帯状疱疹で目が赤い?眼科が教える帯状疱疹眼症状の対処法
「目が赤い」「チクチクする」「視界がかすむ」といった症状、もしかして帯状疱疹かもしれません。多くの方が経験する可能性のある帯状疱疹ですが、そのウイルスが目にまで及ぶと、視力低下や最悪の場合は失明につながる危険性があることをご存存じでしょうか?
実際、帯状疱疹にかかった方の10~20パーセントに目の症状が見られ、抗ウイルス薬による治療を行わないと約50パーセントもの方に眼病変が生じると報告されています。
本記事では、目の周りの帯状疱疹のサインから、危険な症状の見分け方、眼科医が教える適切な対処法まで詳しく解説します。大切な目を守るために、ぜひご一読ください。
帯状疱疹の目の症状とは?見分け方と危険なサイン
帯状疱疹は、多くの方が経験する可能性のあるウイルス感染症です。体や顔の皮膚に痛みのある発疹や水ぶくれが現れることが一般的ですが、時には目にまで症状が及ぶことがあります。目の周りに帯状疱疹ができた場合、目にも深刻な影響を及ぼし、視力低下や、最悪の場合は失明につながる危険性も秘めています。
この不安を解消し、早期に適切な治療を受けていただくために、帯状疱疹が目に現れる仕組みや具体的な症状、危険なサインについて、眼科医の視点から詳しく解説します。

帯状疱疹が目に現れるメカニズムと初期症状
帯状疱疹は、子供の頃にかかった水ぼうそうのウイルス(水痘帯状疱疹ウイルス)が、神経の中に潜んでいて、免疫力の低下をきっかけに再び活動を始めることで発症します。このウイルスが、目の感覚を司る「三叉神経の眼神経枝(しんしんけいし)」という大切な神経の枝で再活性化すると、目の周りや目に帯状疱疹の症状が現れます。これは「帯状疱疹性眼炎(HZO)」と呼ばれ、特に高齢の方や、糖尿病などで免疫力が低下している方に多く見られます。
HZOは、重い慢性的な痛みや視力喪失につながる可能性があるため、「眼科的緊急事態」と認識されています。救急の現場でも、HZOの臨床的特徴を早期に認識し、適切な治療を開始し、眼科専門医へ紹介することが極めて重要であるとされています。
目の初期症状としては、まず目の周りの皮膚にピリピリとした痛みやチクチクとした違和感、そして赤い発疹や水ぶくれが「体の片側だけに」現れることが多いです。特に額や鼻筋に症状が出ることが特徴的です。これらの皮膚症状は、目の奥に潜む病変の警告サインと言えるでしょう。この皮膚症状が現れた後、目の奥に痛みを感じたり、目が赤くなったり、かすんだりといった目の症状が出てくることがあります。
また、50歳未満の方で帯状疱疹が目に現れた場合は、単なる加齢による免疫力低下だけでなく、免疫不全状態が隠れていないか、全身的な検査をおすすめする場合があります。早めの受診で原因を特定し、適切な治療へとつなげることが大切です。
目に現れる帯状疱疹の主な症状6選
帯状疱疹が目に現れると、実にさまざまな目の症状が起こります。帯状疱疹にかかった方のおよそ10~20パーセントに目の症状が見られ、抗ウイルス薬による治療を行わない場合は、約50パーセントもの方に眼病変が生じると報告されています。症状は片側にのみ起こることがほとんどで、主に次のようなものが挙げられます。
ご自身やご家族にこのような症状がないか、注意して確認してください。
- 目の充血
- 白目が赤く充血します。ただの疲れ目とは違う、赤く燃えるような充血に見えるかもしれません。
- 目の痛み
- 目の奥や、目の表面にズキズキとした鋭い痛みを感じます。目を開けているのが辛く感じるほどです。
- 異物感
- 目の中に砂が入ったようなゴロゴロとした不快感が続きます。まばたきをするたびに痛みを感じることもあります。
- まぶしさ(羞明)
- 光を非常にまぶしく感じ、目を開けていられないほどの強い羞明を伴います。薄暗い場所でも辛く感じることがあります。
- 涙が多く出る
- 刺激感や痛みから、止めどなく涙が溢れ出ることがあります。涙が止まらず、日常生活に支障をきたす場合もあります。
- 視界のかすみ
- 目がかすんだり、まるで薄い膜がかかったように視界がぼやけて見えたりすることがあります。車の運転や読書などが困難になることもあります。
これらの症状は、日常生活に大きな支障をきたすだけでなく、放置するとさらに重い合併症を引き起こす可能性があります。帯状疱疹は全帯状疱疹の最大1/4を占めるとも言われており、目の周りの発疹に気づいたら、目の症状がなくても、すぐに眼科を受診することが大切です。
結膜炎・角膜炎・ぶどう膜炎など目の合併症
帯状疱疹性眼炎では、目にさまざまな合併症を引き起こす可能性があります。これらの合併症は、視力に重大な影響を及ぼすことがあるため、それぞれの症状をしっかりと認識し、早期に治療することが非常に重要です。帯状疱疹性眼炎が原因で起こる主な合併症には、以下のようなものがあります。
- 結膜炎
- 目の表面を覆う結膜が炎症を起こし、目が赤く充血したり、目やにが出たりします。比較的軽症で済むことが多いですが、他の合併症と併発することもあります。
- 角膜炎
- 黒目の表面にある角膜が炎症を起こします。強い目の痛みや、異物感、まぶしさ、涙が多く出るなどの症状が現れ、視力低下の原因にもなります。治療が遅れると、角膜に濁り(にごり)が残り、視力に後遺症を残す可能性もあります。傷跡が残ってしまうような状態です。
- ぶどう膜炎
- 目の奥にある、虹彩、毛様体、脈絡膜という部分(これらを総称してぶどう膜と呼びます)が炎症を起こす病気です。目の痛みやまぶしさ、視力低下、飛蚊症(目の前に虫やゴミのようなものが見える症状)などが現れます。ぶどう膜炎は再発を繰り返すこともあり、治療が難しい場合があります。
これらの合併症は、進行すると慢性的な目の炎症や視力喪失、さらには長期にわたる辛い痛みにつながることもあるため、注意が必要です。帯状疱疹による完全単眼性眼筋麻痺の症例を分析した研究では、なんと90%の症例で結膜炎、角膜炎、または前部ぶどう膜炎が併発していたと報告されています。複数の合併症が同時に起こりうることも理解しておくことが重要です。
目の奥に潜む失明リスク:視神経炎と眼筋麻痺
帯状疱疹が目に影響を及ぼすと、視神経炎や眼筋麻痺といった、目の奥に潜む重篤な合併症を引き起こし、失明につながる危険性があります。これらの症状を見逃さないよう、細心の注意が必要です。
- 視神経炎
- 視神経は、目に入った光の情報を脳に伝える大切な神経です。帯状疱疹ウイルスがこの視神経に炎症を起こすと、視力が急激に低下したり、視野が欠けたりする症状が現れます。まるで突然、目の前の景色の一部が真っ暗になるような感覚です。早期に治療を開始しなければ、視力回復が難しくなることもあるため、非常に危険な状態です。
- 眼筋麻痺
- 目を動かす筋肉(外眼筋)が麻痺してしまう症状です。これにより、目が自由に動かせなくなり、物が二重に見える(複視)などの症状が現れます。車の運転中に標識が二重に見える、階段で足元がおぼつかない、といった日常生活に大きな影響を及ぼします。
- 帯状疱疹による眼筋麻痺はまれな合併症とされていますが、脳の神経の病気だけでなく、ウイルスの影響で目の筋肉そのものが炎症を起こす「眼筋炎」が原因となることもあります。この場合、MRI画像診断が眼筋炎を特定する上で有用な情報を提供します。
- 特に50歳以上の高齢者に多く、帯状疱疹の皮膚症状が出てから比較的早い段階(1~2週間以内)に発症することが報告されています。稀に、目が全く動かせなくなる「完全眼筋麻痺」に至ることもあります。
- しかし、アシクロビルなどの抗ウイルス薬とコルチゾン(ステロイド)による治療が効果的であり、多くの症例で回復が見られます。実際、ある69歳男性の症例報告では、HZOによる完全眼筋麻痺と眼瞼下垂がアシクロビルとプレドニゾロンによる治療で、5ヶ月後にはほぼ正常に回復したと報告されています。
- また、他の研究では、眼筋麻痺の完全またはほぼ完全な回復は65パーセントの症例で見られ、回復までの期間は平均で4.4ヶ月程度とされていますが、最長18ヶ月かかる場合もあります。早期に適切な治療を受けることで、良好な回復が期待できる疾患です。
帯状疱疹以外の目の病気との見分け方
目が赤くなったり、痛みがあったりすると、「ただの結膜炎かな?」「ものもらいかな?」と自己判断してしまうことがあるかもしれません。しかし、帯状疱疹による目の症状は、他の一般的な目の病気とは異なる特徴があります。正しい診断と早期治療のために、見分け方を知っておくことが大切です。
帯状疱疹の目の症状を見分ける最も重要なポイントは、次の2点です。
- 目の周りの皮膚に特徴的な発疹や水ぶくれがあるかどうか
- 症状が体の片側にだけ現れているかどうか
一般的な目の病気と帯状疱疹の目の症状を比較してみましょう。
| 病気の可能性 | 目の周りの皮膚症状 | 目の症状の左右差 |
|---|---|---|
| 帯状疱疹性眼炎 | ピリピリとした痛み、赤い発疹、水ぶくれ | 必ず片側のみ |
| 結膜炎 | なし | 両目に現れることも |
| ものもらい | まぶたの一部が赤く腫れる | 通常片側だが、広範囲な発疹はなし |
| 目のアレルギー | なし | 両目に現れることが多い |
帯状疱疹による目の症状は、これらの病気とは異なり、まず目の周り(特に額や鼻筋など)の片側に強い痛みやピリピリ感があり、その後、線状に赤い発疹や水ぶくれが現れるのが典型的です。もし、目の症状に加え、このような皮膚の変化が片側だけに見られた場合は、帯状疱疹性眼炎を強く疑い、すぐに眼科を受診してください。自己判断で様子を見たり、市販薬で済ませたりすることは、目の重大な後遺症につながるリスクを高めてしまいます。早期に専門の診察を受けることが、皆さまの視力や目を守るために最も重要です。
Q&A
Q1. 目の周りに発疹があるのですが、必ず眼科を受診すべきですか?
A. はい、目の周りに帯状疱疹の疑いのある発疹が見られた場合は、目の症状がまだなくても、すぐに眼科を受診してください。帯状疱疹ウイルスが三叉神経の眼神経枝に感染している可能性があり、放置すると重篤な目の合併症につながることがあります。早期の診断と治療が視力を守る上で極めて重要です。
Q2. 帯状疱疹で目に症状が出た場合、自己判断で市販薬を使っても大丈夫ですか?
A. いいえ、自己判断で市販薬を使用することは避けてください。帯状疱疹性眼炎は、抗ウイルス薬による専門的な治療が必要です。市販薬では効果がないばかりか、適切な治療が遅れて合併症を悪化させるリスクがあります。必ず眼科医の診察を受け、指示された治療を行ってください。
Q3. 帯状疱疹の目の症状は、完治しますか?
A. 早期に適切な治療を開始すれば、多くの場合、症状の改善が期待できます。しかし、合併症の種類や重症度によっては、視力低下や目の痛みなどの後遺症が残る可能性もあります。特に、ぶどう膜炎は再発することもあり、眼筋麻痺の回復には数ヶ月から1年以上かかることも報告されています。完治を目指すためには、根気強く治療を続けることが大切です。
当院では、帯状疱疹の目の症状について、経験豊富な眼科医が丁寧に診察し、患者さん一人ひとりに合わせた最適な治療計画を提案しています。目の周りの異変や目の症状に不安を感じたら、どんな些細なことでも構いませんので、お気軽にご相談ください。皆様の目の健康を守るため、全力でサポートさせていただきます。
帯状疱疹の目の症状が出たら?眼科での検査と治療
帯状疱疹が目の周りや顔に現れたとき、「まさか目がこんな状態になるとは思わなかった」と、多くの方が驚きと不安を感じることでしょう。目の症状は放置すると視力に重大な影響を及ぼす可能性があり、早期の適切な診断と治療が極めて大切です。不安な気持ちを抱えながらも、一歩踏み出して眼科を受診することが、目の健康を守るための第一歩となります。私たち眼科医は患者さまの不安に寄り添い、最善の治療を提供できるよう努めてまいります。

すぐに眼科受診が必要な目の症状3選
帯状疱疹の目の症状は多岐にわたりますが、特に次の3つの症状が現れた場合は、一刻も早く眼科を受診する必要があります。帯状疱疹が目の周囲に発症した場合、これは「眼科的緊急事態」と見なされています。早期の診断と治療が、目の合併症による視覚障害を最小限に抑える上で非常に重要です。
- 急激な視力低下や視野の欠け
- これまで見えていたものが突然ぼやけたり、見えにくくなったり、視界の一部が暗くなったりする場合は、目の奥にある視神経や網膜に炎症が起きている可能性があります。これは失明につながる危険性も秘めており、絶対に放置してはいけません。
- 強い目の痛みや耐え難いまぶしさ
- 目がズキズキと激しく痛んだり、光がひどくまぶしく感じられたりする場合は、角膜炎(目の表面の炎症)やぶどう膜炎(目の内部の炎症)が強く起きている兆候です。これらの炎症が進行すると、目の機能に深刻なダメージを与えることがあります。
- 目の動きが悪くなる、物が二重に見える(複視)
- まれなケースではありますが、帯状疱疹ウイルスが目の筋肉を動かす神経に影響を及ぼし、眼筋麻痺を起こすことがあります。これにより、目が自由に動かせなくなったり、二重に見えたりする症状が現れます。帯状疱疹に伴う完全単眼性眼筋麻痺は、発症から数ヶ月で回復するケースも報告されていますが、診断と治療が遅れると回復に時間がかかる可能性もあります。
これらの症状は、帯状疱疹による目の合併症が進行しているサインです。永続的な後遺症や慢性的な目の炎症を防ぐためにも、ためらわずに専門の眼科医に相談することが不可欠です。救急の現場でも、ヘルペス帯状疱疹眼部(HZO)の臨床的特徴を早期に認識し、適切な治療を開始し、眼科専門医へ紹介することが極めて重要であるとされています。
Q&A: 目の痛みだけで受診しても良いですか?
A. はい、目の痛みだけでも帯状疱疹が原因である可能性があります。自己判断せずに、まずは眼科を受診して原因を特定することが大切です。目に症状がなくても、目の周りに帯状疱疹を疑う発疹が見られた場合は、失明を含む広範な眼症状を伴う眼科的緊急疾患として、早期のタイムリーな治療が不可欠であるとされていますので、早めの受診をおすすめします。
眼科での診断方法:問診・視診・検査の流れ
帯状疱疹による目の症状の診断は、症状の経過を詳しくお伺いする問診から始まり、目の状態を直接確認する視診、そして専門的な検査へと進みます。これらの手順を通じて、ウイルスの活動状況や目のどの部分に影響が出ているかを正確に把握します。ヘルペス帯状疱疹眼部(HZO)は、三叉神経の眼神経枝(CNV1)に対応する皮膚分節に片側性の水疱性発疹が見られることで、通常は臨床的に診断されます。
- 問診
- 発疹がいつから、どこに出たのか、どのような症状があるのかを詳しくお伺いします。
- 目の痛み、充血、かすみなどの症状はいつから始まったのか、どのように変化しているのかを確認します。
- 持病や服用している薬、特に免疫抑制剤の使用など、全身の状態について詳しくお伺いします。特に50歳未満の患者さまの場合、免疫不全状態が隠れていないかを確認するため、全身的な検査も検討されることがあります。
- 視診
- 医師が患者さんの目の周囲、特にまぶたや顔面の発疹の有無やその特徴を注意深く観察します。発疹が目の周りに現れている場合は、帯状疱疹の可能性が高いと判断されます。片側性の水疱性発疹はHZOの典型的な臨床症状です。
- 目の充血、腫れ、眼球運動の異常がないかも確認します。
- 検査
- 視力検査・眼圧検査
- 目の基本的な機能を評価します。
- 細隙灯顕微鏡検査
- 目の表面(結膜、角膜)や前房、虹彩など、目の前部分を詳細に観察し、炎症の有無や程度を確認します。角膜に特有の病変が見られることがあります。
- 眼底検査
- 目の奥にある網膜や視神経の状態を詳しく調べ、視神経炎などの合併症がないか確認します。
- その他
- 重篤な合併症が疑われる場合や、免疫状態の評価が必要な場合は、血液検査、画像検査(MRIなど)を追加することもあります。例えば、帯状疱疹に伴う外眼筋麻痺の場合、脳神経の疾患だけでなく眼筋炎が原因となることがあり、MRI画像診断が眼筋炎を特定する上で有用な情報を提供します。
- ごくまれですが、無菌性髄膜炎の所見を確認するために腰椎穿刺が必要となる場合もあります。実際にHZOに伴う完全単眼性眼筋麻痺の症例では、88%の症例で腰椎穿刺で無菌性髄膜炎の所見が認められたという報告もあります。
- 視力検査・眼圧検査
これらの診断プロセスを通じて、患者さん一人ひとりの状態に応じた最適な治療計画を立てていきます。
Q&A: 診断にどれくらい時間がかかりますか?
A. 問診から基本的な目の検査までは、通常30分から1時間程度で完了します。追加の検査が必要な場合は、もう少し時間がかかることもあります。
帯状疱疹の治療薬:抗ウイルス薬とステロイドの役割
帯状疱疹の目の症状の治療は、ウイルスの活動を抑えるための抗ウイルス薬と、目の炎症を鎮めるためのステロイドが主な柱となります。これらの薬剤を適切に使うことで、症状の悪化を防ぎ、目の合併症や後遺症のリスクを軽減することができます。帯状疱疹性眼部(HZO)の治療は、主に症状の緩和と特定の合併症への対処に焦点が当てられます。
- 抗ウイルス薬
- 役割
- 水痘帯状疱疹ウイルスの増殖を直接抑えることで、病気の進行を止め、目の症状や合併症が悪化するのを防ぎます。抗ウイルス療法は、急性感染症の期間を短縮する効果も期待できます。
- 種類
- アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビルなどが使用されます。高用量経口アシクロビルによる早期介入は、眼合併症の予防に効果的であると報告されています。
- 服用方法
- 飲み薬が一般的ですが、症状が重い場合や内服が難しい場合は、点滴で投与することもあります。
- 重要性
- 特に、発疹が出てから72時間以内に服用を開始することが、眼の合併症の予防に最も効果的であるとされています。早期の治療開始が、その後の目の状態を大きく左右するため、疑わしい症状があればすぐに医療機関を受診してください。
- 役割
- ステロイド
- 役割
- 目の炎症を強力に抑える作用があり、結膜炎、角膜炎、ぶどう膜炎、視神経炎といった目の炎症性合併症に対して使用されます。
- 種類
- 点眼薬
- 目の表面の炎症(結膜炎や角膜炎)が中心の場合に処方されます。
- 内服薬
- 目の奥の炎症(ぶどう膜炎や視神経炎)が強い場合や、稀に起こる眼筋炎による眼筋麻痺が確認された場合などに、炎症を全身的に抑える目的で短期間使用されることがあります。実際に、アシクロビルとコルチゾン(ステロイドの一種)の併用により、帯状疱疹による眼筋麻痺の迅速な改善が報告されています。また、完全単眼性眼筋麻痺と眼瞼下垂がアシクロビルとプレドニゾロン(ステロイドの一種)による治療で、5ヶ月後にはほぼ正常に回復した症例報告もあります。
- 点眼薬
- 注意点
- ステロイドは効果が高い反面、長期使用には副作用のリスクもあるため、医師の指示に従って慎重に使用することが重要です。
- 役割
その他、目の痛みに対しては鎮痛剤、細菌による二次感染予防として抗菌薬の点眼などが併用されることもあります。
Q&A: 抗ウイルス薬はいつまで飲み続ければ良いですか?
A. 症状の程度や合併症の有無にもよりますが、通常は7日から10日程度の服用が一般的です。医師の指示に従い、自己判断で中断しないようにしてください。
目の症状の治療期間と回復までの目安
帯状疱疹による目の症状の治療期間は、患者さんの年齢、免疫状態、症状の重さ、そして目のどの部分に合併症が起きているかによって大きく異なります。しかし、タイムリーな治療を行うことで、眼科的な罹患率を最小限に抑えることが可能です。
- 急性期の治療期間
- 抗ウイルス薬の服用期間は、一般的に7日から10日程度です。この期間にウイルスの増殖を抑えることで、目の発疹や痛みといった急性期の症状は比較的早く落ち着く傾向があります。特に発疹が出てから72時間以内に抗ウイルス薬を服用し始めることで、急性感染症の期間を短縮し、多くの合併症を予防する効果が期待できます。
- 炎症の管理と継続治療
- 目の炎症(結膜炎、角膜炎、ぶどう膜炎など)が強い場合は、抗ウイルス薬の服用が終わった後も、ステロイド点眼薬などを数週間から数ヶ月にわたって継続して使用することがあります。炎症が完全に治まるまで、根気強く治療を続けることが大切です。
- ぶどう膜炎は再発することもあるため、症状が治まっても定期的な経過観察が長期にわたって必要になることがあります。
- 合併症の回復期間
- 視神経炎や網膜炎などの重篤な合併症が起きた場合、治療期間はさらに長くなります。視力回復にも時間を要し、場合によっては視力低下が残ることもあります。
- 帯状疱疹による完全単眼性眼筋麻痺は稀な合併症ですが、多くの場合、治療によって良好な回復が期待できます。回復までには平均で4.4ヶ月かかることが報告されており、一般的に2ヶ月以内に有意な改善が見られ、18ヶ月以内にはほぼ完全に回復するとされています。
- 帯状疱疹後神経痛の可能性
- 目の症状が改善しても、目の周りの神経痛(帯状疱疹後神経痛)が残ることがあります。これは治療が困難な場合もあり、長期間にわたって痛みが続く可能性もあります。
症状が改善したと感じても、自己判断で治療を中断せず、必ず医師の指示に従って治療を完遂し、定期的な受診を継続してください。
Q&A: 症状が良くなったら通院をやめても大丈夫ですか?
A. いいえ、症状が良くなったように見えても、目の奥で炎症がくすぶっていたり、合併症のリスクが残っていたりする場合があります。必ず医師の指示に従い、完治が確認されるまで通院を継続してください。
日常生活での目のケアと注意点
帯状疱疹による目の症状が出た場合、日常生活での適切な目のケアと注意点が、症状の改善と合併症の予防に大きく貢献します。帯状疱疹性眼部(HZO)は重度の慢性疼痛や視力喪失を含む広範な眼症状を伴うため、目の安静と丁寧なケアが非常に重要です。
- 目の安静を保つこと
- 十分な休養
- 症状がある間は、できるだけ目を休ませることが大切です。スマートフォンやパソコンの使用、読書など、目を酷使する活動は控えめにしましょう。
- 目をこすらない
- かゆみや異物感があっても、目をこすると炎症が悪化したり、角膜を傷つけたりする原因になります。
- 清潔を保つ
- 処方された点眼薬は指示通りに正しく使用し、目の周りは清潔に保つよう心がけてください。清潔なタオルを使い、汚れた手で直接目を触らないようにしましょう。
- 十分な休養
- コンタクトレンズや目の周りの化粧の制限
- 目の炎症がある間は、コンタクトレンズの使用は中止し、眼鏡を使用してください。
- 目の周りの化粧も、炎症部位を刺激したり、感染を広げたりする可能性があるため、症状が治まるまでは控えるのが賢明です。
- 感染対策
- 帯状疱疹は、水痘を経験していない人や免疫が低下している人に対して、水ぼうそうとして感染する可能性があります。発疹部位は直接触らないようにし、タオルなどを共有しない、手洗いを徹底するなど、周囲の人への感染に注意しましょう。
- 症状の観察と速やかな再受診
- 治療中に、目の痛み、充血、視力低下、見え方の変化など、症状が悪化したり、新たな症状が現れたりした場合は、すぐに眼科を受診してください。早期の対応が、重篤な後遺症を防ぐ鍵となります。帯状疱疹による目の合併症は、慢性的な目の炎症や視力喪失など永続的な後遺症につながるリスクがあるため、自己判断せず、医師の指示を仰ぐことが重要です。
帯状疱疹の目の症状は、放置すると視力に影響を及ぼす可能性があります。早期の診断と治療が重要ですので、少しでも気になる症状がある場合は、当院へお気軽にご相談ください。形成外科専門医・美容外科専門医(JSAPS)監修のもと、患者さま一人ひとりに合わせた最適な治療計画をご提案いたします。
Q&A: 仕事は休んだ方が良いですか?
A. 目の症状の程度や仕事内容にもよりますが、目を休ませることが回復を早めます。医師に相談し、症状に応じて仕事の負担を軽減したり、一時的に休養を取ったりすることを検討しましょう。
帯状疱疹の目の症状を予防する3つの対策と後遺症ケア
帯状疱疹が目に現れると、目の痛みや視力低下といったつらい症状に悩まされ、将来的に後遺症が残るのではないかと不安に感じる方も少なくありません。目の症状は放置すると視力に重大な影響を及ぼす可能性があり、早期の適切な予防策と対応が極めて大切です。
私たち眼科医は、患者さまが抱える不安に寄り添い、重症化を防ぎ、失明などの深刻な事態を避けるためのお手伝いをしたいと考えています。この章では、帯状疱疹が引き起こす目の症状から大切な目を守るための、具体的な予防法と万が一後遺症が残ってしまった場合のケアについて詳しく解説します。

帯状疱疹ワクチンで目の症状を予防する効果
帯状疱疹は、子供の頃にかかった水ぼうそうのウイルス(水痘帯状疱疹ウイルス)が再活性化して発症する病気です。加齢とともに体の免疫力が低下すると発症しやすくなることが知られています。この帯状疱疹を予防するために有効なのが「帯状疱疹ワクチン」です。
ワクチンを接種することで、ウイルスに対する免疫力を高め、帯状疱疹の発症自体を抑える効果が期待できます。特に、帯状疱疹が目の周りに現れる「帯状疱疹性眼部帯状疱疹(HZO)」は、全帯状疱疹の10%から20%を占め、重い目の合併症を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
研究によると、帯状疱疹ワクチンは、帯状疱疹の発症リスクを減らすだけでなく、HZOや、帯状疱疹後に長く続く神経痛(帯状疱疹後神経痛、PHN)を予防する効果があることが報告されています。ワクチン接種により、体の免疫細胞である「VZV特異的細胞性免疫」が強化されます。これにより、体の中に潜んでいる水ぼうそうウイルスの再活性化を抑制し、目の症状を含めた帯状疱疹の発症リスクを大幅に低減できるのです。
日本では現在、二種類の帯状疱疹ワクチンが利用できます。どちらのワクチンも、目の症状を含む帯状疱疹の重症化や後遺症を防ぐ上で非常に重要な役割を果たします。特に50歳以上の方は、免疫力が低下しやすく、帯状疱疹が重症化しやすい傾向にあるため、ワクチン接種を積極的に検討することをお勧めします。ご自身の状態に合わせたワクチンの種類や接種時期については、どうぞ当院までお気軽にご相談ください。
帯状疱疹後神経痛(PHN)を予防する方法
帯状疱疹の合併症の中で、患者さまの生活の質を大きく低下させると言われるのが「帯状疱疹後神経痛(PHN)」です。PHNは、帯状疱疹の発疹が治った後も、ピリピリとした痛みや焼けるような痛みが数ヶ月、あるいはそれ以上長期間にわたって続く状態を指します。このような消耗性の痛みは、日常生活に深刻な影響を及ぼします。
このPHNを予防するためには、帯状疱疹が発症してからの「早期治療」が何よりも重要となります。発疹ができてから72時間以内、つまり3日以内に抗ウイルス薬の内服を開始することが、目の合併症の予防や、急性期の痛みを和らげるために非常に効果的であることが複数の研究で示されています。高用量のアシクロビルなどの抗ウイルス薬を早い段階から服用することで、ウイルスの増殖を効果的に抑え、神経へのダメージを最小限に食い止めることができるからです。
しかし、PHNは一度発症してしまうと治療が困難になるケースも少なくありません。その治療には、痛みを和らげるための抗うつ薬や抗てんかん薬、局所麻酔薬を用いた神経ブロック療法などが用いられますが、完全に痛みがなくなるまでには長い時間がかかることもあります。帯状疱疹後神経痛は依然として治療が困難な課題であり、引き続き治療選択肢の検討が必要とされています。
PHNの主な危険因子は「加齢」です。年齢が上がるほど発症リスクが高まることが知られています。また、帯状疱疹の急性期の痛みが重度であった場合や、広範囲に発疹が出た場合もPHNになりやすい傾向があります。
したがって、目の周りに帯状疱疹の症状が出たら、できるだけ早く眼科を受診し、適切な抗ウイルス薬治療を開始することが、PHNの発症を食い止める上で極めて大切になります。視覚障害を制限するためには、帯状疱疹性眼部帯状疱疹(HZO)のタイムリーな診断と管理、そして眼病変がある場合の眼科専門医への紹介が不可欠です。
視力低下など後遺症が残った場合のケア
帯状疱疹性眼部帯状疱疹(HZO)は、適切な治療が行われなかった場合や、症状が重度であった場合、残念ながら視力低下や慢性的な目の痛みといった後遺症が残ってしまう可能性があります。HZOによる永続的な後遺症として、角膜の濁り、眼圧が上昇する緑内障、目の奥の炎症の再発(ぶどう膜炎の再発)、さらには視神経の損傷による永続的な視力障害などが挙げられます。
このような後遺症が残ってしまった場合でも、残された視力を最大限に活用し、生活の質を維持するためのケアが非常に重要です。HZOが発症した際には、視力障害を制限するために、迅速な診断と適切な管理、そして専門の眼科医への速やかな紹介が不可欠です。
後遺症が残った際には、以下のようなケアが考えられます。
- ロービジョンケア
- 残された視力を最大限に活用するための専門的なケアです。
- 拡大鏡や遮光眼鏡、単眼鏡などの視覚補助具を選定し、その使い方を指導します。
- 日常生活での工夫
- 自宅や職場の照明を明るくしたり、手元灯を活用したりして環境を整えましょう。
- 文字の大きさを調整したり、コントラストをはっきりさせたりする工夫も役立ちます。
- 精神的サポート
- 視力低下は精神的なストレスも大きいため、一人で抱え込まずに相談できる場所を見つけることが大切です。
- 心理カウンセリングや、同じような状況の方と交流できる患者会への参加なども検討しましょう。
- 定期的な眼科検診
- 後遺症がある場合でも、定期的に眼科を受診し、目の状態を細かくチェックすることが重要です。
- 新たな問題の早期発見や、適切な対処につながることで、より良い目の状態を維持することを目指します。
当院では、帯状疱疹による目の後遺症でお悩みの方に対し、専門的なロービジョンケアや、日常生活での具体的なアドバイスを提供しています。
再発予防のための生活習慣と免疫力アップ
帯状疱疹の目の症状は、一度治癒しても再発する可能性があります。特に、体の免疫力が低下すると、体内に潜伏している水ぼうそうウイルスが再び活性化しやすくなります。帯状疱疹の発生率と重症度は加齢とともに増加することが知られており、VZV特異的細胞性免疫がウイルスの再活性化を抑制する重要なメカニズムです。
そのため、再発予防には、日頃からの生活習慣を見直し、免疫力を高めることが非常に大切です。
具体的な再発予防のための生活習慣と免疫力アップのポイントは以下の通りです。
- 十分な睡眠
- 睡眠不足は免疫力低下の大きな原因となります。
- 毎日規則正しい時間に十分な睡眠をとり、体をしっかり休ませることが重要です。

- バランスの取れた食事
- ビタミンやミネラルを豊富に含む野菜、果物、良質なタンパク質などをバランス良く摂取しましょう。
- 腸内環境を整えることも免疫力アップにつながります。特にビタミンB群、C、Dなどは、免疫機能に重要な役割を果たします。

- 適度な運動
- ウォーキングや軽いジョギングなど、無理のない範囲で体を動かすことは、血行促進やストレス解消になります。
- 継続的な運動は、免疫機能の向上に役立ちます。

- ストレス管理
- 過度なストレスは免疫力を低下させます。
- 趣味の時間を持つ、リラックスできる環境を作る、瞑想や深呼吸を取り入れるなど、ご自身に合った方法でストレスを解消しましょう。
- 体の冷えを防ぐ
- 体が冷えると免疫力が低下しやすくなります。
- 温かい服装を心がけ、体を冷やさないように工夫しましょう。
- 定期的な健康チェック
- 糖尿病や免疫不全などの基礎疾患がある方は、帯状疱疹が重症化するリスクが高いと言われています。
- 定期的な健康診断を受け、持病の管理をしっかり行うことが大切です。
これらの生活習慣を日頃から意識することで、帯状疱疹の再発リスクを減らし、健康な体を維持することができます。水痘および帯状疱疹ワクチンの戦略は、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)疾患の疫学変化に応じて定期的に評価・調整される必要があるとも言われています。
Q&A
Q1: 目の症状がある場合の帯状疱疹ワクチンの接種時期や種類について、眼科医の意見を聞きたいです。
A1: 帯状疱疹の目の症状がある場合でも、基本的には治癒後であれば帯状疱疹ワクチンの接種は可能です。しかし、症状の程度や、現在服用している薬、全身の状態などによって、接種時期や推奨されるワクチンの種類が異なることがあります。特に、活動性の帯状疱疹がある期間は接種できません。詳しくはお一人おひとりの状態を拝見し、最適な時期や種類のワクチンについてアドバイスさせていただきますので、まずは当院までご相談ください。帯状疱疹ワクチンは、HZOやPHNの予防に重要な役割を果たすと考えられています。
Q2: 目の症状が悪化しているのか、改善しているのか、判断基準や目安を知りたいです。
A2: 目の症状が悪化しているかどうかを判断する目安としては、以下のような変化が挙げられます。
- 目の痛みが強くなる、または範囲が広がる
- 目の充血がひどくなる
- 視界がよりかすむ、または視力が急激に低下する
- 光をまぶしく感じる症状が強まる
- 目ヤニが増える、色が変わる
- まぶたの腫れやただれが悪化する
逆に、これらの症状が徐々に和らいでいく場合は改善傾向にあると考えられます。しかし、自己判断は危険ですので、少しでも不安な症状があれば、速やかに眼科を受診して専門医の診察を受けてください。視覚障害を制限するためには、HZOの早期診断、適切な管理、そして眼科医への紹介が極めて重要です。
Q3: 治療中に起こりうる目の副作用やリスクについて詳しく知りたいです。
A3: 帯状疱疹の目の治療では、主に抗ウイルス薬や、炎症を抑えるためのステロイド点眼薬などが使用されます。これらの薬には、以下のような副作用やリスクが考えられます。
- 抗ウイルス薬
- 内服薬の場合、吐き気、下痢、頭痛などが起こることがあります。
- 稀に腎機能への影響も考えられます。
- ステロイド点眼薬
- 長期間使用すると、眼圧が上がる(緑内障のリスク)、白内障が進行する可能性があります。
- 免疫抑制により別の感染症を引き起こしやすくなることもあります。
これらの副作用は、医師が患者さまの状態を慎重に確認しながら処方し、定期的な検査でモニタリングすることで、リスクを管理できます。気になる症状が出た場合は、自己判断せずにすぐに医師に伝えることが大切です。抗ウイルス療法とコルチコステロイドが主要な治療選択肢として提示されています。
帯状疱疹の目の症状でお困りの際は、当院へご相談ください
帯状疱疹による目の症状は、早期の正確な診断と適切な治療が、視力や目の健康を守る上で非常に重要です。当院では、帯状疱疹性眼部帯状疱疹(HZO)に関する豊富な知識と経験を持つ医師が、患者さま一人ひとりの状態に合わせて丁寧な診察と最適な治療計画をご提案いたします。目の痛み、充血、かすみなど、少しでも気になる症状がありましたら、どうぞお一人で抱え込まず、お早めに当院へご相談ください。皆様の大切な目の健康をサポートさせていただきます。
形成外科専門医・美容外科専門医(JSAPS)監修のもと、安心できる医療を提供できるよう努めています。
まとめ
今回は、帯状疱疹が目に現れることの危険性とその対処法についてご紹介しました。
目の周りにピリピリとした痛みや発疹、水ぶくれが片側だけに現れたら、それは帯状疱疹性眼炎かもしれません。
放置すると視力低下や失明につながる可能性もあるため、「おかしいな」と感じたら、目の症状がなくてもすぐに眼科を受診することが大切です。
早期に抗ウイルス薬などによる適切な治療を開始すれば、重症化を防ぎ、つらい後遺症のリスクを減らすことができます。
帯状疱疹ワクチンによる予防も有効です。
ご自身の目の健康を守るため、少しでも不安なことがあれば、いつでも当院にご相談くださいね。
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