名古屋市「新瑞橋」美容外科・美容皮膚科・形成外科・一般皮膚科

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キュアジェットについて

肌の悩みは、日々の生活において自信を失わせたり、気分が沈んだりする原因となることがあります。特にクレーター状のニキビ跡や毛穴の開きは、多くの方が改善を望む一般的な肌トラブルです。「針を使う治療は痛そうで怖い」「ダウンタイムが心配」と感じ、美容医療に踏み出せずにいる方も少なくないでしょう。

そんな方に朗報です。針を使わずに薬剤を肌の奥深くへ届ける画期的な治療法「キュアジェット」が注目されています。電磁力による高速ジェット噴射を活用し、従来の針を用いた注入と比較して痛みが大幅に軽減され、患者満足度も有意に高かったことが研究で報告されています(Hong et al., 2023)。

本記事では、形成外科専門医の視点から、キュアジェットの画期的な仕組みと、ニキビ跡や毛穴の開きをはじめとする様々な肌悩みに優れた効果を発揮するその特徴について、詳しく解説します。理想の肌を目指すための一歩を、ぜひここから見つけてください。

針を使わないキュアジェット治療の仕組みと3つの特徴

肌の悩みは、日々の生活において自信を失わせたり、気分が沈んだりする原因となることがあります。特にニキビ跡や毛穴の開きは、多くの方が改善を望む一般的な肌トラブルです。これらの肌悩みを解決するためには、さまざまな美容医療がありますが、「針を使う治療は痛そうで怖い」「ダウンタイムが心配」と感じる方も少なくありません。キュアジェットは、このような患者さんの不安に寄り添い、針を使わずに薬剤を肌の奥深くへ届けることができる、画期的な治療法です。この新しい治療の仕組みと、皆さんに知っていただきたいその特徴について、形成外科専門医の視点から詳しくご説明いたします。

キュアジェットで改善できる肌悩みと施術の流れ - 画像 1

キュアジェットとは?針を使わないニードルレスインジェクターの仕組み

キュアジェットは、「ニードルレスインジェクター」という特別な機器を用いて薬剤を皮膚に注入する治療法です。この「針を使わない」という点が、従来の治療法との大きな違いになります。従来の針を用いた注入治療では、痛みを伴うことが多く、また薬剤の送達が不正確になる可能性も課題とされていました。キュアジェットは、これらの課題を解決するために開発された技術で、電磁力によって作り出される高速ジェット噴射の力を利用します。このジェット噴射が一時的に皮膚にごく微細な隙間(細孔)を作り出し、そこから薬剤を真皮の奥深くまで届けます。

これは、注射針を使わずに、非常に細い水の流れのようなもので肌の表面に小さな穴を開け、その勢いで薬液を送り込むイメージです。物理的な力で薬剤を皮膚に浸透させるニードルレスインジェクションは、痛みがなく効果的な薬物送達を促進する経皮薬物送達の進歩の一つとして注目されています(Gaikwad et al., 2024)。針による刺入がないため、治療中の痛みを感じにくく、患者さんの負担を大幅に減らすことができます。実際に行われた研究では、キュアジェットを用いたポリヌクレオチドフィラーの注入は、従来の針を用いた注入と比較して痛みが大幅に軽減され、患者さんの満足度も有意に高かったことが報告されています(Hong et al., 2023)。また、針を使わないシステムは、針刺しによるリスクである出血や内出血、感染の可能性を排除する効果も期待できます(Hong et al., 2023)。

ジュベルックの主な成分と肌への効果

キュアジェットの治療で使用される薬剤の一つに、「ジュベルック」があります。ジュベルックは、ニキビ跡や毛穴の開きといった肌の悩みに特化した注入材です。「ポリ乳酸(PDLLA)」と「非架橋ヒアルロン酸」という2つの主要な成分が複合的に配合されています。

ポリ乳酸(PDLLA)は、体内でゆっくりと分解される生体適合性の高い成分です。肌の奥深くにある線維芽細胞を刺激し、自身のコラーゲンの生成を促す働きがあります。コラーゲンは肌のハリや弾力のもととなる重要な成分です。コラーゲンが増えることで肌に内側からボリュームが生まれ、クレーター状のニキビ跡の凹みを改善したり、開いた毛穴を引き締めたりする効果が期待できます。実際に、針なしジェットインジェクターを用いてポリ乳酸を注入した臨床ケースでは、萎縮性ニキビ跡や肌質の顕著な改善が認められています(Rho et al., 2024)。

一方、非架橋ヒアルロン酸は、肌の水分保持能力を高め、潤いと滑らかさを与える役割を担います。これにより、肌全体のキメが整い、より健康的で若々しい印象の肌へと導かれます。ジュベルックは、これら二つの成分が互いに作用し合うことで、肌の根本的な再生能力を引き出し、自然で長期的な肌質改善を可能にするのです。キュアジェットは、ジュベルックを針なしで正確かつ均一に肌の必要な層へと届けることで、その効果を最大限に引き出すことを目指します。

針を使わないキュアジェットの3つのメリット

針を使わないキュアジェット治療には、患者さんにとって特に嬉しい3つの大きなメリットがあります。

  1. 痛みの軽減と針恐怖症の方への配慮
    • キュアジェットの最大のメリットは、針を使わないため、従来の注射による痛みが大幅に軽減されることです。
    • 針恐怖症の方や、痛みに敏感な方でも安心して治療を受けやすいという特徴があります。
    • 研究結果でも、キュアジェットを用いた治療は、従来の針による注入と比較して痛みが有意に低く、患者さんの不快感を和らげることが示されています(Hong et al., 2023)。
    • 一部のケースでは軽度の痛みが報告されていますが、その程度は非常に軽く、従来の針注射と比べて不快感が少ないことが示唆されています(Rho et al., 2024)。
  2. ダウンタイムと副作用のリスク低減
    • 針を使わないことで、針穴による内出血や腫れのリスクが大幅に軽減されます。
    • 従来の針注入では、施術後に内出血が起こることがありましたが、キュアジェットによる治療ではこのような報告はありません(Hong et al., 2023)。
    • 施術後には軽度の一時的な赤みや腫れ、点状の出血、微細なかさぶたが見られることがありますが、これらは数日で自然に治まることがほとんどです(Rho et al., 2024)。
    • 重篤な副作用の報告もほとんどなく、日常生活への影響を最小限に抑えながら治療を受けることが可能です。
  3. 薬剤の均一かつ深部への効率的な送達
    • キュアジェットは、針を使わないにもかかわらず、高圧のジェット噴射によって薬剤を真皮の全層にわたって均一に、そして深い層までしっかりと届けることができます。
    • 電磁力ベースの針なしインジェクターを使った研究では、注入されたポリ乳酸粒子が、皮膚の深い真皮層まで均一に分布することが確認されています(Rho et al., 2024)。
    • これにより、薬剤が狙った層に確実に作用し、コラーゲン生成を効果的に促進します。
    • 結果として、肌のハリや弾力の向上、ニキビ跡や毛穴の改善といった効果を最大限に引き出すことが期待できるのです。

キュアジェットで改善できる肌悩みと施術の流れ

鏡を見るたびに、気になるニキビ跡や毛穴の開きにため息をつくことはありませんか。肌の悩みは、時として人の自信を大きく揺るがし、日々の気分を沈ませる原因にもなります。美容医療の進歩により、これらの肌悩みを解決する様々な方法が登場していますが、その中でもキュアジェットは、針を使わずに薬剤を肌の奥深くへ届けることができる画期的な治療法として注目されています。形成外科専門医の視点から、キュアジェットがどのような肌悩みをどのように改善できるのか、そして実際の治療がどのようなステップで進むのかを、詳細にご説明いたします。

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クレーター型ニキビ跡と開き毛穴への効果

キュアジェットは、特に治療が難しいとされる「クレーター型ニキビ跡」と「開き毛穴」に対して、優れた改善効果が期待できます。これらの肌悩みは、肌の真皮層にあるコラーゲンやエラスチンがダメージを受け、皮膚の構造が不均一になることで生じるものです。正常な肌は、真皮層がコラーゲンやエラスチンによってしっかりと支えられ、滑らかで弾力がありますが、ダメージを受けるとデコボコとした状態になってしまいます。

  • クレーター型ニキビ跡への効果
    • クレーターのように凹んだニキビ跡は、重度の炎症により真皮層が深く損傷し、瘢痕組織(はんこんそしき)として残ってしまった状態を指します。
    • キュアジェットは、ポリ乳酸(PDLLA)と非架橋ヒアルロン酸の複合体である「ジュベルック」などの製剤を、針を使わずに真皮層へ正確に注入します。
    • 電磁力ベースの針なしジェットインジェクターを用いることで、薬剤の粒子が真皮の全層(上層から深層まで)に均一かつ深く浸透することが、カダバー皮膚を用いた前臨床試験で確認されています(Rho et al., 2024)。
    • 注入されたポリ乳酸は、肌自身のコラーゲン生成を活発に促す働きがあります。
    • これにより、肌の奥から組織が再構築され、クレーターの凹みが徐々に改善へと導かれます。
    • 実際に、萎縮性(いしゅくせい)ニキビ跡にジュベルックを注入した臨床ケースでは、単回治療後2〜3ヶ月で顕著な改善が見られ、特に初期の萎縮性瘢痕は迅速な改善を示したと報告されています(Rho ets al., 2024)。
  • 開き毛穴への効果
    • 毛穴の開きは、皮脂の過剰分泌、加齢による肌の弾力低下、またはニキビ跡の周囲の組織のダメージなど、様々な原因によって引き起こされます。
    • キュアジェットは、ポリヌクレオチド(PN)フィラーなどを針なしで肌に注入し、毛穴周囲の組織に働きかけます。
    • Ji Yeon Hongらの研究では、針なしジェットインジェクター「キュアジェット」を用いたPNフィラー注入が、従来の針による注入と比較して、毛穴の改善において優れた効果を示したことが報告されています(Hong et al., 2023)。
    • 肌のハリや弾力性が向上することで、開いた毛穴が内側から引き締められ、目立ちにくくなる効果が期待できます。

期待できる肌質改善効果と持続期間

キュアジェットは、特定の肌悩みへのアプローチだけでなく、肌全体の質(肌質)を根本から高める多様な効果も期待できる治療です。まるで肌が内側から生まれ変わるような変化を実感できます。

  • 総合的な肌質改善効果
    • キュアジェットで注入されるジュベルックなどの薬剤は、肌の土台となるコラーゲンの生成を促進します。
    • これにより、加齢や紫外線によるコラーゲン減少で失われがちな肌の弾力性が回復し、肌が引き締まった印象になります。
    • 肌の水分量や弾力が増すことで、乾燥による小じわや表情じわが目立ちにくくなる効果も期待できます。
    • Ji Yeon Hongらの研究では、キュアジェットを用いたPNフィラー注入が、シワの改善にも顕著な効果を示したことが報告されています(Hong et al., 2023)。
    • 肌の代謝が促され、くすみが改善されることで、全体的に明るく透明感のある肌へと導かれます。
    • Nark-Kyoung Rhoらの研究でも、患者さんが頬の肌質とトーンの向上に高い満足度を示したことが報告されています(Rho et al., 2024)。
    • 肌表面が滑らかになり、キメが整うことで、より若々しい印象の肌を目指せます。
  • 効果の持続期間と最適な治療計画
    • キュアジェットの効果は、注入された薬剤の種類や、患者さん個人の肌の状態、生活習慣によって異なります。
    • 一般的には、数ヶ月から半年程度の持続が期待できます。
    • しかし、一度の治療で全ての肌悩みが完全に解消されるわけではありません。
    • 最適な効果を実感し、その良好な状態を長く維持するためには、複数回の治療を受けることが推奨されます。
    • 多くの場合は、3〜4週間の間隔で3回程度の治療を行い、その後はメンテナンスとして半年に1回程度の施術を続けることで、より良好な肌状態を保つことができます。
    • 針なしジェットインジェクターによる治療が、瘢痕や萎縮性ニキビの治療において有効であることがシステマティックレビュー(複数の研究を統合して評価する研究手法)でも示唆されており、適切な治療計画の重要性が強調されています(Bekkers et al., 2023)。

施術のステップと推奨される治療回数

キュアジェットの施術は、患者さんの肌の状態や抱えている悩みに合わせて、形成外科専門医が丁寧に進めます。初めての方でも安心して治療を受けられるよう、一般的な施術の流れと推奨される治療回数について具体的にご紹介いたします。

  1. カウンセリングと診察
    • まず、経験豊富な医師が患者さんの肌の状態を詳しく診察します。
    • ニキビ跡や毛穴の悩みだけでなく、患者さんの生活背景や期待する治療効果、アレルギーの有無などを丁寧にヒアリングします。
    • キュアジェットが患者さんにとって最適な治療法であるかを判断し、治療の目的、期待できる効果、リスク、費用などについて詳しく説明します。
    • 患者さんからの疑問や不安にも、この段階でしっかりと耳を傾け、解消に努めます。
  2. 洗顔・クレンジング
    • 施術前には、肌表面のメイクや汚れをしっかりと落としていただきます。
    • 清潔な状態にすることで、治療中の感染リスクを最小限に抑え、薬剤が肌へより効果的に浸透するように準備を整えます。
  3. 麻酔
    • キュアジェットは針を使わないため、従来の注射治療に比べて痛みが大幅に軽減されることが大きな特徴です。
    • Ji Yeon Hongらの研究でも、キュアジェットを用いたPN注入は、針を用いた注入よりも痛みが有意に低かったと報告されています(Hong et al., 2023)。
    • しかし、痛みに敏感な方や、より快適に施術を受けたい方のために、通常は塗るタイプの麻酔クリームを施術部位に塗布します。
    • 麻酔が十分に効くまで、約20~30分ほど時間を置いてお待ちいただきます。
  4. キュアジェットによる薬剤注入
    • 麻酔が効いた後、キュアジェットのハンドピースを施術部位の肌に当てます。
    • 電磁力によって作り出される高圧ジェットの力を利用し、目的の薬剤(ジュベルックなど)を真皮層へと均一に注入していきます。
    • 治療時間は、施術範囲によって異なりますが、顔全体で約15分〜30分程度が目安となります。
    • スピーディーに広範囲にわたって均一に薬剤を注入できるため、患者さんの負担を軽減しながら効率的な治療が可能です。
  5. 冷却・鎮静
    • 施術後は、注入部位の肌の赤みや熱感を抑えるために、冷却パックなどを用いて肌を優しく鎮静させます。
    • これにより、治療後のダウンタイム(回復期間)を最小限に抑え、患者さんが快適に過ごせるように配慮します。
  • 推奨される治療回数
    • キュアジェットは、1回の施術でも効果を実感できることが多いですが、より高い効果と持続性を目指すためには、複数回の治療を受けることが非常に重要です。
    • 一般的には、3〜4週間の間隔で3回程度の治療が推奨されることが多く、この回数で肌の状態が大きく改善される傾向にあります。
    • その後は、良好な肌の状態を長期的に維持するために、半年に1回程度のペースでメンテナンス治療を行うことをおすすめします。
    • 患者さん一人ひとりの肌の状態や、目指す改善目標に合わせて、医師が最適な治療回数と具体的なスケジュールをご提案いたします。

施術前後の注意点と効果を維持するポイント

キュアジェットの治療効果を最大限に引き出し、安全に施術を進めるためには、施術前後の過ごし方と、日頃からの丁寧なスキンケア、健康的な生活習慣が非常に重要です。患者さんご自身の協力が、より良い結果に繋がります。

  • 施術前の注意点
    • 健康状態の確認
      • 妊娠中、授乳中の方、特定の持病をお持ちの方、アレルギー体質の方は、治療の可否や安全性を判断するため、必ず事前に医師に詳しく申告してください。
    • 日焼け対策
      • 施術前に過度な日焼けをすると、肌の炎症や色素沈着のリスクが高まる可能性があります。
      • 施術前はできるだけ日焼けを避け、日焼け止めや帽子、日傘などで紫外線対策をしっかりと行うようにしましょう。
    • 肌のコンディション
      • 施術部位に強い炎症(ひどいニキビなど)や感染症がある場合は、安全を考慮し、治療を延期することがあります。
      • 肌の調子が悪いと感じたら、施術前に必ずクリニックにご相談ください。
    • メイクについて
      • 施術当日は、ノーメイクでご来院いただくか、施術前にクリニックでメイクをしっかりと落としていただく必要があります。
  • 施術後の注意点
    • ダウンタイム
      • 施術後は、軽度の一時的な赤み、腫れ、点状の内出血、ごく小さなかさぶたなどが現れることがあります。
      • これらの症状は一時的なもので、数日から1週間程度で自然に治まることがほとんどです。
      • Nark-Kyoung Rhoらの報告でも、キュアジェットによる副作用は軽度で一時的であり、重篤な有害事象は観察されなかったとされています(Rho et al., 2024)。
    • 保湿と日焼け対策
      • 施術後の肌は非常にデリケートな状態になっています。
      • 刺激の少ない化粧品でしっかりと保湿を行い、日焼け止めで紫外線から肌を徹底的に守ることが大切です。
      • SPF30以上の日焼け止めを毎日使用し、帽子や日傘も積極的に活用しましょう。
    • メイク・洗顔
      • 施術当日から洗顔やシャワーは可能ですが、施術部位を強くこすらないように優しく扱ってください。
      • メイクは翌日から可能ですが、肌への刺激にならない、優しい成分のものを選ぶことをおすすめします。
    • 激しい運動・飲酒
      • 施術後数日間は、血行が良くなる激しい運動や飲酒は避け、安静に過ごしましょう。
      • これらは赤みや腫れを悪化させる可能性があります。
    • エステや他の美容施術
      • 施術後1〜2週間は、肌に刺激を与えるようなエステや、他の美容施術は控えるようにしてください。
  • 効果を維持するポイント
    • キュアジェットの効果をより長く、そして最大限に維持するためには、日頃からの丁寧なスキンケアと健康的な生活習慣が不可欠です。
    • 保湿ケア
      • 常に肌の水分量を適切に保つことで、肌のバリア機能を強化し、乾燥による肌トラブルを防ぎます。
      • セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分が配合された化粧品を積極的に使いましょう。
    • 紫外線対策
      • 紫外線は肌の老化を加速させる最大の原因の一つです。
      • 年間を通して、徹底した紫外線対策を心がけることが、若々しい肌を保つために非常に重要です。
    • バランスの取れた食事
      • ビタミン、ミネラル、タンパク質など、肌の健康に必要な栄養素をバランス良く摂取しましょう。
      • 特に抗酸化作用のある食品(野菜、果物など)は、肌の老化を防ぎ、若々しさを保つのに役立ちます。
    • 十分な睡眠
      • 睡眠中には、肌の修復や再生が最も活発に行われます。
      • 質の良い睡眠をしっかりととることが、美しい肌を育む土台となります。
    • 定期的なメンテナンス治療
      • 医師が提案する定期的なメンテナンス治療を計画的に受けることで、キュアジェットで得られた良好な肌の状態を長期的に維持し、さらに改善へと導くことができます。

キュアジェット治療の安全性と知っておくべきこと

新しい美容治療を検討される際、多くの患者さんが「本当に安全な治療なのか」という点に最も関心を寄せます。ニキビ跡や毛穴の悩みはデリケートな肌の問題であり、安心して治療を受けられるかどうかは非常に重要な判断基準となります。キュアジェットは、針を使わない新しい治療法として注目されていますが、その安全性や注意点について詳しく知りたいと感じる方もいらっしゃるでしょう。形成外科専門医である私の視点から、患者さんの不安を少しでも解消し、安心して治療を受けていただけるよう、キュアジェット治療に関する安全性と知っておくべきことを丁寧にご説明いたします。針を使わないジェットインジェクターを用いた皮膚科治療の有効性と安全性について複数の研究をまとめた報告では、副作用は少なく、全体的に治療は良好に受け入れられていることが示されています(Bekkers et al., 2023)。

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治療のダウンタイムと起こりうる副作用

キュアジェット治療は、針を使わずに薬剤を注入するため、従来の針を用いる治療と比較してダウンタイムや副作用が軽減される傾向にあります。しかし、皮膚に物理的な刺激を与えるため、全く何もないというわけではありません。どのようなダウンタイムや副作用が考えられるのか、具体的に解説します。

  • 赤みや腫れ
    • 薬剤注入時の圧力や肌への刺激により、一時的に肌が赤くなったり軽く腫れたりすることがあります。
    • これらの症状は、通常数時間から数日で自然に治まることがほとんどです。
  • 内出血
    • ジェット圧により、ごく稀に肌の奥の血管に刺激が加わり、小さな内出血が生じることがあります。
    • これは通常、数日から1週間程度で吸収され、目立たなくなります。メイクでカバーできる程度であることがほとんどです。
  • 軽度の痛みや違和感
    • 施術中に軽い痛みやヒリヒリ感、施術後に違和感を感じることがありますが、これらも一時的なものです。
    • 針を使う治療に比べると、痛みは大幅に軽減されます。
  • 注入深度のばらつき
    • 針を使わないインジェクターは、注入深度にある程度のばらつきが生じる可能性が報告されています(Kim, 20XX)。
    • しかし、これは施術者の熟練した技術と豊富な経験によって最小限に抑えることが可能です。
    • 当院では、患者さんの肌質や悩みに合わせて、注入深度を適切に調整するよう細心の注意を払っています。

これらの症状は一時的なものがほとんどです。適切にケアすることで早期に改善が期待できます。重篤な有害事象はほとんど報告されておらず、軽微な副作用は一時的なものであったとされています(Kim, 20XX; Rho et al., 2024)。当院では、施術後の経過についても丁寧にご説明し、ご心配な点があればいつでもご相談いただける体制を整えています。

ダーマペン・ポテンツァなど他治療との違い

キュアジェットは、ニキビ跡や毛穴の治療において、ダーマペンやポテンツァといった他の人気治療法といくつかの大きな違いがあります。ご自身の肌の状態や求める効果に最も適した治療法を選ぶために、それぞれの特徴を理解することが大切です。

【キュアジェットの主な特徴】

  • 針を使わないニードルレス治療
    • 最大の特徴は、文字通り針を使わずに薬剤を皮膚の深部に届ける点です。
    • 電磁力によって作り出される高速ジェット噴射の圧力で、薬剤が肌の表面に微細な穴を開けることなく真皮層まで浸透します。
    • これにより、針を刺すことによる痛みや内出血のリスクを大幅に軽減できるのです。
  • サブシジョン様効果
    • キュアジェットは、薬剤を真皮内に水平に分散させることで、クレーター状のニキビ跡や深いシワの底にある線維組織を物理的に剥がす「サブシジョン」に似た効果をもたらすことが示唆されています(Kim, 20XX)。
    • ニキビ跡などで皮膚の表面が下に引っ張られている状態を、ジェット圧で解放することで、陥没した部分が持ち上がり、なめらかな肌への改善が期待できます。
  • 薬剤の均一な拡散
    • 針なしジェット注射器でポリ乳酸を注入する研究では、注射された粒子が真皮のすべての層に均一に分布することが死体皮膚を用いた組織学的証拠によって確認されています(Rho et al., 2024)。
    • これにより、薬剤が狙った部位に効果的に広がり、より均一な肌の再生を促すことができます。

【ダーマペン・ポテンツァとの違い】

  • ダーマペン
    • 極細の針で肌に微細な穴を開け、自然治癒力を高めるとともに、成長因子などの薬剤を浸透させる治療です。
    • 針を使うため、出血や赤みなどのダウンタイムがありますが、コラーゲン生成を強力に促します。
  • ポテンツァ
    • ダーマペンと同様にマイクロニードルで肌に穴を開けますが、同時に高周波(RF)エネルギーを照射することで、熱刺激によるコラーゲン生成を促進します。
    • また、ドラッグデリバリーシステムにより、針を抜きながら薬剤を正確に注入できる点も特徴です。
    • 針を使うことによるダウンタイムはありますが、より深部へのアプローチが可能です。

キュアジェットは、痛みに敏感な方や、針を使う治療に抵抗がある方にとって、非常に魅力的な選択肢となります。また、サブシジョン様効果や薬剤の均一な拡散といった特性により、クレーターニキビ跡の改善にも高い効果が期待できるのが特徴です。

治療を受けられない方と注意が必要なケース

キュアジェットは安全性の高い治療法ですが、すべての方が受けられるわけではありません。患者さんの安全を最優先するため、以下に該当する方は治療を受けられない、または注意が必要な場合があります。必ず事前のカウンセリングで医師にご申告ください。

【治療を受けられない方(禁忌事項)】

  • 妊娠中または授乳中の方
    • 治療による母体や胎児、乳児への影響が不明なため、治療は推奨されません。
  • 重度の皮膚疾患がある方
    • 施術部位に重度の皮膚炎、感染症、ケロイド体質などがある場合は、症状が悪化する可能性があります。
  • 特定の薬剤に対するアレルギーがある方
    • 注入する薬剤(ジュベルックなど)の成分にアレルギーをお持ちの方は治療を受けられません。
  • 抗凝固剤を服用中の方
    • 出血のリスクが高まるため、治療ができない場合があります。
  • 過去に施術部位にシリコンや金の糸などを挿入している方
    • ジェット圧により異物が移動したり、トラブルを起こしたりする可能性があります。
  • 悪性腫瘍の治療中の方
    • がん治療中の体調への影響を考慮し、治療は推奨されません。

【注意が必要なケース】

  • 敏感肌の方
    • 施術後の赤みや腫れが強く出やすい可能性があります。
    • 治療前に肌の状態をしっかり確認し、慎重に施術を行います。
  • 日光過敏症の方
    • 施術後は肌が一時的にデリケートになるため、紫外線対策が特に重要になります。
    • 徹底した日焼け対策をお願いしています。
  • ヘルペスの既往がある方
    • 施術の刺激により、ヘルペスが再発する可能性があります。
    • 必要に応じて、治療前に予防薬の処方を行います。

当院では、形成外科専門医、美容外科専門医(JSAPS)としての経験に基づき、患者さんの肌の状態や既往歴、現在の体調を詳細にヒアリングします。キュアジェットが最適な治療法であるか慎重に判断いたします。もし治療が適さないと判断された場合でも、患者さんの悩みに寄り添い、他の適切な治療法をご提案させていただきますのでご安心ください。

キュアジェットの費用相場と保険適用について

キュアジェットは、ニキビ跡や毛穴の悩みを改善する美容医療であるため、残念ながら健康保険は適用されません。これは、病気の治療ではなく、美容的な改善を目的としているためです。治療費用は全額自己負担となります。

【費用相場について】

キュアジェットの費用は、注入する薬剤の種類、施術部位の範囲、施術回数などによって大きく異なります。

  • 1回あたりの施術費用
    • クリニックによって差はありますが、一般的には数万円から十数万円程度が目安となります。
    • 例えば、ジュベルックを全顔に注入する場合、1回あたり5万円~10万円程度が相場となることが多いです。
  • 複数回コース
    • 最適な効果を実感するためには複数回の施術が推奨されることが多いため、多くのクリニックではお得な複数回コース(3回~5回程度)が用意されています。
    • コースで申し込むと、1回あたりの費用が割安になる場合があります。
  • 注入する薬剤
    • ジュベルック以外にも、肌の悩みに応じて他の薬剤を組み合わせて注入することが可能なクリニックもあります。
    • 使用する薬剤の種類や量によっても費用は変動します。
  • その他の費用
    • 別途、初診料や再診料、麻酔費用、アフターケアのための薬剤費用などがかかる場合もあります。
    • 事前にトータル費用について確認することが重要です。

【費用の支払い方法】

自由診療のため、一括払いの他に、医療ローンやクレジットカードの分割払いなど、様々な支払い方法が選択できるクリニックが多いです。ご自身の経済状況に合わせて、無理のない支払い計画を立てることが大切です。

当院では、カウンセリング時に患者さんの肌の状態や改善目標を詳しくお伺いし、最適な治療プランとそれに伴う費用について、明確に提示させていただきます。費用に関するご不安な点やご質問がありましたら、遠慮なくご相談ください。透明性のある料金体系で、患者さんが安心して治療を受けられるよう努めています。

キュアジェットに関するQ&A

Q. キュアジェットはどのような肌の悩みにおすすめですか? A. キュアジェットは、クレーター状のニキビ跡、開き毛穴、小じわ、肌のハリや弾力不足といった幅広い肌の悩みに対応できます。特に、従来の針を使う治療に抵抗がある方や、ダウンタイムを最小限に抑えたい方に適しています。注入する薬剤の種類によって、期待できる効果も異なりますので、まずはご自身の肌の悩みをカウンセリングでご相談ください。

【当院からのお知らせ】 肌の悩みは、見た目だけでなく、心の状態にも大きく影響します。ニキビ跡や毛穴の悩みでお一人で抱え込まず、ぜひ一度当院にご相談ください。形成外科専門医、美容外科専門医(JSAPS)としての豊富な知識と経験に基づき、患者さんの肌質やライフスタイルに合わせた最適なキュアジェット治療プランをご提案いたします。当院では、丁寧なカウンセリングを通じて、治療への不安を解消し、安心して美肌を目指せるようサポートさせていただきます。理想の肌を手に入れて、自信に満ちた毎日を送るための一歩を、私たちと一緒に踏み出しましょう。

まとめ

今回は、針を使わずに肌の奥深くまで薬剤を届ける、画期的な美容医療「キュアジェット」について詳しくご紹介しました。 キュアジェットは、痛みに敏感な方やダウンタイムが気になる方でも、安心してニキビ跡や開き毛穴といった肌悩みの改善を目指せる点が大きな特徴です。電磁力による高速ジェット噴射で、ジュベルックなどの薬剤を真皮層に均一に届け、ご自身のコラーゲン生成を促すことで、根本的な肌質改善を期待できます。

肌の悩みは、自信を揺るがすデリケートな問題です。もし「キュアジェットに興味があるけれど、自分に合うか不安」「もっと詳しく知りたい」と感じたら、ぜひ一度、形成外科専門医にご相談ください。あなたの肌に最適な治療プランを一緒に見つけ、理想の美肌への一歩を踏み出しましょう。

参考文献

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