月別図解でわかる花粉症の時期と種類完全カレンダー

「春になると始まる、くしゃみや目のかゆみ…」多くの方が花粉症を春特有の悩みだと思っていませんか?しかし、それは大きな誤解かもしれません。
実は、日本にはアレルギーの原因となる植物が約60種類も存在し、一年を通じて様々な花粉が飛んでいます。日本人の約6人に1人が悩むスギ花粉症だけでなく、夏にはイネ科、秋にはブタクサなど、あなたの不調の原因は意外な季節に潜んでいる可能性があるのです。
この記事では、月別・地域別の詳細な花粉カレンダーを用いて、あなたの症状の本当の原因を特定するお手伝いをします。今日から実践できる対策から根本治療まで、つらい季節を乗り切るための知識を網羅的に解説します。
監修:形成外科専門医・美容外科専門医(JSAPS) Re:Birth Clinic Nagoya 河之口大輔
【時期と種類】いつ、何の花粉が飛ぶ?月別・地域別花粉カレンダー
「春になると、くしゃみや鼻水、目のかゆみがつらい…」 多くの方が、花粉症を春特有の悩みだと感じているかもしれません。
しかし、花粉症は春だけの病気ではありません。 実は、日本にはアレルギーの原因となる植物が約60種類も報告されています。 一年を通じて様々な花粉が飛散しており、反応する種類は人それぞれです。
ご自身の症状がどの季節に強くなるかを知ることは非常に重要です。 原因となる花粉の種類を推測できれば、効果的な対策を早めに始められます。 この先で、一年間の花粉の種類と飛散時期を詳しく見ていきましょう。

【全国版】スギ・ヒノキだけじゃない!主要12種類の花粉飛散時期マップ
花粉症の代表格は春のスギやヒノキですが、それだけではありません。 初夏から秋にかけては、イネ科やキク科の植物が原因となることも多いです。 まずは、アレルギーを引き起こしやすい代表的な12種類の花粉カレンダーをご覧ください。
【月別】主なアレルギー花粉カレンダー
| 月 | 樹木の花粉 | 草本(草)の花粉 |
|---|---|---|
| 1月 | ハンノキ | |
| 2月 | スギ(飛散開始)、ハンノキ | |
| 3月 | スギ(ピーク)、ヒノキ、ハンノキ | |
| 4月 | スギ、ヒノキ(ピーク)、シラカバ、コナラ | |
| 5月 | ヒノキ、シラカバ、コナラ | イネ科(カモガヤなど) |
| 6月 | イネ科(カモガヤなど) | |
| 7月 | イネ科 | |
| 8月 | イネ科、キク科(ブタクサ、ヨモギ)、カナムグラ | |
| 9月 | イネ科、キク科(ブタクサ、ヨモギ)、カナムグラ | |
| 10月 | キク科(ブタクサ、ヨモギ)、カナムグラ | |
| 11月 | ||
| 12月 |
日本の全国的な疫学調査では、スギ花粉症の罹患率は17.3%と報告されています。 これは、日本人の約6人に1人がスギ花粉症に悩んでいる計算です。
また、スギ花粉とヒノキ花粉は、アレルギー反応を起こす部分の構造が似ています。 そのため、スギ花粉症の方の約7割はヒノキ花粉にも反応すると言われています。 春以外の季節にも症状があるなら、表にある他の植物が原因かもしれません。
【地域別】北海道から沖縄まで、あなたの街の飛散ピーク予測
お住まいの地域によって、花粉の飛散状況は大きく異なります。 これは、その土地に分布する植物の種類が違うためです。 ご自身の地域の花粉事情を把握し、的確な対策に繋げましょう。
北海道 スギやヒノキは道南の一部を除き、ほとんど飛散しません。 主な原因は**シラカバ(シラカンバ)**で、4月下旬から6月頃がピークです。 その他、ハンノキ(3〜4月)やイネ科(6〜7月)、ヨモギ(8〜9月)が原因となります。
東北・関東・甲信越・東海 国内で最もスギ・ヒノキ花粉の飛散量が多い地域です。 特に、スギ花粉症は太平洋側や日本の中央部で多く見られる傾向があります。 スギは2月上旬から、ヒノキは3月中旬から飛び始め、5月頃まで続きます。 その後はイネ科、秋にはブタクサやヨモギが飛散のピークを迎えます。
関西・中国・四国・九州 この地域もスギやヒノキの飛散量が多いエリアです。 特に関西地方では、オオバヤシャブシ(2〜4月)も特徴的な原因植物です。 九州はスギの植林面積が広く、飛散量が多くなる傾向にあります。
沖縄 スギやヒノキは自生していないため、基本的に飛散はありません。 本土から風で運ばれてくるごく少量を除き、花粉症の方には過ごしやすい地域です。
このように、地域によって花粉の種類やピーク時期は全く違います。 旅行や出張で他の地域へ移動する際は、現地の花粉情報も確認しておくと安心です。
【症状でセルフチェック】あなたの症状を引き起こす花粉の種類を特定する方法
「自分のつらい症状は、どの花粉が原因なのだろう?」 そう疑問に感じたら、まずは症状が出る季節に注目してみましょう。 以下のリストで、原因花粉をある程度推測することができます。
【症状の時期でわかる原因花粉チェックリスト】
□ 2月〜4月に症状がピークになる → スギ、ヒノキの可能性が高いです。日本の花粉症で最も多いタイプです。
□ 4月下旬〜6月頃に症状が出る(特に北海道や高原地帯) → シラカバの可能性があります。 リンゴや桃などを食べると口の中がかゆくなる「口腔アレルギー症候群」を合併することがあります。
□ 5月〜8月にかけて、だらだらと症状が続く → **イネ科(カモガヤ、オオアワガエリなど)**の可能性があります。 公園や河川敷など、私たちの生活圏のすぐ近くに生えています。
□ 8月下旬〜10月頃に症状が出る → **キク科(ブタクサ、ヨモギ)やアサ科(カナムグラ)**の可能性があります。 「秋の花粉症」の代表的な原因植物です。
Q&A:原因をはっきり知るにはどうすればいいですか?
A. 上記のチェックリストは、あくまで目安です。 正確な原因を知るためには、医療機関でのアレルギー検査が最も確実です。
当院でも、血液検査によってアレルギーの原因(アレルゲン)を特定できます。 一度の採血で、スギやヒノキはもちろん、30種類以上の花粉やハウスダストなどを調べることが可能です。 原因がわかれば、より効果的な対策や治療計画を立てることができます。 気になる症状があれば、ぜひ一度ご相談ください。
【2026年最新予測】今年の飛散量は多い?専門機関の見解まとめ
毎年の花粉シーズン前に気になるのが、その年の飛散量です。 実は、スギやヒノキの花粉量は、前年の夏の天候に大きく左右されます。
- 花粉量が多くなる条件 前年の夏に日照時間が長く、気温が高い(猛暑)
- 花粉量が少なくなる条件 前年の夏が冷夏や長雨
夏の天候が良いとスギやヒノキの雄花がよく育ち、翌春に放出される花粉量が増えるのです。 2026年春の花粉飛散量は、前年である2025年夏の記録的な猛暑の影響を受け、全国的に例年より多くなる、あるいは非常に多くなると予測されています。
さらに近年、大気汚染と花粉症の関連が注目されています。 ある研究のメタアナリシス(複数の研究結果を統合した分析)によると、PM2.5や自動車の排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)などの大気汚染物質は、アレルギー症状を悪化させる可能性が示唆されています。
特にイネ科花粉などは、汚染物質の濃度が高い環境では花粉自体の飛散濃度も高くなる傾向があるという報告もあります。 この分析では、二酸化窒素(NO2)が最も影響力の強い汚染物質である可能性も指摘されました。
花粉の飛散量が多いと予測される年は、症状が出る前から対策を始める「初期療法」が非常に有効です。 ぜひお早めに医療機関を受診し、つらいシーズンを少しでも快適に乗り切るための準備を始めましょう。
【症状と対策】そのつらい症状、どうする?即効性のある対策から根本治療まで
毎年繰り返す花粉の季節。「またこのつらい時期が…」と憂うつな気分になっていませんか。 くしゃみや鼻水、目のかゆみは仕事や勉強の集中力を妨げます。 これは、生活の質(QOL)を大きく下げてしまう深刻な問題です。
しかし、諦める必要はありません。花粉症の治療は大きく2つに分けられます。 一つは、今あるつらい症状を和らげる「対症療法」。 もう一つは、アレルギー体質の改善を目指す「根治療法」です。 ご自身の症状や生活スタイルに合った対策を知り、つらい季節を乗り切りましょう。

鼻水・目のかゆみだけじゃない!花粉症が引き起こす全身症状リスト
花粉症は、鼻や目だけに症状が出るわけではありません。 花粉というアレルゲンに対する体の反応は、全身に及ぶことがあります。 ご自身の不調が花粉症によるものか、以下のリストで確認してみましょう。
【花粉症セルフチェックリスト】
- 鼻の症状
- 水のようにサラサラした鼻水が止まらない(水様性鼻漏)
- 発作のように、くしゃみが何度も連続して出る
- 鼻が詰まって息苦しい、においが分かりにくい(鼻閉)
- 目の症状
- 目がかゆくて、思わずこすってしまう
- 白目の部分が赤くなる(充血)
- 涙が止まらない、目がゴロゴロする
- のど・口の症状
- のどの奥がイガイガする、かゆい
- 乾いた咳が続く
- 特定の果物や野菜を食べると口の中や唇がかゆくなる(口腔アレルギー症候群)
- 皮膚の症状
- 顔や首すじなど、肌の露出部がかゆく、赤くなる
- まぶたが腫れぼったくなる(花粉皮膚炎)
- 全身の症状
- 頭が重い、ズキズキと痛む(頭痛)
- 体がだるく、疲れやすい(倦怠感)
- 微熱が出て、なんとなく体が火照る
- 集中力が続かず、仕事や勉強がはかどらない
- 気分が落ち込んだり、イライラしやすくなる
鼻の症状は、花粉を吸ってすぐに起こる「即時相反応」と、数時間後に起こる「遅発相反応」に分けられます。くしゃみや鼻水は前者、しつこい鼻づまりは後者の代表です。
特に近年、**「口腔アレルギー症候群」**はガイドラインでも注意喚起されています。 これは花粉と似た構造を持つ特定の果物(リンゴ、モモなど)に反応するものです。 気になる症状があれば、ぜひ専門の医療機関にご相談ください。
それは本当に花粉症?風邪や黄砂アレルギーとの見分け方
「春先の鼻水だから花粉症だろう」という自己判断は禁物です。 同じ時期に流行する風邪や、黄砂によるアレルギーと症状が似ているためです。 原因が違えば対処法も変わります。下の表で違いを確認してみましょう。
| 症状 | 花粉症 | 風邪 | 黄砂アレルギー |
|---|---|---|---|
| 鼻水 | 透明で水のようにサラサラ | 初期は透明だが、後に黄色っぽくネバネバすることが多い | サラサラのこともネバネバのこともあり |
| くしゃみ | 発作のように連続して出る | 回数は比較的少ない | 連続して出ることがある |
| 目のかゆみ | 強いかゆみや充血を伴う | かゆみはほとんどない | かゆみや異物感が出やすい |
| 発熱 | 基本的にない(あっても微熱) | 38度以上の高熱が出ることがある | 熱はあまり出ない |
| 期間 | シーズン中はずっと続く(数週間〜数ヶ月) | 1週間程度で治ることが多い | 黄砂の飛散日に悪化し、数日で治まる傾向 |
| その他 | 晴れて風の強い日に悪化しやすい | のどの痛み、関節痛などを伴うことがある | 喉の痛みや咳、皮膚症状が出やすい |
これらはあくまで一般的な目安です。 症状だけで正確に判断するのは難しく、複数の原因が重なっている場合もあります。 原因を特定するためにも、医療機関でアレルギー検査を受けることをお勧めします。 当院では問診や検査を通して正確な診断を行っていますので、お気軽にご相談ください。
今日からできる!外出時・室内・食事で花粉を徹底ブロックする15の対策
花粉症治療では、薬と並行してセルフケアを徹底することが非常に重要です。 原因となる花粉を体に入れない、身の回りに近づけない工夫で症状は大きく変わります。 今日からできる対策を場面別に見ていきましょう。
【外出時の対策】
- マスク・メガネの着用 顔にフィットするもので、花粉の吸い込みや付着を防ぎます。
- 花粉が付きにくい服装 表面がツルツルしたポリエステルなどの化学繊維を選びましょう。
- 帽子の着用 髪への花粉の付着を減らし、室内への持ち込みを防ぎます。
- 花粉情報の確認 飛散量の多い日の不要な外出は避けるのが賢明です。
- 帰宅時の花粉除去 家に入る前に、玄関の外で衣服や髪をしっかり払い落とします。
【室内での対策】
- 窓やドアを閉める 換気は飛散量の少ない早朝や夜間に短時間で行いましょう。
- 空気清浄機の活用 花粉を捕集できるHEPAフィルター搭載機種が効果的です。
- こまめな掃除 床のホコリが舞い上がらないよう、拭き掃除から始めましょう。
- 洗濯物の室内干し 花粉シーズン中は外に干すのを避け、衣類への付着を防ぎます。
- 加湿器の使用 湿度を50%前後に保ち、鼻やのどの粘膜のバリア機能を守ります。
【食事・生活習慣の対策】
- バランスの取れた食事 免疫機能を正常に保つための基本です。
- 腸内環境を整える ヨーグルトなどの発酵食品は、免疫バランスを整える助けになります。
- 刺激物を避ける アルコールは血管を広げ、鼻づまりや目の充血を悪化させます。
- 十分な睡眠 体の抵抗力を高め、アレルギー反応を抑制します。
- ストレスをためない 自律神経の乱れは、アレルギー症状を悪化させる一因です。
根本から治したい方へ「舌下免疫療法」の費用・期間・効果を徹底解説
「毎年薬を飲むのが大変」「根本的に体質を改善したい」 そうお考えの方には、**「アレルゲン免疫療法」**という選択肢があります。 これは、花粉症の原因物質(アレルゲン)を少量ずつ体に投与する方法です。 体をアレルゲンに慣らし、アレルギー反応自体を起こしにくくする唯一の根治療法です。 中でも、自宅で手軽に行える「舌下免疫療法」が広く行われています。
【舌下免疫療法とは?】
舌の下(舌下)に治療薬を1分間保持し、その後飲み込むだけの簡単な治療法です。 毎日1回、ご自宅で行うことができます。 現在、保険適用で治療が受けられるのは**「スギ花粉症」と「ダニアレルギー」**です。
【費用・期間・効果の目安】
- 期間
- 3年〜5年程度の長期間、毎日治療を続ける必要があります。
- 費用
- 健康保険が適用されます。
- 医療機関での診察代と薬局での薬代を合わせ、3割負担の方で月に2,000円〜3,000円程度が目安です。
- 効果
- 正しく治療を継続することで、約8割の方に症状の改善がみられます。
- くしゃみや鼻水が軽くなる、薬の量を減らせるなどの効果が期待できます。
- 最新の研究では、治療終了後も長期間にわたり効果が持続することが示されています。
【舌下免疫療法Q&A】
Q. いつから始めればいいですか?
A. スギ花粉の飛散が始まる時期には開始できません。 アレルギー反応が強く出る可能性があるためです。 スギ花粉の飛散が終わった6月〜12月頃に治療を始めるのが一般的です。
Q. 副作用はありますか?
A. 口の中のかゆみや腫れ、喉の違和感などが出ることがあります。 しかし、多くは治療開始後の早い時期に見られる軽い症状で、次第に治まります。 まれに重いアレルギー反応(アナフィラキシー)が起こる可能性があるため、最初の1回目は必ず医療機関で医師の監督のもと行います。
当院では、舌下免疫療法にご興味のある方のご相談を随時受け付けております。 また、監修の形成外科専門医・美容外科専門医(JSAPS)が、つらい花粉による肌荒れ(花粉皮膚炎)のご相談も承っております。 あなたに合った治療法を一緒に見つけていきましょう。ぜひ一度ご相談ください。
【生活の質向上】花粉症シーズンを快適に乗り切るためのQ&A
監修:形成外科専門医・美容外科専門医(JSAPS)
花粉症は、今や日本人の約4割が悩む国民病ともいえるアレルギー疾患です。 くしゃみや鼻水といった症状だけでなく、集中力の低下や睡眠障害も引き起こします。 これらは、私たちの生活の質(QOL)を大きく損なう深刻な問題です。
つらい症状を「いつものこと」と諦めていませんか? このコーナーでは、患者さんからよくいただく質問にQ&A形式でお答えします。 正しい知識と対策で、憂うつな季節を少しでも快適に乗り切りましょう。

妊娠中・授乳中でも安心?医師が教える薬に頼らない花粉症対策
Q. 妊娠中・授乳中で、薬を飲むのが不安です。何か良い対策はありますか?
A. 妊娠中や授乳中は、お薬の使用に慎重になるのは当然のことです。 お腹の赤ちゃんや母乳への影響を考え、自己判断での服薬は絶対に避けてください。 まずは薬に頼らないセルフケアを徹底することが、安全な対策の第一歩です。
【薬を使わない花粉症対策リスト】
花粉を吸わない・浴びない工夫
- マスク・メガネの着用 顔に隙間なくフィットするマスクや、ゴーグルタイプのメガネが有効です。 花粉の吸入や目への付着を、物理的に大幅に減らすことができます。
- 服装の工夫 ウールなどのけば立った素材は花粉が付着しやすいため避けましょう。 表面がツルツルしたポリエステルなどの化学繊維の服がおすすめです。
花粉を室内に持ち込まない工夫
- 帰宅時の行動 家に入る前に、玄関の外で衣服や髪についた花粉を丁寧に払い落とします。 粘着テープのローラー(コロコロ)を使うのも効果的です。
- すぐに着替える・洗う 帰宅後はすぐに部屋着に着替え、手洗い、うがい、洗顔を徹底しましょう。 体に付着した花粉を速やかに洗い流すことが大切です。
室内の花粉を減らす工夫
- 換気は最小限に 換気は、花粉の飛散が比較的少ない早朝や夜間に行いましょう。 窓を10cmほど開け、レースのカーテンをすることで室内への流入を抑えられます。
- 空気清浄機の活用 花粉を捕集できる性能を持つ空気清浄機を24時間稼働させると効果的です。 特に寝室に置くことで、睡眠中の花粉吸入を防ぎ、睡眠の質を保ちます。
これらの対策を徹底しても症状がつらい場合は、我慢せずに専門医にご相談ください。 かかりつけの産婦人科医と連携し、妊娠周期や授乳状況を考慮した上で、比較的安全に使用できる点鼻薬や点眼薬、一部の内服薬を処方できる場合があります。 当院でも丁寧にお話を伺い、最適な対策をご提案しますので、お気軽にご相談ください。
子どもの花粉症は何歳から?家庭でのケアと病院受診の目安
Q. 子どもが鼻をぐずぐずさせています。何歳から花粉症になりますか?
A. お子様のつらそうな様子は心配になりますよね。 花粉症は、アレルギーの原因物質(アレルゲン)に一定期間さらされることで発症します。 そのため、以前は低年齢での発症は少ないとされていました。 しかし近年、食生活や住環境の変化により、1〜2歳で発症するケースも報告されています。
お子様の場合、風邪の症状と見分けがつきにくく、診断が遅れることも少なくありません。 まずは、ご家庭で丁寧なケアを行いながら、症状を注意深く観察することが大切です。
【病院受診の目安チェックリスト】
- □ 透明で水のようなサラサラした鼻水が、2週間以上続く
- □ くしゃみを連発し、なかなか止まらない
- □ 目を頻繁にこすったり、かゆがったり、充血したりする
- □ 鼻づまりで口呼吸が多く、夜にいびきをかく
- □ 熱はないのに、なんとなく元気がなく、機嫌が悪い
- □ 毎年同じ季節に、同じような症状を繰り返す
これらの項目に複数当てはまる場合は、花粉症の可能性が考えられます。 放置すると、集中力の低下による学業への影響や、中耳炎・副鼻腔炎といった合併症を引き起こすこともあります。
小児科や耳鼻咽喉科、アレルギー科では、血液検査などで原因アレルゲンを特定できます。 原因がはっきりすれば、適切な治療や対策を行うことができます。 お子様の症状でお悩みの際は、ぜひ一度当院の専門医にご相談ください。
花粉症で集中力低下?仕事や勉強のパフォーマンスを維持するコツ
Q. 花粉症のせいで仕事や勉強に集中できません。どうすれば良いですか?
A. そのお悩みは非常によく分かります。 花粉症は、私たちの日常生活におけるパフォーマンスを著しく低下させることが問題です。 これを「インペアード・パフォーマンス」と呼び、医療現場でも重要視されています。
くしゃみや鼻をかむ行為で作業が中断されるだけではありません。 しつこい鼻づまり(鼻閉)は、アレルギー反応の「遅発相反応」によるもので、睡眠の質を大きく低下させます。 結果として、日中に強い眠気や倦怠感、集中力・判断力の低下を招いてしまうのです。
【パフォーマンスを維持するための3つのコツ】
眠気の少ない薬を選ぶ 日中のパフォーマンス維持には、適切な薬選びが鍵となります。 現在主流の「第二世代抗ヒスタミン薬」は、脳に移行しにくく、眠気の副作用が出にくいように改良されています。 市販薬で眠気を感じる方は、医師に相談し、ご自身の生活スタイルに合った薬を処方してもらいましょう。
点鼻薬・点眼薬を効果的に使う 飲み薬と併用して、つらい場所に直接作用する局所薬は非常に有効です。 特に、しつこい鼻づまりには「鼻噴霧用ステロイド薬」が効果的で、アレルギー性鼻炎のガイドラインでも推奨されています。 正しく使用すれば全身への影響はごくわずかで、高い効果が期待できます。
環境を整え脳を休ませる デスク周りに卓上型の空気清浄機を置いたり、加湿器で湿度を50〜60%に保ったりするだけでも、鼻やのどの粘膜が保護され、症状が和らぎます。 また、目のかゆみがある時は、スマホなどの画面を長時間見続けないようにし、こまめに休憩を取りましょう。
花粉症によるQOLの低下は、専用の質問票(JRQLQ No.1など)で客観的に評価することも可能です。 仕事や学業への影響でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。
「口腔アレルギー症候群」とは?特定の果物で口がかゆくなる理由
Q. スギ花粉症なのですが、トマトを食べると口の中がかゆくなります。何か関係はありますか?
A. はい、それは「口腔アレルギー症候群(Oral Allergy Syndrome: OAS)」の可能性があります。 花粉症の方が、特定の生の果物や野菜を食べた直後に、口の中や唇、喉にかゆみやピリピリ感、腫れなどの症状が出ることです。
これは、アレルギーの原因となる花粉のタンパク質と、特定の食べ物に含まれるタンパク質の構造が非常に似ているために起こります。 体が花粉と食べ物を「見間違えて」、アレルギー反応を起こしてしまう「交差反応」という現象です。 近年のアレルギー性鼻炎ガイドラインでも、このOASに関する記述がより詳細化され、注意が促されています。
【原因となる花粉と食べ物の代表的な組み合わせ】
| 原因となる花粉 | 関連する可能性のある食べ物 |
|---|---|
| シラカバ | リンゴ、モモ、サクランボ、ナシ、イチゴ、キウイ、大豆(豆乳)など |
| スギ、ヒノキ | トマト |
| イネ科 | メロン、スイカ、オレンジ、キウイ、トマト、ジャガイモなど |
| ブタクサ、ヨモギ | メロン、スイカ、キュウリ、セロリ、ニンジンなど |
多くは口の中の軽い症状で済みますが、まれに全身のじんましんや腹痛、呼吸困難など、命に関わる重い症状(アナフィラキシー)を引き起こすこともあるため、決して軽視できません。
原因となる食べ物のアレルゲンは熱に弱いことが多く、加熱調理すれば症状が出ない場合もあります。 しかし、自己判断で試すのは危険です。食事中に違和感を覚えたら、すぐに食べるのを中止してください。 心当たりがある方は、アレルギー専門の医療機関で正確な診断を受けることが重要です。 当院ではアレルギー検査も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
今回は、月別の花粉カレンダーから、症状を和らげるセルフケア、根本的な体質改善を目指す治療法まで、幅広くご紹介しました。
花粉症は春だけでなく、一年中注意が必要なアレルギーです。 まずはご自身の症状がどの季節に現れるかを知り、原因となる花粉を推測することが対策の第一歩となります。
日々のセルフケアと合わせて、医療機関でアレルギー検査を受ければ、より的確な対策や治療計画を立てることができます。 「いつものことだから」と諦めてしまう前に、ぜひ一度専門家にご相談ください。 あなたに合った治療法を見つけ、つらい季節を少しでも快適に乗り越えましょう。
参考文献
- Nakamura A, Asai T, Yoshida K, Baba K, Nakae K, Nakamura A et al. Allergic rhinitis epidemiology in Japan.
- Okano M, et al. Practical guideline for the management of allergic rhinitis in Japan 2024.
- 大久保 公裕, 岡本 美孝, 増山 敬祐, 藤枝 重治, 岡野 光博, 後藤 穣, 湯田 厚司, 太田 伸男, 永田 真. 的確な花粉症の治療のために(第2版).
- Shahali Y, Mousavi F, Farooq Q, Cariñanos P, Oteros J. Association of air pollution with airborne pollen concentrations: A meta-analysis. Environmental research 293, no. (2026): 123697.