ピアス炎症は穴を塞がず治す!シリコンリング治療ガイド
お気に入りのピアスホールが、痛みや腫れ、膿といった炎症に見舞われると、ご不安になりますよね。実は、ピアスによる炎症経験者の**81.3%**が高い確率で金属アレルギーを発症しているという徳島大学病院の調査結果もあり、放置すると大切なホールを失ってしまうことも。
しかし、ご安心ください。ピアス炎症は適切な治療を早期に行うことで、ホールを塞がずに治すことが可能です。この記事では、炎症の原因となる感染症とアレルギーの違い、進行段階を詳しく解説し、さらに形成外科専門医が提案する「シリコンリング治療」を中心に、トラブルから大切なホールを守り、再び安心してピアスを楽しむための具体的な方法を詳しくご紹介します。
(臨床皮膚科より引用)
ピアストラブルを理解する3つのポイント
せっかく開けたお気に入りのピアスホールが、痛みや腫れ、かゆみといったトラブルに見舞われると、とてもご不安になりますよね。ピアスの炎症は、見た目だけでなく、日々の生活にも影響を及ぼすことがあります。しかし、正しく理解し、適切な対処をすることで、多くの場合、悪化を防ぎ、大切なホールを塞がずに回復させることが可能です。
当院では、形成外科専門医・美容外科専門医(JSAPS)として、長年の経験と最新の知見に基づき、患者さんのピアストラブルを丁寧に診察・治療しています。この章では、ピアス炎症の基本的な知識を深め、その初期症状からメカニズム、そして感染症とアレルギーの決定的な違いまでを詳しく解説いたします。
ピアス炎症の主な初期症状と進行段階
ピアスホールに炎症が起こると、体はさまざまなサインを発します。これらの初期症状にいち早く気づき、早めに対処することが、重症化を防ぐために非常に大切です。正常な状態と見比べて、いつもと違う点がないか確認してみましょう。
1. 初期症状 初期の炎症では、以下のような症状が現れることが一般的です。
- 赤み(発赤)
- ピアスホールの周囲がピンク色や赤色に変わります。
- 健康な皮膚の色と比べて、明らかに赤くなっている場合は要注意です。
- 腫れ(浮腫)
- ホール周辺がプクッと膨らみ、ピアスが少し埋もれたように見えることもあります。
- 触ると硬さや厚みを感じることがあります。
- 痛み(疼痛)
- 触れたり、ピアスを動かしたりするとズキズキとした痛みを感じます。
- 何もしなくても鈍い痛みを感じる場合もあります。
- かゆみ
- ホールの周りにムズムズとしたかゆみを感じることがあります。
- かきむしってしまうと、さらに炎症を悪化させる原因になります。
- 熱感
- 炎症を起こしている部分が、周囲の皮膚と比べて熱っぽく感じられます。
2. 進行段階 初期症状を放置してしまうと、炎症はさらに進行し、次のような状態へと悪化することがあります。
- 膿(排膿)
- ホールから白っぽい、黄色っぽい、あるいは緑っぽい液体(膿)が出てきます。
- これは細菌感染の明らかなサインであり、早急な治療が必要です。
- しこり
- ホールの周りに硬い塊やしこりができることがあります。
- これは化膿性肉芽腫や瘢痕形成(傷跡)の初期段階である可能性があり、治療が遅れると痕が残りやすくなります。
- 出血
- 炎症がひどくなると、少しの刺激やピアスを動かすだけでも簡単に出血しやすくなります。
- 出血を繰り返すと、治りがさらに遅くなることがあります。
- 悪臭
- 膿や分泌物が溜まることで、ピアスホールから不快な臭いがすることがあります。
- これは細菌の活動が活発になっている証拠です。
これらの症状が一つでも現れた場合は、炎症が起きている可能性が高いです。特に、膿が出ている場合や痛みが強く日常生活に支障をきたす場合は、当院のような医療機関での診察を強くおすすめします。
(臨床皮膚科より引用)
ピアス感染症とピアスアレルギーの決定的な違い
ピアスホールに起こる炎症の原因は、大きく分けて「感染症」と「アレルギー」の2種類があります。両者は症状が似ていることがありますが、原因も治療法も全く異なるため、正確な見分け方が非常に重要です。自己判断で市販薬を使用しても改善しない場合は、原因が異なっている可能性があります。
| 特徴 | ピアス感染症 | ピアスアレルギー |
|---|---|---|
| 主な原因 | 細菌や真菌などの病原体がピアスホールに侵入し、増殖する | 特定の金属(アレルゲン)に皮膚が接触することで、免疫システムが過剰に反応する |
| 症状 | 痛み、腫れ、赤み、熱感に加えて「膿」が出やすい。悪臭を伴うことも多く、ホールの周囲が硬くなる場合もあります。 | かゆみ、赤み、腫れ、じゅくじゅくとした湿疹、水ぶくれなど。膿は通常出にくいですが、かきむしると二次感染を起こし膿が出ることもあります。 |
| 発生時期 | ピアスホールを開けて間もない「傷」の段階や、日々のケアが不衛生な場合など、いつでも起こりえます。 | ピアスを着け始めてから数ヶ月〜数年後など、ある程度時間が経ってから発症することがあります。ただし、体質によってはすぐに症状が出る「即時型」の場合もあります。 |
| 対処法 | 原因菌を特定し、抗生物質の内服や外用薬で治療します。必要に応じてホールの洗浄も行います。 | アレルゲンとなるピアスを特定し、その使用を直ちに中止します。炎症がひどい場合は、ステロイド外用薬などで皮膚の炎症を抑えます。 |
感染症の場合は、細菌が増殖しているため、抗生物質による治療が不可欠です。一方、アレルギーの場合は、原因となっている金属を特定し、そのピアスを外すことが何よりも重要です。症状がどちらに当てはまるか判断が難しい場合は、自己判断せずに当院までご相談ください。原因に合わせた適切な治療を行うことで、早期の回復が期待できます。
炎症を引き起こしやすい金属アレルゲンと体質
ピアスによる炎症の原因として、金属アレルギーは非常に多く見られます。特定の金属が皮膚に触れることで、体の免疫システムがそれを「異物」と認識し、過剰に反応して炎症を引き起こしてしまう状態です。
1. 炎症を引き起こしやすい金属アレルゲン 多くの金属がアレルゲンとなる可能性がありますが、特に注意が必要な金属には以下のようなものがあります。
- ニッケル
- 安価なアクセサリーやメッキ製品に多く含まれているため、アレルギーの原因となることが非常に多い金属です。
- コバルト
- ニッケルと同様に、アクセサリーや一部の合金、顔料にも使われることがあります。
- クロム
- ステンレス鋼やメッキに使われることがあり、意外と身近な金属です。
- パラジウム
- ホワイトゴールドの合金や歯科材料に使われることがあり、近年アレルギーが増加傾向にある金属です。
徳島大学病院が過去15年間にわたって行った研究では、金属アレルギーを持つ患者さんの65.4%が少なくとも1つの金属アレルゲンに陽性反応を示したと報告されています。最も一般的なアレルゲンとして、塩化パラジウム、硫酸ニッケル、二クロム酸カリウム、塩化コバルトが挙げられています。特に、ピアスによる炎症を報告する患者さんの割合は、2005年の5.0%から2020年には43.2%へと大幅に増加しており、特に女性で顕著であることが指摘されています。
この研究は、ピアスによる炎症歴のある患者さんでは、金属アレルギーの有病率が81.3%と非常に高いことを明確に示しています。炎症歴のない患者さんの60.4%と比較しても有意に高く、ピアスを原因とする炎症と金属アレルギーの間に強い関連性があることが分かります。これは、炎症が繰り返されることで皮膚のバリア機能が低下し、金属イオンが体内に侵入しやすくなる悪循環が生じるためと考えられます。
2. 体質的な要因 金属アレルギーの発症には、体質的な要因も大きく関わっています。
- 遺伝的素因
- ご家族に金属アレルギーの方がいる場合、ご自身も発症しやすい傾向があると言われています。
- 汗
- 汗に含まれる塩分や酸が金属を溶かし、イオン化させることで皮膚への吸収を促進します。
- これにより、アレルギー反応を引き起こしやすくなります。夏場や運動時など、汗をかきやすい状況では特に注意が必要です。
- 皮膚のバリア機能
- 乾燥肌や敏感肌の方は、皮膚のバリア機能が低下しているため、金属イオンが皮膚の奥に侵入しやすく、アレルギーを発症しやすいことがあります。
ご自身がどの金属にアレルギーがあるかを知ることは、今後のピアスの素材選びにおいて非常に重要です。心配な場合は、当院でのパッチテストなどの検査をおすすめします。
なぜ炎症は起こる?ピアストラブルのメカニズム
ピアスホールに炎症が起こるメカニズムは、いくつかの要因が複雑に絡み合って生じます。大きくは「外部からの刺激や異物の侵入」と「体の防御反応」が関係しています。これらのメカニズムを理解することで、予防や適切な対処が可能になります。
1. ホール形成時の傷と異物 ピアスを開ける行為は、皮膚に意図的に小さな傷をつけることです。この傷が完全に治りきり、皮膚が安定したピアスホールとなるまでの間は、外部からの細菌が侵入しやすい「開いた傷口」の状態にあります。また、ファーストピアスの素材が体に合わないものであったり、ピアスの表面が滑らかでなかったりすると、常に摩擦や刺激が生じ、炎症を誘発しやすくなります。
2. 細菌の増殖 ピアスホールは、皮脂や汗、古い角質などの分泌物が溜まりやすい場所です。これらが不衛生な環境下で放置されると、細菌が繁殖しやすい温床となります。特に、無意識に手でピアスホールを触る癖がある方は、手についている細菌をホールに移してしまうリスクが高まります。細菌が繁殖すると、感染症を引き起こし、赤み、腫れ、痛み、そして膿の発生へとつながっていきます。
3. 金属アレルギー反応 前述の通り、ピアス素材に含まれる特定の金属(ニッケル、コバルト、クロム、パラジウムなど)が体質的に合わない場合、金属アレルギー反応が起こります。これは、金属が汗などで溶け出し、金属イオンとなって皮膚から体内に入り込みます。そして、体の免疫システムがそれを異物と認識し、攻撃することで生じる炎症です。
徳島大学病院の研究結果が示すように、ピアスによる炎症は金属アレルギーと非常に強い関連性があります。ピアスによる炎症を経験したことのある方は、金属アレルギーを発症している可能性が高いことが分かっています。これは、炎症が繰り返し起こることで皮膚のバリア機能が低下し、金属が体内に侵入しやすくなるという悪循環が生じるためと考えられます。
これらのメカニズムを深く理解し、適切なケアと素材選びを行うことが、ピアストラブルを未然に防ぎ、長く快適なピアスライフを送るための鍵となります。もし、ご自身のピアストラブルの原因や適切なケアについてお悩みでしたら、お気軽に当院までご相談ください。
Q&A:よくあるご質問
Q1:市販の消毒液を使っても良いですか? A1:自己判断での消毒液の使用は、かえって炎症を悪化させたり、皮膚に刺激を与えたりする可能性があります。特に、アルコール系の消毒液は皮膚を乾燥させ、バリア機能を低下させることもあります。当院では、患者さんの状態に合わせた適切な洗浄・消毒方法をご指導いたします。
Q2:ピアスホールを塞がずに炎症を治すことは本当に可能ですか? A2:はい、可能です。多くのピアストラブルは、適切な治療を早期に行うことで、ホールを塞がずに治すことができます。特に、当院でご案内しているシリコンリング治療は、ホールを維持しながら炎症を鎮める効果が期待できます。
Q3:どんな時に病院を受診すべきですか? A3:以下のような症状が見られた場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
- 痛みが強く、日常生活に支障がある
- 膿が出ている、または悪臭がする
- ピアスホール周辺にしこりがある
- 市販薬で数日様子を見ても改善しない
- 発熱や倦怠感など、全身症状がある
ピアストラブルは放置すると、見た目だけでなく、全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。不安な症状がある場合は、我慢せずに当院までご相談ください。形成外科専門医が丁寧に診察し、患者さんに最適な治療法をご提案いたします。
炎症を治してピアスホールを守る!シリコンリング治療の全て
せっかく開けたピアスホールが炎症を起こしてしまい、痛みや腫れ、膿で悩んでいらっしゃる方は少なくありません。大切なピアスホールを塞がずに治したいと強く願うのは、誰もが抱く自然な思いです。当院は形成外科専門医・美容外科専門医(JSAPS)が監修しており、患者さんの大切なピアスホールを守るための治療法の一つとして、シリコンリング治療をご提案しています。
当院の医師は、常に最新の医学情報を深く学び、日進月歩の医療知識をアップデートしております。これは、最新の研究や専門医向けの電子コンテンツ配信サービスなどを活用し、国内外の情報を精査することで実現しています。そのため、患者さんに質の高い、かつ根拠に基づいた治療を提供できるよう努めておりますので、どうぞご安心ください。ピアスホールのトラブルでお悩みの方は、ぜひ一度当院までご相談ください。
シリコンリング治療とは?その効果とメリット
シリコンリング治療は、炎症を起こしたピアスホールに医療用のシリコン製リングを装着し、大切なホールを維持しながら炎症を鎮める画期的な治療法です。金属製ピアスを外してしまうと、せっかく開けたホールが縮小したり、完全に閉鎖したりする心配がありますが、医療用シリコンリングを挿入することで、このようなリスクを防ぐことができます。
この治療法には、主に次のような確かな効果とメリットがあります。
- ホール形状の維持
- 炎症が治まった後も、開けた状態を保ち、ピアスの装着を再開できるようにサポートします。
- 皮膚が癒着してホールが塞がるのを防ぎながら、理想的な形状を維持します。
- 炎症の抑制と保護
- 医療用シリコンは生体適合性が高く、体への刺激が非常に少ない素材です。
- 炎症部位を外部からの摩擦や汚れといった刺激から守り、治癒を穏やかに促進します。
- 外用薬を塗布した際に、患部に薬剤を効率的に留まらせやすくする効果も期待できます。
- 金属アレルギーのリスク軽減
- 金属アレルギーが炎症の原因である場合でも、金属ではなく安全なシリコン素材に置き換えることで、アレルギー反応を根本から回避できます。
- これにより、アレルギー症状を落ち着かせ、皮膚の回復を促します。
- 見た目への配慮
- 透明または半透明のシリコンリングは目立ちにくいため、治療中も比較的自然な見た目を保つことができます。
- 患者さんの治療に対する心理的な負担を軽減することにもつながります。
- 日常生活への影響が少ない
- 治療中もホールを維持できるため、日常生活への影響が少なく済みます。
- 治療完了後もスムーズにピアスを再び楽しめるというメリットがあります。
炎症がある状態で無理に金属ピアスを装着し続けると、症状は悪化の一途をたどり、最悪の場合、ピアスホールが使えなくなることもあります。そうなる前に、専門医による適切な診断と治療を受けることが非常に大切です。
シリコンリング治療の具体的な手順と治療期間
シリコンリング治療は、患者さんの状態に合わせて慎重に進められます。以下に一般的な手順と治療期間の目安をご紹介しますが、あくまで参考として、詳細は診察時に医師にご確認ください。
- 診察と診断
- まず、形成外科専門医がピアスホールの炎症の状態を詳しく診察します。
- 炎症の原因が細菌感染症なのか、金属アレルギーなのか、あるいは他の要因によるものなのかを正確に特定することが重要です。
- 必要に応じて、金属アレルギーの原因を特定するためのパッチテストなどのアレルギー検査を行うこともあります。
- 既存ピアスの除去
- 炎症の原因となっているピアス(特に金属製のもの)は、皮膚への刺激やアレルギー反応を避けるため、慎重に外します。
- その後、炎症部位を優しく清潔な状態にします。
- シリコンリングの装着
- 炎症を起こしているピアスホールに、医療用の滅菌されたシリコンリングを丁寧かつ慎重に装着します。
- このリングは、ホールを物理的に保持することで皮膚が癒着するのを防ぎ、同時に患部を外部刺激から守る役割を果たします。
- 薬剤の塗布と処方
- 炎症を抑えるための抗生物質やステロイドなどの外用薬を患部に塗布します。
- 細菌感染が疑われる場合や炎症が強い場合には、必要に応じて内服薬が処方されることもあります。
- これらの薬剤は、炎症の原因と症状に応じて適切に選択されます。
- 自宅でのケア指導
- シリコンリング装着後の清潔な保ち方について、具体的な方法を詳しくご説明します。
- 薬の正しい塗り方や入浴時の注意点、そして患部に触りすぎないことの重要性なども、丁寧に指導いたします。
- 誤った自己判断でのケアは症状を悪化させる可能性があるため、医師の指示に従うことが大切です。
- 定期的な経過観察
- 治療期間中は、定期的にクリニックを受診していただきます。
- 医師が炎症の治り具合やシリコンリングの状態を詳細に確認し、必要に応じて治療計画を調整します。
- これにより、合併症の早期発見や再発予防にもつながります。
治療期間は、炎症の程度や患者さんの体質、日々のケア状況によって大きく異なります。一般的には数週間から数ヶ月かかることがありますが、自己判断で治療を中断せず、医師の指示に従い、根気強く治療を続けることが大切です。
シリコンリング治療の費用と保険適用について
シリコンリング治療は、多くの場合、健康保険が適用されず、自費診療となるケースが一般的です。これは、ピアスホールの維持や美容的な側面も含むため、病気の治療に特化した保険診療の枠組みとは異なるためです。したがって、診察料、シリコンリング代、処置料、薬剤費などが全額自己負担となります。
費用の目安としては、以下のような項目が考えられます。
- 初診料・再診料
- 受診のたびにかかる基本的な費用です。
- 処置料
- シリコンリングの装着や交換、患部の丁寧な消毒や洗浄など、専門的な医療行為にかかる費用です。
- シリコンリング代
- 治療に使用する医療用シリコンリング自体の費用です。
- 薬剤費
- 炎症を抑えるために処方される外用薬や内服薬にかかる費用です。
- 検査費用
- 金属アレルギー検査など、診断に必要な検査を行った場合にかかる費用です。
これらの費用は、クリニックや治療内容、使用する薬剤の種類、そして炎症の程度によって異なります。当院では、患者さんのピアスホールの状態を丁寧に診察し、一人ひとりに最適な治療プランをご提案いたします。治療を開始する前に、費用の総額や内訳について詳しくご説明し、ご納得いただいた上で治療を進めますので、ご不明な点がございましたら、遠慮なくご質問ください。
ホールを塞がずに治すその他の選択肢
ピアスホールを塞がずに炎症を治す方法は、シリコンリング治療だけではありません。炎症の程度や原因に応じて、以下のような治療の選択肢も考えられます。形成外科専門医が患者さんの状態を正確に診断し、最適な治療法を組み合わせることが大切です。
- 薬物療法
- 抗生物質
- 細菌感染が原因の場合には、内服薬や外用薬として処方され、細菌の増殖を効果的に抑え込みます。
- 炎症の鎮静と感染の拡大防止に役立ちます。
- ステロイド外用薬
- 炎症が強い場合や、金属アレルギー反応による強いかゆみがひどい場合に処方されます。
- 炎症を迅速に鎮め、不快な症状を和らげる目的で使用されます。
- 抗生物質
- 適切なピアス素材への変更
- 金属アレルギーが炎症の原因である場合、アレルギーを起こしにくい素材への変更が強く推奨されます。
- チタン製、サージカルステンレス製、樹脂製などのピアスは、アレルギー反応のリスクが低いとされています。
- 炎症が軽度であれば、アレルギー対応の素材に一時的に変更するだけで症状が改善することもあります。
- 局所処置
- ピアスホールに膿がたまっている場合は、感染源を取り除くために切開して膿を排出する処置が必要となることがあります。
- この処置は、炎症を早く鎮め、痛みを和らげるために非常に重要です。
- 医療機関での丁寧な洗浄や消毒を定期的に行い、清潔な状態を保つことも治療の一環です。
- ケア方法の見直し
- ピアスホールの洗い方、消毒の方法、ピアスの着脱頻度など、日々のセルフケア方法を見直すことも、炎症改善の重要なポイントです。
- 正しいケア方法を実践することで、炎症が治まることも多く見られます。
ご自身で判断して間違った処置をしてしまうと、かえって炎症を悪化させる恐れがあります。当院では、患者さんのピアスホールの状態を正確に診断し、シリコンリング治療を含め、一人ひとりに最適な治療法を組み合わせることで、大切なピアスホールを守りながら炎症を治していきます。どうぞお気軽にご相談ください。
Q&A:よくあるご質問
Q1:市販の消毒液を使っても良いですか? A1:自己判断での消毒液の使用は、かえって皮膚に刺激を与えたり、炎症を悪化させたりする可能性があります。特に、アルコール系の消毒液は皮膚を乾燥させ、皮膚が持つバリア機能を低下させることもあります。当院では、患者さんの状態に合わせた適切な洗浄・消毒方法をご指導いたしますので、まずはご相談ください。
Q2:ピアスホールを塞がずに炎症を治すことは本当に可能ですか? A2:はい、多くのピアストラブルは、適切な治療を早期に行うことで、ホールを塞がずに治すことができます。特に、当院でご案内しているシリコンリング治療は、ピアスホールを維持しながら炎症を鎮める効果が期待できる治療法の一つです。
Q3:どんな時に病院を受診すべきですか? A3:以下のような症状が見られた場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
- 痛みが強く、日常生活に支障が出ている。
- ピアスホールから膿が出ている、または不快な悪臭がする。
- ピアスホール周辺にしこりができている。
- 市販薬で数日様子を見ても症状が改善しない。
- 発熱や倦怠感など、全身症状が伴っている。
ピアストラブルは放置すると、見た目だけでなく、全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。不安な症状がある場合は、我慢せずに当院までご相談ください。形成外科専門医が丁寧に診察し、患者さんに最適な治療法をご提案いたします。
Q4:シリコンリングは自分で交換できますか? A4:ご自身でのシリコンリングの交換はおすすめできません。滅菌されていない手や器具で触れると、細菌感染のリスクが非常に高まります。また、適切にリングを挿入できないと、ホールを傷つけたり、炎症を悪化させたりする可能性もあります。交換が必要な場合は、必ずクリニックを受診し、専門の医師や看護師に任せてください。
Q5:治療中に仕事や運動はできますか? A5:ほとんどの場合、通常の日常生活や軽度の運動は問題なく行えます。しかし、患部に強い衝撃がかかる可能性のある激しい運動や、大量に汗をかく環境での運動は、炎症を悪化させるリスクがあるため注意が必要です。個別の状況については、医師にご相談ください。
Q6:治療が完了した後、いつから新しいピアスをつけられますか? A6:炎症が完全に治まり、ピアスホールが安定したと医師が判断すれば、新しいピアスをつけられます。ただし、再発を防ぐためにも、最初のうちは金属アレルギーを起こしにくい素材を選び、常に清潔に保つよう心がけることが大切です。急に重いピアスや刺激の強いピアスを装着することは避けてください。
ピアスホールにトラブルが起きた際は、放置せずに早めに形成外科専門医・美容外科専門医(JSAPS)が監修する当院へご相談ください。患者さんのピアスホールを大切に守り、再び安心してピアスを楽しめるよう、丁寧にサポートさせていただきます。
炎症の再発を防ぐ!日々のケアと予防策5選
ピアス炎症は、せっかく開けたピアスホールを失うだけでなく、見た目の問題や痛み、不快感で悩まされるものです。一度トラブルを経験すると、次に同じことが起きないかと不安になる方も多いでしょう。ここでは、つらいピアス炎症の再発を防ぎ、安全にピアスを楽しみ続けるための具体的なケアと予防策について、形成外科専門医・美容外科専門医(JSAPS)の監修のもと、分かりやすくお伝えします。
ピアス炎症の自宅での応急処置とセルフケア
ピアスホールに炎症が起きてしまった際、まずはご自宅でできる応急処置とセルフケアがあります。しかし、これらの処置はあくまで一時的なものです。症状が悪化したり、数日経っても改善しなかったりする場合は、速やかに当院のような医療機関を受診してください。ご自宅での基本的な応急処置は以下の通りです。
- 清潔を保つ
- 炎症を起こしている部分を清潔に保つことは、非常に重要なケアです。
- 刺激の少ない石鹸(泡タイプがおすすめです)をよく泡立て、やさしく洗いましょう。
- ごしごし擦らず、泡で包み込むようにして、シャワーで丁寧に洗い流してください。
- 洗う際には、ピアスホールを優しく扱い、引っ張ったり無理に動かしたりしないことが大切です。
- 消毒は基本的にしない
- 市販の消毒液は、皮膚に刺激を与えたり、傷の治りを遅らせたりすることがあります。
- 特にアルコール系の消毒液は、皮膚を乾燥させバリア機能を低下させる恐れがあります。
- 特別な指示がない限り、ご自身での消毒は避け、清潔な水と石鹸による洗浄のみに留めましょう。
- 無理にピアスを外さない
- 炎症が軽度の場合、ピアスを外してしまうと、せっかく開けたホールが塞がってしまい、 結果的にさらにトラブルの原因になることがあります。
- ただし、ホールが埋まるほど腫れていたり、膿が出ていたりする場合は、 ご自身で判断せずに専門医の診断を仰ぐのが良いでしょう。
- 冷却する
- 腫れや熱感がある場合、清潔なタオルで包んだ保冷剤などで優しく冷やすと、 一時的に痛みや不快感が和らぐことがあります。
- 直接肌に氷を当てないよう注意し、冷やしすぎないようにしてください。
これらのセルフケアを行いながら、症状が改善しない場合や悪化するようなら、すぐに当院のような医療機関を受診してください。誤った自己判断での処置は、かえって症状を長引かせたり、悪化させたりするリスクがあることを理解しておきましょう。
病院受診の目安とピアストラブル専門の診療科
ピアストラブルは放置すると、見た目だけでなく深刻な合併症につながる可能性もあります。ご自宅でのセルフケアだけではなく、早めに医療機関を受診することが大切です。以下のような症状が見られた場合は、迷わず受診を検討しましょう。
- 強い痛みや腫れ、熱感がある
- 日常生活に支障が出るほどの痛みや、ピアスホール周辺が熱を持っている場合。
- 広範囲に赤みが広がっている場合も、注意が必要です。
- 膿(うみ)が出ている
- ピアスホールから黄色や緑色の膿が出ていたり、不快な悪臭がしたりする場合。
- これは細菌感染症が進行している明確なサインです。
- 発熱がある
- 全身の倦怠感や発熱を伴う場合、炎症が全身に広がっている可能性も考えられます。
- ピアスが皮膚に埋もれている
- 腫れによってピアスが皮膚の中に埋もれてしまい、ご自身で取り出せない状態。
- 無理に取り出そうとすると、さらに皮膚を傷つけてしまう恐れがあります。
- 数日経っても症状が改善しない、または悪化している
- ご自宅でのケアを試しても症状が一向に良くならない、あるいは悪化の傾向が見られる場合。
- しこりがある
- ピアスホール周辺にしこりができ、触ると痛みや違和感がある場合。
ピアストラブルを専門的に診てくれる診療科は、主に皮膚科や形成外科です。特に、炎症が重度の場合や、跡を残さずにきれいに治したい、またはシリコンリング治療のような専門的な治療を希望される場合は、形成外科の受診がおすすめです。皮膚の専門家である形成外科医が、的確な診断と最適な治療法を提案し、大切なピアスホールを守るサポートをいたします。
金属アレルギーを防ぐ!ピアスの素材選びと注意点
ピアスの素材選びは、金属アレルギーによる炎症を防ぐ上で非常に重要です。金属アレルギーは、汗などで溶け出した金属イオンが体内のタンパク質と結合し、免疫反応を起こすことで発生します。一度アレルギーを発症すると、完治は難しいとされているため、予防が何よりも大切です。
1. 炎症を引き起こしやすい金属アレルゲンと体質 徳島大学病院が過去15年間にわたって行った研究では、ピアスによる炎症歴のある患者さんの金属アレルギーの有病率が81.3%と非常に高いことが示されています。これは、炎症を繰り返すことで皮膚のバリア機能が低下し、金属が体内に侵入しやすくなる悪循環が生じるためと考えられます。
特に注意が必要な金属には以下のようなものがあります。
- ニッケル
- 安価なアクセサリーやメッキ製品に多く含まれているため、アレルギーの原因となることが非常に多い金属です。
- コバルト
- ニッケルと同様に、アクセサリーや一部の合金、顔料にも使われることがあります。
- クロム
- ステンレス鋼やメッキに使われることがあり、意外と身近な金属です。
- パラジウム
- ホワイトゴールドの合金や歯科材料に使われることがあり、近年アレルギーが増加傾向にある金属です。
ご自身がどの金属にアレルギーがあるかを知ることは、今後のピアスの素材選びにおいて非常に重要です。心配な場合は、当院でのパッチテストなどのアレルギー検査をおすすめします。
2. 金属アレルギーを起こしにくい素材(推奨) アレルギーを起こしにくい素材を選ぶことは、快適なピアスライフを送るための鍵です。
- 医療用ステンレス(サージカルステンレス)
- 医療器具にも使われるアレルギー反応の少ない素材です。
- 比較的安価で手に入りやすく、日常使いに適しています。
- チタン
- 非常に軽くて丈夫な素材で、人工骨などにも使われるほど生体適合性が高いとされています。
- 純チタンを選ぶことが重要で、特にファーストピアスにおすすめです。
- プラスチック(医療用樹脂)
- 金属を一切含まないため、金属アレルギーの方でも安心して使用できます。
- 透明なタイプは目立ちにくく、一時的にホールを維持したい場合にも便利です。
- 純金(K24)または高純度の金(K18など)
- 純度が高いほどアレルギー反応を起こしにくい傾向があります。
- 混ぜ物が多いとアレルギーの原因となることがあるため、表示を確認しましょう。
- プラチナ
- 非常に安定した金属で、アレルギーを起こしにくいとされていますが、 合金の場合はニッケルなどが含まれることもあるため注意が必要です。
新しいピアスを試す際は、事前にパッチテストを行う、短時間だけ試すなどの方法で、ご自身の肌に合うかを確認することをおすすめします。素材選びに不明な点があれば、当院の専門医にご相談ください。
治療中や完治後の正しいピアスホールケア
ピアスホールを健康に保ち、炎症の再発を防ぐためには、日々の正しいケアが不可欠です。治療中と完治後でケアの方法は異なりますが、基本的な考え方は同じです。
1. 治療中のケア 炎症を治すための大切な期間です。医師の指示に正確に従いましょう。
- 清潔にする
- 医師の指示に従い、指定された方法で洗浄を行います。
- 基本的には、刺激の少ない石鹸をよく泡立て、ピアスホールとその周囲を優しく洗い、 十分に洗い流すことが大切です。
- 必ず清潔な手で丁寧に行いましょう。
- 触りすぎない
- 不必要にピアスやホールを触ると、細菌感染のリスクが高まります。
- 触る前には必ず石鹸で手を洗い、清潔を保ってください。
- 指示された薬の使用
- 医師から処方された抗生物質や軟膏がある場合は、指示通りに正しく使用してください。
- 途中で自己判断で使用を中止することは避けましょう。
- 摩擦や圧迫を避ける
- 寝る時に同じ方向ばかり向いたり、きつい帽子や衣服でピアスホールを圧迫したりしないように注意しましょう。
- 特に、寝具は清潔に保つことが重要です。
2. 完治後のケア 炎症が治まり、安定したピアスホールを維持するためのケアです。
- 定期的な洗浄
- 毎日、または入浴時に、ピアスを外してピアスホールとピアス本体を洗浄しましょう。
- 専用のピアスホールクリーナーなども市販されていますので、活用も検討してください。
- ピアスの素材に注意
- 完治後も、金属アレルギーのリスクを避けるため、先ほどご紹介したような アレルギーを起こしにくい素材のピアスを選ぶようにしましょう。
- 特に、新しいピアスを試す際は慎重に選びましょう。
- 長期間外さない
- 特に開けて間もないピアスホールは、短時間外すだけでも塞がってしまうことがあります。
- 完全に安定するまでは、常にピアスを着けておくことをおすすめします。
- 異常を感じたらすぐに確認
- かゆみ、赤み、痛みなど、少しでも異変を感じたら、すぐにピアスを外し、状態を確認してください。
- 早めの対処が、重症化を防ぐために大切です。
正しいケアを継続することで、ピアスホールを清潔に保ち、トラブルを未然に防ぐことができます。当院では、患者さんのピアスホールの状態に合わせて、適切なケア方法を丁寧にご指導いたします。
炎症を繰り返さないための生活習慣
ピアス炎症は、ピアスホールへの直接的な刺激や不衛生な状態だけでなく、ご自身の体調や生活習慣が原因で起こることもあります。炎症を繰り返さないためには、以下のような生活習慣を見直すことが重要です。
- 十分な休養と睡眠
- 疲労や睡眠不足は体の免疫力を低下させ、感染症にかかりやすくなります。
- 規則正しい生活を心がけ、十分な休養と質の良い睡眠をとるようにしましょう。
- 体の回復力が高まることで、トラブルの予防につながります。

- バランスの取れた食事
- 栄養バランスの偏りは、体の回復力を弱めます。
- ビタミンやミネラルを豊富に含む野菜、果物、タンパク質などを積極的に摂取し、 バランスの取れた食事を心がけましょう。
- 特に、皮膚の再生に必要なタンパク質やビタミンC、亜鉛などは意識して摂りたい栄養素です。

- ストレスの管理
- ストレスは自律神経の乱れを引き起こし、免疫機能にも影響を与えることがあります。
- 適度な運動、趣味、リラックスできる時間を作るなど、ご自身に合ったストレス解消法を見つけることが大切です。
- 心身の健康は、皮膚の健康にも直結します。
- 過度な飲酒・喫煙を控える
- 飲酒や喫煙は、体の免疫力を低下させ、血行不良を招くことがあります。
- 特に喫煙は血管を収縮させ、傷の治りを遅らせる原因にもなりますので、できるだけ控えるようにしましょう。
- 清潔な環境を保つ
- 寝具や衣類など、ピアスホールが触れる可能性のあるものは清潔に保ちましょう。
- 特に枕カバーは顔に直接触れるため、こまめに交換することをおすすめします。
健康的な生活習慣は、体全体の免疫力を高め、ピアストラブルだけでなく、さまざまな病気の予防にもつながります。当院では、患者さんの生活習慣についてもアドバイスを行い、炎症の再発防止をサポートいたします。
Q&A:ピアストラブルの予防とケアに関するよくあるご質問
Q1:ピアスホールが安定するまで、どれくらいの期間がかかりますか? A1:一般的に、耳たぶであれば3ヶ月から6ヶ月、軟骨部分であれば6ヶ月から1年以上の期間がかかると言われています。個人差があり、適切なケアを行うことが大切です。完全に安定するまでは、ファーストピアスを着けたままにすることが推奨されます。
Q2:治療中にプールや温泉に入っても大丈夫ですか? A2:炎症が治りきっていない状態でのプールや温泉は、細菌感染のリスクを高めるため避けるべきです。完全に治癒し、医師の許可が出てから楽しむようにしましょう。ご自宅での入浴も、清潔に保つことを心がけ、湯船に浸かるのは避けてシャワーのみにすることをおすすめします。
Q3:ピアスホールが塞がってしまった場合、もう一度開けることはできますか? A3:ホールが完全に塞がってしまった場合でも、もう一度開けることは可能です。ただし、一度炎症を起こした場所は、再発のリスクも考慮し、医療機関で相談することをおすすめします。形成外科専門医の診断のもと、適切な場所と方法で開け直すことが、安全にピアスを楽しむための鍵となります。
Q4:寝る時にピアスは外した方が良いですか? A4:ピアスホールが完全に安定するまでは、基本的には着けたまま寝ることをおすすめします。安定していないホールは、外している間に塞がってしまうリスクがあるためです。ただし、大きいピアスや引っかかりやすいデザインのピアスは、寝ている間に引っ張られてホールを傷つける可能性があるため、小さなスタッドピアスなどに一時的に付け替えることを検討してください。
Q5:自分でピアスホールクリーナーを使っても良いですか? A5:はい、完治して安定したピアスホールには、市販のピアスホールクリーナーを使用していただいても問題ありません。ただし、炎症が起きている間は使用を避け、医師の指示に従ってください。クリーナーを使用する際は、説明書をよく読み、清潔な状態で使用するようにしましょう。
ピアスホールにトラブルが起きた際は、放置せずに早めに形成外科専門医・美容外科専門医(JSAPS)が監修する当院へご相談ください。患者さんのピアスホールを大切に守り、再び安心してピアスを楽しめるよう、丁寧にサポートさせていただきます。シリコンリング治療をはじめ、患者さんのピアスホールを守るための選択肢を丁寧にご説明いたします。ご予約はWebサイトまたはお電話にて承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。## 炎症の再発を防ぐ!日々のケアと予防策5選
ピアス炎症は、せっかく開けたピアスホールを失うだけでなく、見た目の問題や痛み、不快感で悩まされるものです。一度トラブルを経験すると、次に同じことが起きないかと不安になる方も多いでしょう。ここでは、つらいピアス炎症の再発を防ぎ、安全にピアスを楽しみ続けるための具体的なケアと予防策について、形成外科専門医・美容外科専門医(JSAPS)の監修のもと、分かりやすくお伝えします。
ピアス炎症の自宅での応急処置とセルフケア
ピアスホールに炎症が起きてしまった際、まずはご自宅でできる応急処置とセルフケアがあります。しかし、これらの処置はあくまで一時的なものです。症状が悪化したり、数日経っても改善しなかったりする場合は、速やかに当院のような医療機関を受診してください。ご自宅での基本的な応急処置は以下の通りです。
- 清潔を保つ
- 炎症を起こしている部分を清潔に保つことは、非常に重要なケアです。
- 刺激の少ない石鹸(泡タイプがおすすめです)をよく泡立て、やさしく洗いましょう。
- ごしごし擦らず、泡で包み込むようにして、シャワーで丁寧に洗い流してください。
- 洗う際には、ピアスホールを優しく扱い、引っ張ったり無理に動かしたりしないことが大切です。
- 消毒は基本的にしない
- 市販の消毒液は、皮膚に刺激を与えたり、傷の治りを遅らせたりすることがあります。
- 特にアルコール系の消毒液は、皮膚を乾燥させバリア機能を低下させる恐れがあります。
- 特別な指示がない限り、ご自身での消毒は避け、清潔な水と石鹸による洗浄のみに留めましょう。
- 無理にピアスを外さない
- 炎症が軽度の場合、ピアスを外してしまうと、せっかく開けたホールが塞がってしまい、 結果的にさらにトラブルの原因になることがあります。
- ただし、ホールが埋まるほど腫れていたり、膿が出ていたりする場合は、 ご自身で判断せずに専門医の診断を仰ぐのが良いでしょう。
- 冷却する
- 腫れや熱感がある場合、清潔なタオルで包んだ保冷剤などで優しく冷やすと、 一時的に痛みや不快感が和らぐことがあります。
- 直接肌に氷を当てないよう注意し、冷やしすぎないようにしてください。
これらのセルフケアを行いながら、症状が改善しない場合や悪化するようなら、すぐに当院のような医療機関を受診してください。誤った自己判断での処置は、かえって症状を長引かせたり、悪化させたりするリスクがあることを理解しておきましょう。
病院受診の目安とピアストラブル専門の診療科
ピアストラブルは放置すると、見た目だけでなく深刻な合併症につながる可能性もあります。ご自宅でのセルフケアだけではなく、早めに医療機関を受診することが大切です。以下のような症状が見られた場合は、迷わず受診を検討しましょう。
- 強い痛みや腫れ、熱感がある
- 日常生活に支障が出るほどの痛みや、ピアスホール周辺が熱を持っている場合。
- 広範囲に赤みが広がっている場合も、注意が必要です。
- 膿(うみ)が出ている
- ピアスホールから黄色や緑色の膿が出ていたり、不快な悪臭がしたりする場合。
- これは細菌感染症が進行している明確なサインです。
- 発熱がある
- 全身の倦怠感や発熱を伴う場合、炎症が全身に広がっている可能性も考えられます。
- ピアスが皮膚に埋もれている
- 腫れによってピアスが皮膚の中に埋もれてしまい、ご自身で取り出せない状態。
- 無理に取り出そうとすると、さらに皮膚を傷つけてしまう恐れがあります。
- 数日経っても症状が改善しない、または悪化している
- ご自宅でのケアを試しても症状が一向に良くならない、あるいは悪化の傾向が見られる場合。
- しこりがある
- ピアスホール周辺にしこりができ、触ると痛みや違和感がある場合。
ピアストラブルを専門的に診てくれる診療科は、主に皮膚科や形成外科です。特に、炎症が重度の場合や、跡を残さずにきれいに治したい、またはシリコンリング治療のような専門的な治療を希望される場合は、形成外科の受診がおすすめです。皮膚の専門家である形成外科医が、的確な診断と最適な治療法を提案し、大切なピアスホールを守るサポートをいたします。
金属アレルギーを防ぐ!ピアスの素材選びと注意点
ピアスの素材選びは、金属アレルギーによる炎症を防ぐ上で非常に重要です。金属アレルギーは、汗などで溶け出した金属イオンが体内のタンパク質と結合し、免疫反応を起こすことで発生します。一度アレルギーを発症すると、完治は難しいとされているため、予防が何よりも大切です。
1. 炎症を引き起こしやすい金属アレルゲンと体質 徳島大学病院が過去15年間にわたって行った研究では、ピアスによる炎症歴のある患者さんの金属アレルギーの有病率が81.3%と非常に高いことが示されています。これは、炎症を繰り返すことで皮膚のバリア機能が低下し、金属が体内に侵入しやすくなる悪循環が生じるためと考えられます。
特に注意が必要な金属には以下のようなものがあります。
- ニッケル
- 安価なアクセサリーやメッキ製品に多く含まれているため、アレルギーの原因となることが非常に多い金属です。
- コバルト
- ニッケルと同様に、アクセサリーや一部の合金、顔料にも使われることがあります。
- クロム
- ステンレス鋼やメッキに使われることがあり、意外と身近な金属です。
- パラジウム
- ホワイトゴールドの合金や歯科材料に使われることがあり、近年アレルギーが増加傾向にある金属です。
ご自身がどの金属にアレルギーがあるかを知ることは、今後のピアスの素材選びにおいて非常に重要です。心配な場合は、当院でのパッチテストなどのアレルギー検査をおすすめします。
2. 金属アレルギーを起こしにくい素材(推奨) アレルギーを起こしにくい素材を選ぶことは、快適なピアスライフを送るための鍵です。
- 医療用ステンレス(サージカルステンレス)
- 医療器具にも使われるアレルギー反応の少ない素材です。
- 比較的安価で手に入りやすく、日常使いに適しています。
- チタン
- 非常に軽くて丈夫な素材で、人工骨などにも使われるほど生体適合性が高いとされています。
- 純チタンを選ぶことが重要で、特にファーストピアスにおすすめです。
- プラスチック(医療用樹脂)
- 金属を一切含まないため、金属アレルギーの方でも安心して使用できます。
- 透明なタイプは目立ちにくく、一時的にホールを維持したい場合にも便利です。
- 純金(K24)または高純度の金(K18など)
- 純度が高いほどアレルギー反応を起こしにくい傾向があります。
- 混ぜ物が多いとアレルギーの原因となることがあるため、表示を確認しましょう。
- プラチナ
- 非常に安定した金属で、アレルギーを起こしにくいとされていますが、 合金の場合はニッケルなどが含まれることもあるため注意が必要です。
新しいピアスを試す際は、事前にパッチテストを行う、短時間だけ試すなどの方法で、ご自身の肌に合うかを確認することをおすすめします。素材選びに不明な点があれば、当院の専門医にご相談ください。
治療中や完治後の正しいピアスホールケア
ピアスホールを健康に保ち、炎症の再発を防ぐためには、日々の正しいケアが不可欠です。治療中と完治後でケアの方法は異なりますが、基本的な考え方は同じです。
1. 治療中のケア 炎症を治すための大切な期間です。医師の指示に正確に従いましょう。
- 清潔にする
- 医師の指示に従い、指定された方法で洗浄を行います。
- 基本的には、刺激の少ない石鹸をよく泡立て、ピアスホールとその周囲を優しく洗い、 十分に洗い流すことが大切です。
- 必ず清潔な手で丁寧に行いましょう。
- 触りすぎない
- 不必要にピアスやホールを触ると、細菌感染のリスクが高まります。
- 触る前には必ず石鹸で手を洗い、清潔を保ってください。
- 指示された薬の使用
- 医師から処方された抗生物質や軟膏がある場合は、指示通りに正しく使用してください。
- 途中で自己判断で使用を中止することは避けましょう。
- 摩擦や圧迫を避ける
- 寝る時に同じ方向ばかり向いたり、きつい帽子や衣服でピアスホールを圧迫したりしないように注意しましょう。
- 特に、寝具は清潔に保つことが重要です。
2. 完治後のケア 炎症が治まり、安定したピアスホールを維持するためのケアです。
- 定期的な洗浄
- 毎日、または入浴時に、ピアスを外してピアスホールとピアス本体を洗浄しましょう。
- 専用のピアスホールクリーナーなども市販されていますので、活用も検討してください。
- ピアスの素材に注意
- 完治後も、金属アレルギーのリスクを避けるため、先ほどご紹介したような アレルギーを起こしにくい素材のピアスを選ぶようにしましょう。
- 特に、新しいピアスを試す際は慎重に選びましょう。
- 長期間外さない
- 特に開けて間もないピアスホールは、短時間外すだけでも塞がってしまうことがあります。
- 完全に安定するまでは、常にピアスを着けておくことをおすすめします。
- 異常を感じたらすぐに確認
- かゆみ、赤み、痛みなど、少しでも異変を感じたら、すぐにピアスを外し、状態を確認してください。
- 早めの対処が、重症化を防ぐために大切です。
正しいケアを継続することで、ピアスホールを清潔に保ち、トラブルを未然に防ぐことができます。当院では、患者さんのピアスホールの状態に合わせて、適切なケア方法を丁寧にご指導いたします。
炎症を繰り返さないための生活習慣
ピアス炎症は、ピアスホールへの直接的な刺激や不衛生な状態だけでなく、ご自身の体調や生活習慣が原因で起こることもあります。炎症を繰り返さないためには、以下のような生活習慣を見直すことが重要です。
- 十分な休養と睡眠
- 疲労や睡眠不足は体の免疫力を低下させ、感染症にかかりやすくなります。
- 規則正しい生活を心がけ、十分な休養と質の良い睡眠をとるようにしましょう。
- 体の回復力が高まることで、トラブルの予防につながります。
- バランスの取れた食事
- 栄養バランスの偏りは、体の回復力を弱めます。
- ビタミンやミネラルを豊富に含む野菜、果物、タンパク質などを積極的に摂取し、 バランスの取れた食事を心がけましょう。
- 特に、皮膚の再生に必要なタンパク質やビタミンC、亜鉛などは意識して摂りたい栄養素です。
- ストレスの管理
- ストレスは自律神経の乱れを引き起こし、免疫機能にも影響を与えることがあります。
- 適度な運動、趣味、リラックスできる時間を作るなど、ご自身に合ったストレス解消法を見つけることが大切です。
- 心身の健康は、皮膚の健康にも直結します。
- 過度な飲酒・喫煙を控える
- 飲酒や喫煙は、体の免疫力を低下させ、血行不良を招くことがあります。
- 特に喫煙は血管を収縮させ、傷の治りを遅らせる原因にもなりますので、できるだけ控えるようにしましょう。
- 清潔な環境を保つ
- 寝具や衣類など、ピアスホールが触れる可能性のあるものは清潔に保ちましょう。
- 特に枕カバーは顔に直接触れるため、こまめに交換することをおすすめします。
健康的な生活習慣は、体全体の免疫力を高め、ピアストラブルだけでなく、さまざまな病気の予防にもつながります。当院では、患者さんの生活習慣についてもアドバイスを行い、炎症の再発防止をサポートいたします。
Q&A:ピアストラブルの予防とケアに関するよくあるご質問
Q1:ピアスホールが安定するまで、どれくらいの期間がかかりますか? A1:一般的に、耳たぶであれば3ヶ月から6ヶ月、軟骨部分であれば6ヶ月から1年以上の期間がかかると言われています。個人差があり、適切なケアを行うことが大切です。完全に安定するまでは、ファーストピアスを着けたままにすることが推奨されます。
Q2:治療中にプールや温泉に入っても大丈夫ですか? A2:炎症が治りきっていない状態でのプールや温泉は、細菌感染のリスクを高めるため避けるべきです。完全に治癒し、医師の許可が出てから楽しむようにしましょう。ご自宅での入浴も、清潔に保つことを心がけ、湯船に浸かるのは避けてシャワーのみにすることをおすすめします。
Q3:ピアスホールが塞がってしまった場合、もう一度開けることはできますか? A3:ホールが完全に塞がってしまった場合でも、もう一度開けることは可能です。ただし、一度炎症を起こした場所は、再発のリスクも考慮し、医療機関で相談することをおすすめします。形成外科専門医の診断のもと、適切な場所と方法で開け直すことが、安全にピアスを楽しむための鍵となります。
Q4:寝る時にピアスは外した方が良いですか? A4:ピアスホールが完全に安定するまでは、基本的には着けたまま寝ることをおすすめします。安定していないホールは、外している間に塞がってしまうリスクがあるためです。ただし、大きいピアスや引っかかりやすいデザインのピアスは、寝ている間に引っ張られてホールを傷つける可能性があるため、小さなスタッドピアスなどに一時的に付け替えることを検討してください。
Q5:自分でピアスホールクリーナーを使っても良いですか? A5:はい、完治して安定したピアスホールには、市販のピアスホールクリーナーを使用していただいても問題ありません。ただし、炎症が起きている間は使用を避け、医師の指示に従ってください。クリーナーを使用する際は、説明書をよく読み、清潔な状態で使用するようにしましょう。
ピアスホールにトラブルが起きた際は、放置せずに早めに形成外科専門医・美容外科専門医(JSAPS)が監修する当院へご相談ください。患者さんのピアスホールを大切に守り、再び安心してピアスを楽しめるよう、丁寧にサポートさせていただきます。シリコンリング治療をはじめ、患者さんのピアスホールを守るための選択肢を丁寧にご説明いたします。ご予約はWebサイトまたはお電話にて承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
せっかく開けた大切なピアスホールが炎症を起こすと、本当にご不安になりますよね。痛みや膿、かゆみといったピアストラブルは、感染症や金属アレルギーなど様々な原因で起こります。でもご安心ください。適切な治療を早期に行えば、ホールを塞がずに治すことが可能です。
特に当院では、医療用シリコンリングでホールを維持しながら炎症を抑える画期的な治療をご提案しています。再発を防ぐには、日々の正しいケアやアレルギーを起こしにくい素材選び、健康的な生活習慣も大切ですよ。もし、今お悩みの症状があるなら、放置せずに当院の形成外科専門医へぜひご相談ください。大切なピアスホールを守り、再び安心してピアスを楽しめるよう、私たちが全力でサポートさせていただきます。
参考文献
- Tajima T, et al. Correlation between pierced earrings and the prevalence of metal allergies at Tokushima university hospital: a 15-year retrospective analysis.
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