を十分に理解し、ご自身で治療を受けるかどうかの判断基準を明確に持つことが大切です。
- 治療目的が明確であり、期待される効果が現実的であるか
- 医師の説明を聞き、期待できる効果がご自身の希望と合致しているかを確認しましょう。
- 「完全に唾液が止まる」などの過度な期待はせず、現実的な目標設定が重要です。
- 副作用やリスクについて十分に理解し、許容できる範囲であるか
- どんな医療行為にもリスクはつきものです。説明されたリスクを理解し、その可能性を受け入れられるかを検討しましょう。
- 治療費用について納得できるか
- 自由診療であるため、費用はクリニックによって異なります。ご自身の予算と、得られる効果のバランスを考慮し、納得できる費用であるかを確認しましょう。
- 医師との信頼関係を築けると感じられるか
- 医師が親身になって話を聞き、誠実に説明してくれるか、安心して任せられると感じられるかどうかは、治療を成功させる上で非常に重要な要素です。
当院では、形成外科専門医、美容外科専門医(JSAPS)として、患者さん一人ひとりの状態を丁寧に診察し、超音波検査なども用いて唾液腺肥大の原因を正確に診断いたします。そして、患者さんのご希望やライフスタイルを考慮した上で、最適な治療プランをご提案しています。唾液腺ボトックス治療について気になる方は、ぜひ一度、当院までお気軽にご相談ください。専門的な視点から、皆さんの疑問や不安に寄り添い、詳しくご説明いたします。
まとめ
お顔の輪郭や顎下のぼやけ、または唾液の量に関するお悩みは、唾液腺の肥大が原因かもしれません。当院では、肥大した唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)を萎縮させるボトックス治療をご提案しております。この治療は、メスを使わずにシャープなフェイスラインや小顔効果を目指せるほか、過剰な唾液分泌の調整も期待できる有効な選択肢です。
しかし、最も大切なのは、あなたのお悩みが本当に唾液腺肥大によるものなのか、専門医による正確な診断です。自己判断で誤った治療をしてしまうと、期待通りの効果が得られないことも。当院の形成外科専門医が、丁寧な診察とカウンセリングで原因を見極め、一人ひとりに最適な治療プランをご提案いたします。気になる症状があれば、どうぞ安心してご相談ください。美しいフェイスラインと快適な毎日を取り戻すお手伝いをさせていただきます。
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