医師監修|ニキビに効くビタミン完全ガイド

鏡を見るたびに憂鬱になったり、人目が気になったりすることはありませんか?ニキビは、肌の見た目だけでなく、心の健康にも影響を及ぼす厄介な肌トラブルです。しかし、ご安心ください。ニキビは適切なケアと治療で改善できる皮膚の病気であり、実は毎日の食事から摂る「ビタミン」が非常に重要な役割を果たすことをご存じでしょうか。
近年では、ニキビ患者は健常者に比べビタミンD欠乏症の有病率が約3倍高いというメタアナリシスも報告されており、ビタミンとニキビの深い関係が示唆されています。この医師監修の記事では、ニキビの改善に役立つ主要なビタミンの効果と正しい摂取方法を詳しく解説。ぜひ、健やかな肌を取り戻すための一歩を踏み出しましょう。
ニキビ改善に導く!主要ビタミン5つの効果と働き
ニキビに悩む方は本当にたくさんいらっしゃいます。鏡を見るたびに憂鬱になったり、人目が気になったりすることもあるのではないでしょうか。ニキビは、肌の見た目の問題だけでなく、心の健康にも影響を及ぼすことがあります。しかし、ご安心ください。ニキビは適切なケアと治療で改善できる皮膚の病気です。実は、毎日の食事から摂る「ビタミン」も、ニキビの改善にとても大切な役割を果たしていることをご存じでしょうか。ここでは、形成外科専門医、美容外科専門医(JSAPS)の視点から、ニキビの改善に役立つ主要なビタミンとその働きについて、詳しく解説していきます。

ニキビができるメカニズムとビタミンが果たす役割
ニキビは、いくつかの要因が絡み合ってできる皮膚の炎症性疾患です。まずは、毛穴の出口が古い角質で詰まることから始まります。次に、この詰まった毛穴の中で皮脂が過剰に分泌されます。過剰な皮脂は、アクネ菌という皮膚の常在菌にとって格好の栄養源となり、アクネ菌が増殖していきます。このアクネ菌の増殖や皮脂が分解される過程で生じる物質が刺激となり、炎症が起きて赤く腫れたり、膿を持ったりするニキビへと進行していくのです。
ビタミンは、このニキビができるさまざまな段階において、それぞれ異なる重要な役割を担っています。たとえば、肌の新陳代謝を促して毛穴の詰まりを防いだり、皮脂の分泌を調整したりする働きがあります。また、アクネ菌による炎症を抑えたり、肌のバリア機能を強化したりすることも期待できます。最近の研究では、ニキビで悩む方は、そうでない方に比べて体内のビタミンDレベルが低いことが示されており、ビタミンDのレベルが低いほどニキビが重症化する傾向にあることが、多くの研究をまとめたメタアナリシスで明らかになっています(Hasamoh et al., 2023)。このメタアナリシスでは、ニキビ患者でビタミンD欠乏症の有病率が健常な方に比べて約3倍も高いことも示されており、ビタミンDがニキビの発生に深く関わっている可能性が示唆されています。このように、ビタミンはニキビの予防から改善まで、幅広いアプローチで肌をサポートしてくれる大切な栄養素なのです。
皮脂分泌と肌の調子を整えるビタミンB群(B2, B6, B3, B5)
ビタミンB群は、体の中でさまざまな代謝を助ける働きがあり、「美肌ビタミン」とも呼ばれています。肌の健康を保つために不可欠な栄養素であり、特にニキビ対策において重要なのが、次の4つのビタミンです。
- ビタミンB2(リボフラビン)
- 皮脂の分泌をコントロールする大切な役割があります。
- このビタミンが不足すると、皮脂が過剰に分泌されやすくなり、ニキビの原因となることがあります。
- また、肌や粘膜の健康を保ち、新しい細胞が作られるのを助ける働きも期待できます。
- ビタミンB6(ピリドキシン)
- ホルモンバランスの調整に関わり、特に皮脂の分泌を抑える作用があると言われています。
- ストレスを感じやすい方は、ビタミンB6が不足しがちになることもありますので、意識して摂りたいビタミンです。
- ビタミンB3(ナイアシン、ニコチンアミド)
- 強い抗炎症作用を持つことで知られており、ニキビの治療薬としても期待されています。
- 多くの研究で、外用または経口のニコチンアミドがニキビの数を減らしたり、既存の標準治療と同等の効果を示したりすることが報告されています(Walocko et al., 2019)。
- ニコチンアミドは、これまでの研究で重大な副作用が報告されていないため、比較的安全な治療選択肢と考えられています。
- ただし、まだ研究数が限られているため、今後さらに大規模かつ長期的な研究を通じて、その効果と安全性が詳細に評価されることが期待されています。
- 肌のバリア機能を高め、水分を保持するセラミドの生成を促す働きもあり、ニキビ肌の改善に大きく貢献します。
- ビタミンB5(パントテン酸)
- ストレスを和らげる働きや、肌の代謝を活発にする働きがあります。
- これらが、結果的に皮脂のバランスを整え、ニキビの予防につながると考えられています。
これらのビタミンB群は、それぞれが連携して働き、健やかな肌を保つために不可欠です。しかし、ビタミンB群の一つであるビタミンB12については、特定の状況下でアクネ菌による炎症を促進し、ニキビを誘発する可能性も示唆されています(Kang et al., 2015)。特にビタミンB12の過剰な摂取は、肌の常在菌であるアクネ菌の活動に影響を与える可能性が指摘されています。研究によると、ビタミンB12を補給することでアクネ菌のビタミンB12生合成経路が抑制され、炎症を引き起こすポルフィリンという物質の産生が促進されることが示唆されています。これにより、一部の方ではニキビが悪化するケースも報告されており、体内の代謝物と皮膚のマイクロバイオータ(微生物叢)の相互作用がニキビの発症に関わる可能性が示されています。ビタミンB群はバランスよく摂ることが大切ですので、自己判断で特定のビタミンだけを大量に摂取することは避けてください。
抗炎症・抗酸化作用で肌を守るビタミンC
ビタミンCは、肌にとって非常に重要なビタミンで、「美肌のビタミン」として広く知られています。ニキビケアにおいても、その多様な働きが注目されています。
主な効果は次の通りです。
- 抗炎症作用
- ニキビは、アクネ菌の増殖などによって引き起こされる炎症です。
- ビタミンCには、この炎症を鎮める効果があり、赤く腫れたニキビ(炎症性ニキビ)の悪化を防ぎ、鎮静化を助けることが期待できます。
- 抗酸化作用
- 紫外線やストレスなどによって体内で発生する「活性酸素」は、肌の細胞にダメージを与え、ニキビの悪化や肌の老化を招きます。
- ビタミンCは、この活性酸素を取り除く強力な抗酸化作用を持っており、肌を酸化ストレスから守ってくれます。
- コラーゲン生成促進
- コラーゲンは肌のハリや弾力を保つために不可欠なタンパク質です。
- ビタミンCは、体内でコラーゲンが作られるのを助ける働きがあり、健康な肌の維持や、ニキビ跡の改善にも間接的に良い影響を与えます。
- メラニン生成抑制
- ニキビが治った後に残る色素沈着(ニキビ跡の色素沈着)は、肌が炎症を起こした際にメラニンが過剰に生成されることで起こります。
- ビタミンCには、メラニンの生成を抑える働きや、できてしまったメラニンを薄くする働きがあるため、ニキビ跡の色素沈着対策にも有効です。
ビタミンCは水溶性で体に蓄えにくい特徴があるため、毎日こまめに摂取することが大切です。野菜や果物から積極的に摂るほか、サプリメントやビタミンC配合の化粧品なども活用できます。
肌のターンオーバーを促進するビタミンA(レチノール)
ビタミンA、特にレチノールは、肌の健康を保つ上で非常に重要な役割を担うビタミンです。ニキビケアにおいては、主に肌の「ターンオーバー」と呼ばれる新陳代謝を正常化する働きが注目されています。
- ターンオーバーの促進
- 肌の表面には古い角質があり、それが正常に剥がれ落ちて新しい細胞へと入れ替わるのがターンオーバーです。
- ビタミンAは、このターンオーバーを促進し、古い角質が毛穴に詰まるのを防ぐことで、ニキビの発生を抑える効果が期待できます。
- 毛穴が詰まることで生じる白ニキビや黒ニキビの改善に役立ちます。
- 皮脂腺の働きを調整
- 皮脂の過剰な分泌はニキビの大きな原因の一つですが、ビタミンAは皮脂腺の働きを正常に保ち、皮脂量をコントロールする作用があると言われています。
重度のニキビの場合、経口のビタミンA製剤が治療に用いられることがあります。特に、イソトレチノインという強力なニキビ治療薬が使用できない状況において、経口ビタミンAが代替薬として再評価されており、過去の研究では多くの患者さんでニキビの改善が報告されています(Cook et al., 2021; Cook et al., 2023)。一般的な投与量は一日あたり100,000 IUとされており、治療開始から平均7週間から4ヶ月で改善が見られるとされています。
しかし、経口ビタミンAの摂取には、副作用のリスクも伴います。主な副作用として口唇の乾燥や目の乾きといった粘膜皮膚症状、頭痛などが挙げられますが、最も重要なのは「催奇形性」のリスクです。妊娠中または妊娠を希望する女性が摂取すると、胎児に深刻な影響を与える可能性があります。経口ビタミンAは、サプリメントとして処方箋なしで入手できるものもありますが、自己判断での摂取は非常に危険です。特に、その半減期が長く体内に蓄積されやすいため、潜在的な毒性や副作用のリスクを避けるためにも、専門の医師による厳格な医学的モニタリングが不可欠です。副作用として報告される唇の乾燥や目の乾き、頭痛といった症状も、医師の適切な指示のもと治療を継続したり中止したりすることで、ほとんどの場合解決可能です。しかし、最も重要な催奇形性のリスクを考慮し、服用を中止した後も最低3ヶ月間は確実な避妊を続ける必要があります。安全かつ効果的にビタミンAを利用するためには、必ず皮膚科医や形成外科医に相談し、適切な指導を受けるようにしてください。
血行促進と肌バリアを強化するビタミンE
ビタミンEは、若返りのビタミンとも呼ばれるほど、その強力な抗酸化作用と血行促進作用で知られています。ニキビケアにおいても、健やかな肌を保つために重要な役割を果たします。
主な効果は次の通りです。
- 血行促進作用
- 肌の毛細血管の血流を良くすることで、肌細胞に必要な栄養素や酸素がすみずみまで行き渡りやすくなります。
- これにより、肌の新陳代謝が活発になり、古い角質の排出がスムーズになることで、ニキビができにくい健康な肌状態へと導きます。
- 抗酸化作用
- ビタミンEは、ビタミンCと同じく強力な抗酸化作用を持ち、体内で発生する活性酸素から細胞を守ります。
- 活性酸素は、ニキビの炎症を悪化させたり、肌の老化を早めたりする原因となりますが、ビタミンEがこれらを無害化することで、ニキビの悪化を防ぎ、肌の健康維持に貢献します。
- ビタミンCと一緒に摂ることで、より効果的な抗酸化作用が期待できます。
- 肌バリア機能の強化
- ビタミンEは、肌の細胞膜を構成する成分の酸化を防ぎ、肌のバリア機能を正常に保つ働きがあります。
- 肌のバリア機能が低下すると、外部からの刺激を受けやすくなり、乾燥や敏感肌、ニキビの悪化につながることがありますが、ビタミンEによってバリア機能が強化されることで、刺激に強い健やかな肌へと導かれます。
- 保湿効果
- 血行促進作用やバリア機能の強化と相まって、肌の水分保持能力を高め、乾燥から肌を守る効果も期待できます。
- 乾燥は肌のターンオーバーを乱し、ニキビの原因となることもあるため、保湿はニキビケアにおいて非常に大切です。
ビタミンEは、アーモンドなどのナッツ類、植物油、アボカドなどに豊富に含まれています。日々の食事にこれらをバランス良く取り入れることで、内側からニキビケアをサポートできるでしょう。
よくある質問(Q&A)
Q1: サプリメントでビタミンを摂ればニキビは治りますか? A1: サプリメントは、あくまで食事で不足しがちな栄養素を補うためのものです。ニキビは食生活だけでなく、ストレス、ホルモンバランス、スキンケアなど多くの要因が絡み合って発症するため、サプリメントの摂取だけで完治するわけではありません。ビタミン摂取はニキビケアの補助的な役割と考えていただき、専門医による診断と治療が最も重要です。
Q2: ビタミンAの化粧品と内服薬では何が違うのですか? A2: ビタミンAは化粧品にも配合されていますが、これらは主に肌表面のターンオーバーを促す目的で使用されます。一方、内服薬としてのビタミンA製剤は、より高い濃度で体内に作用し、皮脂腺の働きを強力に抑制するなど、その効果が大きく異なります。特に、重度のニキビに対する内服薬は、専門の医師の管理下でのみ処方されるべきであり、自己判断での使用は避けるべきです。
Q3: ニキビがひどい場合、ビタミンだけでは不十分ですか? A3: その通りです。ビタミンは肌の健康維持やニキビ予防に役立ちますが、すでに炎症がひどいニキビや、繰り返す頑固なニキビに対しては、ビタミン摂取だけでは十分な効果が得られないことがほとんどです。ニキビの症状が重い場合や、自己ケアで改善しない場合は、皮膚科医や形成外科医に相談し、適切な外用薬や内服薬、処置などの専門的な治療を受けることが不可欠です。
ニキビでお悩みなら、専門医にご相談ください
ニキビは多くの方が経験する肌トラブルですが、その原因や症状は一人ひとり異なります。ビタミン摂取は確かにニキビケアの一助となりますが、あくまで補助的なアプローチです。根本的な改善や重症化の予防には、肌の状態を正しく把握し、適切な治療を行うことが何よりも大切です。当院では、形成外科専門医、美容外科専門医(JSAPS)として、ニキビの原因を突き止め、患者さんに合わせた最適な治療プランをご提案しています。お一人で悩まずに、ぜひ一度当院までご相談ください。健やかな肌を取り戻すお手伝いをさせていただきます。
正しい摂り方で効果を最大化!ニキビに効くビタミンの摂取法と注意点
ニキビは多くの方が悩まれる肌トラブルの一つです。鏡を見るたびに憂鬱な気持ちになったり、人目が気になったりすることもあるでしょう。内側からのケアも非常に大切ですが、ただ闇雲にビタミンを摂取するだけでは十分な効果が得られない可能性があります。時には体の健康状態に悪影響を及ぼすこともあります。
形成外科専門医、美容外科専門医として、皆様が安心してニキビ対策に取り組めるよう、効果的なビタミンの摂取方法と注意点を分かりやすくお伝えします。正しい知識を身につけて、健康的で美しい肌を目指しましょう。

食事から効率よくビタミンを摂るコツとおすすめ食材
ニキビの改善を目指す上で、まず基本となるのはバランスの取れた食生活です。ビタミンは様々な食品に含まれており、普段の食事から積極的に摂ることが重要です。特に、皮脂のバランスを整えるビタミンB群、肌のバリア機能を守るビタミンA、抗酸化作用で肌を守るビタミンCやビタミンEは、ニキビ対策に欠かせません。
| ビタミン | 主な働き | 多く含む食品例 | 摂取のコツ |
|---|---|---|---|
| ビタミンA | 肌のターンオーバー(肌の生まれ変わり)を促進し、バリア機能を維持します。 | レバー、うなぎ、卵黄、緑黄色野菜(β-カロテンとして) | 脂溶性のため、油と一緒に摂ると吸収率が上がります。人参やかぼちゃは油で炒めるのがおすすめです。 |
| ビタミンB群 | 皮脂分泌の調整、エネルギー代謝、肌の健康維持に貢献します。 | 豚肉、レバー、魚介類、納豆、卵、乳製品 | 水溶性なので、煮汁も一緒に摂れるスープや鍋料理、炊き込みご飯などが良いでしょう。 |
| ビタミンC | 強力な抗酸化作用で肌を守り、コラーゲン生成や皮脂抑制を助けます。 | パプリカ、ブロッコリー、いちご、キウイ、柑橘類 | 熱に弱いため、生で食べたり、短時間の加熱で調理したりするのがおすすめです。 |
| ビタミンE | 血行促進、抗酸化作用、肌のバリア機能強化に役立ちます。 | ナッツ類、アボカド、植物油、かぼちゃ | 酸化されやすい性質があるため、新鮮なものを意識して摂り入れましょう。 |



日々の食卓に、これらの食材を彩り豊かに取り入れることで、必要なビタミンを効率良く摂取し、ニキビができにくい肌へと導くことができます。また、食事として緑茶を飲むことも、肌の健康維持に役立つ可能性があります。複数の研究をまとめたシステマティックレビューでは、緑茶の抽出物がニキビの病変数減少に潜在的な利益を示す可能性が示唆されています。
ニキビ対策サプリメントの選び方と安全な服用方法
忙しい現代社会では、食事だけで必要なビタミンを全て摂りきることが難しい場合もあるでしょう。そのような時には、サプリメントを上手に活用することも、ニキビケアの一つの選択肢です。しかし、サプリメントはあくまで「食事の補助」であり、基本的な食事を疎かにしないことが大前提です。サプリメントを選ぶ際には、安全性と品質を重視し、以下の点に注意してください。
- 信頼できる製品を選ぶ
- 医療機関で推奨されているものや、大手メーカーが製造している製品を選ぶと安心です。
- 成分表示が明確で、製造管理がしっかりしていることを確認しましょう。
- 安価な海外製品には注意が必要です。
- 成分と含有量を確認する
- システマティックレビューでは、ビタミンB5やビタミンD、プロバイオティクス、ω-3脂肪酸などがニキビの改善に潜在的な効果を持つ可能性が示唆されています。
- また、ニコチンアミド(ビタミンB3)もニキビ治療に有望であると報告されており、特に抗炎症作用が期待されます。
- これらの成分を含むサプリメントを検討する際は、過剰摂取にならないよう含有量が適切であるかを確認しましょう。
- 正しい飲み方を守る
- サプリメントは「薬」ではないため、即効性は期待できません。
- 効果を実感するにはある程度の継続が必要ですが、自己判断で服用量を増やしたりせず、製品に記載された目安量を守ることが大切です。
- 医師や薬剤師に相談する
- すでに他の薬を服用している場合や、持病がある場合は、サプリメントとの相互作用や体質への影響を考慮する必要があります。
- 必ず医師や薬剤師に相談してから服用を開始してください。
- 特に亜鉛のサプリメントを摂取する際には、消化管の不調などの有害事象が報告されていることもありますので、不安な場合は専門家にご相談ください。
「ニキビに効く」と謳われるサプリメントは数多く存在しますが、効果には個人差があります。過剰な期待はせず、補助的なものとして捉えるのが賢明です。
過剰摂取に注意!ニキビを悪化させる可能性のあるビタミン
「体に良いものはたくさん摂った方が効果がある」という考え方は、ことビタミンに関しては当てはまらないことがあります。ビタミンの中には、過剰に摂取することでかえってニキビを悪化させたり、他の健康問題を引き起こしたりする可能性があるものも存在します。ここでは、形成外科専門医、美容外科専門医として特に注意していただきたいビタミンや成分について解説します。
- ビタミンB6・ビタミンB12
- 複数の研究をまとめた報告書では、高用量のビタミンB6やビタミンB12のサプリメント摂取がニキビの発生や悪化に関連することが指摘されています。
- これらのビタミンによるニキビは、比較的均一な発疹として現れる特徴があります。
- 「疲れに良いから」といって安易に大量摂取するのは控えましょう。
- ヨウ素
- ヨウ素の過剰摂取もニキビの原因となることが報告されています。
- 特に、甲状腺機能に関わるサプリメントや、一部の健康食品に高濃度で含まれる場合があります。
- ヨウ素によるニキビは、顔や上胸部に炎症性の膿疱として現れることがあります。
- ホエイプロテイン
- 筋力トレーニングを行う方が摂取するホエイプロテインも、ニキビと関連があることが示されています。
- 体幹や顔に丘疹や結節性のニキビとして現れることが多いです。
- プロテイン摂取後にニキビが悪化した場合は、摂取を中止するか、他の種類のプロテインへの変更を検討しましょう。
- アナボリックステロイドが混入している可能性のある筋力増強サプリメント
- これはビタミンではありませんが、一部の筋力増強サプリメントにはアナボリックステロイドが不正に混入しているケースがあります。
- 重症型のニキビを引き起こすことが知られており、絶対に避けるべきです。
- 健康被害を避けるため、正規の製品を選び、安易な個人輸入は控えましょう。
これらのサプリメントによるニキビは、摂取を中止することで改善することがほとんどです。もしサプリメントを飲み始めてからニキビが悪化したと感じたら、自己判断で摂取を続けず、すぐに皮膚科医や形成外科専門医にご相談ください。専門医は、サプリメントの使用状況を確認し、潜在的なリスクについて適切な情報を提供することができます。
妊娠中・授乳中のニキビとビタミン摂取の重要なポイント
妊娠中や授乳中は、女性ホルモンの変動が大きいため、ニキビができやすくなったり悪化したりすることがよくあります。この時期のビタミン摂取は、ご自身の健康はもちろん、お腹の赤ちゃんや母乳を通じて赤ちゃんに影響を与える可能性があるため、特に慎重な配慮が求められます。
- ビタミンA(レチノール)の過剰摂取に注意
- 経口でのビタミンA(レチノール)の高用量摂取は、胎児に奇形を引き起こすリスクがあるため、妊娠中や妊娠を希望されている方はサプリメントでの摂取を厳禁とされています。
- 食事からの摂取であれば通常は問題ありませんが、レバーなど特にビタミンAを多く含む食品の過剰摂取は避けるよう心がけましょう。
- 「うなぎも要注意」とよく言われますが、過度な心配は不要です。バランス良く楽しむ程度であれば問題ありません。
- その他のビタミンサプリメント
- 他のビタミンについても、妊娠中や授乳中の安全性については十分なデータがない場合や、推奨される摂取量が通常時と異なる場合があります。
- 自己判断でサプリメントを摂取することは避け、必ず主治医(産婦人科医や皮膚科医、形成外科専門医)に相談し、指示に従うようにしてください。
- 必要な栄養素は、医師の指導のもと、安全な範囲で処方される栄養補助食品や医薬品で補うことが最も大切です。
- スキンケア製品の使用
- 外用薬や化粧品に関しても、成分によっては妊娠中・授乳中の使用が推奨されないものがあります。
- 使用前に必ず医師や薬剤師に相談し、安全なものを選ぶようにしましょう。
この時期は、非常にデリケートです。ニキビで悩んでいても自己判断でのケアは避け、必ず専門家の意見を聞くようにしてください。当院では、女性の患者さんが安心してニキビ治療を受けられるよう、お一人おひとりの状況に合わせた丁寧なカウンセリングを行っています。
ニキビに有効なビタミン配合の化粧品や外用薬
ニキビケアは、体の内側からのアプローチだけでなく、肌の外側からのケアも非常に大切です。特に、ビタミンを配合した化粧品や外用薬は、直接肌に作用することで、ニキビの改善や予防に効果が期待できます。形成外科専門医、美容外科専門医として、ニキビに有効なビタミン配合の製品とその選び方についてご紹介します。
- ビタミンC誘導体
- 働き
- 皮脂の過剰な分泌を抑え、強力な抗酸化作用で炎症を鎮めます。
- メラニン色素の生成を抑制してニキビ跡の色素沈着を防ぐ働きも期待できます。
- さらに、コラーゲンの生成を促し、肌のハリと弾力を保ちます。
- 製品選び
- 水溶性、脂溶性、両親媒性(APPSなど)といった様々な種類の誘導体があります。
- 肌質や目的に合わせて、安定性が高く、肌への浸透が良いものを選ぶと良いでしょう。
- 「毛穴の目立ち」や「くすみ」が気になる方にもおすすめです。
- 働き
- ビタミンA(レチノール)
- 働き
- 肌のターンオーバー(肌の生まれ変わり)を正常化させ、古い角質が毛穴に詰まるのを防ぎます。
- これにより、初期のニキビであるコメド(白ニキビ、黒ニキビ)の改善に効果が期待できます。
- 皮脂腺の働きを調整し、過剰な皮脂分泌を抑える作用も期待できます。
- 製品選び
- レチノール、レチナール、レチノイン酸などがあり、効果の強さや肌への刺激が異なります。
- 刺激を感じやすい場合があるため、初めて使用する際は低濃度のものから少量ずつ試し、日中は必ず紫外線対策を徹底してください。
- 美容液やクリームなどに配合されていることが多いです。
- 働き
- ニコチンアミド(ビタミンB3)
- 働き
- ニコチンアミドは、ニキビ治療に有望であると報告されており、抗炎症作用により赤ニキビの炎症を鎮めます。
- 肌のバリア機能を強化し、皮脂のバランスを整える働きもあります。
- これまでの研究で重大な副作用が報告されていないため、比較的安全な治療選択肢と考えられています。
- 製品選び
- 比較的肌への刺激が少ないため、敏感肌の方にも取り入れやすい成分です。
- 化粧水や美容液、クリームなど、様々な形態で配合されています。
- 働き
市販のビタミン配合化粧品で改善が見られない場合や、ご自身の肌質に合った製品選びに迷われた場合は、ぜひクリニックにご相談ください。当院では、形成外科専門医、美容外科専門医が患者様一人ひとりのニキビの状態を丁寧に診察し、適切なビタミン配合の製品のご提案はもちろん、より効果的な治療法(外用薬の処方、レーザー治療、ピーリングなど)を組み合わせたオーダーメイドの治療計画をご提案させていただきます。専門的な視点から、健康的で美しい肌を取り戻すお手伝いをいたします。
よくある質問(Q&A)
Q1: ニキビができた時に、特定のビタミンだけを大量に摂るのは効果的ですか? A1: 特定のビタミンだけを大量に摂取することは、おすすめできません。体内でビタミンは互いに助け合って機能するため、バランス良く摂ることが大切です。また、過剰摂取によってかえってニキビを悪化させたり、健康被害を引き起こしたりするリスクがあるビタミンもあります。あくまでバランスの取れた食生活が基本であり、不足分を補う意味でサプリメントを活用する場合は、専門医や薬剤師にご相談ください。
Q2: 市販のビタミン配合化粧品と、クリニックで処方される外用薬では何が違うのですか? A2: 市販のビタミン配合化粧品は、肌を健やかに保つ目的で作られており、比較的穏やかな作用が特徴です。一方、クリニックで処方される外用薬は、医師の診断に基づき、症状に対してより効果を発揮するよう、有効成分が高濃度で配合されています。ビタミンA製剤など、市販品とは異なる作用機序を持つものも多く、重症度に応じた専門的な治療が可能です。ニキビの症状が改善しない場合は、専門医にご相談ください。
Q3: ニキビ改善のためには、ビタミンはどれくらいの期間摂取すれば良いのでしょうか? A3: ビタミンの効果は即効性があるものではなく、肌のターンオーバー(約1ヶ月周期)を考えると、最低でも2〜3ヶ月は継続して摂取することで効果を実感しやすくなります。しかし、これはあくまで目安であり、体質やニキビの状態によって個人差があります。また、ビタミン摂取はあくまでニキビ治療の補助的な役割です。症状が改善しない場合や、より早く改善を望む場合は、専門医による診断と治療を並行して行うことを強くおすすめします。
ニキビでお悩みなら、専門医にご相談ください
ここまで、ニキビケアにおけるビタミンの重要性と、その正しい摂取方法、注意点について解説してきました。ビタミンは健やかな肌を保つ上で欠かせない栄養素ですが、あくまでニキビ治療における「補助的な役割」を果たすものです。
ニキビは、ホルモンバランス、ストレス、食生活、スキンケア、遺伝など、多くの要因が複雑に絡み合って発生する皮膚の病気です。ご自身の判断でビタミン摂取や市販品でのケアを続けても改善が見られない場合、あるいはニキビが悪化してしまった場合は、放置せずに専門医にご相談ください。
当院では、形成外科専門医、美容外科専門医として、患者様お一人おひとりの肌質やニキビの原因を詳細に診断し、その方に最適な治療プランをご提案しています。内服薬や外用薬の処方、ケミカルピーリング、レーザー治療、光治療など、多角的なアプローチで、ニキビの根本的な改善と再発予防を目指します。
「鏡を見るのが憂鬱」「人に会うのが億劫」など、ニキビは心にも大きな負担をかけます。一人で悩まずに、ぜひ一度当院までお気軽にご相談ください。経験豊富な専門医が、皆さんが自信を持って笑顔で毎日を過ごせるよう、健やかな肌を取り戻すお手伝いをさせていただきます。
ビタミンだけじゃない!ニキビを根本から治す総合的なアプローチ
ニキビは、お顔の印象を大きく左右し、時に人との交流をためらってしまうほど、自信を失わせてしまうことがあります。これまで、ニキビに対するビタミンの重要性について詳しく解説してきました。しかし、ニキビを根本から改善し、健やかな肌を保つためには、ビタミン摂取だけでは十分とは言えません。
形成外科専門医、美容外科専門医(JSAPS)としての経験から言えるのは、ニキビは食生活、生活習慣、スキンケア、そして時には専門的な治療を組み合わせた、多角的なアプローチが不可欠な皮膚の病気だということです。この章では、ニキビで悩む皆さんが、より健康的で美しい肌へと導かれるための具体的な方法を、専門家の視点からご紹介いたします。

美肌の土台を作るニキビケアの基本と生活習慣
美肌を育むためには、日々のスキンケアと生活習慣が何よりも大切な土台となります。ニキビケアの基本は、肌を清潔に保ち、適切な保湿を行い、肌への刺激を避けることです。
正しい洗顔で肌を清潔に保ちましょう
- 洗顔は、過剰な皮脂や汚れ、古い角質を取り除くために非常に重要です。
- 毛穴の詰まりを防ぎ、ニキビの発生を抑える効果が期待できます。
- 洗顔のポイント: 刺激の少ない洗顔料をたっぷりの泡で優しく洗いましょう。
- 肌をゴシゴシこすると、かえって肌に負担をかけてしまいます。
- ぬるま湯で十分に洗い流し、清潔なタオルで優しく水分を拭き取ってください。
- 朝晩の2回が洗顔の目安です。

十分な保湿で肌のバリア機能を整えましょう
- 洗顔後の肌は非常に乾燥しやすいため、保湿ケアが欠かせません。
- 化粧水で肌に水分を補給し、乳液やクリームで潤いをしっかり閉じ込めましょう。
- 肌が乾燥すると、バリア機能が低下し、外部からの刺激を受けやすくなります。
- この状態はニキビを悪化させる原因にもなり得ます。
- 保湿のポイント: ノンコメドジェニック処方(ニキビができにくいように工夫された製品)の製品を選ぶと安心です。

一年を通して紫外線対策を徹底しましょう
- 紫外線は、ニキビの炎症を悪化させるだけでなく、肌にダメージを与えます。
- 特に、ニキビの炎症が治まった後に残る色素沈着(炎症後色素沈着:PIH)を招く大きな原因です。
- 炎症後色素沈着はニキビなどの炎症性皮膚疾患が治癒した後、メラニン産生が増加することで起こります。
- 日焼け止めを塗る、帽子や日傘を使用するなど、季節を問わず紫外線対策を心がけることが大切です。

規則正しい生活習慣を心がけましょう
- 睡眠不足や過度なストレスは、ホルモンバランスを乱す原因となります。
- ホルモンバランスの乱れは、皮脂分泌の増加を招き、ニキビの発生や悪化につながることがあります。
- 質の良い睡眠: 1日7~8時間を目安に、十分な睡眠時間を確保しましょう。
- ストレス管理: 適度な運動、趣味の時間を作る、リラックスできる方法を見つけるなど、ご自身に合った方法でストレスを上手に解消することが大切です。
- ストレスは肌だけでなく、全身の健康にも影響を及ぼします。
バランスの取れた食事を意識しましょう
- 前章でご紹介したビタミンだけでなく、多種多様な栄養素をバランス良く摂取することが重要です。
- 特に、肌の炎症を抑える働きが期待できるオメガ3脂肪酸(青魚などに豊富)や、腸内環境を整える食物繊維(野菜、果物、きのこ類など)を意識して摂りましょう。

腸内環境とニキビの深い関係 プロバイオティクスの可能性
近年、腸内環境と全身の健康、特に肌の健康との密接な関係が注目されています。「腸活」という言葉を耳にする機会も増えたのではないでしょうか。実は、腸内環境のバランスがニキビの発生や悪化にも深く関わっていることが分かってきました。
腸内細菌叢と肌の密接な関係
- 私たちの腸内には、多種多様な細菌が共生しており、これらが集まって「腸内細菌叢」(ちょうないさいきんそう)を形成しています。
- 善玉菌が優勢な健康な腸内環境であれば、免疫機能が正常に働き、肌の炎症も抑えられやすくなります。
- 一方、悪玉菌が増えて腸内環境のバランスが崩れると、体内で炎症性物質が生成されやすくなります。
- これらの物質が血流に乗って全身に運ばれることで、ニキビの悪化につながる可能性があるのです。
- 植物性食事が腸内細菌叢をサポートし、抗炎症作用を発揮することで、炎症性皮膚疾患の改善に寄与する可能性が示唆されています(Min M et al., 2024)。
プロバイオティクスの積極的な摂取
- プロバイオティクスとは、腸内環境を改善し、健康に良い影響を与える微生物のことです。
- ヨーグルト、納豆、味噌、キムチ、漬物などの発酵食品に多く含まれています。
- これらの食品を積極的に食事に取り入れることで、腸内環境を整え、結果として肌の調子が改善される効果が期待できます。
- 健康な腸内環境は、免疫力の向上にもつながり、ニキビだけでなく全身の健康維持にも役立ちます。
食物繊維の重要性
- 食物繊維は、腸内の善玉菌のエサとなり、その増殖を助ける大切な役割があります。
- 野菜、果物、きのこ類、海藻類、全粒穀物(玄米や全粒粉パンなど)などを積極的に食事に取り入れるように心がけましょう。
- 食物繊維は便通を良くし、体内の不要な物質の排出を促す効果も期待できます。
治らないニキビは専門家へ 皮膚科医による治療の選択肢
セルフケアを続けてもなかなか改善しないニキビや、重症化してしまったニキビは、我慢せずに専門家である皮膚科医、あるいは形成外科専門医にご相談ください。形成外科専門医、美容外科専門医(JSAPS)として、ニキビの症状や原因に応じた豊富な治療選択肢をご紹介します。
保険診療で受けられるニキビ治療
- 炎症を伴う赤ニキビや、多数のニキビに対しては、保険診療で適切な治療が可能です。
- 外用薬: 毛穴の詰まりを改善するアダパレンや、アクネ菌を殺菌する過酸化ベンゾイルなどの外用薬が一般的に処方されます。
- これらの外用薬は、ニキビの進行を食い止め、新たなニキビの発生を抑える効果が期待できます。
- 内服薬: 炎症が強い場合や範囲が広い場合には、抗菌薬(テトラサイクリン系、マクロライド系など)が処方され、炎症を鎮めます。
- また、ビタミン剤(ビタミンB群、Cなど)や漢方薬が併用されることもあります。
自費診療でより早く美しい肌を目指す治療
- 保険診療では対応しきれないニキビ跡の改善や、より早く美肌を目指したい場合には、自費診療の選択肢も有効です。
- ケミカルピーリング: 特殊な薬剤を肌に塗布し、古い角質を除去して肌のターンオーバーを促進します。
- 毛穴の詰まりを改善し、ニキビの予防やニキビ跡の改善に役立ちます。
- 光治療・レーザー治療: ニキビの炎症を抑えたり、皮脂腺に作用して皮脂分泌をコントロールしたりします。
- 赤みのあるニキビ跡や色素沈着の改善にも効果が期待できます。
- イオン導入・エレクトロポレーション: ビタミンC誘導体などの美容成分を微弱な電流や電気パルスで肌の奥深くまで浸透させます。
- 肌への浸透効率を高め、ニキビの炎症抑制やニキビ跡の改善を促します。
- 内服治療(イソトレチノイン): 重症ニキビに非常に効果的な治療薬ですが、保険適用外となります。
- 医師の厳重な管理のもとで処方される特別な薬です。
- 注射治療: 炎症の強い大きなニキビには、ケナコルト注射など、炎症を鎮める薬剤を直接ニキビに注入することで、早期の炎症鎮静化を目指します。
- 最近の研究では、TRPV1アンタゴニストを含む局所製剤が、皮膚の質感や弾力性の向上、紅斑(赤み)や小じわの減少に有意な効果を示しています(Shah R et al., 2025)。これは、ニキビなどの症状改善に安全で効果的な新しい治療法となりうる可能性を秘めており、専門医にご相談いただくことで、最新の研究に基づいた治療法も検討できる場合があります。
繰り返すニキビとニキビ跡を残さないための予防策
「せっかくニキビが治ったのに、またすぐに新しいニキビができてしまった」「赤みや色素沈着、クレーター状のニキビ跡が残ってしまって、さらに悩みが深まる」といった経験はありませんか。繰り返すニキビを防ぎ、きれいな肌を保つためには、日々の予防策が非常に重要です。
ニキビの炎症を悪化させないことの重要性
- ニキビ跡の多くは、炎症が強いニキビを無理に触ったり、潰したりすることで悪化します。
- これにより、皮膚の組織が損傷し、色素沈着やクレーターのような跡につながってしまいます。
- ニキビができた場合は、できるだけ触らないように心がけ、適切なスキンケアを行うことが大切です。
正しいスキンケアの継続
- 前述の「美肌の土台を作るニキビケアの基本」でご紹介した、正しい洗顔、適切な保湿、そして一年を通じた紫外線対策を継続することが重要です。
- これらの基本的なケアは、新しいニキビの発生を抑えるとともに、肌のバリア機能を正常に保つために不可欠です。
食生活と生活習慣の見直し
- 腸内環境の改善を含め、バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレスの適切な管理は、ニキビができにくい体質を作る上で欠かせません。
- 特定の食品がニキビを悪化させる可能性も指摘されています。
- ご自身にとって合わないと感じる食品がないか、食生活を見直してみるのも良いでしょう。
定期的な専門医への相談
- ニキビの症状が落ち着いたとしても、定期的に皮膚科や形成外科を受診し、肌の状態を専門医にチェックしてもらうことをお勧めします。
- これにより、早期にニキビの兆候を発見し、悪化する前に対応することができます。
- 早期の対応は、重症化を防ぎ、炎症後色素沈着(PIH)を含むニキビ跡のリスクを最小限に抑えることにつながります。
ニキビ跡は一度できてしまうと、治療に時間がかかったり、完全に消すことが難しかったりする場合が多いため、何よりも予防に努めることが大切です。
ニキビ悩みを解消し健康な肌を育むためのヒント
ニキビは、肌の見た目の問題だけでなく、「鏡を見るのが憂鬱になる」「人に会うのが億劫になる」など、心の健康にも大きな影響を及ぼすことがあります。ニキビ悩みを解消し、健康で自信の持てる肌を育むためには、多角的な視点からアプローチすることが大切です。
焦らず、気長に治療を続ける姿勢が大切です
- ニキビ治療は効果を実感するまでに時間がかかることが多く、すぐに症状が改善しないこともあります。
- しかし、途中で諦めてしまわずに、医師と相談しながら根気強く治療を続けることが非常に大切です。
- もし効果が見られないと感じる場合は、別の治療法を検討するなど、ご自身の肌と向き合い続けましょう。
肌への負担をできるだけ減らしましょう
- 過度な洗顔や、ご自身の肌に合わない化粧品の使用は、かえってニキビを悪化させる原因となることがあります。
- 肌に優しい製品を選び、洗顔やスキンケアの際に摩擦などの刺激を与えないように心がけましょう。
- また、毎日使うメイク用品や、寝具(枕カバーなど)を清潔に保つことも、肌への負担を減らす上で重要です。
精神的なケアも忘れないようにしましょう
- ニキビが原因でストレスを感じたり、自己肯定感が低下したりすることは、決して珍しいことではありません。
- ご自身の心をケアすることも、ニキビ治療の大切な一部だと考えましょう。
- リラックスできる時間を作ったり、信頼できる人に悩みを打ち明けたりすることは、心の負担を軽くする良い方法です。
総合的な肌質改善を目指しましょう
- ニキビ治療をきっかけに、肌全体の健康と美しさを追求していくことが可能です。
- ゲニステイン、バクチオール、ビタミン複合製品が男性の肌の明るさや色の均一性、シミの減少に改善を示した研究もあります(Na Takuathung M et al., 2026)。
- ニキビが改善された後も、肌質を維持し、さらに向上させるためのスキンケアや生活習慣を続けることで、より健やかで輝く肌を手に入れることができます。
よくあるご質問(Q&A)
Q1: ビタミンを摂るだけでニキビは治りますか? A1: ビタミンはニキビケアにとても大切な要素ですが、ビタミンだけではニキビを根本から治すのは難しいです。ニキビは食生活、ストレス、ホルモンバランス、スキンケアなど、さまざまな要因が複雑に絡み合って発生します。正しいスキンケア、バランスの取れた食事、規則正しい生活習慣、そして必要に応じて専門的な治療を組み合わせることが大切です。
Q2: ニキビ跡にもビタミンは効果がありますか? A2: ビタミンC誘導体などは、ニキビが治った後に残る色素沈着(黒ずんだニキビ跡)を薄くする効果が期待できます。しかし、クレーター状になってしまったニキビ跡に対しては、ビタミン単独での効果は限定的です。ニキビ跡の種類によっては、レーザー治療やケミカルピーリングなど、専門的な治療が必要になる場合がありますので、まずはご相談ください。
Q3: 妊娠中にニキビがひどくなりました。ビタミンサプリメントを飲んでも大丈夫ですか? A3: 妊娠中や授乳中のビタミン摂取は、必ず主治医(産婦人科医や皮膚科医、形成外科専門医)に相談してください。特にビタミンAの過剰摂取は、胎児に影響を与える可能性があるため、注意が必要です。安全な摂取方法について、医師にご確認いただくことを強くお勧めします。自己判断でのサプリメント摂取は避けてください。
Q4: ニキビ治療はいつまで続ければ良いですか? A4: ニキビの症状や肌の状態、原因によって治療期間は異なります。一般的には、ニキビが完全にできなくなるまで、また、ニキビができにくい肌質を維持するために継続的なケアが必要です。治療効果が出始めるまでに数ヶ月かかることもあります。医師と相談しながら、ご自身の肌の状態に合わせたペースで治療を続けることが大切です。
ニキビでお悩みなら、専門医にご相談ください
ここまで、ニキビケアにおけるビタミンの重要性だけでなく、食事、生活習慣、そして専門的な治療を組み合わせた総合的なアプローチについて解説してきました。ビタミンは健やかな肌を保つ上で欠かせない栄養素ですが、あくまでニキビ治療における「補助的な役割」を果たすものです。
ニキビは、ホルモンバランス、ストレス、食生活、スキンケア、遺伝など、多くの要因が複雑に絡み合って発生する皮膚の病気です。ご自身の判断でビタミン摂取や市販品でのケアを続けても改善が見られない場合、あるいはニキビが悪化してしまった場合は、放置せずに専門医にご相談ください。
当院では、形成外科専門医、美容外科専門医として、患者様お一人おひとりの肌質やニキビの原因を詳細に診断し、その方に最適な治療プランをご提案しています。内服薬や外用薬の処方、ケミカルピーリング、レーザー治療、光治療など、多角的なアプローチで、ニキビの根本的な改善と再発予防を目指します。
「鏡を見るのが憂鬱」「人に会うのが億劫」など、ニキビは心にも大きな負担をかけます。一人で悩まずに、ぜひ一度当院までお気軽にご相談ください。経験豊富な専門医が、皆さんが自信を持って笑顔で毎日を過ごせるよう、健やかな肌を取り戻すお手伝いをさせていただきます。
まとめ
ビタミンはニキビケアに重要な役割を果たしますが、それだけでは十分ではありません。ニキビは肌の見た目だけでなく、心の健康にも影響を及ぼす複雑な皮膚の病気です。根本的な改善には、正しいスキンケア、バランスの取れた食事、規則正しい生活習慣、そして専門医による適切な治療を組み合わせた、多角的なアプローチが何よりも重要となります。
一人で悩まず、気になる症状がある方は、ぜひ一度専門医にご相談ください。当院では、形成外科・美容外科専門医として、お一人おひとりの肌質やニキビの原因を丁寧に診断し、最適な治療プランをご提案します。皆さんが自信を持って笑顔で毎日を過ごせるよう、健やかな肌を取り戻すお手伝いをいたします。
参考文献
- Min M, Tarmaster A, Bodemer A, Sivamani RK. “The Influence of a Plant-Based Diet on Skin Health: Inflammatory Skin Diseases, Skin Healing, and Plant-Based Sources of Micro- and Macro-Nutrients.” Life (Basel, Switzerland) 14, no. 11 (2024): .
- Lawrence E, Syed HA, Al Aboud KM. “Postinflammatory Hyperpigmentation.” , no. (2025): .
- Chen AC, Damian DL. “Nicotinamide and the skin.” The Australasian journal of dermatology 55, no. 3 (2014): 169-75.
- Na Takuathung M, Yaja K, Aisara J, Klinjan P, Anek P, Inpan R, Kantasa T, Chitphan J, Yeerong K, Teekachunhatean S, Koonrungsesomboon N. “A Randomized Controlled Trial of the Genistein Plus Bakuchiol and Vitamins (GEN(+)) Product for Male Facial Skin: Effects on Skin Appearance and Properties.” Skin research and technology : official journal of International Society for Bioengineering and the Skin (ISBS) [and] International Society for Digital Imaging of Skin (ISDIS) [and] International Society for Skin Imaging (ISSI) 32, no. 1 (2026): e70310.
- Shah R, Kaul N, Tan I, Rossi A. “Clinical Utility of TRPV1 Modulation for Skincare Sensitivity.” Journal of drugs in dermatology : JDD 24, no. 4 (2025): 366-370