【医師監修】老人性血管腫とは?写真と図解で見る原因と対処法

肌にできた赤い点やポツポツとしたできものを見て、「これは何だろう」と不安に感じていませんか。老人性血管腫は20代から現れることもあり、放置してよいのか、悪性ではないかと心配になる方も少なくありません。
この記事では医師監修のもと、老人性血管腫の見た目の特徴や原因、がん化のリスクを詳しく解説します。また、レーザーや凍結療法といった治療法の選択肢、保険適用の条件や費用についても紹介します。
ご自身のできものについて正しく理解し、皮膚科を受診すべきか、治療するならどの方法が合うのか判断できるようになります。気になる症状への不安が解消され、今取るべき次の一歩が見えてくるはずです。
まずはセルフチェック 老人性血管腫の見た目と特徴
老人性血管腫は、皮膚の浅い層にできる良性の血管腫瘍です。その正体は、新しく作られた毛細血管の集まりで、組織学的には「真の毛細血管血管腫」に分類されます※。
見た目がサクランボ(チェリー)のように鮮やかな赤色をしていることから「桜状血管腫(チェリー血管腫)」とも呼ばれ、痛みやかゆみといった自覚症状はほとんどありません。
主な見た目の特徴は、以下のとおりです。
- 色: 鮮やかな赤色〜少し暗い紫色
- 大きさ: 直径1mmほどの小さな点から、大きいものでは5mm程度のドーム状に盛り上がります※。
- 形・表面: 平らなシミ状から半球状に盛り上がったものまであり、表面には光沢が見られることがあります。
- 場所: 主に胸・お腹・背中・腕など体幹に多く見られます。一方で、手足の先や顔には比較的できにくいとされています※。
19世紀の外科医の名前にちなんで「キャンベル・デ・モーガン斑」と呼ばれることもありますが、いずれも同じものを指しています※。
【写真で比較】ほくろや他の皮膚のできものとの違い
老人性血管腫とほくろは見た目が似ていることがありますが、その成り立ちは全く異なります。老人性血管腫が毛細血管の増殖によってできる「赤いできもの」であるのに対し、一般的なほくろはメラニン色素を作る細胞(メラノサイト)が集まってできた「茶色や黒いできもの」です。
しかし、中には悪性の皮膚がんなど、注意が必要なできものも存在します。以下の比較表をセルフチェックの参考にしてください。
| 老人性血管腫 | 一般的なほくろ | 注意すべき皮膚がんの可能性 | |
|---|---|---|---|
| 色 | ・鮮やかな赤色〜紫色 | ・茶色〜黒色 | ・形が左右非対称 ・色の濃淡がまだら ・急に色が変わる |
| 原因 | ・毛細血管の増殖 | ・メラニン色素の集まり | – |
| 特徴 | ・押すと色が薄くなることがある ・基本的に変化はゆっくり | ・通常、大きな変化はない | ・急に大きくなる ・出血しやすい ・じくじくする |
特に、形がいびつであったり、色に濃淡があったり、急に大きくなったり、出血を繰り返したりする場合は、悪性黒色腫(メラノーマ)や基底細胞癌といった皮膚がんの可能性も考えられます。
また、急に大きくなる赤いできものには、化膿性肉芽腫(けがなどをきっかけにできる良性腫瘍)などもあります。
これらの病気と正確に見分けるためには、ダーモスコピー(特殊な拡大鏡)による専門的な診察が不可欠です。自己判断で様子を見るのではなく、少しでも気になる点があれば皮膚科を受診するようにしましょう。
赤い点?それとも膨らみがある?症状の進行パターン
老人性血管腫は、はじめは小さな赤い点として現れ、年齢を重ねるにつれて数が増えたり、少しずつ盛り上がってきたりするのが一般的な進行パターンです。
年代による変化の目安を下記に整理します。
20代〜30代(初期)
- 皮膚に1mmに満たないような、平坦で小さな赤い点がポツンと現れることがあります。
- この段階ではまだ目立たず、数も少ないことがほとんどです。
40代〜50代(中期)
- 加齢とともに少しずつ数が増え、大きさも1mm以上に成長してきます。
- 中には、わずかに盛り上がり始めるものも見られます※。
60代以降(後期)
- 胸やお腹、背中などを中心に多発し、数が増える傾向があります。
- 直径5mmほどの大きさになり、ドーム状にぷっくりと盛り上がったものが目立つようになります※。
このように、症状の進行は非常にゆっくりで、痛みやかゆみを伴うことは通常ありません。しかし、「数が増えてきて気になる」「他の病気ではないか心配」といった場合は、自己判断せずに専門の医療機関へ相談しましょう。
放置しても大丈夫?自然に消える?がん化のリスクを解説
老人性血管腫は良性のできものなので、がん化する心配はほとんどありません。しかし、自然に消えることはなく、放置すると出血などのリスクを伴う場合があります。まれに体の不調を示すサインの可能性もあるため、正しい知識を持っておくことが大切です。
基本的には良性腫瘍 放置する際のリスク
老人性血管腫は良性の血管腫瘍であり、それ自体が命に別状をきたすことはありません。痛みやかゆみといった症状も通常ないため、見た目が気にならなければ放置しても問題ないとされています。
ただし、放置することには以下のようなリスクも考えられます。
- 出血 皮膚の浅い層に毛細血管が集まってできているため、洋服や下着でこすれるといった、ささいな刺激で傷つき出血することがあります。
- 心理的ストレス 数が増えたり、顔や首など人目に付きやすい場所にできたりすると、見た目が気になってしまうケースも少なくありません。
がん化のリスクについては、老人性血管腫そのものが悪性化するという明確な医学的証拠は、現在のところ見つかっていません。
かつては単なる加齢による変化とみなされていましたが、近年の研究では、特定の薬剤の使用や体の免疫状態、他の病気との関連も指摘され始めています※。19世紀には悪性腫瘍との関連が疑われたこともありましたが、長い間その関係性は否定されてきました。しかし、最近になって再びその臨床的な意味合いに関心が集まっています※。
自然治癒の可能性と注意すべき変化のサイン
一度できてしまった老人性血管腫が自然に消えることは、残念ながらほとんどありません。増殖してしまった毛細血管が、自然にもとに戻ることはないためです。
ご自身で潰したり、市販の薬で取ろうとしたりすると、細菌感染を招いたり、かえって目立つ傷跡が残ったりする恐れがあるため、避けてください。
基本的には心配のないできものですが、もし次のような変化が見られた場合は、別の病気の可能性も考えられるため注意が必要です。
【受診をおすすめする変化のサイン】
- 急に大きくなってきた
- 形が左右非対称で、輪郭がギザギザしている
- 色が均一ではなく、濃淡のむらがある
- じくじくしたり、かさぶたができたりを繰り返す
- 痛みやかゆみがある
これらのサインは、悪性黒色腫(メラノーマ)といった皮膚がんとの見分けが必要になることがあります。
また、ごくまれですが、短期間でたくさんの老人性血管腫が現れた場合、体の内側に隠れた病気のサインである可能性も報告されています※。
少しでも気になる変化に気づいた場合は、自己判断で様子を見ずに皮膚科を受診し、専門医の診断を受けるようにしましょう。
老人性血管腫ができる原因は?
老人性血管腫ができる直接的な原因は、加齢と長年の紫外線ダメージが最も大きいと考えられています。これに遺伝的な体質や特定の薬剤、生活習慣などが加わり、複合的に発生するものです。
「老人性」という名前から高齢者特有のものと思われがちですが、実際には30代頃から現れ始め、20代で見られることもあります。加齢とともに数が増えていくのが一般的な特徴です※。
加齢と紫外線が主な原因
老人性血管腫は、長年の紫外線ダメージが蓄積した皮膚に、加齢という変化が加わることで発生すると考えられています。
私たちの皮膚は、紫外線を浴び続けると、皮膚の浅い層(真皮)にある毛細血管やその周りの組織がダメージを受けます。このダメージの蓄積が、血管の構造を変化させ、部分的に異常な増殖を引き起こすきっかけになると推測されているのです。
そして年齢を重ねると、皮膚そのものの機能が変化し、こうした異常な血管が修復されにくくなるため、血管腫として目に見える形になるといえます。
実際に、老人性血管腫がよく見られる場所は、紫外線にさらされやすい部位と一致します。
【老人性血管腫ができやすい場所】
- 顔
- 首や胸元(デコルテ)
- 腕
- 背中
海外の報告でも、主に体幹(胸やお腹、背中)や腕に多く見られるとされています※。
遺伝や体質も関係する?
はい、遺伝的な要因や個人の体質も、老人性血管腫のできやすさに深く関わっています。
ご家族に老人性血管腫が多い方は、ご自身にもできやすい傾向があります。近年の研究では、血管が作られる際のスイッチ役となる特定の遺伝子(GNAQ/GNA11遺伝子など)に変化が起こることが、原因の一つとして報告されています。これは、本来は必要ない場面で「血管を作れ」という指令が出しっぱなしになるようなイメージです。
遺伝以外にも、以下のような要因が影響しあっていると考えられています。
- 薬剤の影響 海外の研究では、一部の薬が発症に関与する可能性が指摘されています。例えば、前立腺肥大症の治療薬(タムスロシン)を服用していると、発生リスクが高まるという報告があります※。
- ホルモンバランス 妊娠をきっかけに数が増えたり、色が濃くなったりするケースが見られます。
- 物理的な刺激 下着による締め付けや衣類のこすれなど、同じ場所へ慢性的に刺激が加わることも一因となる可能性があります。
つまり、老人性血管腫は「加齢と紫外線」という土台の上に、一人ひとりの遺伝的な背景や服用中の薬、生活習慣といった、さまざまな要因が積み重なって現れる皮膚の変化といえるでしょう。
老人性血管腫の治療法を徹底比較
老人性血管腫の治療法は、レーザーや凍結療法、電気メスなど複数の選択肢があり、現時点では「これが一番」という確立された標準治療はまだありません※。
そのため、どの方法を選ぶかは、血管腫の大きさや数、できた場所、そしてご自身が何を優先したいか(傷跡、費用、回数など)によって変わります。
それぞれの治療法の長所と短所を理解した上で、医師と相談しながらご自身に合った最適な方法を見つけていきましょう。

レーザー治療(Vビーム・YAGレーザーなど)
レーザー治療は、血管腫の「赤色」にだけ反応する特殊な光を当て、原因となっている毛細血管に選択的に働きかける方法です。
周囲の正常な皮膚組織へのダメージを最小限に抑えながら治療できるため、傷跡が残りにくいのが最大の長所といえます。特に顔や首など、人目に付きやすい場所の治療に向いています。
代表的なレーザーの種類と特徴を下記に整理します。
| レーザーの種類 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| Vビーム (色素レーザー) | ・血管内の赤い色素(ヘモグロビン)によく吸収される波長を使用 ・血管腫を熱で固めて縮小させる ・他の方法に比べて治療時の痛みが少ない傾向がある※ | ・肌の色が濃い方は、色素変化のリスクがある※ |
| YAGレーザー | ・皮膚のより深い層までレーザー光が届く ・肌の色が濃い方でも、治療後の色素沈着が起こりにくいとされている※ | – |
治療は一般的に自由診療(保険適用外)となります。照射後は一時的に内出血のような紫色の斑点や赤みが出ることがありますが、通常1~2週間ほどで自然に消えていきます。
液体窒素による凍結療法
凍結療法は、マイナス196℃という超低温の液体窒素を綿棒などで血管腫に直接当て、組織を凍らせて壊死させる治療法です。
施術時間が短く手軽に行えるため、多くのクリニックで採用されています。治療後は1~2週間でかさぶたになり、それが剥がれ落ちることで血管腫が取れます。
ただし、メリットとデメリットの両方を理解しておく必要があります。
- メリット
- 施術が簡単で、短時間で済む
- レーザー治療などに比べて費用を抑えられる場合が多い
- デメリット
- 治療後に色素沈着(シミ)や色素脱失(色が白く抜ける)が起こる可能性がある
- 周囲の健康な皮膚にも影響が及ぶことがあり、レーザーに比べて傷跡が残るリスクがやや高まる
- 凍らせる際にピリピリとした痛みを伴うことがある
どの治療法が他の方法よりも明確に優れているというわけではなく、凍結療法も有効な選択肢の一つとされています※。
電気メス(電気凝固)や外科的切除
電気メスや外科的切除は、特にドーム状に盛り上がっている大きな血管腫や、他の病気の可能性を完全には否定できない場合に選択されることがある治療法です。
電気メス(電気凝固) 高周波の電気メスを使い、血管腫の組織を熱で焼き固めて取り除く方法です。主に、ぷっくりと盛り上がったタイプに用いられます。
外科的切除 局所麻酔の後、メスで血管腫の周囲をくり抜くように切除し、皮膚を縫い合わせます。物理的に取り除くため、確実性の高い方法といえます。ただし、他の治療法と違い、必ず線状の傷跡が残ります。
良性の皮膚腫瘍の治療では外科的切除が基本となることもありますが、すでに老人性血管腫と診断が確定している場合は、傷跡の残りにくいレーザー治療などが優先されるのが一般的です※。
外科的切除の最大のメリットは、切除した組織を病理検査に提出できる点にあります。これにより、良性であることを最終的に確定診断できるのです※。
治療にかかる費用と保険適用の条件
老人性血管腫の治療費用は、保険が使えるかどうかで大きく変わります。見た目の改善を目的とする場合は自由診療(自費)ですが、出血を繰り返すなど生活に支障がある際は、保険診療の対象になる可能性があります。
ご自身の症状がどちらに該当するのか、まずは基本的な考え方を知っておきましょう。
保険が適用されるケースと適用されないケース
原則として、老人性血管腫の治療は見た目の改善を目的とする「美容医療」にあたるため、健康保険は適用されず自由診療(自費)となります。顔や首など、人目につきやすい場所の赤い点を消したいといったご希望は、病気の治療とはみなされないためです。
しかし、以下のように日常生活に支障をきたしている場合は、「機能的な問題の改善」と判断され、保険が適用される可能性があります。
【保険適用となる可能性があるケース】
- 出血を繰り返す: 衣服のこすれなどで頻繁に出血してしまう
- 痛みや炎症がある: 何かに引っかけてしまい、痛んだり腫れたりする
- 悪性の疑いがある: 急に大きくなるなど、皮膚がんとの区別をつけるための検査や治療が必要な場合
良性の皮膚腫瘍であっても、正確な診断に基づいて治療方針を立てることが治療管理の基本です※。最終的に保険が適用されるかどうかは、医師の診察による判断が必要になるため、まずは医療機関でご相談ください。
自由診療における治療法ごとの費用相場
自由診療で治療する場合、費用は血管腫の大きさや数、治療法、そしてクリニックによって変わりますが、1個あたり数千円〜1万5,000円程度が目安です。
老人性血管腫には、現時点で「これが一番」という確立された標準治療法はなく、レーザーや凍結療法など、有効性が報告されている複数の選択肢の中から選ぶことになります※。どの治療法が他より明確に優れているというわけではないため、それぞれの長所・短所を理解し、医師と相談して決めることが重要です※。
主な治療法ごとの費用相場と特徴は、以下の表を参考にしてください。
| 治療法 | 費用相場(1個あたり) | 特徴 |
|---|---|---|
| レーザー治療 | 5,000円~15,000円 | ・傷跡が残りにくく、仕上がりがきれいな傾向がある ・痛みが少ない種類のレーザーも選択肢となる※ |
| 液体窒素による凍結療法 | 2,000円~5,000円 | ・施術が比較的簡単で、費用を抑えられる場合が多い ・治療後に色素沈着(シミ)が残る可能性がある |
| 電気メス(電気凝固) | 5,000円~10,000円 | ・ドーム状に盛り上がったタイプに適している ・レーザーに比べて痛みを伴いやすい傾向がある※ |
上記はあくまで目安の金額です。この他に初診料や再診料、麻酔を使用する場合はその費用などが別途かかります。
正確な総額については、治療を受ける前にクリニックへ直接ご確認ください。
何科を受診すべき?皮膚科・形成外科・美容皮膚科の選び方
老人性血管腫が疑われる場合、まずは「この赤いできものが何か」を正確に突き止めるため、皮膚科を受診することが基本です。
良性のできものと、ごくまれに存在する悪性の皮膚病変とを正確に見分けることが、治療の第一歩として何よりも重要だからです。その診断精度を上げるためには、ダーモスコピー(特殊な拡大鏡)での観察や、必要に応じた皮膚生検(組織を一部採って調べる検査)が欠かせません※。
ご自身の目的や希望に合わせて、どの診療科が適しているか、以下の表を参考にしてください。
| 診療科 | 主な役割・目的 | こんな方におすすめ |
|---|---|---|
| 皮膚科 | 【診断の専門家】 ・皮膚疾患全般の診断と治療 ・ダーモスコピーなどを用いた正確な鑑別診断 | ・この赤い点が何か、まず正確に知りたい ・悪性の病気ではないかと不安に感じている ・最初の相談先として、どこに行けばいいか迷っている |
| 形成外科 | 【傷跡治療の専門家】 ・傷跡をできるだけ目立たなくする手術 ・機能的、整容的な観点を重視した治療 | ・顔や首など、見た目が特に気になる場所を治療したい ・ドーム状に大きく盛り上がったものを切除したい |
| 美容皮膚科 | 【美容医療の専門家】 ・美容的な仕上がりを最優先した治療 ・レーザーなどを用いた傷跡の残りにくい治療 | ・とにかく傷跡を残さず、きれいに消したい ・自由診療(自費)でも、より美しい仕上がりを求めたい |
どの科を選ぶ場合でも、できものの性質を正確に分類し、一人ひとりの患者さんにとって最良の治療法を提案できる専門医に相談することが、納得のいく結果につながります※。
もしどこを受診すべきか迷った際は、まず皮膚科で相談し、診断を確定させた上で、必要に応じて形成外科や美容皮膚科を紹介してもらうのが最もスムーズで確実な流れといえるでしょう。
治療後の経過と傷跡、アフターケアの方法
老人性血管腫の治療後の経過は選択した治療法によって異なりますが、適切なアフターケアが、傷跡を残さずきれいに治すための鍵となります。
治療後の肌には、一時的に赤みや軽い腫れ、内出血のような紫色の跡(紫斑)が現れることがあります。特にVビーム(色素レーザー)など、血管の赤色に反応する治療では、この紫斑が見られることが少なくありません。これはレーザーが血管にしっかり反応した証拠ともいえ、通常は1〜2週間ほどで自然に吸収され、薄くなっていきます。
そもそも、治療後のきれいな仕上がりは、治療そのものだけでなく、治療前の「正確な診断」と「ご自身の血管腫に合った治療法の選択」に大きく左右されるといえます※。
治療の効果を最大限に引き出し、美しい肌状態を取り戻すために、ご自宅では以下の3つのケアを徹底しましょう。
紫外線対策を徹底する 治療後のデリケートな肌は、紫外線を浴びると防御反応としてメラニンが過剰に作られやすく、シミのような茶色い跡(炎症後色素沈着)が残りやすいためです。外出時はもちろん、室内でも日焼け止めを必ず塗り、帽子や日傘も活用してください。肌の色によっては、レーザー治療後に色素の変化が起こるリスクも指摘されており、紫外線対策は特に重要です※。
摩擦や刺激を避ける かさぶたができた場合、それは下で新しい皮膚が作られているのを守る「自然の絆創膏」です。無理に剥がすと皮膚の再生が妨げられ、跡が残る原因になります。洗顔や入浴の際も、治療部位をゴシゴシこすらず、優しくなでるように洗いましょう。
保湿を欠かさない クリニックから処方された軟膏や、低刺激性の保湿剤で肌の潤いを保ちましょう。保湿によって皮膚のバリア機能を正常に保つことで、外部の刺激から肌を守り、ターンオーバー(肌の生まれ変わり)をスムーズに促します。
万が一、治療後に強い痛みや赤みが続いたり、水ぶくれができたりした場合は、自己判断で対処しないでください。特に水ぶくれは、放置すると傷跡が残るリスクを高めるサインの可能性があるため、速やかに治療を受けたクリニックへ相談しましょう。
これ以上増やさないための予防と生活習慣
老人性血管腫は加齢や遺伝的な体質も関わるため、その発生を完全に防ぐことはできません。しかし、原因とされるリスクを日常生活から減らすことで、新たな発生を抑え、数を増やさないようにすることは可能です。
予防の柱となるのは、紫外線対策と物理的な刺激を避けることです。
紫外線対策を徹底する 主な原因である紫外線ダメージの蓄積を避けることが、最も効果的な予防策といえます。外出時は季節を問わず日焼け止めを塗り、帽子や長袖の衣服で肌を守りましょう。
肌への摩擦を避ける 下着による締め付けや、体を洗う際のナイロンタオルでのこすり洗いなど、慢性的な物理的刺激も血管腫を誘発する一因と考えられています。
そして、これらの予防と同じくらい重要なのが、ご自身の皮膚を定期的に観察する習慣です。
老人性血管腫のほとんどは心配のない良性の皮膚腫瘍ですが、ごくまれに、悪性の皮膚病変と見分けることが難しいケースが存在します※。
特に、単発で現れたピンク色のできものは注意が必要です。専門家がダーモスコピー(特殊な拡大鏡)で観察しても、皮膚がん(基底細胞癌や無色素性メラノーマなど)との区別が極めて困難な場合がある、と報告されています※。
「ただの赤い点」と自己判断せず、もし次のような変化に気づいた場合は、速やかに皮膚科を受診してください。
- 急に大きくなる
- 形が変わる、輪郭がぼやけてくる
- 出血を繰り返す
- 色に濃淡のむらがある

まとめ
老人性血管腫は加齢や紫外線が主な原因でできる良性のできもので、多くは放置できますが、治療で取り除くことも可能です。
自然に消えることはなく、まれに出血のリスクも伴います。 見た目が気になる場合や出血を繰り返す際は、レーザー治療などさまざまな選択肢が検討できます。 しかし、ごくまれに悪性の皮膚がんとの見分けが難しいケースもあるため、自己判断は禁物です。
気になる赤い点や盛り上がりを見つけたら、まずは皮膚科を受診し、専門医に相談することから始めましょう。
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- 良性皮膚腫瘍ガイドライン2025