名古屋市「新瑞橋」美容外科・美容皮膚科・形成外科・一般皮膚科

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蜂窩織炎とは?赤い腫れ・痛みの原因、治療期間と受診の目安

「足が急に赤く腫れた」「触ると熱く、歩くと痛い」「虫刺されだと思っていたのに赤みが広がってきた」。こうした症状では、**蜂窩織炎(ほうかしきえん)**が疑われます。

蜂窩織炎は、皮膚の深い部分や皮下組織に細菌が入り、炎症が広がる感染症です。足に多いものの、手・腕・顔などにも起こります。治療の中心は抗菌薬です。早めの診断と治療により改善が期待できますが、強い全身症状や急速な悪化がある場合は緊急の対応が必要です。[1,10]

まず確認したい、受診を急ぐ症状

赤い腫れに痛みや熱感を伴う場合は、当日中を目安に医療機関へ相談してください。 発熱がなくても、感染症を否定することはできません。[10,17]

症状・状況受診の考え方
赤く腫れ、触ると熱い・痛い皮膚科などへ早めに相談
赤みが急速に広がる、発熱・悪寒がある当日、速やかに評価を受ける
意識がぼんやりする、失神しそう、息が速い、冷や汗が強い救急受診。重い状態では119番
見た目に比べて異常に強い痛み、紫色・黒色の変化、水ぶくれを伴う急速な悪化壊死性軟部組織感染症などを疑い、直ちに救急評価
目の周りの腫れに、視力低下・眼球を動かす痛みがある眼窩内の感染などを考え、直ちに救急評価

「抗菌薬を飲み始めたばかりだから」と、急な悪化を我慢する必要はありません。治療開始から何時間経ったかより、症状の変化と全身状態が重要です。[2,3,12,18]

蜂窩織炎はどんな病気?読み方と起こる場所

蜂窩織炎は「ほうかしきえん」と読み、「蜂巣炎」と呼ばれることもあります。皮膚表面だけのトラブルではなく、真皮の深い部分から皮下組織に起こる細菌感染症です。[1,15]

すね・ふくらはぎ・足の甲などに生じることが多く、片側の脚が赤く腫れる形で気づく場合があります。ただし、「片脚なら蜂窩織炎」「両脚なら絶対に違う」と決めつけることはできません。[14,16]

美容の話題に出てくる脂肪の凹凸「セルライト」とは別の病気です。英語の感染症名は cellulitis で、美容上のセルライトを表す cellulite とは区別されます。[25]

主な症状:赤み・腫れ・熱感・痛み

代表的な症状は、皮膚の赤み、むくむような腫れ、熱感、押すと痛む圧痛です。皮膚が張ってつやが出たり、歩行や関節を動かす際に痛みを感じたりすることもあります。発熱・悪寒・だるさなどの全身症状を伴う場合もあります。[1,10,17]

肌の色によっては赤みが目立ちにくいため、色だけでなく、左右の腫れ方、熱さ、痛み、広がり方も確認します。[3]

虫刺されとの違いは?

虫刺されそのものの炎症でも、赤みや腫れは起こります。一方、かき壊した部分から細菌が入り、蜂窩織炎につながることもあります。「かゆいから感染症ではない」「虫刺されだから放置してよい」とは判断できません。痛み・熱感が増す、範囲が広がる、発熱がある場合は診察が必要です。[2,14]

原因:傷・水虫・湿疹などが細菌の入り口になる

主な原因菌にはレンサ球菌や黄色ブドウ球菌などがあります。原因菌の構成は、膿の有無、傷の種類、患者さんの状態によって異なります。[4,11]

細菌の入り口となるのは、切り傷、すり傷、ひび割れ、虫刺されのかき壊し、水虫で傷んだ足指の間、湿疹、潰瘍、手術創などです。ただし、傷が小さく、入り口が分からないこともあります。[4,10,14]

発症や再発に関わる背景として、慢性的なむくみ、リンパ浮腫、静脈の循環障害、肥満、糖尿病、免疫機能の低下、過去の蜂窩織炎などが挙げられます。本人の清潔さだけで説明できる病気ではありません。[4,10,11]

動物にかまれた、海水・淡水に傷が触れた、海外でけがをした場合は、通常とは異なる菌を考えることがあります。受診時に必ず伝えてください。[2,11]

何科を受診する?診察では何を調べる?

皮膚科が主な相談先です。傷や手術創がある場合は形成外科・外科、全身症状が強い場合や夜間の急な悪化では救急外来など、状況に合う医療機関で評価を受けます。目の周囲や歯・口の周囲の感染では、部位に応じた専門診療が必要になる場合があります。[12,14,18]

診断では、発症時期、広がる速さ、痛み、発熱、傷、水虫、基礎疾患、内服薬などを確認し、皮膚を診察します。必要に応じて採血、超音波、CTなどで炎症の程度、膿のたまり、深部感染、別の病気を調べます。血液検査だけで蜂窩織炎と確定するわけではありません。[11,14]

典型的な軽症例で、全員に血液培養や皮膚の培養が必要なわけではありません。一方、重症例、免疫機能が低下している場合、動物咬傷や水への曝露がある場合などは、検査の必要性が変わります。[11]

治療:抗菌薬の飲み薬・点滴、必要なら排膿

軽症では飲み薬、重症では点滴や入院を検討

全身状態が安定し、内服ができる場合は、抗菌薬の飲み薬で通院治療できることがあります。重い全身症状、深い感染の疑い、強い免疫低下、内服治療で改善しない場合などには、点滴や入院が検討されます。[4,16]

薬は、推定される菌、アレルギー、腎機能、妊娠の有無、過去の検査結果などに応じて選びます。「蜂窩織炎なら、どんな人にも同じ抗菌薬」というわけではありません。MRSAを想定した薬が最初から全員に必要なわけでもありません。[2,4]

膿がたまっていれば、抗菌薬だけでは不十分なことも

皮下に膿がたまった「膿瘍」がある場合は、切開などによって膿を出す処置が必要になることがあります。膿瘍を伴わない蜂窩織炎と、膿瘍を中心とする感染症は治療の組み立てが異なります。[4,5]

塗り薬だけで深い感染を治そうとしたり、以前の抗菌薬の残りを自己判断で飲んだりせず、診断を受けてください。

何日で治る?抗菌薬を飲んでも赤みが残る理由

軽症例では、治療開始から2〜3日程度で改善傾向があるかを確認します。ただし、赤みやむくみが消えるまでの時間は一定ではなく、菌の増殖を抑えられても炎症が残ることがあります。[2,3,9]

時期見ておきたい点
治療開始直後痛み・発熱・広がり方を記録。急な悪化は直ちに相談
2〜3日程度改善が始まっているかを確認。改善しない場合は再診
その後赤みや腫れの残存だけでなく、全体として軽快しているか評価

治療期間は、軽症で順調に改善する場合に5〜7日程度を目安とする海外指針がありますが、病状により延長します。「全員が5日で完治する」という意味ではありません。処方期間を自己判断で短縮・延長せず、変更は医師に確認してください。[2,5]

また、改善が乏しい場合に必要なのは、単に抗菌薬を強くすることだけではありません。膿瘍、別の病気、むくみ、薬の服用状況なども見直します。早期の反応が遅いことが、必ずしも薬の選択ミスを意味しないとする前向き研究もあります。[9]

似た病気との違い:丹毒、血栓、うっ滞性皮膚炎

病気・状態判断の手がかりと注意点
丹毒比較的浅い皮膚の細菌感染。赤みの境界が明瞭な傾向がある
うっ滞性皮膚炎静脈の循環障害と関連。慢性的なむくみ、湿疹、色素沈着などを伴う
接触皮膚炎・虫刺され反応かゆみ、接触した範囲やきっかけが参考になるが、見た目だけでは断定できない
深部静脈血栓症脚の腫れや痛みが似る。超音波などによる評価が必要になる場合がある
壊死性軟部組織感染症急速な悪化や見た目に不釣り合いな強い痛みは危険信号

これらは自己診断のための分類ではなく、診察で見分ける必要がある病気です。[11,12,14]

2023年の系統的レビューでは、蜂窩織炎とされた症例を再評価した9研究・計1,600人で、別の診断となった割合の統合推定値は41%でした。ただし研究間のばらつきが大きく、対象も限定されています。日本の診療全体の誤診率が41%という意味ではありません。改善しない場合に診断を見直す重要性を示すデータです。[6]

自宅ではどう過ごす?仕事・運動・入浴は?

患部の負担を減らし、脚や腕の場合は、座る・横になる際に無理のない範囲で高くすると腫れの軽減に役立ちます。傷がある場合は医療者の指示に沿って保護します。[3,5]

仕事や運動を再開する時期は、発熱、歩行時の痛み、腫れ、仕事内容などで変わります。立ち仕事や激しい運動でつらくなる場合は、休業や業務調整も相談しましょう。入浴は創部の状態と医師の指示に合わせ、熱い湯・長風呂・強いマッサージで改善させようとしないでください。

圧迫療法は再発予防に役立つ場合がありますが、急性期に強いストッキングを自己判断で使うこととは別です。痛み、血流、感染の状態を確認して、開始や再開の時期を相談します。[3,7]

繰り返す蜂窩織炎を防ぐには

抗菌薬で今回の感染を治すだけでなく、細菌の入り口やむくみを整えることが大切です。[5]

  • 水虫、足指の間のただれ、湿疹、ひび割れを治療する。
  • 皮膚を保湿し、傷を防ぐ靴や手袋を使う。
  • 慢性浮腫、リンパ浮腫、静脈の循環障害を評価する。
  • 糖尿病などの基礎疾患を管理する。

慢性的な脚のむくみと再発歴のある84人を対象とした無作為化試験では、教育に圧迫療法を加えた群の再発は15%、教育のみの群では40%でした。小規模・単施設・非盲検で、効果を認めて早期終了した研究です。すべての患者さんに同じ効果が出るわけではありませんが、適切な浮腫管理を考える根拠になります。[7]

再発を繰り返す一部の方では、予防的な抗菌薬を検討します。PATCH I試験では、予防内服中の再発はペニシリン群22%、プラセボ群37%でした。ただし、中止後は予防効果が弱まりました。初回の蜂窩織炎に、全員が長期内服をするという意味ではありません。[8]

よくある質問

蜂窩織炎は自然に治りますか?

自然に治ることを期待して放置せず、診察を受けてください。通常は細菌感染に対する抗菌薬治療が必要です。[1,4]

人にうつりますか?

蜂窩織炎そのものは、通常の日常接触で人から人へうつる病気ではありません。ただし、傷から出る液や膿には細菌が含まれることがあるため、傷を覆う、処置後に手を洗うなどの配慮をしましょう。[3,10]

熱がないなら軽症ですか?

発熱がないだけで、感染の有無や重症度は決まりません。赤み・痛み・熱感・腫れの広がりや、基礎疾患も合わせて判断します。[11,14]

市販の塗り薬で治せますか?

皮膚の深い部分の感染には、塗り薬だけでは十分でないことがあります。虫刺されや湿疹だと思い込まず、症状が広がる場合は受診してください。[4,15]

美容施術後の赤みも蜂窩織炎ですか?

施術後の赤みには、通常の炎症、刺激反応、アレルギー、感染など複数の原因があります。注入後には血流障害など、感染以外でも急ぐべき状態があります。赤みの拡大、増す痛み、発熱、膿、皮膚色の異常があれば施術した医療機関へ速やかに連絡し、必要に応じて救急評価を受けてください。「術後だから普通」と決めつけないことが大切です。[31]

まとめ|蜂窩織炎は、早めの治療と再発予防が大切です

蜂窩織炎は、皮膚の深い部分や皮下組織に細菌が入り、赤み・腫れ・熱感・痛みを引き起こす感染症です。虫刺されのかき壊しや小さな傷、水虫などが入り口になることがあり、発熱しない場合もあります。

治療の中心は抗菌薬です。治療開始から2〜3日たっても改善が始まらない場合は再診し、急速に悪化する場合は、その期間を待たずに受診してください。 見た目に比べて異常に強い痛み、紫色・黒色の皮膚変化、意識の異常などは、緊急の評価が必要なサインです。[2,5]

また、繰り返す場合には、水虫や湿疹の治療、皮膚の保湿、慢性的なむくみの管理なども重要です。[5,7,8]

「ただの虫刺され」「そのうち治る腫れ」と自己判断せず、赤く腫れて熱や痛みがあるときは、早めに皮膚科などへご相談ください。

参考文献・資料

    1. 厚生労働省.蜂窩織炎(ほうかしきえん).患者向け資料.https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000814179.pdf
    2. NICE. Cellulitis and erysipelas: antimicrobial prescribing. NG141. 2019. https://www.nice.org.uk/guidance/ng141/chapter/Recommendations
    3. NHS. Cellulitis. Reviewed 18 April 2024. https://www.nhs.uk/conditions/cellulitis/
    4. 厚生労働省.抗微生物薬適正使用の手引き 第四版(案)医科・外来編.皮膚軟部組織感染症の項.本URLは案の資料であり、確定版の扱いではない。https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/001575216.pdf
    5. Stevens DL, et al. Practice guidelines for the diagnosis and management of skin and soft tissue infections: 2014 update by the IDSA. Clin Infect Dis. 2014;59(2)–e52. doi:10.1093/cid/ciu296. https://www.idsociety.org/practice-guideline/skin-and-soft-tissue-infections/
    6. Misdiagnosis of Uncomplicated Cellulitis: a Systematic Review and Meta-analysis. 2023. PMID:37231210. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37231210/
    7. Webb E, et al. Compression Therapy to Prevent Recurrent Cellulitis of the Leg. N Engl J Med. 2020;383:630–639. doi:10.1056/NEJMoa1917197. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32786188/
    8. Thomas KS, et al. Penicillin to Prevent Recurrent Leg Cellulitis. N Engl J Med. 2013;368:1695–1703. doi:10.1056/NEJMoa1206300. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23635049/
    9. Bruun T, et al. Early Response in Cellulitis: A Prospective Study of Dynamics and Predictors. Clin Infect Dis. 2016;63(8):1034–1041. doi:10.1093/cid/ciw463. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5036916/
    10. CDC. About Cellulitis. 2025. https://www.cdc.gov/group-a-strep/about/cellulitis.html
    11. CDC. Clinical Guidance for Group A Streptococcal Cellulitis. 2025. https://www.cdc.gov/group-a-strep/hcp/clinical-guidance/cellulitis.html
    12. 国立長寿医療研究センター.蜂窩織炎(ほうかしきえん)って何? https://www.ncgg.go.jp/hospital/navi/45.html
    13. MedlinePlus, U.S. National Library of Medicine. Cellulitis. https://medlineplus.gov/cellulitis.html
    14. 兵庫医科大学病院.みんなの医療ガイド:蜂窩織炎.https://www.hosp.hyo-med.ac.jp/disease_guide/detail/164
    15. 横浜市立市民病院.蜂窩織炎(蜂巣炎).https://yokohama-shiminhosp.jp/shinryo/shinryoka/hifu/cellulitis.html
    16. 済生会.蜂窩織炎.https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/cellulitis/
    17. 立川病院.蜂窩織炎・蜂巣炎.https://tachikawa-hosp.kkr.or.jp/health-column/cat99/post_102.html
    18. Royal Children’s Hospital Melbourne. Clinical Practice Guidelines: Periorbital and orbital cellulitis. https://www.rch.org.au/clinicalguide/guideline_index/Periorbital_and_orbital_cellulitis/
    19. Assurance Maladie (ameli). Reconnaître un érysipèle. https://www.ameli.fr/assure/sante/themes/erysipele/definition-symptomes-evolution
    20. Assurance Maladie (ameli). Consultation, traitement et évolution de l’érysipèle. https://www.ameli.fr/assure/sante/themes/erysipele/consultation-traitement
    21. Assurance Maladie (ameli). Que faire en cas d’érysipèle ? https://www.ameli.fr/assure/sante/themes/erysipele/que-faire
    22. Société Française de Dermatologie, Dermato-INFO. Tout savoir sur l’érysipèle. https://dermato-info.fr/tout-savoir-sur-lerysipele
    23. Haute Autorité de Santé. Prise en charge des dermohypodermites bactériennes non nécrosantes chez l’adulte. https://www.has-sante.fr/jcms/p_3282443/fr/choix-et-durees-d-antibiotherapies-prise-en-charge-des-dermohypodermites-bacteriennes-non-necrosantes-dhbnn-chez-l-adulte
    24. Bundesministerium für Gesundheit, gesund.bund.de. Wundrose und Phlegmone. https://gesund.bund.de/wundrose-erysipel-phlegmone
    25. IQWiG, Gesundheitsinformation.de. Wundrose und Phlegmone. https://www.gesundheitsinformation.de/wundrose-und-phlegmone.html
    26. IQWiG. Können Antibiotika eine erneute Wundrose verhindern? https://www.gesundheitsinformation.de/koennen-antibiotika-eine-erneute-wundrose-verhindern.html
    27. Sociedade Brasileira de Dermatologia. Erisipela. https://www.sbd.org.br/doencas/erisipela/
    28. ANVISA. Antimicrobianos na Prática Clínica: Guia para Atenção Primária à Saúde. Celulite/Erisipela. https://www.gov.br/anvisa/pt-br/assuntos/servicosdesaude/ebook_AntimicrobianosnaPrticaClnica_GuiaparaAPS.pdf
    29. Ministério da Saúde, Biblioteca Virtual em Saúde. Celulite. https://bvsms.saude.gov.br/celulite/
    30. 総務省消防庁.電話通訳センターを介した三者間同時通訳.https://www.fdma.go.jp/mission/enrichment/gaikokujin_syougaisya_torikumi/sanshakan-douji-tsuuyaku.html
    31. FDA. Dermal Fillers (Soft Tissue Fillers). https://www.fda.gov/medical-devices/aesthetic-cosmetic-devices/dermal-fillers-soft-tissue-fillers

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