名古屋市「新瑞橋」美容外科・美容皮膚科・形成外科・一般皮膚科

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エクロックゲルを使ってみた本当の効果と副作用

脇の汗が多くて困っている、服の汗染みが気になる。多汗症の悩みは、身体的な不快感だけでなく、人前での自信喪失や人間関係への影響など、精神的な負担も大きいものです。そんな悩みを抱えるあなたに、希望の光となるかもしれません。2020年9月に日本で世界に先駆けて承認された、日本初の局所用多汗症治療薬「エクロックゲル」。塗るだけで脇汗の悩みを軽減し、わずか1週間で約半数以上(55.0%)の方が効果を実感したというデータも報告されています。

この記事では、エクロックゲルの具体的な効果や副作用、効果的な使い方から、手術やボトックスといった他の治療法まで徹底解説。汗を気にせず、自信を持って快適な毎日を取り戻すための一歩を、私たちと一緒に踏み出しましょう。

この医療記事は、形成外科専門医・美容外科専門医(JSAPS)であるRe:Birth Clininc Nagoya院長が監修しています。

エクロックゲルの効果はいつから?具体的な作用と持続期間

脇の汗が多くて困っている、服の汗染みが気になるなど、多汗症でお悩みの方は少なくありません。多汗症は身体的な不快感だけでなく、日常生活における自信の低下や人間関係への影響など、精神的な負担も大きいものです。エクロックゲルは、このような多汗症のお悩みを軽減するために開発された治療薬です。

今回は、エクロックゲルがどのように作用して汗を抑えるのか、いつから効果を実感できるのか、そしてその効果はどれくらい持続するのかについて、具体的なデータをもとに詳しくご紹介します。適切な治療で、汗を気にしない快適な毎日を取り戻しましょう。

日本で初の局所用多汗症治療薬「エクロックゲル」とは

私たちの体は、体温調節のために汗をかきます。しかし、特に暑くもないのに、あるいは精神的な緊張でなくても、過剰に汗をかくのが「多汗症」です。脇に多汗症の症状がある場合を「原発性腋窩多汗症(げんぱつせいえきかたかんしょう)」と呼びます。

エクロックゲルは、有効成分であるソフピロニウム臭化物を含有する、日本で初めて承認されたこの「原発性腋窩多汗症」の局所用治療薬です。このゲル製剤は、多汗症で悩む方のために開発され、2020年9月に日本で世界に先駆けて承認されました。塗るタイプの薬であるため、全身への影響を最小限に抑えつつ、気になる脇の汗に直接アプローチできる点が大きな特徴です。

当院でも、脇汗で深く悩んでいる多くの患者さんに処方しており、その効果を実感していただいています。

特に、この薬は「レトロ代謝型薬物」という特別な設計がされています。

  • 体に塗布された部分で効果を発揮した後、体内に吸収されても速やかに分解されるよう工夫されています。
  • これにより、全身性の抗コリン作用による副作用のリスクを低く抑えることが期待できます。
  • また、べたつきの少ないゲルタイプであるため、患者さんにとって使いやすく、治療を継続しやすいという利点もあります。

汗が止まる仕組みと効果を実感するまでの期間

エクロックゲルは、汗を分泌する司令塔である「アセチルコリン」という神経伝達物質の働きをブロックすることで発汗を抑えます。私たちの体には汗を出す「汗腺」があり、汗腺の表面には「ムスカリン受容体」というセンサーが存在します。アセチルコリンがこのムスカリン受容体(特にM3というタイプ)に結合すると、汗腺が刺激されて汗が出る仕組みです。

エクロックゲルは、このM3ムスカリン受容体をピンポイントで阻害するように設計されています。これにより、アセチルコリンが汗腺に信号を送るのを防ぎ、結果として汗の分泌を抑制するのです。例えるなら、汗腺の入り口にフタをするようなイメージです。
(科研製薬HPから引用)

効果を実感し始めるまでの期間は個人差がありますが、日本人を対象とした研究では、治療開始から比較的早期に効果が見られることが報告されています。

  • 治療開始3日目以降に発汗量の統計的に有意な減少が観察されました。
  • 平均的な多汗症の重症度を示すHDSSスコア(Hyperhidrosis Disease Severity Scale:多汗症重症度評価尺度)も、ベースラインの3.5から7日目には2.4へと有意に減少することが示されています。
  • さらに、治療によって多汗症の重症度が臨床的に意味のある改善(HDSSスコア1または2)を連続2日間達成するまでの中央期間は6日であったという報告もあります。

つまり、多くの方が1週間以内に効果を実感し始める可能性があるということです。

1週間で約半数が効果を実感!長期的な効果維持の可能性

エクロックゲルは、比較的早い段階で効果を実感できることが期待される薬です。日本人を対象とした臨床試験では、治療を開始してわずか7日目までに、ベースラインで中等度から重度の多汗症であった患者さんのうち、約55.0%の方が多汗症の重症度スコア(HDSSスコア)が「ほとんど汗をかかない」または「我慢できる程度」に改善したと報告されています。

  • これは、1週間という短期間で半数以上の患者さんが汗の量を気にせず生活できるようになる可能性を示唆しています。
  • また、プラセボ(偽薬)と比較した場合でも、主要評価項目である「HDSSスコア1または2かつ発汗量50%以上減少」を達成した患者さんの割合は、エクロックゲル群で53.9%、プラセボ群で36.4%と、エクロックゲル群で統計的に有意な差が認められました(その差は17.5%)。

さらに、エクロックゲルの有効性は、長期にわたる治療期間においても維持されることが、52週間の長期オープンラベル試験で確認されています。この試験では、52週間の治療後も、治療開始6週後の有効性達成率と同程度の割合で効果が維持されました。

  • 長期治療においても新たな安全性上の懸念は認められず、有害事象も概ね軽度であることが報告されています。
  • この結果から、エクロックゲルは一時的な対処療法としてだけでなく、継続して使用することで長期的な効果の維持が期待できる治療法であることが分かります。

汗の量だけでなく生活の質も改善するメカニズム

多汗症は単に汗の量が多いだけでなく、患者さんの生活の質(Quality of Life: QOL)に大きな影響を与えることが知られています。例えば、汗が多いために、以下のような悩みを抱えることがあります。

  • 身体的な不快感
  • 服の汗染みが気になる
  • 常にべたつく感じがする
  • 汗で体が冷えることがある
  • 社会生活での不安・ストレス
  • 人前で腕を上げるのがためらわれる
  • 握手や接触を避けてしまう
  • 仕事や学業に集中できない
  • 精神的な幸福感の低下
  • 周囲の目が気になる
  • 自信が持てない、気分が落ち込む

エクロックゲルによる治療は、汗の量を減らすことで、このような生活の質の低下を改善する効果も期待されています。複数の臨床研究の系統的レビューでは、エクロックゲルを使用することで、多汗症の重症度スコア(HDSSスコア)や生活の質に関する質問票(DLQIスコア:Dermatology Life Quality Index)が有意に改善することが報告されています。

  • 具体的には、プラセボと比較して、発汗量が50%以上減少したうえで、HDSSスコアが1または2を達成する患者さんの割合が統計的に有意に高いことが示されました。
  • これは、エクロックゲルが単に汗を抑えるだけでなく、汗による悩みから解放され、自信を持って日常生活を送れるようになることで、患者さん全体の生活の質が大きく向上することを示しています。

脇汗による腋臭(ワキガ)への効果も期待できる?

脇の汗が多いと、汗の臭い、いわゆる腋臭(ワキガ)も気になるという方が少なくありません。腋臭は、アポクリン腺から分泌される汗が皮膚の細菌によって分解されることで発生する特有の臭いです。

エクロックゲルは、主に汗の量を抑える薬ですが、汗の分泌が減ることで、腋臭の症状にも間接的に良い影響を与える可能性が示唆されています。エクロックゲルがターゲットとするのは、主に汗の「量」を調整するエクリン汗腺の働きです。しかし、汗の量が減ることで、臭いの原因となるアポクリン腺からの汗や皮脂が脇に留まる時間が短くなり、皮膚の細菌が繁殖しにくくなることで、結果的に臭いが軽減されると考えられます。

実際に、腋臭症の手術を受けたものの、まだ脇の臭いや汗が残ったり、再発してしまったりした原発性腋窩多汗症の患者さんを対象とした研究が行われました。

  • この研究では、手術後にソフピロニウム臭化物(エクロックゲルの有効成分)を投与したところ、腋臭の症状が約70%も改善し、多汗も約63%改善したことが報告されています。
  • この結果は、エクロックゲルが多汗症だけでなく、手術後に残る腋臭の症状に対しても有効である可能性を示唆しており、腋臭も併せてお悩みの方にとっては朗報と言えるでしょう。

ただし、腋臭の根本的な治療とは異なるため、医師と相談しながら適切な治療法を選択することが大切です。気になる場合は、ぜひ一度専門医にご相談ください。

Q&A

Q1: エクロックゲルはどのような人が使えますか? A1: 原発性腋窩多汗症(脇の多汗症)と診断された方が使用できます。当院では、診察で症状を確認し、適応がある場合に処方しています。年齢制限や妊娠中・授乳中の使用については、医師とご相談ください。

Q2: 毎日塗る必要がありますか? A2: 基本的には1日1回、脇に塗布します。継続して使用することで効果を維持できます。症状に応じて、医師が塗布回数や量を調整することもあります。

Q3: 塗るのを忘れてしまったらどうなりますか? A3: 塗り忘れてしまった場合は、気づいた時にできるだけ早く塗布してください。ただし、次に塗る時間が近い場合は、忘れた分は塗らずに、次回の塗布時間に1回分を塗布してください。決して2回分を一度に塗らないようにしましょう。

Q4: 治療をやめたら汗は元に戻りますか? A4: エクロックゲルは、汗の分泌を一時的に抑える作用があります。そのため、治療を中断すると、多くの場合、汗の量も治療前の状態に戻ることが考えられます。効果を持続させるためには、医師の指示に従い、継続して使用することが大切です。

汗の悩みは、一人で抱え込まず、ぜひ当院にご相談ください。患者さん一人ひとりの状態に合わせた適切な治療法をご提案し、快適な毎日を送れるようサポートいたします。頭部を右(時計回り)に止まるまでゆっくり回します。このとき、頭部が上がります。
次に、頭部を左(反時計回り)に止まるまでゆっくり回し、もとに戻します。このとき頭部が下がり、⽚わき1回分の薬液が出ます。
使⽤量は、右わきに1回分、左わきに1回分が⽬安です。

薬液をわき全体に塗り広げます。
もう⼀⽅のわきにも同様に薬を塗ります。
⼿に薬液がついた場合は、絶対に顔や⽬をさわらず、すぐに⽔で洗い流してください。
わきに塗った薬液が乾くまでは、寝具や⾐服が触れないようにご注意ください。

エクロックゲルの副作用と安全な使い方5つの注意点

多汗症は、ただ汗が多いというだけでなく、日常生活に大きなストレスや不便をもたらすことがあります。 服の汗染みが気になったり、人との接触を避けたりと、精神的な負担も少なくありません。 そんなお悩みに寄り添い、効果が期待できるのがエクロックゲルです。 しかし、どんなお薬にも良い面とそうでない面があります。 形成外科専門医・美容外科専門医(JSAPS)である私が、患者さん一人ひとりに安心して治療を受けていただくために、エクロックゲルの副作用と安全な使い方について詳しく解説します。 副作用を正しく理解し、適切に対処することで、治療の効果を最大限に引き出し、快適な毎日を取り戻しましょう。

主な副作用は塗った部分の皮膚炎や赤み

エクロックゲルは、塗るタイプの多汗症治療薬であり、その主な副作用は塗布した脇の部分に現れる局所的な症状であることが多くの研究で報告されています。 具体的には、皮膚炎(ひふえん)や赤み、かゆみ、ヒリヒリ感などが挙げられます。 これらの症状は、お薬が肌に合わないことで生じる炎症反応です。 しかし、ご心配はいりません。 これらの副作用は、ほとんどのケースで軽度であることが示されています。

例えば、日本人を対象とした52週間の長期試験

形成外科専門医・美容外科専門医(JSAPS)である私が監修しています。

エクロックゲルを効果的に使うコツと多汗症治療の選択肢

脇の汗が多くて困っている方にとって、エクロックゲルは日々の生活をより快適にするための大切な選択肢の一つです。しかし、「どうしたらもっと効果的に使えるの?」「もし効かないと感じたらどうしよう?」「治療費はどのくらいかかるの?」といった疑問や不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。この部分では、エクロックゲルを上手に使いこなすための具体的なヒントや、もし効果が不十分だった場合の他の治療法について、皆さまが安心して治療に取り組めるよう、分かりやすくご説明いたします。多汗症は、適切な治療と工夫で必ず改善へと向かいます。私たちと一緒に、より自信を持って笑顔で過ごせる毎日を目指しましょう。

日常生活でエクロックゲルを継続するための工夫

エクロックゲルは、多汗症の症状を和らげるために、毎日継続して塗ることが大切です。薬の効果を最大限に引き出すためには、途中で途切れることなく使い続ける工夫が必要です。

  • 習慣化する
    • お風呂上がりの着替え前や、寝る前の歯磨きの後など、毎日決まったタイミングで塗ることを習慣にすると良いでしょう。
    • 日常生活の一部に組み込むことで、塗り忘れを防ぎやすくなります。
  • リマインダーを活用する
    • スマートフォンやカレンダーのアラーム機能を使って、塗る時間を知らせるように設定するのも有効な方法です。
    • 特に多忙な日々を送る方にはおすすめの工夫です。
  • 手の届く場所に置く
    • 洗面台の上やベッドサイドなど、目に付く場所にエクロックゲルを置いておくと、意識的に塗る機会が増えます。
    • ただし、小さなお子さんの手の届かない場所を選ぶように注意しましょう。
  • 周囲に知られたくない場合
    • エクロックゲルは、塗布後しばらくすると乾くタイプのゲル製剤です。
    • 夜寝る前に塗ってしまえば、日中に周りの人に気づかれる心配はほとんどありません。
    • べたつきが少ない非油性ゲル製剤であるため、衣服への影響も少ない点が、患者さんのアドヒアランス向上、つまり治療継続のしやすさに貢献すると期待されています(Stamatios Gregoriou他, PubMed)。
  • 塗る量と範囲を確認する
    • 規定された量を、脇全体にムラなく塗ることが大切です。
    • 量が少なすぎると効果が十分に得られないことがあります。
    • 自己判断で量を増やしたり減らしたりせず、医師から指示された量を守ってください。

これらの工夫を取り入れることで、無理なくエクロックゲルの治療を継続し、より良い効果へと繋げることができます。

エクロックゲルが効かないと感じた時の対処法

エクロックゲルを使い始めても「なかなか効果を実感できない」「思っていたよりも汗が止まらない」と感じることもあるかもしれません。これは決して珍しいことではありません。しかし、すぐに諦める必要はありません。まずは以下の点を振り返り、対処法を検討してみましょう。

  • 正しい使い方を再確認する
    • 医師から説明された通りの量や塗り方、塗るタイミングを守れていますか?
    • 塗布量が少なすぎたり、塗る範囲が適切でなかったりすると、薬の効果が十分に発揮されないことがあります。
    • 特に、脇の毛が多い場合は、毛根に薬が届きにくくなることもあるため、塗布前に確認が必要です。
  • 継続期間を確認する
    • エクロックゲルは、効果を実感するまでに約2週間程度の期間が必要と言われています。
    • すぐに効果が出ないからといって、自己判断で中断せず、まずは決められた期間、毎日続けることが大切です。
    • 効果が出るまでには個人差があることを理解し、焦らず治療を継続しましょう。
  • 医師に相談する
    • 正しい方法で一定期間使用しても効果を感じられない場合は、必ず主治医に相談してください。
    • 多汗症の管理において、局所抗コリン薬の選択肢に関する知識は非常に重要であり、患者さんの症状や体質に合わせて他の治療法を提案できる場合があります(Nikita S Wong他, PubMed)。
    • 例えば、腋臭症(ワキガ)の手術後に、まだ脇の臭いや汗が残ったり、再発してしまったりした原発性腋窩多汗症の患者さんを対象とした研究では、ソフピロニウム臭化物(エクロックゲルの有効成分)の投与により、腋臭が約70%、多汗が約63%改善した可能性が示唆されています(Masanobu Sakisaka, Akihiko Takushima他)。
    • ただし、これは少数患者での研究結果であり、大規模な前向き対照研究によるさらなる検証が必要である点もご理解ください。
    • 効果には個人差があるため、一人ひとりに合ったアプローチを医師と一緒に見つけることが重要です。

多汗症治療にかかる費用と保険適用の範囲

多汗症の治療を継続する上で、費用は気になる点の一つですよね。エクロックゲルは、日本で初めて承認された局所用多汗症治療薬であり(Julia Paik, PubMed)、原発性腋窩多汗症(わきの多汗症)に対して保険が適用されます。この承認は世界に先駆けて行われ、日本の患者さんがいち早く新しい治療を受けられるようになったという点で、非常に大きな意味を持っています。

  • 保険適用とは
    • 医療費の一部を公的な医療保険が負担してくれる制度のことです。
    • これにより、患者さまは自己負担割合に応じた金額を支払うことになります。
  • 自己負担割合
    • 年齢や収入によって、医療費の自己負担割合は1割、2割、3割と異なります。
    • 例えば、3割負担の方であれば、診察料や薬代の合計額の30%を自己負担することになります。
  • 治療費の内訳
    • 診察料
      • 医師の診察にかかる費用です。
      • 初診時と再診時で料金が異なります。
    • 処方箋料
      • 薬を処方する際にかかる費用です。
    • 薬代(エクロックゲル)
      • エクロックゲル本体の費用です。
      • 1本(20g)あたりの料金が定められています。
  • 月々の費用の目安
    • エクロックゲルは、通常1本で約2週間分の用量です。
    • したがって、1ヶ月に2本処方されることが一般的です。
    • 例えば、3割負担の場合、エクロックゲル2本と再診料・処方箋料を合わせて、月々5,000円〜7,000円程度(薬価改定などで変動あり)が目安となるでしょう。
  • 高額療養費制度
    • 月々の医療費が高額になった場合、自己負担額の上限を超えた分が払い戻される制度です。
    • 多汗症治療だけで高額になることは稀ですが、他の病気の治療と合わせて医療費が高額になる場合は、この制度が適用される可能性があります。

正確な費用については、受診されるクリニックの窓口や薬局でご確認ください。当院では、患者さまが安心して治療を受けられるよう、費用についても丁寧にご説明いたしますので、ご不明な点はお気軽にご質問ください。

オンライン診療でエクロックゲルを処方してもらう方法

近年、医療の進化とともにオンライン診療の選択肢も増え、エクロックゲルの処方もオンラインで受けられる場合があります。オンライン診療は、多忙な方や、通院に負担を感じる方にとって便利な方法です。

  • オンライン診療のメリット
    • 場所の制約がない
      • ご自宅や職場など、インターネット環境があればどこからでも診察を受けられます。
    • 時間の節約
      • クリニックへの移動時間や待ち時間を削減できます。
    • 通院の負担軽減
      • 交通費や体力的な負担を減らすことができます。
  • オンライン診療の流れ
    1. 予約
      • まず、オンライン診療に対応しているクリニックのウェブサイトから予約します。
      • 多くの場合、専用のアプリやシステムを利用します。
    2. 問診
      • 予約時に問診票に記入したり、事前に送られてくる問診票に回答したりします。
      • 詳細な情報提供は、医師が適切な診断を下す上で非常に重要です。
    3. 診察
      • 予約した時間に、医師とビデオ通話で診察を行います。
      • 症状の変化や困っていることなどを具体的に伝えましょう。
      • 医師は、患者さんの表情や話し方からも多くの情報を得ようとします。
    4. 処方箋の発行・薬の受け取り
      • 診察後、医師がエクロックゲルの処方が適切と判断した場合、処方箋が発行されます。
      • 処方箋は薬局へFAXで送られたり、郵送されたり、自宅へ薬が配送されたりするなど、クリニックによって方法は異なります。
  • 注意点
    • 初診時の対面診察
      • エクロックゲルの処方に際し、初回は対面での診察が必要となるクリニックもあります。
      • これは、患者さまの症状を直接確認し、より安全に治療を進めるための重要なプロセスです。
    • オンライン診療の可否はクリニックによる
      • すべての医療機関がオンライン診療を行っているわけではありません。
      • 事前にクリニックのウェブサイトで確認するか、直接お問い合わせください。

当院でも、患者さまのライフスタイルに合わせた診療を提供しており、エクロックゲルのオンライン診療についてもご相談いただけます。遠方にお住まいの方や、お仕事などで忙しい方も、お気軽にお問い合わせください。

エクロックゲル以外の多汗症治療法(手術・ボトックスなど)との違い

多汗症の治療には、エクロックゲル以外にも様々な選択肢があります。形成外科専門医として、患者さま一人ひとりの症状やライフスタイル、希望に応じて最適な治療法を選ぶお手伝いをいたします。

  • エクロックゲル(局所用抗コリン薬)
    • 特徴
      • 汗腺の働きを抑える成分(ソフピロニウム臭化物)を直接塗布することで、汗の量を減らします。
      • 日本で初めて承認された、ワキ汗に対する局所用治療薬です。
    • メリット
      • 自宅で手軽に治療できる点が魅力です。
      • レトロ代謝型薬物設計により、全身への吸収が制限され、全身性抗コリン作用による副作用のリスクを低減しています(Stamatios Gregoriou他, PubMed)。
      • 2つの第3相試験のプール解析では、HDSM-Ax-7スコアが2点以上改善した患者さんの割合や、汗の重量測定による発汗量の有意な減少が確認されており、9歳以上の患者さんに対し、効果的かつ忍容性の高い治療法であると結論付けられています(David Pariser他, PubMed)。
    • デメリット
      • 毎日塗布する必要があるため、継続的な管理が求められます。
      • 効果には個人差があり、一時的なコントロールに留まる場合もあります(Stamatios Gregoriou他, PubMed)。
      • 上記の第3相試験では、治療期間と追跡期間が短いという限界も指摘されています(David Pariser他, PubMed)。
  • 塩化アルミニウム製剤
    • 特徴
      • 汗腺の出口にフタをするように作用し、汗の排出を物理的に抑えます。
      • 市販品から医療用まで様々な濃度のものがあります。
    • メリット
      • 比較的安価で手軽に試せる方法です。
    • デメリット
      • 皮膚への刺激が強く、かぶれや炎症を起こしやすいことがあります。
  • ボトックス注射
    • 特徴
      • 汗を出す神経伝達物質の働きを一時的にブロックすることで、汗の分泌を抑えます。
    • メリット
      • 1回の注射で数ヶ月間効果が持続するため、頻繁な処置が不要です。
    • デメリット
      • 注射による痛みがあり、麻酔が必要な場合もあります。
      • 保険適用外となる場合があり、費用が高額になることがあります。
      • 効果が切れると再度注射が必要になります。
  • イオントフォレーシス
    • 特徴
      • 微弱な電流を流した水に患部を浸すことで、汗の分泌を抑える治療法です。
      • 主に手足の多汗症に用いられることが多いです。
    • メリット
      • 副作用が比較的少ない点が特徴です。
    • デメリット
      • 複数回の通院が必要で、効果を維持するためには定期的な治療が求められます。
  • 手術(胸腔鏡下交感神経切除術など)
    • 特徴
      • 汗をコントロールする交感神経を切断することで、発汗を永続的に抑える治療法です。
    • メリット
      • 恒久的な効果が期待できる点が最大のメリットです。
    • デメリット
      • 手術であるため、リスクが伴います。
      • 代償性発汗(手術していない部位から汗が多く出るようになること)の可能性があります。

多汗症の患者ケアにおいて、局所抗コリン薬を含むこれらの治療選択肢についての知識は非常に重要です(Nikita S Wong他, PubMed)。現在、FDA(アメリカ食品医薬品局)に承認されている唯一の局所抗コリン薬はグリコピロレートですが、ソフピロニウムブロミドを含む新規の局所抗コリン薬も研究が進められており、これまでの安全性データは限定的ではあるものの、ヒトへのリスクは最小限であると評価されています(Nikita S Wong他, PubMed)。どの治療法が最適かは、患者さま一人ひとりの症状の重さ、影響を受けている部位、生活状況、そして治療への希望によって異なります。医師と十分に話し合い、ご自身に合った治療計画を立てることが何よりも大切です。当院では、患者さまの立場に立って、それぞれの治療法のメリット・デメリットを詳しく説明し、最適な選択肢を一緒に考えさせていただきます。

Q&A

Q1: エクロックゲルはどのような人が使えますか? A1: 原発性腋窩多汗症(脇の多汗症)と診断された方が使用できます。当院では、診察で症状を確認し、適応がある場合に処方しています。年齢制限や妊娠中・授乳中の使用については、必ず医師とご相談ください。

Q2: 毎日塗る必要がありますか? A2: 基本的には1日1回、脇に塗布します。継続して使用することで効果を維持できます。症状に応じて、医師が塗布回数や量を調整することもありますので、医師の指示に従ってください。

Q3: エクロックゲルは、どれくらいの期間使い続ける必要がありますか? A3: エクロックゲルは、汗の分泌を抑える効果が一時的であり、治療を中断すると汗の量が治療前の状態に戻ることが考えられます。そのため、効果を持続させるためには、医師の指示に従い、継続して使用することが大切です。治療期間については、症状の改善状況や患者さんの希望に応じて医師が判断しますので、診察時にご相談ください。

Q4: 治療をやめたら汗は元に戻りますか? A4: エクロックゲルは、汗の分泌を一時的に抑える作用があります。そのため、治療を中断すると、多くの場合、汗の量も治療前の状態に戻ることが考えられます。効果を持続させるためには、医師の指示に従い、継続して使用することが大切です。

あなたに最適な多汗症治療を一緒に見つけましょう

多汗症は、身体的な不快感だけでなく、精神的なストレスにもつながることが少なくありません。しかし、適切な治療を受けることで、症状は必ず改善に向かいます。エクロックゲルをはじめ、多汗症には様々な治療の選択肢があり、形成外科専門医・美容外科専門医(JSAPS)として、私たち医師が患者さま一人ひとりに寄り添い、最適な治療法をご提案します。

「自分にはどの治療法が合っているのだろう?」「費用はどのくらいかかるのか?」「副作用が心配」など、どんな些細なことでも構いません。どうぞお気軽に当院にご相談ください。私たちと一緒に、汗を気にせず、自信を持って毎日を過ごせるよう、一歩を踏み出しましょう。

まとめ

多汗症で悩む方へ、エクロックゲルの効果と副作用を解説しました。この保険適用の塗り薬は、約1週間で脇汗を改善し、生活の質も高めると期待されます。副作用は塗布部位の皮膚症状が主で、ほとんどが軽度です。
継続が大切ですが、効果が不十分なら他にも多様な治療法があります。一人で抱え込まず、形成外科専門医である当院へご相談ください。最適な治療を共に探し、自信に満ちた毎日を応援します。

参考文献

  1. Dupuis C, Bachoumas K, Oris C, Eisenberg S, Pereira B, Boirie Y, Farigon N, Sapin V, Bernard L, Richard R, Costes F, Adda M and Souweine B. “Properties of testosterone transdermal gel in restoring serum testosterone levels in critically ill patients: the TestICU-1 pilot study.” Journal of critical care 92, no. (2026): 155339.
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