名古屋市「新瑞橋」美容外科・美容皮膚科・形成外科・一般皮膚科

ブログ
Blog

スキンボトックスとは?適応・効果と副作用を徹底解説

毛穴の開きや皮脂のテカリ、顔全体の小じわなど、複合的な肌悩みを改善したいと感じていませんか。従来のボトックスは表情が硬くなるイメージがあり、施術をためらっている方もいるかもしれません。

スキンボトックスは、皮膚の浅い層に作用させることで自然な表情を保ちながら肌質を改善する治療法です。ある研究では毛穴サイズが平均87.2%改善したとの報告もされています。この記事では、その効果や副作用、料金、他の施術との違いを詳しく解説します。

読み終える頃には、ご自身の肌悩みにスキンボトックスが適しているのかがわかり、納得して治療を選ぶための知識が身についています。肌質改善に向けた、次の一歩を踏み出すきっかけになるはずです。

スキンボトックスと通常のボトックスの決定的違い

スキンボトックスと通常のボトックスは、同じボツリヌストキシン製剤を使いながらも、「注入する深さ」が根本的に異なります。この深さの違いが、期待できる効果や仕上がりの自然さに直結する重要なポイントです。スキンボトックスは肌質改善、通常のボトックスは特定の表情ジワ改善という、それぞれ異なる目的で使い分けられます。

注入する深さ(皮膚の浅い層 vs 筋肉)

スキンボトックスは皮膚の浅い層(真皮)へ、通常のボトックスはさらに深い層にある筋肉へ注入します。

両者の注入方法には、下表のような違いがあります。

 スキンボトックス通常のボトックス
注入する層皮膚の浅い層(真皮)筋肉層
注入方法皮膚表面に微量を
広範囲に注射
特定の筋肉に
ピンポイントで注射

スキンボトックスは、ボツリヌストキシン製剤をごく微量ずつ、皮膚の浅い「真皮層」へまんべんなく注射する手技です。この方法は「マイクロボトックス」とも呼ばれ、筋肉の動きそのものを止めるのではなく、皮膚表面の組織に広く浅く作用させることを目的とします

一方、通常のボトックス注射は、眉間や目尻のシワの原因となる特定の表情筋を狙い、直接薬剤を注入します。これにより、過剰に動いていた筋肉の働きを局所的に緩め(筋弛緩)、シワが寄るのを根本から防ぐのです

期待できる効果(肌質改善 vs 表情ジワ)

注入する深さが異なるため、スキンボトックスは肌質そのものをなめらかに整える効果が、通常のボトックスは特定の表情ジワを改善する効果が期待できます。

スキンボトックスで期待できる効果 皮膚の浅い層に作用させることで、以下のような肌質の総合的な改善を目指せます。

  • 毛穴の引き締めと肌のキメ改善
  • 皮脂分泌の抑制(テカリ・ニキビ予防)
  • 顔全体の小じわやハリ・ツヤ感の向上
  • 赤ら顔(酒さ)の赤みの軽減

顔の若返り目的だけでなく、皮脂の過剰分泌や酒さといった皮膚疾患の管理にも応用が広がっています

通常のボトックスで期待できる効果 筋肉の動きを直接ゆるやかにすることで、笑ったり顔をしかめたりした時に深くなる「表情ジワ(動的シワ)」の改善に特に高い効果を発揮します

  • 眉間のシワ
  • おでこの横ジワ
  • 目尻のシワ(カラスの足跡)

仕上がりの自然さと表情への影響

スキンボトックスは筋肉の動きにほぼ影響を与えないため、表情の自然さを保ちやすいのが大きなメリットです。

筋肉の働きを完全に止めるわけではないため、笑ったり驚いたりといった自然な表情はそのまま維持されます。このため、従来のボトックスで懸念されることがあった「凍りついたような不自然な顔」になるのを避けながら、肌質を改善したい方に適したアプローチといえます。施術を受けたことが周囲に気づかれにくく、「もともと肌がきれいな人」という印象を与えやすいのも特徴です。

一方、通常のボトックスも、医師が顔の解剖学を深く理解し、適切な部位へ適量を注入すれば、非常に自然で満足度の高い仕上がりになります。しかし、注入量や部位が不適切だと、表情が硬くなったり、ひきつった印象になったりする可能性もゼロではないため、経験豊富な医師による施術が重要です。

【お悩み別】スキンボトックスで期待できる5つの美肌効果

スキンボトックスは、皮膚の浅い層(真皮)にボツリヌストキシンを微量ずつ注入することで、肌質そのものを多角的に改善する治療です。毛穴の開き、小じわ、皮脂のテカリ、赤ら顔など、さまざまなお悩みにアプローチできます。筋肉の動きを直接止めるわけではないため、自然な表情を保ちながら、なめらかでハリのある肌を目指せるのが大きな利点です。

開いた毛穴の引き締めとキメの改善

スキンボトックスは、毛穴を開かせる原因に直接アプローチし、キュッと引き締まったなめらかな肌へと導きます。

ボツリヌストキシンを皮膚の浅い層へ細かく注入すると、皮脂腺や毛穴を支える「立毛筋」という小さな筋肉の働きが緩みます。この作用によって毛穴が引き締まり、ファンデーションが毛穴落ちするような悩みにも対応できます。

ある研究では、スキンボトックスの一種であるマイクロボトックス治療を1回行っただけで、毛穴のサイズが平均87.2%も改善し、患者さんの満足度が非常に高かったことが報告されています

また、ダーマペンのように針で肌に微細な穴を開けて薬剤を塗る方法と比べ、直接皮内に注射するスキンボトックスの方が、毛穴の縮小効果と持続性の両方で優れていたという比較研究の結果もあります

顔全体の小じわ・ハリツヤ不足の解消

皮膚の表面に広く浅く作用するスキンボトックスは、ちりめんジワのような細かいシワを改善し、内側から輝くようなハリとツヤを取り戻します。

目元や口元に現れやすい乾燥小じわは、皮膚表面の緊張が原因の一つです。スキンボトックスは、この皮膚の浅い層の緊張を和らげることで小じわを目立ちにくくします。筋肉の深い層には作用しないため、笑った時の表情が不自然になる心配はほとんどありません。

さらに、注射針による微細な刺激は、肌内部でコラーゲンの生成を促す「創傷治癒」のスイッチを入れる効果も期待できます。この作用はニキビ跡の凹みをなめらかにする治療にも応用されており、ある研究では、スキンボトックスが萎縮性のニキビ跡の改善に有効であったと報告されました。これらの相乗効果によって、肌全体のキメが整い、若々しいハリとツヤが生まれます。

過剰な皮脂・テカリの抑制とニキビ予防

スキンボトックスは、皮脂の分泌をコントロールすることで、顔のテカリや化粧崩れを抑え、ニキビができにくい肌質へと導きます。

皮脂は、「アセチルコリン」という神経伝達物質が皮脂腺に「皮脂を出せ」という指令を送ることで分泌されます。スキンボトックスは、このアセチルコリンの働きをブロックする作用があるため、皮脂腺の活動が穏やかになり、過剰な皮脂分泌が抑えられます。

この働きにより、以下のような効果が期待できます。

  • テカリ・化粧崩れの防止 日中の顔のベタつきが減り、メイクの持ちが良くなります。
  • ニキビの予防 ニキビの原因となるアクネ菌は皮脂をエサにして増殖します。皮脂を抑えることで、ニキビができにくい肌環境を整えます。

実際に、毛穴治療の研究において脂性肌の改善が確認されたり、中等度から重度のニキビに対し、スキンボトックスが有効な治療選択肢となりうるという研究結果も報告されたりしています

赤ら顔(酒さ)の赤みの軽減

スキンボトックスは、炎症や血管に働きかけることで、酒さ(しゅさ)による顔の赤みを和らげる効果が期待できます。

酒さとは、顔のほてりや持続する赤み、ニキビに似たブツブツが特徴の、慢性的な皮膚の病気です。原因は完全にはわかっていませんが、皮膚の血管が広がりやすいことや、炎症が関わっていると考えられています。

スキンボトックスには、皮膚の血管が過剰に広がるのを抑えたり、炎症を引き起こす物質の放出を抑制したりする作用がある可能性が指摘されています。これにより、酒さ特有の顔の赤みやほてりの軽減が期待できるのです。

赤ら顔タイプの酒さの患者さんにスキンボトックス治療を行った研究では、4週間後に赤みが改善し、患者さんの満足度も極めて高かったと報告されました。他の治療で改善しなかった赤みにお悩みの方にとって、新しい選択肢となる可能性があります。

首の横ジワとフェイスラインの引き締め

スキンボトックスは、首の皮膚にハリを与えて横ジワを目立たなくし、フェイスラインをシャープに見せるリフトアップ効果も期待できます。

年齢とともに刻まれる首の横ジワは、皮膚のたるみやハリ不足が主な原因です。スキンボトックスを首全体の皮膚の浅い層にまんべんなく注入すると、肌が内側から引き締まり、浅いシワが目立ちにくくなります。

また、フェイスラインに沿って注入することで、皮膚のタイトニング効果(引き締め効果)が得られます。これにより、ぼやけてきた輪郭がすっきりとし、若々しい印象へと導きます。この効果は、首からあごにかけて広がる広頚筋(こうけいきん)という薄い筋肉の「表面」に作用することも関係しています。筋肉全体の動きを止めるわけではないため、自然な表情を保ちながら、たるみがちなフェイスラインや首元をケアしたい方におすすめの施術です。

副作用とダウンタイムは?痛みやリスクを医師が解説

スキンボトックスは美容医療の中でも副作用が少なく、ダウンタイムも短い施術ですが、リスクが全くないわけではありません。施術を検討するうえで知っておきたい痛みや内出血、表情への影響、そして「抗体」のリスクについて、一つひとつ丁寧に解説します。

施術中の痛みと麻酔クリームの要否

ごく細い針を使うため痛みは軽いものの、チクチクとした感覚があります。希望に応じて麻酔クリームを使えるので、痛みに弱い方でもご安心ください。

スキンボトックスは、皮膚のごく浅い層(真皮層)へ、薬剤を細かく何度も注入していく手技です。そのため、施術中はチクチ-クとした軽い刺激を感じることがあります。特に、皮膚が薄い目元や口の周りは、他の部位より痛みを感じやすいかもしれません。

痛みが不安な方は、遠慮なく医師にお申し付けください。ほとんどのクリニックでは、施術前に麻酔クリームを塗ることで痛みを大幅に和らげます。麻酔が効くまでに20〜30分ほどかかりますが、リラックスして施術を受けられるためおすすめです。

ダウンタイムの期間と症状(赤み・内出血・腫れ)

ダウンタイムはほとんどなく、施術後の赤みや腫れも数時間から翌日には引くことが大半です。

施術直後には、一時的に以下のような症状が現れることがあります。

  • 赤み・腫れ 注入した部位が、蚊に刺されたようにポコポコと赤く腫れることがあります。これは一時的な反応で、通常は数時間、長くても翌日にはほとんど目立たなくなります。
  • 内出血 まれに針の先が毛細血管にあたると、点状の内出血が起きる場合があります。もし内出血が出ても、1〜2週間ほどで自然に吸収されて消えていきます。施術の翌日からはコンシーラーなどのメイクで隠せます。

ある研究では、スキンボトックス(マイクロボトックス)の治療を受けた50名の患者さんにおいて、治療後に重大な合併症は報告されませんでした。このように比較的安全性の高い施術ですが、大切なご予定の直前は避け、1〜2週間ほど余裕を持って施術日を決めるとより安心です。

表情が硬くなる・ひきつる可能性について

スキンボトックスは皮膚の浅い層に作用させるため、表情が不自然に硬くなるリスクは極めて低い施術です。

通常のボトックス注射がシワの原因となる「筋肉」に直接作用するのに対し、スキンボトックスは「皮膚の浅い層(真皮)」に働きかけます。これにより、表情を作るための大きな筋肉の動きにはほとんど影響を与えません。

従来のボトックス治療で懸念された「凍りついたような顔」になるのを避けながら、自然な表情を保ったまま肌質の改善を目指せるのが、スキンボトックスの大きな利点といえます

ただし、これは正しい深さと量で注入された場合に限ります。解剖学を熟知した経験豊富な医師のもとで施術を受けることが、自然な仕上がりと安全性を両立させる鍵となります。

ボトックスの抗体リスクは本当か

ボトックスで抗体ができて効きにくくなるリスクはゼロではありませんが、スキンボトックスはその可能性が非常に低いと考えられています。

ボツリヌストキシン製剤はタンパク質の一種です。そのため、高頻度かつ高用量で体内に注入されると、体がそれを異物と認識し、効果を打ち消してしまう「抗体」を作ることがあります。これが「ボトックスが効かなくなる」原因です。

しかし、スキンボトックスは以下の理由から、抗体ができるリスクは低いとされています。

  • 使用量が少ないから 顔全体の肌質改善で用いる場合でも、エラや肩の筋肉を小さくする治療に比べると、使用するボトックスの単位数は少なめです。
  • 適切な施術間隔を空けるから 通常、3〜4カ月以上の適切な間隔を空けて施術を行うため、体内で抗体が作られにくくなります。

抗体のリスクが心配な方は、過去のボトックス治療歴(いつ、どこに、どのくらい注入したか)をカウンセリング時に正確に伝えることが、ご自身に合った適切な治療計画を立てる上でとても重要です。

効果はいつから?持続期間と理想的な施術間隔

スキンボトックスの効果は、施術後5日〜2週間ほどかけて徐々に現れ、約1カ月でピークを迎えます。この効果は3〜6カ月ほど持続するのが一般的で、良い肌状態を維持するためには定期的な施術がカギとなります。

効果の現れ方や持続期間には個人差があるため、ご自身の肌の変化に合わせて施術計画を立てることが大切です。

効果を実感し始めるまでの日数

スキンボトックスの効果は、施術後5日〜14日ほどかけてゆっくりと現れ始めます。

施術直後に劇的な変化が起こるわけではありません。これは、有効成分であるボツリヌストキシンが皮膚の浅い層(真皮)に浸透し、皮脂腺や汗腺、毛穴を支える立毛筋といった組織に穏やかに働きかけるまでに、一定の時間が必要だからです。

多くの方が最初に気づく変化には、以下のようなものが挙げられます。

  • 皮脂の分泌が抑えられ、日中のテカリや化粧崩れが少なくなる
  • 肌の表面がなめらかになり、キメが整ってくる
  • 毛穴がキュッと引き締まって見える

複数の研究をまとめた論文でも、効果の発現は施術後5日〜14日と報告されています。さらに、ニキビや酒さ(赤ら顔)の患者さんを対象とした別の研究では、施術から4週間後には、患者さん自身も医師も明らかな改善を実感し、治療結果に非常に高い満足度を示したことがわかっています

このように、多くの場合、施術後1カ月もすれば、よりはっきりとした効果を実感いただけるでしょう。

効果のピークと持続期間の目安

効果のピークは施術後およそ1カ月で迎え、その後3〜6カ月ほど持続するのが一般的です。

ボツリヌストキシンの働きが安定し、肌質のなめらかさ、ハリ・ツヤ感の向上、小じわの軽減といった効果が最も感じやすくなるのがこの時期です。

ただし、効果の持続期間には個人差があり、以下のような要因によって変わることがあります。

  • 体質:もともと代謝が活発な方は、薬剤の分解も早い傾向があります。
  • 注入部位や注入量:お悩みの深さや範囲によって薬剤の量を調整するため、効果の出方も変わります。
  • 生活習慣:過度な運動や長時間のサウナなど、体温を上げて代謝を促す習慣は、効果の持続をやや短くする可能性があります。

海外の複数の研究を分析したレビュー論文においても、スキンボトックス(マイクロボトックス)の効果は約3〜6カ月持続すると結論付けられています。効果が完全になくなる前に次の施術を受けることで、より安定した肌状態を保ちやすくなります。

効果を長持ちさせるための推奨頻度

効果を安定して維持し、肌質をさらに向上させるためには、3〜6カ月に1回のペースで施術を継続することをおすすめします。

効果が薄れ始めるタイミングで定期的に施術を受けることで、なめらかでハリのある肌をキープし、将来の肌トラブルを予防することにもつながります。

ただし、効果を早く出したいからといって、短すぎる間隔で施術を繰り返すことは避けるべきです。高頻度・高用量のボトックス治療は、体内で効果を打ち消してしまう「抗体」が作られるリスクを高めることが指摘されています。

安全に治療を続け、長期的に効果を実感するためにも、必ず3カ月以上は期間を空け、医師の診断のもとで適切な施術間隔を守るようにしましょう。

料金相場と他の人気施術との違いを比較

スキンボトックスの料金は施術範囲で決まり、他の人気施術とは得意な悩みが異なるため、それぞれの特徴を理解することが最適な治療選びの鍵となります。ご自身の肌悩みに合わせて、どの治療が最も効果的かを見極めましょう。

部位ごとの料金目安(全顔・頬・額)

スキンボトックスの料金は、施術する部位の広さと、お悩みの状態に応じて使用するボツリヌストキシンの量によって決まります。自由診療のためクリニックごとに価格は異なりますが、一般的な料金の目安は次のとおりです。

施術部位料金目安(1回あたり)
全顔60,000円~120,000円(当院は35,000円〜54,000円)
40,000円~80,000円(当院は14,000円〜33,o00円)
30,000円~60,000円(当院は12,800円〜20,000円)
鼻・眉間20,000円~40,000円(当院は12,800円〜33,000円)

ここに記載した料金はあくまで目安です。使用するボツリヌストキシン製剤の種類(例:厚生労働省が承認している製剤か、など)や、各クリニックの技術料によっても価格は変動します。最終的な費用については、カウンセリングの際に必ずクリニックへご確認ください。

水光注射・ダーマペン・ハイフとの使い分け

スキンボトックスと他の人気施術は、アプローチする肌の層と得意な悩みが異なるため、目的によって使い分けたり、組み合わせたりすることが重要です。それぞれの施術が持つ特徴を下記の表で比較してみましょう。

施術名主な目的アプローチする層特に効果が期待できるお悩み
スキンボトックス肌質の総合的な改善皮膚の浅い層(真皮)・毛穴の開き
・皮脂
・小じわ
・ハリツヤ
水光注射保湿・ツヤ感アップ皮膚の浅い層(真皮)・乾燥
・くすみ
・ハリ不足
ダーマペン肌の再生・凹凸改善皮膚表面~真皮・ニキビ跡
・クレーター
・毛穴
ハイフ(HIFU)たるみのリフトアップSMAS筋膜(より深い層)・フェイスラインのもたつき
・ほうれい線

このように、スキンボトックスは肌の「質感」に、水光注射は「潤い」に、ダーマペンは「肌再生」に、ハイフは「たるみ」に、それぞれ強みがあります。

美容医療では、ボツリヌストキシン(ボトックス)とフィラー(ヒアルロン酸など)を、顔全体のバランスを整えるために相互に補い合う治療として組み合わせることがあります。例えば、ハイフで肌の土台となる深い層を引き締めた後、スキンボトックスで肌表面のキメや毛穴を整えるなど、複数の施術を計画的に行うことで、より立体的で満足度の高いエイジングケアが期待できます。

あなたに最適な施術を選ぶポイント

最適な施術を選ぶには、ご自身の肌悩みの優先順位をはっきりさせ、それぞれの施術が持つ特徴と照らし合わせることが大切です。ここでは、お悩み別に適した施術を選ぶためのポイントを解説します。

  • 皮脂のテカリや毛穴の開きをとにかく改善したい方 スキンボトックスは有力な選択肢です。皮脂腺や毛穴を支える立毛筋に働きかけ、皮脂の分泌を抑えながら毛穴を引き締める効果が期待できます。実際に、スキンボトックスの一種であるマイクロボトックス治療を1回行っただけで、毛穴のサイズが平均87.2%も改善し、患者さんの満足度が非常に高かったという研究結果があります。

  • 痛みに弱く、ダウンタイムを避けたい方 スキンボトックスは痛みを抑えやすい工夫がされた施術です。皮膚の浅い層へ微量を注入する「メソセラピー」という手法は、従来の注射方法と比べて痛みが少ないことがわかっています。腋窩多汗症(わきの汗)を対象とした研究では、メソセラピーは従来の皮内注射と同等の効果を維持しつつ、痛みが少なく患者満足度も有意に高かったことが示されました

  • 毛穴だけでなく、たるみや乾燥もまとめてケアしたい方 一つの施術に絞らず、複数の治療を組み合わせることで、より立体的で自然な若返り効果を目指せます。ボトックスとフィラー(ヒアルロン酸)のような注入治療は、お互いを補い合うことで顔全体の若返りや輪郭形成に役立つとされています。例えば、「たるみにはハイフ」「乾燥には水光注射」「肌全体の質感アップにはスキンボトックス」といったように、悩みに合わせて治療を組み合わせることも有効です。

どの施術がご自身に合っているか迷う場合は、まず専門の医師に相談し、肌の状態を正確に診断してもらうことが第一歩です。そのうえで、ご自身の希望やライフスタイルに合った治療プランを一緒に考えていきましょう。

予約前に確認!失敗しないためのクリニック選びと施術の流れ

スキンボトックスは繊細な技術を要するため、医師の技量や経験が仕上がりに直結します。信頼できるクリニックを選び、カウンセリングから施術後の過ごし方までを事前に理解しておくことが、満足のいく結果を得るための第一歩です。

カウンセリングで確認すべき3つの質問

カウンセリングは、疑問や不安を解消し、医師と治療方針を共有するための大切な時間です。後悔しないためにも、以下の3点は必ず確認しましょう。

  1. 私の肌悩みに、本当にスキンボトックスが最適ですか? あなたの肌の状態を医師に直接見てもらい、スキンボトックスが最も適した治療法なのか、あるいは他の選択肢はないのかを確認します。人それぞれ顔の骨格や筋肉の付き方は異なるため、専門家があなたの特性を見極め、個別最適化された注入計画を立てることが、安全性と精度の高い治療につながります

  2. どのような効果が期待でき、副作用やダウンタイムはどの程度ですか? 「いつ頃から、どのような変化が期待できるのか」という具体的な効果のイメージを共有してもらいましょう。また、内出血や腫れといった副作用の可能性や、それらがどのくらいの期間で落ち着くのかも詳しく聞いておくと、施術後の生活をイメージしやすくなります。

  3. 費用は総額でいくらですか?追加料金は発生しませんか? 提示された料金に何が含まれているのか、内訳を明確にしてもらうことが重要です。施術料のほかに、初診料や麻酔代、使用する製剤の種類による料金の違いなど、追加で費用が発生する可能性がないか、事前にしっかりと確認しておきましょう。

施術を受けられない人の条件

安全性を最優先するため、以下に該当する方はスキンボトックスの施術を受けられません。問診の際には、ご自身の健康状態や服用中の薬について、正確に医師へ伝えてください。

  • 妊娠中、授乳中の方、または近い将来に妊娠を希望されている方
  • 過去にボツリヌストキシン製剤でアレルギー反応が出た経験がある方
  • 全身性の神経筋接合部の疾患(重症筋無力症、ランバート・イートン症候群など)をお持ちの方
  • 施術を希望する部位に、未治療の皮膚炎や感染症がある方
  • 特定の抗生物質や筋弛緩薬など、ボトックスの作用に影響を与える可能性のある薬を服用中の方

ご自身がこれらの条件に当てはまるか不安な場合は、自己判断せず、必ずカウンセリングで医師に相談してください。

予約から施術後までの全ステップと所要時間

来院から帰宅までの流れと所要時間を知っておくと、当日の予定が立てやすくなります。一般的には、カウンセリングから施術後のケアまで含めて約1時間〜1時間半が目安です。

  1. 予約・カウンセリング(約30分) WEBや電話で予約後、クリニックへ来院します。医師が肌の状態を診察し、あなたに合った施術プランや効果、リスクについて詳しく説明します。

  2. 洗顔・麻酔(約20~30分) 施術部位のメイクを落としていただきます。痛みが心配な方は、この段階で麻酔クリームを塗布します(麻酔が効くまでしばらく時間をおきます)。

  3. 施術(約10~15分) 医師が皮膚の浅い層へ、ボツリヌストキシン製剤を丁寧に注入します。顔の解剖学を深く理解した医師が、適切な層へ正確に注入することが、安全で自然な仕上がりを実現する鍵です

  4. 施術後・アフターケア(約5~10分) 施術部位を軽く冷やして状態を確認します。施術後の注意点について説明を受け、帰宅となります。スキンボトックスは、適切な間隔で複数回治療を重ねることで、より安定した効果が期待できることも報告されています

まとめ

スキンボトックスは、皮膚の浅い層に薬剤を注入することで、自然な表情を保ちながら毛穴や小じわ、皮脂といった肌質を総合的に改善する治療法です。 筋肉の動きにアプローチする従来のボトックスとは異なり、肌のキメやハリなど質感そのものを高めることを目的とします。

副作用が少なくダウンタイムも短い傾向にあるため、初めて美容医療を受ける方にも向いている施術といえます。 効果の持続は3~6カ月が目安とされ、定期的な施術でより良い肌状態の維持が期待できます。

ご自身の悩みに合うか迷う場合は、まず専門のクリニックで相談し、肌の状態を正しく診断してもらうことが大切です。 カウンセリングで疑問や不安を解消したうえで、納得のいく治療を選びましょう。

参考文献

  1. Mraz D, Hanke CW, Papel I, Beer K, Yoelin S, Weinkle S, Keaney T, Rohrich RJ, McCaskill R, Shimoga SV, Park GS, Tong W and Hopfinger R. “OnabotulinumtoxinA for Platysma Prominence: Safety and Efficacy Results from a Phase 3 Open-Label Repeat Treatment Study.” Plastic and reconstructive surgery 158, no. 1 (2026): 78-87.
  2. Lin Y, Chen X, Tang Y, Chen X, Wang J and Li Y. “Comparison of Intradermal Injection with Mesotherapy of Botulinum Toxin Type A for Axillary Sweat Reduction: A Preliminary, Prospective, Randomized, Self-controlled Study.” Aesthetic plastic surgery 50, no. 12 (2026): 4738-4746.
  3. and Small R MD. “Botulinum Toxin Procedures: A Practical Approach to Cosmetic Injections.” American family physician 113, no. (2026): 449-456.
  4. and Karapantzou C. “[The role of fillers and botulinum toxin in facial aesthetic medicine].” HNO 74, no. 7 (2026): 425-433.
  5. and Sichuan Provincial Medical Association Medical Aesthetics and Cosmetology Specialty Committee. “[Expert consensus in Southwest China on the application of botulinum toxin type A in upper and mid-facial aesthetics].” Hua xi kou qiang yi xue za zhi = Huaxi kouqiang yixue zazhi = West China journal of stomatology 44, no. 3 (2026): 378-391.

 

このブログをSNSでシェアする!
Dr.ゴノに直接質問
LINEオープンチャット