名古屋市「新瑞橋」美容外科・美容皮膚科・形成外科・一般皮膚科

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アンチトラガスとは?位置・おすすめのピアス・開け方・腫れや肉芽の対処まで解説

「アンチトラガスは耳のどこ?」「トラガスとどう違う?」「バナナバーベルとリング、最初はどちらがいい?」

耳たぶのすぐ上にある軟骨の突起を飾るアンチトラガスは、耳たぶのピアスと組み合わせてもアクセントになる部位です。一方、突起の大きさや厚みに個人差があり、耳の形によって希望の配置が難しいことがあります。

この記事では、位置、ファーストピアス、開け方、治癒期間、毎日のケア、トラブル時の対応を解説します。アンチトラガスだけを対象にした比較研究は限られるため、耳軟骨全般の医学文献と専門団体の実務的指針も参照しています。

1.アンチトラガスはどんな場所?

アンチトラガスは、耳たぶのすぐ上、トラガス(耳珠)の向かい側にある小さな軟骨の突起「対珠(たいじゅ)」に開けるピアスです。「アンチトラーガス」と表記されることもあります。トラガスとの間には、耳珠間切痕というくぼみがあります。[1]

部位おおよその位置違い
アンチトラガス耳たぶの上、耳珠の向かい側の突起対珠という軟骨を飾る
トラガス耳の穴の手前、顔側の小さな突起耳珠という軟骨を飾る
インナーコンク耳中央のお椀のようなくぼみ突起ではなく耳甲介のくぼみ
ロブ耳たぶ軟骨を通さない
スナッグ耳の内側の隆起である対輪アンチトラガスより上方の別の部位

耳の形によって開けられないこともある

対珠の突出が小さい場合、十分な厚みや縁までの余裕を確保できない場合などは、希望するピアスが適さないことがあります。無理に浅く配置すると、ジュエリーの保持や周囲への圧迫に問題が生じる可能性があります。[2]

写真の見た目だけで判断せず、希望のジュエリーと自分の耳で、表側・裏側の出口、周囲の軟骨、耳たぶのピアスとの距離を確認しましょう。

2.どんなピアスがいい?ファーストピアスの選び方

カーブした軸のジュエリーが候補

アンチトラガスでは、カーブした軸を持つ「カーブドバーベル(バナナバーベル)」などが候補になります。ただし、耳の形や穿孔経路に合うことが前提です。トラガスやインナーコンクと同じジュエリーを、そのまま当てはめられるとは限りません。

曲がっていれば安全というわけではなく、カーブの程度、軸長、両端の飾りの大きさ、組織への当たり方を確認します。特定の形状が全員に最も安全と比較試験で確立しているわけではありません。初期ジュエリーの選択には専門家の実務的判断が含まれます。[2]

太さは16G・14Gなど。軸長はまず8〜10mm前後を目安に相談

表記軸の直径の目安
16G約1.2mm
14G約1.6mm

G(ゲージ)は数字が小さいほど太くなります。上記などが候補ですが、耳の状態や予定するジュエリーに合わせて相談します。

アンチトラガスのカーブドバーベルは、ファーストピアスでは軸長8〜10mm前後が候補になります。 海外のジュエリーガイドには初期のカーブドバーベルを8〜10mmとする例があり、ピアッシングスタジオでもアンチトラガスのサイズ目安として8〜10mmを挙げています。[14,15]

使用する段階軸長の候補選び方
ファーストピアス8〜10mm前後初期の腫れを見込み、耳の厚みと穿孔経路に合わせる
腫れが落ち着いた後・治癒後6〜8mm前後が合う例もある余った軸による引っ掛かりを減らせるか確認する
組織が厚い・穿孔経路が長い・腫れが強い上記より長いサイズを検討する場合がある診察・装着状態を見て個別に選ぶ

サイズ選びの出発点は「初期は8〜10mm前後、落ち着いた後は6〜8mm前後が候補」と考えると分かりやすいでしょう。一般的なフィットとして6〜8mmを挙げる専門店もあります。ただし、治癒後も8mm以上が必要な方はいます。[14–16]

これらは専門店・スタジオの実務的なサイズ案内に基づく候補です。最適な長さが医学的な比較試験で確立した数値ではありません。候補のサイズを知ったうえで、施術者に実測・装着確認をしてもらいましょう。 短すぎると飾りが食い込み、長すぎると引っ掛かりや隣接する組織への接触が増える場合があります。[2]

カーブドバーベルの「長さ・内径」は、ボールを含む全長やリングの内径とは別の表記です。購入時には各製品の採寸図で、どの部分を測っているか確認してください。

腫れが引いた後に軸を短くする調整を「ダウンサイジング」と呼びます。調整時期は腫れの経過で決まり、デザイン変更ができるほどホールが治癒したことを意味するものではありません。治癒途中の交換は施術施設に相談してください。[4]

3.アンチトラガスの開け方は?

基本的な流れは、診察と位置決め、清潔操作、滅菌済みの使い捨てニードルによる穿孔、ジュエリーの装着、ケアの説明です。[2,3]

  1. 診察・位置決め。対珠の形や厚み、保持できる組織、表裏の出口、隣のピアスとの接触を確認します。
  2. 消毒・必要に応じた局所麻酔。医療機関では麻酔を検討できます。方法や費用は施設に確認してください。
  3. 穿孔とジュエリー装着。決めた位置に穴を開け、耳の形と穿孔経路に合うファーストピアスを装着します。
  4. 装着状態とケアの確認。飾りや軸の圧迫、出血などを確認し、自宅での管理と連絡先を説明します。

軟骨へのピアッサーは慎重に

APP(Association of Professional Piercers)は、滅菌管理、組織への損傷、ジュエリーの問題などから、再使用型ピアスガンの使用を支持していません。使い捨て器具でも、軟骨への適応とジュエリーの適切さは別に確認が必要です。[3]

アンチトラガスは小さな軟骨の突起に位置を決めるため、希望する飾りを保持できるか、周囲へ当たらないかを評価することが大切です。自己穿孔は避け、施術後のトラブルも相談できる施設を選びましょう。

開ける前に伝えたいこと

  • 金属アレルギー、ピアスのかぶれ、本人・家族のケロイドの既往
  • 糖尿病、免疫を抑える治療、出血しやすい病気や服薬
  • イヤホン、補聴器、耳栓、聴診器、ヘルメットの使用
  • 寝る向き、耳たぶなど既存のピアス、将来着けたいジュエリー

服薬は名称を伝え、自己判断で中止しないでください。

4.痛み・腫れ・安定するまでの期間

痛みの感じ方は、組織の厚み、手技、麻酔の有無、個人差によって変わります。「トラガスより必ず痛い」「数日で痛みがなくなる」といった決めつけはできません。

開けた直後には、軽い出血、局所の腫れ、触れたときの痛みが出ることがあります。少量の淡い分泌液が乾いて付着する場合もあります。[4]

APPの資料では、耳軟骨全般の治癒期間は6〜9カ月以上が目安です。アンチトラガス全員の経過を予測する数字ではなく、刺激や感染でさらに長引く場合があります。[5]

痛みが消えたことと、ホールの内側まで治ったことは同じではありません。 デザイン目的の交換は治癒を確認してから行いましょう。腫れが引いたあとの軸長の調整は、治癒途中でも必要になる場合があるため、施術施設に相談します。[4]

5.毎日のケアは「清潔」と「圧迫を避けること」

触る前に手を洗い、シャワーなどでやさしく洗い流します。洗浄後は、清潔な使い捨てのガーゼなどで水分をそっと取ります。

補助的に生理食塩水を使う場合は、創傷洗浄用の滅菌済み0.9%製品を選びます。自家製の濃い塩水やコンタクトレンズ用保存液などを代用しないでください。[4]

回す・こする・かさぶたをはがす行為は控える

洗浄のためにジュエリーを回す必要はありません。頻繁な付け替えや繰り返す消毒も刺激になることがあります。処方薬がある場合は、診察した医師の指示に従ってください。[4]

イヤホンと耳たぶのピアスの接触を確認

アンチトラガスは耳の穴の近くにあるため、イヤホン本体や着脱する指がジュエリーに触れることがあります。痛い、押される、引っ掛かる場合は使用を休みましょう。ヘッドホンでも、クッションが耳を圧迫する場合があります。

耳たぶのピアスが隣接している場合は、飾りやキャッチ同士が接触していないかも確認します。治癒中のホールへ負担をかける組み合わせは、施術施設に相談して調整します。

寝るときの圧迫と水への浸漬を避ける

治癒中の耳を枕へ押し付けると、刺激や角度の変化につながることがあります。反対向きや仰向けなど、耳が押されない姿勢を工夫しましょう。[4]

プール、海、温浴施設などで患部を水に浸すことは、治癒中は避けます。軟骨ピアス後の感染では、水環境に関連する緑膿菌も問題になります。[4,6]

6.どんなトラブルがある?症状別の対処

① 赤み・腫れ・痛みが増す

寝返りや引っ掛かりでも赤みは出ますが、痛みが増す、熱を持つ、赤みが広がる、膿が出る場合は感染を疑います。発熱がなくても、軟骨部分の強い痛みや悪化する腫れは受診の理由です。[7,8]

耳介軟骨膜炎では、進行して膿瘍や軟骨障害を起こし、耳の変形が残ることがあります。その日のうちに耳鼻咽喉科・形成外科などへ相談してください。診察所見に応じた抗菌薬、膿瘍がある場合の排膿などを行います。[6,7]

軟骨ピアス後感染の系統的レビューでも、入院や変形が報告されています。ただし、感染性合併症の症例報告などを集めた研究であり、アンチトラガスを開けた人全体の発症率ではありません。[6]

② 「肉芽」のようなできもの

ホール周囲の盛り上がりには、刺激、瘢痕、肉芽性病変、感染など複数の可能性があります。原因により対処が変わるため、すべてを同じ「肉芽」として扱わないことが大切です。

ジュエリーの長さやカーブ、両端の飾り、イヤホンや枕との接触を確認します。潰す、切る、塩を盛る、強い薬を自己判断で塗る行為は避け、大きくなる、出血する、長引く場合は診察を受けましょう。[9]

③ ケロイド・肥厚性瘢痕

傷が硬く盛り上がる場合があります。ケロイドは元の傷を越えて拡大することがあり、本人や家族の既往も参考になります。感染やかぶれによる腫れと区別し、ステロイド治療などを検討します。切除だけでは再発することもあるため、形成外科・皮膚科へ相談してください。[10]

④ ピアスの飾りが埋まる

腫れや短すぎる軸で、両端の飾りが皮膚に食い込む場合があります。飾りに皮膚がかぶる、端が見えにくい、締め付けが強い場合は早めに受診しましょう。

頭が半分見えていても、無理に押し出したり、工具で引き抜いたりしないでください。医療機関で交換・除去を判断し、状態によって局所麻酔や小切開を行います。[9]

⑤ 金属アレルギー・ケア用品によるかぶれ

かゆみ、湿疹、じゅくじゅくした皮膚は、金属やケア用品による接触皮膚炎の可能性があります。ニッケルは代表的な原因の一つです。[11]

感染が重なる場合もあるため、見た目だけで決めつけず診察を受けましょう。原因製品の見直し、素材変更、皮膚炎の治療、必要に応じたパッチテストを検討します。

⑥ 位置がずれる・皮膚が薄くなる

飾りの位置が以前と変わる、穴の間の組織が薄くなる、軸が皮膚越しに透ける場合は、移動や排除などを疑います。浅い配置、合わないジュエリー、持続する圧迫などが関係することがあります。[2]

穴を残そうとして無理に着け続けず、施術施設や形成外科へ相談してください。除去が必要かを判断します。

7.トラブル時、ピアスは外したほうがいい?

感染が疑われる場合は、自己判断で抜かず医師に判断してもらいます。 NHSも、医師から指示されるまではジュエリーを残すよう案内しています。[8]

一方、埋没、強い圧迫、膿瘍、アレルギー、移動・排除などでは除去や交換が必要になることがあります。

シリコンリングでホールの温存を目指す方法も

金属製ピアスを医療用シリコンチューブへ交換し、リング状に留置してホールを確保しながら炎症の改善を図る方法があります。金属との接触や締め付けを減らし、分泌物の排出経路を保つ目的で用いられます。[12]

臨床報告のある方法ですが、アンチトラガスで必ず温存できることを示すものではありません。耳の形、チューブの走行、周囲への接触、感染・組織障害を確認して適応を判断します。強い感染や組織が薄くなった状態では、穴を残せないこともあります。温存を希望する場合は摘出前に伝えてください。[12,13]

状態対応の目安
軽い局所症状が徐々に改善指示されたケアを継続し、圧迫を避ける
繰り返す腫れ・できもの早めに診察し、刺激・サイズ・皮膚疾患を確認
痛み・熱感・赤みが増す、膿が出る当日中の診察を相談
急速な腫れ、強い痛み、発熱・悪寒、顔へ広がる赤み速やかに受診。夜間・休日は救急も検討
飾りが埋まる無理に抜かず、早めに医療機関へ
位置がずれる・組織が薄くなる着け続けてよいか早めに相談

受診時は、開けた日、悪化した時期、ジュエリーの形状・素材、使った薬や洗浄剤を伝えましょう。この表は受診判断の目安であり、症状だけで病名を確定するものではありません。[7,8]

8.アンチトラガスについてよくある質問

トラガスとどちらがよい?

トラガスは顔側の耳珠、アンチトラガスはその向かい側の対珠に開けます。好みの見た目と、両部位の形・厚み、イヤホンや既存ピアスとの接触を踏まえて相談します。[1]

耳たぶに開けるハイロブとは違う?

アンチトラガスは軟骨の対珠、ハイロブは耳たぶの上寄りを指すスタイリング上の呼称です。境界付近では耳の形によって軟骨の有無が変わるため、名前だけで位置を決めず、実際の耳で確認してください。

対珠が小さくても開けられる?

一律には判断できません。ジュエリーを保持できる厚みや突出、縁までの余裕を確認します。希望する位置が難しい場合もあります。

バナナバーベルなら何でも使える?

同じ呼び名でも、カーブ、軸長、太さ、両端の飾りの大きさは異なります。耳とホールに合うものを選びます。[2]

リングはいつから使える?

痛みだけでなく、治癒とサイズの適合を確認してから検討します。全員に共通する交換日は設定できません。自己判断の早い交換は避け、施術施設に相談しましょう。[4,5]

イヤホンは使えなくなる?

耳とイヤホンの形によって接触が異なります。永久に使えなくなるとは限りませんが、治癒中に当たる、痛い、押される場合は控えます。毎日使う方は開ける前に相談してください。

穴を残したまま治療できる?

シリコンリングなどで温存を目指せる場合があります。ただし、感染の程度や組織の状態によっては除去を優先します。診察時に希望を伝えましょう。[12,13]

9.アンチトラガスを開ける前に確認したいこと

アンチトラガスは、対珠の形に合わせた位置とジュエリー選びが大切です。イヤホンや寝返り、耳たぶのピアスとの接触まで考えて相談しましょう。腫れや痛みが増したとき、飾りが埋まり始めたときは早めに受診してください。

Re Clinic NAGOYAのピアス診療については公式案内をご確認ください。アンチトラガスの施術可否、麻酔、ジュエリー、費用、トラブル時の対応は受診前にお問い合わせください。

Re Clinic NAGOYAのピアス診療

参考文献・資料

  1. NIH. Elements of Morphology: Human Malformation Terminology. Anatomy of the Ear. 対珠・耳珠・耳珠間切痕の解剖資料。
    https://elementsofmorphology.nih.gov/anatomy-ear.shtml
  2. Association of Professional Piercers. Jewelry for Initial Piercings. サイズ、形状、材質と適合についての実務的指針。
    https://safepiercing.org/jewelry-for-initial-piercings/
  3. Association of Professional Piercers. Piercing Guns. 再使用型ピアスガンの滅菌管理、組織損傷、ジュエリーに関する団体見解。
    https://safepiercing.org/piercing-guns/
  4. Association of Professional Piercers. Suggested Aftercare for Body Piercings. 洗浄、分泌液、圧迫回避、交換についての指針。
    https://safepiercing.org/aftercare/
  5. Association of Professional Piercers. Procedure Manual. Piercing Healing Times. 耳軟骨全般の治癒期間の目安。
    https://safepiercing.org/wp-content/uploads/2020/10/APP_Procedures_2013_A_Web.pdf
  6. Sosin M, Weissler JM, Pulcrano M, Rodriguez ED. Transcartilaginous ear piercing and infectious complications: a systematic review and critical analysis of outcomes. Laryngoscope. 2015;125(8):1827–1834. doi:10.1002/lary.25238. 軟骨ピアス後感染の系統的レビュー。
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25825232/
  7. MedlinePlus. Perichondritis. 軟骨膜炎の原因、症状、治療に関する医療資料。
    https://medlineplus.gov/ency/article/001253.htm
  8. NHS. Infected piercings. 感染を疑う症状、受診、ジュエリーの扱いに関する患者向け資料。
    https://www.nhs.uk/conditions/infected-piercings/
  9. Kim MM, Goldman RD. Ear-piercing complications in children and adolescents. Canadian Family Physician. 2022;68(9):661–663. 埋没、感染などの総説。小児・思春期が対象である点に留意。
    https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9470180/
  10. American Academy of Dermatology. Keloid scars: Self-care / Diagnosis and treatment. ケロイドのリスクと治療。
    https://www.aad.org/public/diseases/a-z/keloids-self-care
    https://www.aad.org/public/diseases/a-z/keloids-treatment
  11. American Academy of Dermatology. Nickel allergy: How to avoid exposure and reduce symptoms. ニッケルによる接触皮膚炎。
    https://www.aad.org/public/diseases/eczema/insider/nickel-allergy
  12. 高橋知之、高橋眞理子.シリコンリングを用いたピアスによる炎症性合併症の治療.臨床皮膚科.1991;45(12):1009–1012. doi:10.11477/mf.1412900492. シリコンリング治療の臨床報告。アンチトラガス限定の比較試験ではない。
    https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1412900492
  13. ふじた形成外科・皮膚科クリニック.ピアストラブルの治療.ホール温存と適応上の注意を記載した診療案内。
    https://fujita-keisei.jp/guide/8102
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