顔の傷跡を「自力」で治す限界は?早くきれいに消すための美容医療と最新ホームケア
鏡を見るたびに気になる、顔の傷跡。「一日も早くきれいにしたい」と願い、市販薬を試したり、インターネットで調べた方法を実践したりしていませんか。しかし、良かれと思って続けているそのセルフケアが、実は傷跡を悪化させる原因になっているかもしれません。
傷跡が残るかどうかは、皮膚のどの深さまで傷が達したかと、怪我をした直後の初期対応で大きく左右されます。この記事では「創傷治癒のプロ」である形成外科専門医が、自力でできるケアの限界と、レーザーやダーマペンといった最新の美容医療について徹底解説。
諦めていた古い傷跡も、もう一人で悩む必要はありません。
顔の傷跡|自力で早く治すセルフケアと市販薬の選び方
顔にできてしまった傷は、鏡を見るたびに気持ちが沈み、一日も早くきれいに治したいと願うのは当然のことです。形成外科・美容外科の専門医として日々多くの患者様と接する中で、そのお悩みの深さを痛感しております。
実は、傷跡が残るかどうかは、怪我をした直後の対応と、その後のケアに大きく左右されます。正しい知識を持ってセルフケアを行うことで、傷跡を最小限に抑えることは可能です。しかし、自己判断でのケアには限界があるのも事実です。
この記事では、ご自身でできる効果的なセルフケアの方法と、注意すべき点、そして市販薬の選び方について、専門医の立場から詳しく解説します。

傷跡の種類別に見る正しい初期対応(切り傷・擦り傷・やけど)
顔に傷ができたとき、まず行うべき初期対応は、傷の種類によって少しずつ異なります。しかし、どのような傷でも基本は「洗浄」「止血」「保護」の3ステップです。この初期対応が、後の傷跡を大きく左右します。
切り傷・擦り傷
- 洗浄: まずは慌てずに、流水(水道水で十分です)で傷口の汚れや砂、異物を優しく、しかし十分に洗い流してください。石鹸を使っても良いですが、傷口にしみて痛む場合は無理に使う必要はありません。
- 止血: 清潔なガーゼやハンカチで傷口を直接5分ほど圧迫し、血を止めます。ほとんどの傷はこれで止血できますが、それでも出血が止まらない場合は医療機関を受診しましょう。
- 保護: 傷口を乾燥させないよう、後述する湿潤療法が可能な絆創膏などで保護します。消毒液は正常な皮膚の細胞も傷つけてしまう可能性があるため、基本的には不要です。
やけど
- 冷却: やけどをしたら、何よりもまず流水で15〜30分ほど、やけどした部分をしっかりと冷やし続けてください。これにより、熱によるダメージが皮膚の奥深くに広がるのを防ぎ、痛みを和らげる効果があります。
- 保護: 水ぶくれは、皮膚を保護する役割があるため、なるべく潰さないようにしましょう。細菌感染の原因になります。水ぶくれが破れてしまった場合は、清潔なガーゼで優しく覆い、早めに医療機関を受診してください。
傷跡が残るかどうかは、皮膚のどの深さまで傷が達したかによります。皮膚は表面から「表皮」「真皮」という層で構成されています。厚さ0.2mmほどの「表皮」だけの浅い傷であれば、約2週間以内に治癒し、跡形もなく治ることがほとんどです。
しかし、その下にあるコラーゲン線維でできた「真皮」にまで達する深い傷は、残念ながら何らかの跡が残りやすくなります。
早くきれいに治す鍵「湿潤療法」の正しいやり方と注意点
傷を早くきれいに治すためには、「湿潤療法(モイストヒーリング)」という考え方が非常に重要です。これは、傷を消毒して乾燥させる従来の方法とは異なり、傷口から出る滲出液(しんしゅつえき)を適切に保ち、潤った環境で治す方法です。
【湿潤療法のメカニズム】
傷口から出る透明な滲出液には、皮膚の細胞を増やし、傷の治りを促すための成分(成長因子)がたくさん含まれています。湿潤療法は、この天然の治療薬ともいえる滲出液を乾燥させずに活用することで、皮膚が持つ本来の治癒能力を最大限に引き出す治療法なのです。
近年では、創傷の微小環境(温度、湿度、pHなど)を適切に保つためのヒドロゲルパッチなどの研究も進んでおり、保湿がいかに重要かが科学的にも証明されています。
【湿潤療法の正しい手順】
- 傷口を水道水で丁寧に洗い流します。
- ハイドロコロイド素材などの、湿潤療法専用の絆創膏(被覆材)を、傷口より一回り大きく貼り付けます。
- 絆創膏が滲出液で白く膨らみ、端から漏れてくるようになったら交換のサインです。頻繁に交換する必要はありません。
【注意点:こんな時は医療機関へ】 湿潤療法は万能ではありません。特に、以下のような感染の兆候が見られる場合は自己判断せず、必ず医療機関を受診してください。
- 傷口の周りが赤く腫れ、熱を持っている
- ズキズキとした痛みがどんどん強くなる
- 黄色や緑色の膿が出ている
- 動物に噛まれた傷や、錆びた釘など汚れたものでできた傷
従来は傷の状態を目視で判断していましたが、感染の兆候を見逃すリスクもありました。そのため、近年では創傷治癒の段階をリアルタイムでモニタリングするウェアラブルセンサーの研究も進んでいます。これは、専門家による適切な時期の評価がいかに重要であるかを示しています。
ドラッグストアで買える?傷跡ケア専用クリーム・ジェルの有効成分
傷が完全に閉じた後のケアとして、ドラッグストアで購入できる傷跡ケア専用の製品を使うのも一つの方法です。これらの製品を選ぶ際は、どのような有効成分が含まれているかに注目しましょう。
| 有効成分 | 期待される働き |
|---|---|
| ヘパリン類似物質 | 保湿作用、血行促進作用、抗炎症作用があり、皮膚のターンオーバーを助け、傷跡の柔軟性を高めます。 |
| アラントイン | 傷ついた皮膚組織の修復を促す働きが期待できます。 |
| ビタミンC誘導体 | メラニンの生成を抑え、傷跡の色素沈着(茶色い跡)を防ぐ効果が期待できます。 |
| シリコーンジェル | 傷跡の表面に薄い膜を作り、水分の蒸発を防いで保湿します。また、衣類などの外部刺激からも保護します。 |
これらの市販薬は、あくまで傷跡を目立ちにくくするための補助的な役割です。より高い効果を求める方や、どの製品を選べばよいか分からない方には、医療機関でのケアをおすすめします。
当院では、「プラスリストア」や「ゼオスキンヘルス」といった、医師の診断のもとで使用するドクターズコスメも取り扱っております。専門医が肌の状態を正確に診察した上で、あなたの傷跡に最適な製品をご提案します。
そのケアは逆効果?傷跡が残りやすくなるNG行動
良かれと思って行っているケアが、実は傷跡を悪化させる原因になっていることもあります。きれいな傷跡を目指すために、以下の行動は避けましょう。
【傷跡が残りやすくなるNG🙅行動リスト】
かさぶたを無理に剥がす 🙅♀️

かさぶたは、傷口を守る天然の絆創膏です。無理に剥がすと、治りかけの皮膚まで剥がしてしまい、治癒が遅れたり跡が残りやすくなったりします。自然に剥がれ落ちるのを待ちましょう。
紫外線を浴びる🙅♀️

傷が治ったばかりの皮膚は非常にデリケートで、紫外線の影響を強く受けます。紫外線を浴びると、炎症後色素沈着が起こり、茶色いシミのような跡が残りやすくなります。傷が治った後も、最低3ヶ月は日焼け止めやUVカット機能のあるテープでしっかり保護しましょう。
傷口に強い力をかける🙅♀️
顔の傷は、話したり食事をしたりするだけでも皮膚が常に引っ張られ、力がかかりやすい部位です。傷口が引っ張られると、傷跡が幅広くなったり、赤く盛り上がったり(肥厚性瘢痕)する原因になります。傷が治った後も、医療用テープで固定・保護することが、最終的な仕上がりを良くするために非常に重要です。
自己判断でケアを続ける🙅♀️
傷の状態は日々変化します。少しでも「おかしいな」「治りが遅いな」と感じたら、自己判断を続けずに専門医にご相談ください。専門家による適切な時期の評価(モニタリング)が、きれいな仕上がりには不可欠です。
よくあるご質問(Q&A)
Q. 傷口はマキロンなどで消毒した方が良いですか?
A. 基本的に不要です。水道水での洗浄で十分です。消毒液は、細菌だけでなく、傷を治そうとしている正常な皮膚細胞にもダメージを与えてしまう可能性があります。
Q. 早く治すために、かさぶたは作った方が良いですか?
A. いいえ。かさぶたは傷が乾燥した結果できるもので、治癒を妨げる可能性があります。かさぶたを作らず、潤いを保つ「湿潤療法」の方が、皮膚の再生がスムーズに進み、早くきれいに治りやすいとされています。
セルフケアで対応できるのは、ごく浅い傷に限られます。もし傷が深かったり、正しいケアをしても改善が見られなかったりする場合は、お一人で悩まずにぜひ当院へご相談ください。形成外科・美容外科の専門医として、ダーマペンやポテンツァ、キュアジェットといった新しい治療法も含め、あなたの傷跡の状態に合わせた最適な治療をご提案いたします。
傷跡タイプ別診断|美容皮膚科で受けるべき最適な治療法はこれ
ご自身でいろいろ試しても、顔の傷跡がなかなか消えずに悩んでいませんか。セルフケアには限界があり、間違ったケアはかえって傷跡を目立たせてしまうこともあります。
傷跡の治療は、その見た目や性質によって適切なアプローチが全く異なります。私たち形成外科医は、まさに「創傷治癒のプロフェッショナル」です。傷や傷跡の治療を専門とし、いかにきれいに治すかを追求してきました。
美容皮膚科では、その専門的な知見を活かし、一人ひとりの傷跡の状態を正確に診断します。そして、レーザーや注入治療など数多くの選択肢の中から、あなたに最適な治療法をご提案します。まずはご自身の傷跡がどのタイプかを知ることが、きれいな肌への第一歩です。

赤み・色素沈着が気になる傷跡へのレーザー・光治療
傷が治ったあとも赤みが続いたり、茶色いシミのような跡(炎症後色素沈着)が残ったりすることがあります。これらは、傷の炎症によって毛細血管が増えたり、メラニン色素が過剰に作られたりすることが原因です。
このような「色」の問題には、特定の波長の光を照射するレーザー治療や光治療(IPL)が効果的です。ただし、傷が治ってすぐの敏感な時期にレーザーを当てると、かえって赤みや水ぶくれを悪化させるリスクがあります。治療を開始する適切な時期の見極めが非常に重要です。
レーザー治療
- ロングパルスNd:YAGレーザー 赤みの原因である異常に増殖した毛細血管にダメージを与え、赤みを少しずつ薄くしていきます。
- Qスイッチレーザー

色素沈着の原因であるメラニン色素をピンポイントで破壊し、肌のターンオーバーとともに体外へ排出させます。
光治療(IPL)

ステラM22など 幅広い波長の光をマイルドに照射することで、赤みと色素沈着の両方に同時にアプローチできます。ダウンタイムが短いのが特徴です。
ステラM22の詳しい説明はこちらから!
これらの治療期間中は、紫外線対策が特に重要になります。紫外線を浴びると色素沈着が悪化する可能性があるため、徹底したケアを心がけましょう。
| 治療法 | 主な対象 | 治療開始の目安 | 治療間隔の目安 |
|---|---|---|---|
| ロングパルスNd:YAGレーザー | 赤み | 傷が治って3ヶ月以降 | 2~4週間に1回 |
| Qスイッチレーザー | 色素沈着(茶色い跡) | 傷が治って3ヶ月以降 | 1ヶ月に1回 |
| 光治療(IPL) | 赤み、色素沈着 | 傷が治って1ヶ月以降 | 3~4週間に1回 |
凹凸・クレーター状の傷跡を滑らかにするダーマペン・フラクショナルレーザー
ニキビ跡や水ぼうそうの跡のように、皮膚がへこんでクレーター状になった傷跡は、皮膚の深い部分(真皮層)のコラーゲン線維が壊れ、皮膚が硬く癒着している状態です。
このタイプの傷跡には、皮膚が本来持つ再生能力を引き出し、新しい皮膚への入れ替えを促す治療が適しています。
ダーマペン、ポテンツァ


髪の毛よりも細い針で皮膚に微細な穴をあけ、肌が持つ創傷治癒能力(傷を治そうとする力)を刺激します。これにより、コラーゲンやエラスチンの生成が促され、肌にハリが生まれ、凹凸が滑らかになっていきます。当院では、薬剤を効率的に肌の奥へ届けるポテンツァもご用意しています。
ダーマペンの詳しい説明はこちらでも!
フラクショナルレーザー レーザーを点状に照射し、皮膚に目に見えないほどの小さな穴をあけていきます。古い皮膚組織を破壊し、新しい皮膚の再生を促すことで、肌を内側から入れ替えていく治療です。
キュアジェット

針を使わず、薬剤を音速のジェット噴流で皮下に打ち込む新しい治療法です。線維化した硬い組織を剝離させながら薬剤を浸透させるため、特に凹んだ傷跡の改善が期待できます。
これらの治療は、肌の再生サイクルに合わせて複数回行うことで、徐々に効果を実感できます。
盛り上がった傷跡(肥厚性瘢痕・ケロイド)への注入・切開治療
手術の跡やけがの跡が、ミミズ腫れのように赤く盛り上がってしまうことがあります。これを「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」や「ケロイド」と呼びます。これは、傷を治す過程でコラーゲンが過剰に作られてしまうことが原因です。
注入治療(ステロイド注射) 盛り上がった部分に直接ステロイド剤を注射します。コラーゲンの過剰な生成を抑え、炎症を鎮めることで盛り上がりを平らにしていきます。
内服薬・外用薬 抗アレルギー薬の内服や、ステロイドのテープ・軟膏、保湿剤などを併用し、かゆみや炎症を抑えながら傷跡を落ち着かせます。
外科的治療(瘢痕形成術) 上記の方法で改善が難しい場合や、傷跡がひきつれを起こしている場合には、手術で傷跡を一度切り取り、再度きれいに縫い合わせる方法があります。この際、形成外科専門医は「Z形成術」や「W形成術」といった専門的な技術を駆使します。傷跡が顔のしわの方向に沿うようにデザインし、皮膚にかかる力を分散させることで、できるだけ目立たない傷跡になるよう丁寧に縫合します。これは創傷治癒を熟知した形成外科医だからこそできるアプローチです。
古い傷跡や手術痕も諦めない|複合治療という選択肢
「何年も前の古い傷跡だから」と、治療を諦めていませんか。傷跡は、時間が経過していても改善できる可能性があります。特に、複雑な状態の傷跡には、複数の治療法を組み合わせる「複合治療」が非常に有効です。
例えば、以下のような組み合わせが考えられます。
盛り上がった古い手術痕 まず瘢痕形成術で盛り上がりとひきつれを解消し、その後にレーザー治療で赤みを抑える。
凹凸と色素沈着が混在するニキビ跡 ポテンツァで肌の凹凸を滑らかにしながら、光治療(IPL)で色素沈着を改善する。
クリニックでの治療効果を最大限に引き出すためには、ご自宅でのスキンケアも重要です。当院では、肌の再生をサポートする「プラスリストア」や、肌質を根本から改善するプログラム「ゼオスキンヘルス」といったドクターズコスメも取り扱っております。専門医があなたの肌状態に合わせて最適な製品をご提案します。
よくあるご質問(Q&A)
Q. 傷跡の治療は痛いですか?
A. 治療の種類によりますが、麻酔クリームや局所麻酔を用いることで、痛みは最小限に抑えることが可能です。痛みに不安がある方は、カウンセリングの際に遠慮なくご相談ください。
Q. 治療後、すぐにメイクはできますか?
A. 光治療のようにダウンタイムの短いものでは当日から可能な場合もあります。しかし、ダーマペンやフラクショナルレーザーなど、肌に微細な穴をあける治療では、数日間メイクを控えていただく必要があります。詳細は治療前に詳しくご説明します。
顔の傷跡は、見た目の問題だけでなく、心の負担にもなり得ます。形成外科・美容外科の専門医として、医学的根拠に基づき、あなたの傷跡に最も適した精密な治療プランを一緒に考えさせていただきます。まずは一度、お気軽にカウンセリングにお越しください。
後悔しないクリニック選び|顔の傷跡治療の費用・期間・ダウンタイムの全て
顔の傷跡をきれいに治したいと考えたとき、多くの疑問や不安が浮かぶことでしょう。治療にはいくらかかるのか、何回通う必要があるのか、治療後の生活に影響はないかなど、気になる点は尽きないはずです。
大切な顔のことだからこそ、全ての情報を理解し、納得して治療に臨むことが重要です。ここでは、形成外科専門医の視点から、傷跡治療にかかる費用や期間、ダウンタイム、そして自分に合ったクリニックの選び方までを具体的にお話しします。

顔の傷跡治療にかかる費用相場と保険適用の条件
顔の傷跡治療を考えるうえで、まず気になるのが費用です。治療費は、保険が適用される「保険診療」か、適用されない「自由診療」かによって大きく変わります。
【保険診療が適用される条件】 保険が適用されるのは、傷跡によって日常生活に支障が出ている「機能的な問題」を改善する場合です。見た目の改善だけが目的の場合は、保険適用にはなりません。
- 瘢痕拘縮(はんこんこうしゅく) やけどやケガの跡がひきつれて、まぶたが閉じにくい、口が開きにくいといった状態。
- ケロイド・肥厚性瘢痕 盛り上がりが大きく、強い痛みやかゆみを伴う場合の一部治療(ステロイド注射や内服薬、手術など)。
【自由診療(自費)になる治療】 一方、傷跡の赤みや色素沈着、凹凸など、見た目をよりきれいにすることを目的とした治療は自由診療となります。美容皮膚科で行われる治療の多くは、こちらに分類されます。
| 治療法 | 費用相場(1回あたり) | 主な目的・特徴 |
|---|---|---|
| レーザー・光治療 | 10,000円~50,000円(範囲による) | 赤みや色素沈着を改善します。複数回の治療が必要です。 |
| ダーマペン/ポテンツァ | 30,000円~100,000円 | 肌の再生能力を利用し、凹凸や質感の改善を目指します。 |
| キュアジェット | 50,000円~ | 薬剤のジェット噴流で硬い組織を剝離し、凹みを改善します。 |
| 瘢痕形成術(手術) | 100,000円~(傷跡の長さによる) | 傷跡を切り取り、形成外科の技術で丁寧に縫い直します。 |
※上記はあくまで目安です。クリニックや傷跡の状態によって費用は異なります。カウンセリングで詳細な見積もりを必ず確認しましょう。
治療期間と通院回数の目安はどれくらい?
傷跡治療は、残念ながら1回で劇的に改善することは稀で、根気強く続ける必要があります。傷跡の状態や治療法によって、必要な期間と回数は大きく異なります。
| 治療法 | 通院頻度の目安 | 治療回数の目安 | 治療期間の目安 |
|---|---|---|---|
| フラクショナルレーザー | 6~8週間に1回 | 5回以上 | 1年以上 |
| 赤みに対するレーザー | 2~4週間に1回 | 10回以上 | 半年~1年 |
| ダーマペン/ポテンツァ | 4~6週間に1回 | 5回以上 | 半年~1年 |
なぜこれほど時間がかかるのかというと、肌が生まれ変わるサイクルに合わせて、少しずつ治療を進める必要があるからです。
治療効果を最大限に引き出すためには、医師による定期的な診察、つまり「モニタリング」が欠かせません。従来は傷の状態を目で見て判断していましたが、近年では創傷治癒の段階をより客観的に評価する研究も進んでいます。専門家が治療による変化を的確に評価し、その都度治療計画を微調整していくことが、最終的な仕上がりを大きく左右するのです。
治療後のダウンタイム|赤みや腫れが引くまでの経過
治療を受けた後、肌が元の状態に戻るまでの期間を「ダウンタイム」と呼びます。治療法によって症状や期間は異なりますが、事前に知っておくことで安心して治療に臨めます。
【治療法別の主な症状と期間の目安】
- レーザー・光治療 治療直後にヒリヒリ感や赤みが出ますが、数時間~数日で落ち着きます。小さなかさぶたができることもあります。
- ダーマペン/ポテンツァ 顔全体の赤みや点状の内出血が1~3日ほど続きます。メイクは翌日から可能な場合が多いです。
- 切開手術(瘢痕形成術) 抜糸までに約1週間かかります。腫れや内出血は2週間ほどで徐々に落ち着いていきます。
ダウンタイム中の過ごし方で、治療の仕上がりが変わると言っても過言ではありません。特に以下の3点は必ず守るようにしてください。
- 徹底した保湿 治療後の肌は非常にデリケートで乾燥しやすいため、低刺激の保湿剤でしっかり潤いを与えましょう。当院では、医師の診断のもとで使用する「プラスリストア」や「ゼオスキンヘルス」といったドクターズコスメもご案内しており、治療後の敏感な肌をサポートします。
- 紫外線対策 治療後の肌は紫外線の影響を強く受け、色素沈着を起こしやすい状態です。日焼け止めはもちろん、帽子や日傘なども活用し、紫外線を徹底的にブロックしてください。
- 刺激を避ける 治療部位を無意識に擦ったり、掻いたりするのは絶対に避けてください。洗顔やスキンケアの際も、優しく触れるように心がけましょう。
美容皮膚科と形成外科どちらを選ぶべきか?専門医の見分け方
「顔の傷跡は、美容皮膚科と形成外科のどちらに行けばいいの?」これは多くの方が悩むポイントです。それぞれの専門分野を理解し、ご自身の傷跡に合った科を選ぶことが大切です。
形成外科 形成外科は、体の表面の見た目と機能の両方を正常に近づける「創傷治癒のプロフェッショナル」です。ケガや手術後の傷跡、やけど、生まれつきの変形など、幅広い領域を扱います。特に、傷跡のひきつれや向きを修正する「Z形成術」や「W形成術」といった専門的な手術手技を駆使し、傷跡をできるだけ目立たなくする技術に長けています。機能的な問題が関わる複雑な傷跡や、手術による根本的な修正を希望する場合は、形成外科が適しています。
美容皮膚科 美容皮膚科は、レーザーや光治療、ダーマペン、ポテンツァといった医療機器を用いて、肌質そのものを改善することを得意としています。傷跡の赤みや色素沈着、浅い凹凸など、メスを使わずに見た目を改善したい場合に豊富な選択肢を提案できます。
信頼できる医師を選ぶためには、以下の資格がひとつの目安になります。
- 日本形成外科学会 形成外科専門医
- 日本美容外科学会(JSAPS)専門医

理想的なのは、形成外科専門医が在籍し、手術から美容皮膚科的な治療(レーザー、ダーマペン、ポテンツァ、キュアジェットなど)まで、幅広い選択肢の中から最適な治療法を提案できるクリニックです。
よくあるご質問(Q&A)
Q. 何年も前の古い傷跡でも治療できますか?
A. はい、可能です。古い傷跡であっても、現在の状態に合わせてレーザー治療やダーマペン、手術(瘢痕形成術)など、様々な治療法をご提案できます。諦めずに一度ご相談ください。
Q. 治療の痛みはどのくらいですか?
A. 治療内容によりますが、多くの治療で麻酔クリームや局所麻酔を使用し、痛みを最小限に抑える工夫をしています。痛みが心配な方もご安心ください。
顔の傷跡は、ご自身で判断するよりも、まずは専門医に診てもらうことが解決への第一歩です。当院では、形成外科専門医がカウンセリングから担当し、お一人おひとりの傷跡の状態とご希望に合わせて、最適な治療プランを一緒に考えていきます。どうぞお一人で悩まず、お気軽にご相談ください。
まとめ
今回は、顔の傷跡を自力で治す方法から、美容医療による専門的な治療まで詳しく解説しました。
正しい初期対応やセルフケアは非常に重要ですが、残念ながらご自身でできるケアには限界があり、自己判断はかえって傷跡を目立たせるリスクも伴います。大切なのは、諦めずにまず「創傷治癒のプロ」である専門医へ相談することです。
現在の美容医療では、レーザーやダーマペン、手術など、あなたの傷跡のタイプや状態に合わせた様々な治療法があります。何年も前の古い傷跡だと諦めていた方も、きっと改善への道が見つかるはずです。一人で悩まず、まずはカウンセリングであなたのお悩みをお聞かせください。
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参考文献
- Czopinska J, Zaras I, Jarczewska M. “Wearable (bio)sensors for wound healing monitoring: recent achievements, challenges, and future directions.” Bioelectrochemistry 169, no. (2026): 109204.
- Luo J, Song L, Yan X, Ma X, Gao J, Luo Y, Yang G. “Application of ultrasound and ultrasound-responsive materials in wounds: A systematic review.” International journal of pharmaceutics: X 11, no. (2026): 100485.
- Tan J, Dong R, Zhang R, Liao X, Xue H. “Current trend on preparation, properties, and wound healing applications of polysaccharide-based hydrogel patches: A review.” Carbohydrate polymers 377, no. (2026): 12486