名古屋市「新瑞橋」美容外科・美容皮膚科・形成外科・一般皮膚科

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脂肪注入豊胸のしこり除去完全ガイド【形成外科専門医監修】

脂肪注入豊胸のしこり除去完全ガイド【形成外科専門医監修】

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脂肪注入豊胸の手術後、バストに思いがけないしこりを見つけた時、「もしかして乳がんでは…」と、心臓が凍るような不安に襲われる方は少なくありません。脂肪注入の普及に伴い、こうした合併症のご相談は増加傾向にあり、決して珍しい現象ではないのです。

実際に、術後に画像検査でオイルシストという良性のしこりが見つかるのは約6.5%との報告もあります。しかし、そのしこりを自己判断で放置してしまうと、将来の乳がん検診で診断が遅れるといった重大なリスクに繋がる可能性も否定できません。

この記事では、あなたの不安を解消するため、しこりの正体と乳がんとの決定的な違い、そして傷跡を最小限に抑える最新の除去手術まで、形成外科専門医が徹底的に解説します。

そのしこり、正体は?原因と種類、乳がんとの見分け方

脂肪注入豊胸の手術後、バストに思いがけないしこりを見つけると、「もしかして乳がんでは…」と、とても不安な気持ちになりますよね。

まず知っていただきたいのは、手術後にできるしこりの多くは、注入した脂肪が変化したものであり、良性であるということです。しかし、まれに乳がんが隠れている可能性もゼロではありません。

脂肪注入による豊胸術が普及するにつれて、硬いしこり(硬結)や液体が溜まった袋(嚢胞)、石灰化といった合併症のご相談は増加傾向にあります。これらは決して珍しい現象ではありません。

しこりの正体は、主に注入した脂肪が定着する過程で起こる「脂肪壊死」や、それが液体状になった「オイルシスト」、硬くなった「石灰化」です。これらの良性のしこりと乳がんを正確に見分けることが、何よりも重要になります。

ご自身の判断で放置せず、まずは専門のクリニックで正確な診断を受けることが、安心への第一歩です。

不安を解消する精密検査と診断の全プロセス - 画像 1

脂肪注入でしこりができる3つのメカニズム(脂肪壊死・オイルシスト・石灰化)

脂肪注入豊胸後にできるしこりは、主に3つのメカニズムによって発生します。これらは、注入された脂肪が体の組織としてなじんでいく過程で起こる反応の一部ですが、時に合併症として問題になることがあります。

  1. 脂肪壊死(しぼうえし)
    注入された脂肪細胞が新しい場所で生き残るには、周囲の組織から酸素や栄養をもらう必要があります。しかし、一度に多くの脂肪を注入したり、血流が乏しい層に注入したりすると、一部の細胞が生き残れずに死んでしまいます。これを「脂肪壊死」と呼びます。
    壊死した脂肪は、体の免疫システムによって異物とみなされ、炎症反応が起こり、硬いしこりとして感じられるようになります。ある研究では、広範囲の脂肪壊死が高熱や脇の下のリンパ節の腫れといった、強い全身症状を引き起こしたケースも報告されています。
  2. オイルシスト(油性のう胞)
    壊死した脂肪細胞が分解され、内部で溶けて液体状の油(オイル)になることがあります。これを異物と認識した体が、カプセルのような膜で包み込んだ状態が「オイルシスト」です。触ると、比較的弾力のあるしこりとして感じられます。
    ある系統的レビューでは、脂肪注入を受けた方のうち、画像検査でオイルシストが見つかるのは約6.5%、手で触れてわかる嚢胞は約2.0%に見られたと報告されており、比較的頻度の高い合併症です。
  3. 石灰化(せっかいか)
    脂肪壊死やオイルシストができた後、その周囲に体内のカルシウムが沈着して、石のように硬くなった状態を「石灰化」と呼びます。マンモグラフィ検査では白く写るため、乳がんのサインである「悪性の石灰化」との区別が難しくなることがあります。
種類メカニズム触った感じの特徴
脂肪壊死注入した脂肪細胞が血流不足で死んでしまう硬く、時に痛みを伴うことがある
オイルシスト壊死した脂肪が溶けてオイル状になり、膜で包まれる弾力があり、つるっとしていることが多い
石灰化脂肪壊死の周りにカルシウムが沈着する石のように硬く、ゴツゴツしていることがある

これらのしこりは、手術の方法や注入する脂肪の質だけでなく、脂肪を注入する層によっても発生率が変わると考えられています。研究によっては、乳腺の近くよりも大胸筋の裏側など、血流が豊富な層への注入が合併症を減らす可能性も示唆されています。

触ってわかる?良性のしこりと悪性腫瘍(乳がん)の決定的な違い

「このしこりは、自分で触ってがんと見分けられますか?」というご質問をよくいただきます。脂肪注入後のしこりと乳がんには、触った感覚にいくつかの違いがありますが、自己判断は非常に危険です。必ず専門医による診断を受けてください。


Q. 脂肪注入でできたしこりが、がん細胞に変化することはありますか?

A. いいえ、その心配はありません。脂肪注入によってできた良性のしこり(脂肪壊死やオイルシストなど)が、後から悪性の乳がんに変化することはありません。しかし、脂肪注入とは無関係に、元々あった乳がんがしこりの影に隠れていたり、手術後に新たに乳がんが発生したりする可能性は誰にでもあります。


比較項目良性のしこり(脂肪由来)の特徴悪性腫瘍(乳がん)の一般的な特徴
硬さ消しゴムのような弾力から石のような硬さまで様々岩のように硬く、ゴツゴツしていることが多い
境界比較的はっきりしていて、つるっとしている境界が不明瞭で、周りの組織に染み出すよう
動き周囲の組織と癒着しておらず、指で押すと動く周囲の組織に固着して、ほとんど動かない
表面滑らかであることが多い表面がデコボコしていることが多い
皮膚の変化基本的にない皮膚にひきつれや、えくぼのような窪みができる

上記の表はあくまで一般的な目安です。特に石灰化したしこりは、乳がんのしこりと感触が似ている場合もあり、専門医でも触診だけで100%正確に判断することは不可能です。不安なまま過ごすのではなく、ぜひ当院の形成外科専門医にご相談ください。専門的な診察で、しこりの状態を正確に把握し、安心をご提供します。

形成外科専門医が教える、危険なしこりのセルフチェック法

しこりの自己判断は危険ですが、ご自身のバストの状態に関心を持ち、「いつもと違う変化」に早く気づくためのセルフチェックは非常に大切です。月に一度、生理が終わってから1週間後くらいの時期に、以下の方法でチェックを行いましょう。

【セルフチェックの手順】

  1. 見て確認
    鏡の前に立ち、腕を上げた状態と下げた状態の両方で、バスト全体の形、皮膚のひきつれ・くぼみ・ただれ、乳首の陥没などがないかを確認します。
  2. 触って確認
    石鹸などをつけて滑りを良くし、指の腹を使って「の」の字を描くように、バスト全体を優しくなでるように触ります。鎖骨の下や脇の下まで、しこりや硬い部分がないかを確認します。
  3. つまんで確認
    乳首を軽くつまみ、血液のような異常な分泌物が出ないかを確認します。

【特に注意すべき危険なサイン】
以下のチェックリストに一つでも当てはまる場合は、脂肪注入後の良性のしこりとは別に、乳がんの可能性も考えて、すぐに専門のクリニックを受診してください。

  • □ しこりが急に大きくなった、または形が変わった
  • □ しこりが岩のように硬く、押してもまったく動かない
  • □ バストの皮膚にひきつれ、くぼみ、えくぼのような変化がある
  • □ 乳首から血液の混じった分泌物が出る
  • □ 脇の下にもしこりのようなものを感じる

これらのサインは、脂肪注入の合併症としては典型的ではありません。ご自身のバストを守るため、少しでも気になる変化があれば、遠慮なくご相談ください。

しこりを放置するリスクと将来の乳がん検診への影響

脂肪注入後にできたしこりは、良性だからといって放置して良いわけではありません。放置することには、2つの大きなリスクが伴います。

  1. 症状の悪化と炎症のリスク
    脂肪壊死が進行すると、しこりが大きくなったり、痛みを伴ったりすることがあります。まれに、体が異物に対して強い炎症反応を起こし、高熱や強い痛み、乳房の変形などを引き起こすことも報告されています。このような状態になると、治療がより複雑になる可能性があります。
  2. 将来の乳がん検診への影響
    こちらが最も重要なリスクです。脂肪注入後にできたしこり、特に「石灰化」は、乳がん検診で用いられるマンモグラフィ検査で、乳がんの初期症状である「悪性の石灰化」と非常に見分けがつきにくいことがあります。
    マンモグラフィではどちらも白い点として写るため、専門の読影医でも判断に迷うことがあるのです。これにより、以下のような問題が生じる可能性があります。

    • 診断の遅れ
      良性の石灰化の影に、小さながんが隠れて見逃されてしまう危険性。
    • 不要な精密検査
      乳がんの疑いが晴れないために、何度も追加の検査や、針を刺して組織を採る生検が必要になること。

ある複数の研究をまとめた報告では、脂肪注入後に約16.4%の方が追加の画像検査を、約3.2%の方が組織を採る生検を勧められたとされています。「がんかもしれない」という不安を抱えながら検査を繰り返すことは、心身に大きな負担をかけます。

しこりが見つかった場合は、放置せずに除去手術も視野に入れ、まずは専門医に相談することが、将来の健康を守るために不可欠です。

不安を解消する精密検査と診断の全プロセス

脂肪注入豊胸の手術後にバストにしこりを見つけると、「これは何だろう?」「もしかして悪いものでは?」と、大きな不安に襲われることでしょう。

しかし、その不安を解消するためには、まずしこりの正体を正確に知ることが何よりも大切です。専門のクリニックで行われる精密検査は、あなたのバストの現状を客観的に把握し、適切な治療方針を立てるための第一歩です。

どのような検査で何がわかるのか、その全プロセスを形成外科専門医の視点から詳しく解説します。

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エコー(超音波)検査でわかること・わからないことのすべて

脂肪注入豊胸後のしこり診断において、まず基本となるのがエコー(超音波)検査です。放射線を使わないため身体への負担がなく、リアルタイムで乳房内部を詳しく観察できる非常に有用な検査です。

【エコー検査でわかること】

  • しこりの詳細情報
    しこりの数、大きさ、そして皮膚からどのくらいの深さにあるのかをミリ単位で正確に把握できます。
  • しこりの性質の推定
    内部の状態によって、エコーでの見え方は異なります。これをもとに、しこりがどのような種類のものかを推測します。

    • オイルシスト(油性のう胞)
      壊死した脂肪が液体状になったものです。研究報告でも、脂肪壊死による嚢胞は特徴的に良性の見た目を示すことが多いとされています。エコーでは、境界がはっきりした黒い袋状に映ります。
    • 充実性のしこり
      壊死した脂肪が硬くなった塊です。エコーでは、内部が詰まった白っぽい塊として見えます。
    • 石灰化
      しこりの周りにカルシウムが沈着した状態です。エコーではキラリと光る白い点として映り、その後ろに音波が通り抜けないことによる影(黒い筋)が見えます。
  • 治療方針の判断
    しこりの状態を把握することで、注射器での吸引で済むのか、あるいは手術が必要なのかといった治療方針の判断に役立ちます。超音波で観察しながら処置を行うことも可能です。

【エコー検査だけではわからないこと】

  • 良性・悪性の確定診断
    しこりが良性か悪性(乳がん)かを100%確定させることはできません。非常にまれですが、がんとの区別が難しいケースも存在します。
  • 瘢痕(はんこん)組織との区別
    手術による傷跡が硬くなった「瘢痕」としこりの区別が、エコーだけではつきにくいことがあります。

当院では、しこりの硬さを色で表示できる「エラストグラフィ」という機能を搭載した高性能な乳腺用エコーを使用し、より精密な診断を心がけています。

マンモグラフィやMRIは必要?症状別の最適な検査プラン

エコー検査は非常に有用ですが、しこりの状態によっては、より詳しく調べるためにマンモグラフィやMRI検査が推奨されることがあります。それぞれの検査には得意なことと不得意なことがあるため、症状に合わせて最適な検査を組み合わせることが重要です。

  • マンモグラフィ(乳房X線検査)
    • 得意なこと
      ごく小さな石灰化を見つけるのに非常に優れています。乳がんのサインである「悪性の石灰化」と、脂肪注入後にできる「良性の石灰化」を見分けるのに役立ちます。
    • 注意点
      脂肪注入後は乳房全体の密度が高くなるため、しこりが白く写るマンモグラフィでは、病変が隠れて見えにくくなることがあります。また、脂肪注入後の石灰化が、将来の乳がん検診にどう影響するかは、まだ十分なデータがありません。
  • MRI検査
    • 得意なこと
      しこりの内部構造や広がりを非常に詳しく立体的に見ることができます。複数の研究で、MRIは合併症の評価において最も信頼性の高い検査法(ゴールドスタンダード)とされています。造影剤という薬を注射しながら撮影すると、血流が豊富な悪性腫瘍とそうでない良性のしこりとの区別に役立ちます。
    • 推奨されるケース
      しこりが大きい、複数ある、エコーで悪性の可能性が否定できない、高熱やリンパ節の腫れといった強い炎症症状を伴う場合などに特に有用です。
症状・状態推奨される検査プラン
指で触れる小さなしこりが1つあるまずはエコー検査でしこりの状態を正確に確認します。
石のように硬いしこりがあるエコー検査に加え、石灰化の評価のためにマンモグラフィを検討します。
しこりが複数ある・大きい・痛みが強いエコー検査と、しこりの全体像や性状を詳しく見るためにMRI検査を推奨することがあります。
乳がん検診で精密検査が必要と言われたエコー検査マンモグラフィ、必要に応じてMRI検査針生検(組織を採取する検査)を組み合わせ、総合的に判断します。

豊胸手術を受けたクリニックに相談しづらい方のためのセカンドオピニオン活用術

「手術を受けたクリニックにしこりのことを相談しにくい」「説明に納得できない」と感じる方は少なくありません。そのような時は、ためらわずに「セカンドオピニオン」を活用しましょう。

セカンドオピニオンとは、現在かかっている医師とは別の医療機関の専門医に、診断や治療方針について「第二の意見」を求めることです。

【セカンドオピニオンのメリット】

  • 客観的な評価
    しがらみのない第三者の専門家が、あなたのバストの状態を客観的に診断します。
  • 新たな選択肢
    脂肪を注入する層(乳腺の近くか、筋肉の裏かなど)によって合併症の発生率が変わる可能性も研究で指摘されており、医師の技術や考え方は様々です。現在のクリニックとは異なる治療法やアプローチを知ることができます。
  • 納得と安心
    複数の専門家の意見を聞くことで、ご自身が納得できる治療法を選択でき、精神的な不安も軽減されます。

【セカンドオピニオンを受ける際のポイント】

  1. 情報の準備
    いつ、どこで、どのような手術を受けたか、メモしておくとスムーズです。
  2. 資料の持参
    もしあれば、手術したクリニックからの紹介状や検査データ(エコー写真など)を持参すると、より的確な診断につながります。
  3. 質問の整理
    聞きたいこと、不安なことを事前にリストアップしておくと、聞き忘れがありません。

当院では、脂肪注入豊胸後のしこりに関するセカンドオピニオンを積極的に受け付けております。どうぞお気軽にご相談ください。

確定診断までの流れと期間の目安

しこりを見つけてから、最終的な診断がつき、治療方針が決まるまでの一般的な流れと期間の目安をご説明します。

  1. 初診・カウンセリング(当日)
    専門医がしこりに気づいた時期や症状などを詳しくお伺いし、視診・触診でバストの状態を確認します。
  2. 精密検査(当日〜数日)
    主にエコー検査を行い、しこりの数・大きさ・性質を詳しく調べます。多くの場合、検査は初診当日に可能です。MRIなどの追加検査が必要な場合は、連携施設での検査予約が必要となります。
  3. 検査結果の説明・診断(当日〜1週間)
    エコー検査の結果はその日のうちにご説明できます。ほとんどのしこりは良性であり、この段階で診断がつき、治療方針(経過観察、吸引、手術など)をご提案します。
  4. 針生検・病理診断(必要な場合のみ、結果まで1〜2週間)
    エコーやMRIで悪性の可能性がわずかでも否定できない場合、しこりの一部を細い針で採取し、顕微鏡で調べる「病理診断」を行います。ある系統的なレビューでは、脂肪注入後に生検が必要となるケースは約3.2%と報告されています。これで良性か悪性かの確定診断がつきます。

Q. 検査に痛みはありますか?

A. エコー検査はゼリーを塗って機械を当てるだけなので、痛みは全くありません。マンモグラフィは乳房を板で挟んで圧迫するため、多少の痛みを伴うことがあります。痛みがご不安な方は遠慮なくお申し出ください。

Q. しこりは乳がんに変わりますか?

A. いいえ、その心配はありません。脂肪注入後にできる良性のしこり(脂肪壊死やオイルシスト)が、後からがん細胞に変化することはありません。ただし、しこりとは別に乳がんが発生する可能性は誰にでもありますので、定期的な乳がん検診は非常に重要です。


しこりに関する不安は、一人で抱え込まずに専門医に相談することが解決への一番の近道です。当院では、形成外科専門医が患者様一人ひとりの状態に合わせた最適な検査と治療をご提案いたします。

しこり除去手術のすべて【方法・費用・ダウンタイム】

脂肪注入豊胸後にしこりが見つかると、「これは何だろう」「どうすれば治るのだろう」と、とても不安になりますよね。

しこりは、注入した脂肪の一部が壊死したり、オイル状に変化したりすることで発生します。自家脂肪移植は広く行われる手術ですが、脂肪壊死や嚢胞(のうほう)形成といった合併症は決して珍しくありません。

幸いなことに、これらのしこりの多くは適切な外科的治療で取り除くことが可能です。治療法には、しこりの状態や大きさ、場所に合わせて、注射器で吸い出す方法や、小さな傷から特殊な機械で除去する方法、切開して取り除く方法など、いくつかの選択肢があります。

ご自身のしこりにどの治療が最適かを知ることが、不安解消への第一歩です。当院では形成外科専門医・美容外科専門医(JSAPS)である院長が、超音波検査でしこりの状態を正確に診断し、最善の治療法をご提案します。

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【徹底比較】切開法・吸引法など主要な除去手術のメリットとデメリット

脂肪注入後のしこり除去手術は、しこりの性質(オイル状か、硬い塊か、石灰化しているかなど)によって最適な方法が異なります。

手術方法特徴メリットデメリットこんな方におすすめ
穿刺(せんし)吸引法注射器を刺して、オイル状のしこり(オイルシスト)を吸い出す最もシンプルな方法。・傷跡が注射の針穴のみでほぼ残らない
・ダウンタイムがほとんどない
・身体への負担が極めて少ない
・液体状のしこり(オイルシスト)にしか適用できない
・硬いしこりや石灰化は除去できない
・しこりが液体(オイル)状の方
・傷跡を全く残したくない方
カニューレ吸引法脇の下など目立たない場所に数ミリの小さな穴を開け、細い管(カニューレ)でしこりを吸引する方法。・切開法に比べて傷が非常に小さい
・比較的柔らかいしこりにも対応できる
・石のように硬いしこりや石灰化は除去が難しい
・完全な除去が困難な場合がある
・しこりが比較的柔らかい方
・大きな切開には抵抗がある方
切開法しこりの直上や乳輪の縁などを切開し、医師が直接しこりを見ながら確実に摘出する方法。・硬いしこりや石灰化したしこりも完全に除去できる
・周辺組織との癒着も丁寧に剥がせる
・再発のリスクが最も低い
・傷跡が残る(ただし最小限に抑える工夫が可能)
・他の方法よりダウンタイムが長い
・しこりが硬い、石灰化している方
・一度で確実にしこりを取り除きたい方
VABBシステム超音波で確認しながら、特殊な針を挿入し、組織を吸引・切除する方法。・4mm程度の小さな切開で済む
・比較的硬いしこりも除去できる可能性がある
・非常に硬い石灰化には対応できない場合がある
・実施できる施設が限られる
・切開を最小限にしたいが、吸引では難しいしこりの方

最近では、超音波ガイド下に特殊な装置を用いて最小限の切開でしこりを完全切除する方法(VABBシステム)も有効な選択肢です。ある研究では、このVABBシステムが脂肪注入後のしこり除去において、整容的にも満足度の高い結果をもたらす最適な治療法である可能性が示唆されています。

どの方法が適しているかは、専門医による正確な診断が不可欠です。ぜひ一度ご相談ください。

手術後の傷跡はどこにどのくらい残る?

しこり除去手術後の傷跡は、多くの方が心配される点だと思います。手術方法によって傷跡の場所や大きさは大きく異なりますが、いずれの方法でも、形成外科専門医が傷跡をできるだけ目立たなくするように丁寧に縫合します。

  • 穿刺吸引法
    注射針を刺した点状の跡が残りますが、これは時間とともにほとんど分からなくなります。
  • カニューレ吸引法
    脇の下や胸の下のシワなど、目立ちにくい場所に2〜3mm程度の小さな傷ができます。こちらも数ヶ月から1年ほどで徐々に薄くなり、ほとんど気にならなくなります。
  • 切開法
    切開する場所は、しこりの位置によって最適解を選びますが、多くは乳輪の縁や乳房の下のシワに沿って行います。特に、乳輪周囲の皮膚と色素の境目に沿ってジグザグに切開する方法は、傷跡が非常に目立ちにくく、美容的にも満足度の高い結果が期待できると報告されています。傷の長さはしこりの大きさによりますが、通常2〜3cm程度です。

術後しばらくは傷に赤みがありますが、時間経過とともに白く成熟した傷になり、最終的にはかなり目立たなくなります。


Q. 傷跡をよりきれいにする方法はありますか?

A. はい、あります。術後に傷跡にテープを貼って保護したり、内服薬や外用薬を使用したりすることで、よりきれいに治すためのアフターケアが可能です。当院では、手術後の経過もしっかりと診察し、患者様一人ひとりの状態に合わせた最適なケア方法をご提案しますのでご安心ください。


保険適用は可能?しこり除去手術の費用相場と支払い方法

脂肪注入豊胸は美容目的の手術(自由診療)です。そのため、その後に生じたしこりの除去手術も、原因となった手術が美容目的であるため、原則として公的医療保険が適用されない「自由診療」となります。費用は全額自己負担となりますのでご注意ください。

費用は、しこりの数や大きさ、除去方法によって異なります。以下は一般的な費用の目安です。

治療内容費用相場(税込)
穿刺吸引法1箇所あたり 55,000円〜
カニューレ吸引法1箇所あたり 220,000円〜
切開法1箇所あたり 330,000円〜
VABBシステム1箇所あたり 275,000円〜

【費用の内訳について】
上記の費用には、一般的に以下の項目が含まれています。

  • 手術費用
  • 麻酔費用(局所麻酔や静脈麻酔など)
  • 術後の内服薬代
  • 術後の検診費用

クリニックによっては、初診料や術前の検査費用が別途必要になる場合があります。正確な費用については、診断後のカウンセリングで必ずお見積もりをご確認ください。当院では、治療を始める前に必ず詳細なお見積もりを提示し、ご納得いただいた上で治療を進めております。

【お支払い方法】
多くのクリニックでは、患者様の負担を軽減するために、複数のお支払い方法を用意しています。

  • 現金
  • デビットカード
  • 各種クレジットカード(分割払いも可能な場合があります)
  • 医療ローン

医療ローンを利用すると、月々の経済的負担を抑えながら治療を受けることが可能です。ご利用には審査が必要となりますので、ご希望の方はお気軽にスタッフにご相談ください。

術後の痛みは?ダウンタイムの経過と日常生活への復帰ガイド

手術後の過ごし方は、回復を順調に進め、仕上がりを良くするためにとても重要です。脂肪移植後の合併症には血腫(術後の出血)や感染のリスクも含まれるため、術後の安静が求められます。

手術方法痛み腫れ・内出血日常生活の制限
穿刺吸引法ほとんどなし稀に軽い内出血が出ることがあるシャワー: 当日から可
入浴: 翌日から可
日常生活の制限はほぼありません
カニューレ吸引法
(VABB含む)
筋肉痛のような痛みが1週間程度2週間程度で落ち着きますシャワー: 2〜3日後から可
入浴: 抜糸後(約1週間後)から可
デスクワークは翌日から可能な場合が多いです
切開法痛み止めの内服でコントロールできる痛みが1週間程度1〜3ヶ月かけて徐々に落ち着きますシャワー: 2〜3日後から可
入浴: 抜糸後(約1週間後)から可
デスクワークは2〜3日の安静後が望ましいです

【術後の一般的な経過と注意点】

  • 痛み
    処方された痛み止めを服用することで十分にコントロールできます。無理に我慢せず、用法・用量を守って服用してください。
  • 腫れ・内出血
    ピークは手術後2〜3日です。その後、2週間ほどかけて徐々に黄色っぽくなりながら引いていきます。
  • 硬さ(拘縮:こうしゅく)
    切開法や吸引法では、術後1ヶ月頃から傷の周りが一時的に硬くなることがあります。これは傷が治る過程で起こる正常な反応で、「拘縮」と呼ばれます。3〜6ヶ月かけて徐々に柔らかくなじんでいきます。
  • 仕事や運動
    デスクワークは翌日〜数日で復帰可能ですが、体を動かす仕事や激しい運動は、血行が良くなりすぎると腫れや痛みの原因になるため、術後1ヶ月程度は控えるようにしてください。

Q. ダウンタイム中に特に気をつけることは何ですか?

A. 術後は血行が良くなると痛みや腫れが強くなることがあります。飲酒や長時間の入浴、激しい運動は医師から指示された期間は必ず避けてください。また、感染予防のために傷口を清潔に保つことが非常に大切です。術後の経過は定期的に診察し、合併症の有無を確認しますので、不安な点があれば、いつでも当院へご相談ください。


まとめ

今回は、脂肪注入豊胸後にできるしこりの原因から、詳しい検査方法、そして除去手術までを解説しました。

ご自身のバストにしこりを見つけると、「乳がんかもしれない」と、とても不安になりますよね。しかし、その多くは脂肪壊死などが原因の良性のものです。大切なのは、自己判断で放置せず、まずは専門医に相談することです。放置すると、将来の乳がん検診で正確な診断が難しくなるリスクもあります。

幸い、しこりの状態をエコー検査などで正確に診断すれば、吸引や切開法など、ご自身に合った最適な方法で取り除くことが可能です。一人で悩まず、まずは専門のクリニックで相談することが、不安解消への一番の近道です。お気軽にご相談ください。

参考文献

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