名古屋市「新瑞橋」美容外科・美容皮膚科・形成外科・一般皮膚科

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ニキビに効く漢方薬おすすめ7選【皮膚科監修】

鏡を見るたびに憂鬱になるニキビ。繰り返しできるしつこいニキビに、もううんざりしていませんか?ニキビは単なる肌トラブルではなく、自信をなくしてしまう原因にもなりかねません。形成外科専門医、美容外科専門医として、私たちはニキビを根本から改善するために、体の内側からのアプローチが重要だと考えています。

実際、台湾の大規模なデータ分析では、ニキビ治療に漢方薬を選択した患者の実に99%が漢方薬を利用し、特に女性患者の利用は男性の2倍に上ることが示されています。また、ハーブ療法がニキビの炎症性および非炎症性病変を有意に減少させる効果も報告されています(Ana Carolina Proença et al., 2021)。

本記事では、皮膚科監修のもと、ニキビのタイプや体質に合わせたおすすめの漢方薬7選を詳しくご紹介。あなたの肌悩みを解決し、健やかな肌を取り戻すためのヒントがきっと見つかるでしょう。

ニキビ漢方薬の基本知識と作用メカニズム

ニキビは、多くの方が一度は経験する身近な皮膚のトラブルです。特に、繰り返しできるニキビや治りにくいニキビは、見た目だけでなく心の負担にもなり、自信をなくしてしまう原因にもなりかねません。形成外科専門医、美容外科専門医として、私たちは西洋医学に基づいた治療はもちろんのこと、患者さま一人ひとりの体質や根本的な原因に目を向けたアプローチも大切だと考えています。漢方薬は、体の内側から肌の状態を整え、ニキビのできにくい健やかな肌へと導く、有効な選択肢の一つです。

ニキビ漢方薬の基本知識と作用メカニズム
ニキビ漢方薬の基本知識と作用メカニズム

漢方薬がニキビに効く3つの理由(抗炎症、抗菌、体質改善)

ニキビは、毛穴の詰まりや皮脂の過剰分泌、アクネ菌の増殖、そして炎症など、複数の要因が絡み合って発生します。漢方薬は、これらの要因に対して多角的に作用することで、ニキビの症状を和らげるだけでなく、根本的な肌質改善を目指します。

漢方薬の主な作用メカニズムは、以下の通りです。

  • 抗炎症作用

    • ニキビが赤く腫れたり、膿を持ったりするのは、炎症が起きているためです。
    • 漢方薬には、この炎症を鎮める作用を持つ生薬が豊富に含まれています。
    • 複数の研究によって、漢方薬の抗炎症作用がニキビ治療に有効であることが示されています。
    • ある系統的レビューでは、薬用植物や植物化学物質を用いたハーブ療法が、炎症性および非炎症性ニキビ病変を有意に減少させる効果が報告されています(Ana Carolina Proença et al., 2021)。
    • これにより、赤ニキビや化膿したニキビの症状を和らげ、悪化を防ぐ効果が期待できます。
  • 抗菌作用

    • ニキビの原因菌の一つであるアクネ菌の増殖を抑える働きも、漢方薬の重要な作用です。
    • 特定の生薬には、細菌の活動を抑制する成分が含まれており、過剰な菌の増殖をコントロールします。
    • これにより、ニキビの発生を抑えたり、悪化を防いだりすることが可能です。
  • 体質改善作用

    • 漢方薬の最も大きな特徴は、個人の体質を見極めて、ニキビの根本原因に働きかける点です。
    • ホルモンバランスの乱れ、ストレス、冷え、便秘など、ニキビを引き起こす要因は人それぞれです。
    • 漢方薬は、これらの体内の不調を改善し、肌本来のバリア機能や治癒力を高めます。
    • 結果として、ニキビができにくい健康的な体質へと導くことを目指します。
    • さらに、ニキビ治療における漢方薬の薬理学的メカニズムには、抗アンドロゲン作用(男性ホルモンの影響を和らげる作用)、抗うつ作用(精神的な安定を促す作用)、美白作用なども含まれていることが示唆されています(Hsing-Yu Chen, Yi-Hsuan Lin et al., 2017)。
    • これは、ニキビだけでなく、それに伴う肌の色素沈着や精神的な負担にもアプローチできる可能性を示しています。

西洋薬との違いと漢方医学の考え方(気血水、証とは)

西洋医学と漢方医学では、病気へのアプローチが根本的に異なります。この違いを理解することが、漢方薬によるニキビ治療を効果的に進める上でとても大切です。

  • 西洋薬のアプローチ

    • 西洋薬は、ニキビの原因菌や炎症など、特定の症状や病変に対して直接作用します。
    • 例えば、塗り薬で菌を殺したり、飲み薬で炎症を抑えたりします。
    • 効果の発現が比較的早いという特徴がありますが、症状が改善しても、体質が変わらなければニキビが再発する可能性があります。
    • 形成外科や美容外科の治療では、西洋医学に基づいた外科的処置やレーザー治療なども行いますが、体の内側からのケアも非常に重要だと考えています。
  • 漢方医学の考え方(気・血・水)

    • 漢方医学では、人の体を「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の3つの要素で構成されていると考えます。

    • これらのバランスが整っている状態が健康であり、どれか一つでも滞ったり不足したりすると、不調や病気として現れると考えられます。

    • ニキビもまた、肌に現れたこれらのバランスの乱れと捉えられます。

    • 気(き)

      • 元気や生命活動のエネルギーを指します。
      • 気が不足すると疲れやすくなったり、滞るとストレスやイライラが生じやすくなります。
      • このような状態は、ニキビの悪化にもつながることがあります。
    • 血(けつ)

      • 体全体に栄養を運び、肌の代謝を促す血液やその働きを意味します。
      • 血の巡りが悪いと、肌荒れやくすみ、色素沈着につながりやすくなります。
      • 健康な肌を保つ上で、スムーズな血の巡りは欠かせません。
    • 水(すい)

      • 体液のことで、肌の潤いやむくみに関わる要素です。
      • 水のバランスが悪いと、肌が乾燥したり、逆にむくみやすくなったりします。
      • 肌のバリア機能維持にも「水」のバランスは重要です。
  • 「証(しょう)」とは

    • 漢方治療では、患者さまの体質や症状、病気の進行度、季節などを総合的に判断し、「証(しょう)」という概念に基づいた診断を行います。
    • この「証」は、一人ひとり異なる体の状態を示すもので、同じニキビでも、その原因が「熱がこもっている」「血の巡りが悪い」「ストレスが多い」などによって、処方される漢方薬が異なります。
    • まるでオーダーメイドのように、その人に一番合った漢方薬を選ぶことが、漢方治療の重要なポイントです。

ニキビ体質を根本から改善する漢方アプローチ

ニキビは単なる皮膚の表面的な問題ではなく、多くの場合、体質的な要因が深く関わっています。形成外科医の視点からも、肌の根本的な健康が、美しい肌を維持するために不可欠であると考えています。漢方薬は、この体質そのものにアプローチし、ニキビができにくい健康な肌へと導くことを目指します。

漢方医学では、ニキビができやすい体質を以下のように捉え、それぞれに合ったアプローチを行います。

  • 体内の「熱」を冷ます

    • 赤く炎症を起こしやすいニキビや、顔がほてりやすい方に多く見られるのが、体内に「熱」がこもっている状態です。
    • このような状態を「熱証(ねつしょう)」と呼びます。
    • 漢方薬には、余分な熱を鎮め、炎症を抑える作用を持つものが多くあります。
    • これにより、ニキビの赤みや腫れを軽減し、新たな炎症を防ぐことが期待できます。
    • 例えば、「清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)」は、顔や頭部の炎症を鎮める代表的な漢方薬の一つです。
  • 「血」の巡りを改善する

    • ホルモンバランスの乱れや生理前に悪化するニキビ、肌のくすみなどには、「お血(おけつ)」と呼ばれる血行不良が関与していることがあります。
    • 漢方薬は血の巡りを良くし、肌の代謝を促進することで、老廃物の排出を助けます。
    • ニキビの改善だけでなく、肌全体のトーンアップにもつながり、健康的な血色を取り戻すことが期待できます。
    • 「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」などは、血の巡りを改善する代表的な漢方薬です。
  • 「水」の代謝を整える

    • むくみやすい、胃腸が弱い、ニキビと一緒に湿疹ができやすいといった方には、「水(すい)」のバランスの乱れが見られることがあります。
    • このような状態を「水毒(すいどく)」と呼びます。
    • 漢方薬は体内の水分代謝を整え、余分な水分を排出することで、肌の調子を安定させます。
    • これにより、ニキビの発生を抑え、肌のむくみも軽減することが期待できます。
    • 「十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)」は、皮膚の炎症を抑え、水分の排出を助ける作用があります。
  • ストレスへの対応

    • ストレスは、自律神経の乱れを通じてホルモンバランスに影響を与え、ニキビを悪化させる大きな要因となります。
    • 漢方薬の中には、精神的な緊張を和らげ、心を落ち着かせる作用を持つものもあります。
    • これにより、ストレスによるニキビの悪化を防ぎ、体全体のリラックスを促します。
    • 実際に、ニキビ治療における漢方薬の薬理学的メカニズムには、抗うつ作用も含まれていることが指摘されています(Hsing-Yu Chen, Yi-Hsuan Lin et al., 2017)。
    • 内側から心身のバランスを整えることは、肌の健康だけでなく、美容外科の観点からも重要だと考えています。

漢方薬で期待できる肌の変化と効果が出るまでの期間

漢方薬によるニキビ治療は、その特性上、即効性よりも体質そのものを改善していくため、効果を実感するまでに一定の期間を要することが多いです。しかし、じっくりと治療を続けることで、より根本的な改善と、ニキビができにくい健やかな肌を目指せます。

  • 期待できる肌の変化

    • ニキビの発生頻度の減少
      • まずは新しいニキビができにくくなることを実感する方が多いです。
      • 特に、繰り返し同じ場所にできるニキビや、生理周期に合わせたニキビの改善が期待されます。
      • ある臨床試験の系統的レビューでは、ハーブ療法が炎症性および非炎症性ニキビ病変を有意に減少させる効果が示されています(Ana Carolina Proença et al., 2021)。
    • 炎症の軽減
      • 赤く腫れたニキビの炎症が治まりやすくなり、痛みが和らぐなどの変化が見られます。
      • これは、漢方薬の抗炎症作用によるものです。
    • 肌全体の調子の向上
      • ニキビだけでなく、肌の乾燥や脂っぽさ、くすみといった肌全体の悩みが改善されることがあります。
      • 肌本来の潤いやハリが戻り、なめらかな肌質へと変化することが期待できます。
      • さらに、漢方薬には美白作用も含まれることが示唆されており、ニキビ跡の色素沈着の改善にも寄与する可能性があります(Hsing-Yu Chen, Yi-Hsuan Lin et al., 2017)。
    • 体調の変化
      • 漢方薬は体質全体に働きかけるため、便秘の解消、冷え性の改善、精神的な安定など、ニキビ以外の体調不良も同時に改善されることがあります。
  • 効果が出るまでの期間

    • 漢方薬の効果が現れるまでの期間は個人差が大きいですが、一般的には数週間から数ヶ月かけて徐々に変化を感じ始めることが多いです。
    • 服用開始からすぐに効果が見られない場合でも、自己判断で中断せず、主治医に相談しながら根気強く続けることが大切です。
    • ニキビの症状が比較的軽度な場合は早めに効果を実感できることもありますが、慢性的なニキビや重症度の高い場合は、より長い期間の服用が必要となることもあります。
    • 2011年の台湾における大規模なデータベース分析によると、ニキビ治療に漢方薬を選択した患者さまのうち、実に99%が漢方薬を利用しており、特に女性患者さまの利用が男性の2倍に上るというデータもあります(Hsing-Yu Chen, Yi-Hsuan Lin et al., 2017)。
    • これは、漢方薬が多くのニキビ患者さまに選ばれていることの証しと言えるでしょう。
    • 当クリニックでは、患者さまの症状や体質を詳しく診察し、適切な漢方薬の選択と服用期間について丁寧にご説明いたします。ニキビでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

Q&A:ニキビと漢方薬についてよくあるご質問

漢方薬でのニキビ治療に関して、患者さまからよくいただくご質問にお答えします。

Q1: 漢方薬は誰でも服用できますか?

  • 漢方薬は、その人の体質や症状に合わせて選ばれるものです。
  • そのため、医師の診察なしに自己判断で服用することはおすすめできません。
  • 特に、持病をお持ちの方や妊娠中・授乳中の方は、必ず事前に医師にご相談ください。
  • 当クリニックでは、患者さま一人ひとりの「証」を見極め、最適な漢方薬を処方いたします。

Q2: 西洋薬と一緒に漢方薬を服用しても大丈夫ですか?

  • はい、可能です。
  • 西洋薬と漢方薬は作用機序が異なるため、併用することで相乗効果が期待できる場合もあります。
  • ただし、服用中の薬がある場合は、必ず診察時に医師にお伝えください。
  • 相互作用や副作用のリスクを考慮し、安全に治療を進めることが重要です。

Q3: 漢方薬を服用すると、副作用はありますか?

  • 漢方薬は一般的に副作用が少ないとされていますが、全くないわけではありません。
  • 体質に合わない場合や過敏な方は、胃の不快感、下痢、発疹などの症状が出ることがあります。
  • また、特に長期服用の場合には、むくみや血圧の上昇などが報告されることもあります。
  • もし気になる症状が出た場合は、すぐに服用を中止し、主治医にご相談ください。

ニキビの種類・体質別!おすすめ漢方薬7選と選び方

ニキビは、多くの方が経験する肌の悩みです。思春期から大人まで、年齢に関わらず肌の状態や生活習慣によって繰り返し現れることがあります。形成外科専門医、美容外科専門医として、私たちはニキビを単なる表面的な皮膚トラブルとは捉えていません。体の内側の不調が肌に現れたものと考えるため、体質そのものを見直すことで、ニキビができにくい健やかな肌を目指すことが重要です。

漢方薬は、ニキビの炎症や化膿といった目立つ症状だけでなく、その根本的な原因にも働きかけます。複数の臨床試験の系統的レビューでも、ハーブ療法がニキビの炎症性および非炎症性病変を有意に減少し、病状の重症度にも関連する効果を示すことが示されています(Ana Carolina Proença et al., 2021)。ご自身のニキビがどのようなタイプで、どのような体質が関係しているのかを知ることは、最適な漢方薬を選ぶ上で大変役立つでしょう。

ニキビの種類・体質別!おすすめ漢方薬7選と選び方
ニキビの種類・体質別!おすすめ漢方薬7選と選び方

思春期ニキビに推奨される漢方薬(清上防風湯など)

思春期ニキビは、ホルモンバランスの変化に伴う皮脂の過剰な分泌が主な原因です。特に顔や頭部を中心に、赤く炎症を起こしたり、膿を持ったりすることが特徴です。この時期のニキビは、見た目への影響から、学業や対人関係にまで心の負担を与えてしまうことも少なくありません。このような思春期ニキビには、体内の「熱」を冷まして炎症を鎮める作用を持つ漢方薬がよく用いられます。

  • 清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)

    • 顔や頭部にできる、赤く化膿しやすいニキビに適しています。
    • 皮膚の炎症を抑え、熱を冷ますことで、過剰な皮脂の分泌を調整します。
    • 台湾で行われた大規模なデータベース研究では、ニキビ治療において清上防風湯が最も頻繁に使用される漢方薬の一つとして報告されています。
    • 全処方の約31.2%を占めるほど広く用いられており、その有効性が多くの方に認められていると言えるでしょう(Hsing-Yu Chen, Yi-Hsuan Lin et al., 2017)。
    • 皮脂の分泌が盛んで、顔のテカリが気になる方にもおすすめです。
  • 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)

    • 慢性的な鼻炎や副鼻腔炎、アレルギー体質などがあり、皮膚が弱くニキビを繰り返しやすい方に適しています。
    • 皮膚の炎症を鎮めて、膿の排出を促すとともに、体質そのものの改善を促す効果が期待されます。
    • アレルギーによる肌荒れとニキビが合併している方にも検討されます。

これらの漢方薬は、ニキビの炎症を抑えながら、肌の状態を内側から整えることを目指します。

大人ニキビ・生理前ニキビに効果的な漢方薬(桂枝茯苓丸など)

大人ニキビや生理前に悪化するニキビは、ストレスや不規則な生活、冷え、そしてホルモンバランスの乱れなどが複雑に絡み合って生じることが多いのが特徴です。特に顎や口の周り、フェイスラインにできやすく、同じ場所に繰り返しできる傾向があります。これらのニキビは、一度治っても再発しやすく、ニキビ跡や色素沈着として残りやすい傾向も見られます。形成外科医の視点からも、こうした美容面への影響は患者さまの大きな悩みとなります。そのため、体の巡りを良くし、女性特有の不調を改善する漢方薬が推奨されます。

  • 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

    • 比較的体力があり、のぼせや足の冷え、肩こりなどがあり、生理前にニキビが悪化しやすい方におすすめです。
    • 「瘀血(おけつ)」と呼ばれる血液の滞りを改善し、血行を促進します。
    • ホルモンバランスの乱れからくるニキビの改善が期待できます。
    • 婦人科系の疾患にも広く用いられる、代表的な漢方薬の一つです。
  • 温経湯(うんけいとう)

    • 冷え性で手足が温まりにくく、乾燥肌や肌荒れを伴うニキビに悩む方に適しています。
    • 体を内側から温め、血行を促進し、肌に潤いを与えることで、肌のターンオーバーを整えます。
    • 乾燥によるバリア機能の低下とニキビが合併している場合にも有効です。
    • 肌の血色改善や、生理不順などの女性特有の不調にも効果が期待できます。

これらの漢方薬は、ニキビ治療薬として、特に女性の体質や生理周期に関連するニキビに効果が期待され、根本的な改善をサポートします。

赤ニキビ・化膿ニキビに効く漢方薬(十味敗毒湯など)

赤ニキビや化膿ニキビは、毛穴の内部でアクネ菌が繁殖し、炎症が進行して赤く腫れ上がったり、膿を形成したりしている状態です。痛みや熱感を伴うことも多く、放置するとニキビ跡が残りやすいタイプでもあります。形成外科専門医として、このような炎症が強いニキビは、適切な時期にしっかり治療することが、将来の肌の美しさを保つ上で非常に重要だと考えています。ハーブ療法は炎症性ニキビ病変を有意に減少させる効果があることも示唆されています(Ana Carolina Proença et al., 2021)。

  • 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)

    • 比較的体力のある方に適しており、皮膚の赤みや腫れ、化膿を伴うニキビに用いられます。
    • 体内の毒素を排出し、炎症を鎮める作用があります。
    • 皮膚の化膿性疾患全般に広く使われる、漢方薬の代表格です。
    • 化膿しているニキビや、熱を持って痛みがあるニキビに特に有効です。
  • 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)

    • 体力があり、顔や体が赤みがかって、イライラしやすい方に適しています。
    • 強力な抗炎症作用と解毒作用を持ち、特に炎症が強く、赤みが目立つニキビに効果を発揮します。
    • 顔全体がほてりやすい、口内炎ができやすいといった症状がある方にも検討されます。
  • 真人活命飲(しんじんかつめいいん)と連翹(れんぎょう)

    • 台湾の全国データベース研究では、ニキビ治療において真人活命飲と連翹(Forsythia suspensa (Thunb.) Vahl. (Lian Qiao))の組み合わせがよく使用されることが示されています(Hsing-Yu Chen, Yi-Hsuan Lin et al., 2017)。
    • この漢方薬は、化膿性の炎症を抑え、膿を排出しやすくする働きが期待されます。
    • 連翹は「清熱解毒(せいいつげどく)」の作用があるとされ、化膿性の皮膚トラブルによく用いられます。

これらの漢方薬には、ニキビの病態に対して抗炎症作用や抗菌作用など、幅広い薬理メカニズムが組み込まれていると考えられており、ニキビ治療薬として症状の改善に貢献します。

冷えや便秘など体質改善におすすめの漢方薬

ニキビは、肌表面の問題だけでなく、冷えや便秘、ストレス、胃腸の不調など、体の内側のバランスが崩れることによって悪化することが多くあります。形成外科医の視点からも、肌の健康は体全体の健康状態を反映すると考えます。漢方医学では、これらの体質的な問題を改善することで、肌本来のバリア機能や治癒力を高め、ニキビができにくい体へと導きます。ハーブ療法は、ニキビの重症度にも関連する効果を示すことが明らかになっているため(Ana Carolina Proença et al., 2021)、体質改善はニキビ治療の重要な柱となります。

体質の悩みおすすめの漢方薬期待される効果
冷え・疲れ・顔色が悪い逍遙散(しょうようさん)血行を促進し、冷えを改善します。顔色を良くし、疲労感を和らげる働きがあります。「気」と「血」の巡りを整えることで、体全体の調子を底上げし、肌の代謝を促します。
便秘・肌荒れ・お腹の張り麻子仁丸(ましにんがん)便通を改善し、体内の余分な熱を冷まします。便秘がちな肌荒れやニキビに効果的です。特にコロコロ便や硬い便の方に推奨され、腸内環境を整えることで肌の排出機能をサポートします。
ストレス・イライラ・不眠加味逍遙散(かみしょうようさん)ストレスによるイライラや気分の落ち込みを和らげ、心身のバランスを整えます。自律神経の乱れからくるストレス性のニキビに有効です。精神的な安定が肌の健康にも繋がります。

漢方薬は、単に症状のある部分だけでなく、全身のバランスを整えることで、ニキビができにくい健康な体質へと導きます。ニキビ治療における漢方薬の薬理学的メカニズムには、抗アンドロゲン作用(男性ホルモンの影響を和らげる作用)や抗うつ作用(精神的な安定を促す作用)、美白作用なども含まれることが示唆されています(Hsing-Yu Chen, Yi-Hsuan Lin et al., 2017)。このため、ニキビ治療薬として、西洋医学の治療と異なる多角的なアプローチを提供できるのです。

市販薬と医療用漢方薬の選び方のポイント

ニキビ治療に漢方薬を検討する際、市販薬と医療用漢方薬のどちらを選ぶべきか迷うことがあるかもしれません。両者にはそれぞれ特徴があり、ご自身の症状や目的に合わせて選ぶことが大切です。形成外科専門医、美容外科専門医として、私たちは患者さま一人ひとりの体質や症状を詳細に診察し、最も適した治療法を提案することの重要性を強調します。

| 項目 | 市販薬の漢方薬 | 医療用漢方薬(処方薬) |

ニキビ漢方治療の注意点と効果を高める生活習慣

ニキビは、多くの方にとって深刻な肌の悩みに直結し、時には自信を失う原因にもなりかねません。形成外科専門医、美容外科専門医として、私たちはニキビ治療において、単に症状を抑えるだけでなく、再発しにくい健やかな肌へと導くことを目指しています。漢方薬による治療は、体質そのものに働きかけ、体の内側からバランスを整えるアプローチとして大きな可能性を秘めています。

しかし、その効果を最大限に引き出し、安全に治療を進めるためには、漢方薬の正しい知識と、日々の食生活や生活習慣への意識的な取り組みが不可欠です。患者さんご自身が治療に主体的に関わることで、ニキビの改善は大きく加速します。ここでは、ニキビの漢方治療をより効果的かつ安心して続けていただくための具体的な情報と、私たち専門医からのアドバイスをお伝えします。

ニキビ漢方治療の注意点と効果を高める生活習慣
ニキビ漢方治療の注意点と効果を高める生活習慣

漢方薬の正しい服用方法と主な副作用・注意点

漢方薬は、患者さん一人ひとりの体の状態や「証」に合わせて処方されるオーダーメイドの薬です。その効果を十分に発揮させるためには、正しい方法で服用することが何よりも大切になります。

【漢方薬の基本的な服用方法】

  • 食前または食間
    • 漢方薬は、胃の中に食べ物がない「空腹時」に飲むことで吸収が良くなると考えられています。
    • 食事の約30分前である食前か、食後2時間くらいが目安の食間に服用しましょう。
  • 水または白湯で服用
    • ぬるま湯(白湯)で飲むと、漢方薬の成分が体にスムーズに吸収されやすくなります。
    • 冷たい水は体を冷やすことがあるため、できるだけ避けるのがおすすめです。
  • エキス剤と煎じ薬
    • 多くのクリニックで処方されるのは、手軽に飲める顆粒状の「エキス剤」です。
    • 本来の漢方薬は生薬を煮出して作る「煎じ薬」ですが、手間がかかるためエキス剤が主流となっています。
    • エキス剤の場合も、少量のお湯に溶かして飲むと、生薬の香りが広がり効果をより感じやすくなると言われています。
  • 味や匂いが苦手な場合
    • 漢方薬独特の味や匂いが苦手な方は少なくありません。
    • オブラートに包んで飲んだり、少量の水で一気に飲み込んだりする方法も有効です。
    • 無理なく継続できる方法を見つけることが大切です。

【服用期間と自己判断での中断について】 漢方薬は、西洋薬のように服用後すぐに効果が実感できるものではありません。体質改善を目指すため、一般的に効果を実感するまでに数週間から数ヶ月の期間を要することがあります。効果がないと感じたとしても、自己判断で服用を中断することは避け、まずは主治医にご相談ください。形成外科医の視点からも、体質改善は継続が鍵です。

【主な副作用と注意点】 漢方薬は「体に優しい」というイメージを持たれることも多いですが、体質に合わない場合や、特定の体質の方には副作用が現れることもあります。安心して治療を続けるためにも、以下にご注意ください。

  • 主な副作用
    • 胃の不快感、下痢、吐き気、発疹、むくみなどが報告されています。
    • 気になる症状が現れた場合は、すぐに服用を中止し主治医にご連絡ください。
  • 服用中の注意点
    • 持病がある場合
      • 高血圧、心臓病、腎臓病、糖尿病などの持病をお持ちの方は、漢方薬の服用が病状に影響を与える可能性があります。
      • 必ず服用前に医師に詳細を伝えてください。
      • 特に、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の患者さんでは、ニキビだけでなく、インスリン抵抗性や2型糖尿病、高血圧、心臓血管疾患、代謝症候群といった複数の健康課題を抱えていることがあります。
      • このような背景を持つ患者さんにとって、全身の状態を把握した上での漢方薬の選択は非常に重要です(Stańczak et al., 2024)。
    • 妊娠中・授乳中の方
      • 妊娠中や授乳中の方も、安全のため必ず医師に相談し、指示に従って服用しましょう。
      • 一部の漢方薬には、注意が必要な成分が含まれていることがあります。
    • アレルギー体質の方
      • アレルギー体質の方は、漢方薬に含まれる特定の生薬に反応することがあります。
      • 過去に薬や食べ物でアレルギー症状が出たことがある場合は、医師に詳しく伝えてください。

皮膚科での漢方治療:費用、保険適用、診察の流れ

皮膚科専門医による漢方治療は、ニキビを根本から改善し、再発しにくい肌を目指す上で非常に有効な選択肢となります。専門医の診察を受けることで、患者さん一人ひとりの体質に合った最適な漢方薬の処方を受けられます。

【医療用漢方薬と市販漢方薬の違い】

  • 医療用漢方薬
    • 医師が診察に基づいて処方するもので、生薬の量や種類が市販薬よりも多く、より高い効果が期待できることが多いです。
    • 保険適用となるため、費用負担が少なく治療を続けられます。
  • 市販漢方薬
    • ドラッグストアなどで手軽に購入できますが、比較的穏やかな作用のものが多く、ご自身の体質に合っているかの判断もご自身で行う必要があります。
    • 症状が軽度な場合や、一時的な体調不良には良いかもしれませんが、慢性的なニキビや体質改善を目指す場合は、専門医へのご相談が安心です。

【費用と保険適用について】 皮膚科で処方される医療用漢方薬は、健康保険が適用されます。そのため、診察料と薬代を合わせて、自己負担割合に応じた費用で治療を受けられます。

  • 自己負担割合
    • 年齢や収入によって異なりますが、一般的には1割から3割負担となります。
  • 費用の目安
    • 毎月の費用は、処方される漢方薬の種類や量、診察の頻度によって変動しますが、保険適用されるため、西洋薬の処方と大きく変わらない経済的な負担で治療を続けられることが多いです。
    • 具体的な費用については、受診されるクリニックへご確認ください。

【皮膚科での漢方診察の流れ】 形成外科専門医として、私たちは患者さまの肌の悩みだけでなく、全身の状態を総合的に診察することを重視しています。漢方治療を専門とする皮膚科や、漢方知識の豊富な医師がいるクリニックでは、西洋医学的な診断に加え、漢方医学独自の視点から患者さまの状態を詳しく診察します。

  1. 問診
    • ニキビの状態、できやすい場所、症状の経過はもちろん、冷え、便秘、月経不順などの全身の症状について詳しくお伺いします。
    • 食生活、睡眠の質、ストレスの有無など、患者さまの体質や生活習慣についても細かく確認します。
    • これにより、ニキビの根本原因を探る重要な手がかりを得ることができます。
  2. 舌診(ぜっしん)
    • 舌の色、形、苔(こけ)の状態などを観察し、体内の熱や冷え、水分の滞りなどを判断します。
    • 舌は体内の状態を映し出す鏡とも言われています。
  3. 脈診(みゃくしん)
    • 手首の脈を触れて、脈の速さや強さ、リズムなどから、体のエネルギーや血流の状態を把握します。
  4. 腹診(ふくしん)
    • お腹を触って、硬さや圧痛の有無、冷えなどから体質を診断します。
    • これらの診察を通じて、患者さま一人ひとりの「証(しょう)」を決定し、その証に合わせた最適な漢方薬を処方します。
    • まるでオーダーメイドの治療のように、患者さまの体に最も合ったアプローチを見つけることを目指します。

漢方薬と西洋薬(塗り薬・飲み薬)の併用について

ニキビ治療においては、漢方薬と西洋薬を併用することで、それぞれの薬の長所を最大限に活かし、より効果的な改善を目指すことが可能です。形成外科や美容外科の観点からも、ニキビの早期改善、再発予防、そしてニキビ跡を残さないための総合的なアプローチは非常に重要だと考えています。

【併用治療のメリット】

  • 即効性と根本改善の両立
    • 西洋薬(抗生物質、レチノイド、イソトレチノインなど)は、ニキビの炎症を抑えたり、アクネ菌の増殖を抑えたりする即効性が期待できます。
    • 一方、漢方薬は体質を内側から改善し、ニキビができにくい体づくりをサポートします。
    • これらを組み合わせることで、目に見える症状を早く改善しながら、同時に根本的な体質改善を進められます。
  • 副作用の軽減
    • 漢方薬には、西洋薬で生じる可能性のある胃腸症状などの副作用を軽減したり、体全体のバランスを整えることで、治療の継続をサポートする役割も期待できます。
  • 局所治療との相乗効果
    • ニキビには、炎症を抑える外用薬や、毛穴の詰まりを改善する塗り薬がよく用いられます。
    • これらの局所治療に加えて、漢方薬で全身の体質を整えることで、内側と外側からのアプローチで相乗効果を高められます。
    • 国際的なレビューでは、ティーツリーオイル、緑茶、ホップなどの生薬抽出物が尋常性ざ瘡(ニキビ)の局所治療に有用である可能性も示唆されており、漢方由来の成分が西洋医学的な治療にも応用され始めています(Hoffmann et al., 2023)。
  • 先進的な漢方薬の応用
    • 従来の皮膚疾患治療では、皮膚のバリア機能が薬の吸収を制限したり、薬による副作用、疾患の再発が課題となっていました。
    • 近年では、中国漢方薬の有効成分を、溶解性マイクロニードル(DMNs)という新しい技術で皮膚に直接届ける研究が進められています(Ye et al., 2025)。
    • DMNsは、表皮角質層を無痛で貫通し、薬物を直接患部に送達できる有望な技術です。
    • 溶解性であるため非侵襲的で、薬物の徐放性も実現します。
    • 抗炎症作用と抗菌作用を持ち、副作用が少ない中国漢方薬の有効成分とDMNsを組み合わせることで、ニキビなどの皮膚疾患治療の有効性が向上することが期待されています(Ye et al., 2025)。

【併用時の注意点】 漢方薬と西洋薬の併用は、必ず専門医の指導のもとで行うことが重要です。自己判断で併用したり、服用量を変更したりすることは避けてください。医師や薬剤師に相談しながら、安全に治療を進めましょう。私たち専門医が、患者さまの症状や体質に合わせた最適な併用療法を提案いたします。

ニキビ改善を促す漢方的な食養生と生活習慣

漢方医学では「医食同源」という言葉があるように、日々の食事や生活習慣が体質に大きく影響すると考えられています。ニキビの改善には、漢方薬の服用だけでなく、体質を根本から整えるための食養生と生活習慣の見直しが不可欠です。形成外科医の視点からも、肌の健康は体全体の健康状態を反映しており、内側からのケアが重要だと強調できます。

【ニキビ改善のための食養生】 漢方医学の観点から見ると、ニキビは体内に熱がこもっていたり、血行が悪かったり、水分の巡りが滞っていたりすることが原因で起こると考えられます。

  • 避けるべきもの(熱や湿をためやすいもの)
    • 脂っこいもの、甘いもの
      • 揚げ物、チョコレート、ケーキ、スナック菓子などは、体内で「湿熱(しつねつ)」を生み出し、皮脂の過剰分泌や炎症を悪化させる可能性があります。
    • 刺激物
      • 香辛料、カフェイン、アルコールなどは、体の「熱」を高め、炎症を悪化させることがあります。
    • 冷たいもの
      • アイスクリームや冷たい飲み物は、消化器に負担をかけ、体の冷えを招き、代謝の低下につながることがあります。
  • 積極的に摂りたいもの(体質を整えるもの)
    • 旬の野菜、海藻類
      • 体内の熱を冷まし、血をきれいにする働きが期待できます。
      • ゴボウ、レンコン、トマト、キュウリ、ワカメなどがおすすめです。
    • 発酵食品
      • 腸内環境を整え、体内の巡りを良くする効果が期待できます。
      • 味噌、納豆、ヨーグルトなどを積極的に摂りましょう。
    • 和食中心のバランスの取れた食事
      • ご飯、味噌汁、旬の野菜を中心とした和食は、体に負担が少なく、体質改善に適しています。
    • 緑茶
      • 一部の研究では、緑茶が尋常性ざ瘡(ニキビ)に有用である可能性も示唆されています(Hoffmann et al., 2023)。
      • 食生活に緑茶を取り入れることも一つの方法です。
  • 食事療法が治療の第一歩
    • 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)によるニキビの治療においても、食事を含むライフスタイルの改善が非常に重要であり、食事療法が最初の治療選択肢となるべきだと指摘されています(Stańczak et al., 2024)。
    • 患者さんご自身が食事に意識を向けることが、ニキビ改善への大きな一歩となります。

【ニキビ改善のための生活習慣】

  • 質の良い睡眠
    • 十分な睡眠は、肌のターンオーバーを促し、ホルモンバランスを整えるために非常に重要です。
    • 遅くとも夜12時には就寝し、7~8時間の睡眠を心がけましょう。
    • 睡眠の質は、PCOSによるニキビの改善にも重要であることが指摘されています(Stańczak et al., 2024)。
  • ストレス管理
    • ストレスは自律神経の乱れを通じてホルモンバランスに影響を与え、ニキビを悪化させる大きな要因となります。
    • リラックスできる時間を作る、趣味に没頭する、軽い運動をするなど、自分に合ったストレス解消法を見つけましょう。
  • 適度な運動
    • ウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で体を動かすことは、血行を促進し、新陳代謝を高めます。
    • また、適度な身体活動はPCOS患者のニキビ改善にも有効とされています(Stańczak et al., 2024)。
  • 入浴で体を温める
    • シャワーだけでなく、湯船にゆっくり浸かることで体を温め、血行を促進し、リラックス効果も高まります。
  • 清潔な環境
    • 肌に直接触れる枕カバーやタオルは清潔に保ち、定期的に交換しましょう。
    • これらの生活習慣要因は、ニキビの発生だけでなく、その進行にも影響を与えるため、日々の生活で意識することが大切です(Stańczak et al., 2024)。

ニキビ跡や色素沈着への漢方薬と再発予防策

ニキビが治った後も、赤みや色素沈着、クレーターのようなニキビ跡が残ってしまうことがあります。これらは見た目の問題だけでなく、患者さまの精神的な負担となることも少なくありません。形成外科・美容外科の視点から見ても、ニキビ跡のケアは非常に重要であり、漢方薬もその改善と再発予防に貢献できる可能性があります。

【ニキビ跡・色素沈着への漢方薬】 漢方薬は、体の内側から血行を促進し、肌の代謝を助けることで、ニキビ跡や色素沈着の改善をサポートします。

  • 血行促進・排膿を促す漢方薬
    • 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
      • 血行を促進し、停滞した「お血(おけつ)」と呼ばれる血液の滞りを改善する代表的な漢方薬です。
      • 生理前に悪化するニキビや、赤黒いニキビ跡に効果が期待されます。
    • 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
      • 炎症を抑え、膿を排出する作用があり、化膿したニキビや、その後の赤みのあるニキビ跡に適しています。
  • 色素沈着改善・美肌効果が期待できる漢方薬
    • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
      • 血行を改善し、体を温めることで新陳代謝を高め、色素沈着の改善を助けます。
      • 特に冷え性の方や、肌に潤いが足りない方に用いられます。
    • ハトムギ(ヨクイニン)
      • 肌のターンオーバーを促進し、角質ケアを助ける生薬です。
      • ニキビ跡やイボ、肌荒れに広く使われています。
  • 美容皮膚科的応用も期待できる生薬
    • カンゾウ、松樹皮、ツボクサなどの生薬は、美容皮膚科の分野でも肌の改善に用いられることが報告されており(Hoffmann et al., 2023)、漢方薬が持つ美容効果への応用も期待されます。
    • これらの生薬は、肌の炎症を抑えたり、抗酸化作用によって色素沈着を軽減したりする可能性が考えられます。

【ニキビの再発予防策】 せっかくニキビが改善しても、再発してしまっては意味がありません。形成外科医の視点からも、治療後の長期的な肌の健康維持は非常に重要です。漢方治療を通じて得た体質改善を維持し、ニキビの再発を防ぐための生活習慣を継続することが重要です。

  • 体質改善の継続
    • 漢方薬で体質が改善されても、すぐに服用をやめてしまうと元の状態に戻ってしまうことがあります。
    • 医師と相談しながら、徐々に減量したり、体調管理のために継続したりするなど、適切な方法で治療を終えることが大切です。
  • ストレス管理と十分な睡眠
    • これらはホルモンバランスに大きく影響するため、ニキビの再発予防には欠かせません。
    • 心身の安定が肌の健康を保つ土台となります。
  • 適切なスキンケア
    • 洗顔は優しく行い、保湿をしっかりと行うことで肌のバリア機能を保ちます。
    • ご自身の肌質に合った化粧品を選ぶことも重要です。
  • 定期的な皮膚科受診
    • ニキビは慢性的な疾患であり、悪化のサインを見逃さないためにも、定期的に皮膚科を受診し、肌の状態をチェックしてもらうことが再発予防につながります。
    • 少しでも異変を感じたら、早めに専門医にご相談ください。

Q&A

Q1. 漢方薬はどのくらいで効果が出ますか?

  • 漢方薬は、体質を根本から改善していくことを目指すため、効果が現れるまでに時間がかかることが一般的です。
  • 個人の体質や症状の程度にもよりますが、通常は数週間から数ヶ月で変化を感じ始める方が多いです。
  • 焦らず、医師の指示に従って服用を続けることが大切です。

Q2. 妊娠中でも漢方薬を服用できますか?

  • 妊娠中や授乳中の方も、漢方薬を服用できる場合がありますが、必ず事前に医師に相談し、指示に従ってください。
  • 一部の漢方薬には、妊娠中に注意が必要な成分が含まれていることがあります。
  • 安全な治療のために、ご自身の状態を詳しくお伝えください。

Q3. 漢方薬は毎日飲まないと効果がありませんか?

  • 漢方薬の効果を最大限に引き出すためには、毎日継続して服用することが基本です。
  • しかし、飲み忘れなどがあったとしても、次の日からまた服用を再開すれば問題ありません。
  • もし飲み忘れることが多い場合は、服用するタイミングや回数について医師に相談し、無理なく続けられる方法を見つけましょう。

Q4. 漢方薬の味や匂いが苦手な場合はどうすれば良いですか?

  • 漢方薬独特の味や匂いが苦手な方は多くいらっしゃいます。
  • オブラートに包んで飲んだり、少量の水で一気に飲み込んだりする方法が有効です。
  • また、エキス剤の場合、お湯に溶かさずにそのまま水で飲むこともできます。
  • どうしても苦手な場合は、別の漢方薬を検討できる場合もあるため、主治医にご相談ください。

ニキビ治療は、外用薬や内服薬といった西洋医学的なアプローチだけでなく、漢方薬による体質改善、さらには日々の生活習慣の見直しを含めた総合的なケアが重要です。ニキビを繰り返しやすく、なかなか改善しないとお悩みの方は、ぜひ一度、漢方治療に詳しい皮膚科医や形成外科医にご相談ください。当院では、患者さん一人ひとりの体質やライフスタイルに合わせた最適な治療法をご提案し、ニキビのない健やかな肌、そして自信に満ちた毎日を取り戻すお手伝いをさせていただきます。お気軽にお問い合わせください。

まとめ

ニキビは、肌表面だけでなく、体の内側のバランスが影響していることが多いデリケートな肌トラブルです。漢方薬は、一人ひとりの体質や症状に合わせて選び、炎症を抑えたり、血行を促進したり、体全体のバランスを整えたりすることで、ニキビができにくい健やかな肌へと導くことができます。即効性よりも体質改善を目指すため、時間はかかりますが、根本的な解決に繋がるアプローチです。

ご紹介したように様々な漢方薬があり、思春期ニキビから大人ニキビ、繰り返しできるニキビ、さらには冷えやストレスといった体質改善にも対応できます。市販薬もありますが、ご自身の「証」に合った漢方薬を選ぶことが大切ですので、気になる方はぜひ一度、漢方治療に詳しい皮膚科医や形成外科医にご相談ください。専門家と一緒に、ニキビのない自信の持てる毎日を取り戻しましょう。

参考文献

  1. Hsing-Yu Chen, Yi-Hsuan Lin, Yu-Chun Chen, Hsing-Yu Chen et al. Identifying Chinese herbal medicine network for treating acne: Implications from a nationwide database.
  2. Kenza Mansoor, Talal Aburjai, Farah Al-Mamoori, Mathias Schmidt et al. Plants with cosmetic uses.
  3. Julia Hoffmann, Fabian Gendrisch, Christoph Mathis Schempp, Ute Wölfle, Julia Hoffmann et al. New Herbal Biomedicines for the Topical Treatment of Dermatological Disorders.
  4. Ana Carolina Proença et al. The Role of Herbal Medicine in the Treatment of Acne Vulgaris: A Systematic Review of Clinical Trials.
  5. Ye K, Chen Z, He L, Wu H, Chen Z and Tan J. Dissolvable microneedles based on active components of Chinese Herbal Medicine for enhanced treatment of skin diseases.
  6. Stańczak NA, Grywalska E and Dudzińska E. The latest reports and treatment methods on polycystic ovary syndrome.
  7. ニキビ治療薬ガイドライン

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