名古屋市「新瑞橋」美容外科・美容皮膚科・形成外科・一般皮膚科

ブログ
Blog

【図解】ケアシスの仕組み―エレクトロポレーションとは【医師監修】

ヒアルロン酸やコラーゲンなど、分子の大きな美容成分は肌に浸透しにくいと知りつつ、日々のスキンケアを続けていませんか。イオン導入の約20倍ともいわれる浸透効率で、有効成分を肌の深層部へ届ける「エレクトロポレーション」という技術が注目されています。

この記事では、元は癌治療にも応用されたエレクトロポレーションの科学的根拠を解説します。さらに、ケアシス独自の冷却機能の役割や、肌悩みに合わせた薬剤の選び方、他の治療との組み合わせまでを詳しく紹介します。

その仕組みを理解することで、なぜケアシスが有効なのかが明確になります。ご自身の肌悩みを改善するための、より合理的で納得のいく治療法を選択できるようになるはずです。

なぜ効く?エレクトロポレーションの科学的根拠

エレクトロポレーションの効果の秘密は、特殊な電気パルスを用いて肌細胞に一時的な「通り道」を作り、美容成分を肌の深層部へ直接届ける「電気穿孔法」という科学的原理にあります。

肌が本来持つバリア機能を物理的に壊すことなく、有効成分を効率よく浸透させられるのが最大の特徴です。

細胞膜に「電気の孔」を開ける仕組みとは

これは「電気穿孔法」という技術で、ごく短いパルス状の電気を皮膚に流し、細胞膜に「エレクトロポア」と呼ばれる微細な孔(あな)を一時的に形成する仕組みです。

私たちの肌細胞を覆う細胞膜は、外部の異物から守る「バリア」として機能しています。しかし、このバリアは同時に、美容に有効な成分が肌の奥へ浸透するのも阻んでしまいます。

エレクトロポレーションは、この細胞膜の構造(脂質二重膜)に電気的な刺激で変化を与え、成分が通るための親水性(水となじみやすい性質)の孔を開けます。

この孔は電気パルスが止まると数秒から数分で自然に閉じるため、細胞を傷つけることなく、肌への負担を抑えながら成分を届けられます。

分子量4万ダルトン以上の高分子も肌深層へ

エレクトロポレーションは、従来のイオン導入では不可能だった高分子成分を、肌の深層部まで大量に届けることができます。

肌のハリや潤いに欠かせない以下の成分は、分子が非常に大きいため通常は肌の奥まで浸透しません。

  • ヒアルロン酸
  • コラーゲン
  • 成長因子(グロースファクター)

これまでの導入法と比較すると、その違いは明らかです。

導入方法特徴
手塗り角質層より奥にはほとんど浸透しない
イオン導入イオン化できる小さな分子しか導入できない
エレクトロポレーション分子の大きさや種類を問わず、形成された「孔」を通して直接送り込む

エレクトロポレーションの浸透効率は、イオン導入の約20倍に達するともいわれています。

もとは癌治療にも応用される最先端の医療技術

エレクトロポレーションは美容目的で開発されたものではなく、もとは癌治療など最先端の医療現場で確立された信頼性の高い技術です。

この技術は、薬剤が効きにくい「多剤耐性癌」の治療において、抗がん剤をがん細胞内部へ直接送り込むドラッグデリバリーシステム(DDS)として重要な役割を担っています

また、遺伝子を細胞内に導入する「核酸トランスフェクション」や光線力学療法にも応用されるなど、その用途は多岐にわたります

このように医療現場でその効果と仕組みが証明された技術を美容に応用したのが、ケアシスに搭載されているエレクトロポレーションです。針を使わずに有効成分を導入できるため「ノーニードルセラピー」とも呼ばれています。

ケアシスの独自技術「-20℃クライオ機能」の役割

ケアシスに搭載された「クライオ機能」は、エレクトロポレーションによる薬剤導入と冷却を1台で同時に行う革新的な技術です

特殊な電気パルスで美容成分の通り道を作るだけでなく、導入と同時に肌を-20℃まで一気に冷却します。

この「冷却」こそが、ケアシスが他の導入治療と一線を画す大きな特徴といえます。単に肌をひんやりさせるだけでなく、導入した薬剤の効果をより引き出し、施術後の肌トラブルを防ぐための3つの重要な役割を担っています。

役割① 血管を収縮させ導入薬剤を肌に留める

クライオ機能による冷却は、肌の血管を一時的に収縮させ、導入した美容成分が血流で拡散するのを防ぎ、効果を持続させる働きがあります。

エレクトロポレーションによって肌の奥深くまで届けられたヒアルロン酸や成長因子も、周辺の血管が開いたままだと血流に乗ってすぐに吸収・分解されてしまいます。

それでは、せっかく導入した成分が本来の働きを発揮する前に、目的の場所からいなくなってしまいます。

ケアシスは導入と同時に肌を強力に冷却するため、冷やされた肌の血管はキュッと収縮します。これにより、有効成分が目的のエリアに長く留まり、じっくりと肌に作用するための時間を確保できるのです。

役割② 冷却刺激で皮膚細胞を活性化させる

肌を-20℃まで急激に冷やす温度刺激は、皮膚細胞そのものを活性化させ、美容成分の浸透効率を高める効果が期待できます

私たちの体には、外部環境が変化しても内部の状態を一定に保とうとする「ホメオスタシス(恒常性)」という仕組みが備わっています。

肌が急激に冷やされると、体は元の温度に戻そうとして血行を促進し、細胞の代謝活動が活発になります。

この作用により、活発になった皮膚細胞がエレクトロポレーションで導入される美容成分をより積極的に取り込もうとするため、薬剤の浸透率がさらに高まるのです。冷却は、薬剤の吸収を助ける「土台作り」の役割も果たします。

役割③ レーザー後の炎症を抑えPIHリスクを低減

強力な冷却機能は、レーザー治療などで生じた肌の熱や炎症を素早く鎮静させ、施術後の色素沈着(PIH)のリスクを低減させます。

シミ取りレーザーなどの治療では、肌に熱エネルギーを加えるため、一種のやけどのような状態になり、赤みやほてりといった炎症反応が起こります。この炎症が長引くと、肌を守ろうとしてメラノサイトが活性化し、メラニンが過剰に作られることで、シミとは異なる茶色い「炎症後色素沈着(PIH)」が残ることがあります。

ケアシスは、レーザー照射後のほてった肌を急速に冷却し、炎症を早期に鎮めることで、このPIHの発生リスクを抑えます。

ダウンタイム(赤みや腫れ)の短縮にもつながるため、レーザー治療後の優れたポストケア(アフターケア)として非常に重要な役割を担っています

【医師解説】ケアシスの効果を最大化する薬剤の選び方

ケアシスによる治療効果を最大化する鍵は、導入する薬剤の「分子量」と「浸透効率」を理解し、ご自身の肌悩みに最適な成分を戦略的に選ぶことにあります。

ケアシスは、エレクトロポレーション技術によって肌のバリア機能に一時的な通り道を作るため、多種多様な美容成分を肌の奥深くへと届けられます。

そのため、シミ、しわ、ニキビといった個々の悩みに応じて、医師が薬剤を組み合わせる「オーダーメイド治療」が真価を発揮するのです。

薬剤の分子量と浸透効率の関係性

ケアシスは薬剤の分子量の大小を問わず、肌の深部へ高い効率で成分を届ける技術です。

イオン導入がイオン化できる小さな分子しか届けられないのに対し、ケアシスが用いるエレクトロポレーションは、電気パルスで細胞膜に微細な孔を形成します。

この仕組みにより、分子量40,000ダルトンを超えるヒアルロン酸や成長因子(グロースファクター)といった高分子成分でさえ、肌のハリを支える真皮層まで直接浸透させることが可能になります

普段のスキンケアでは肌表面で弾かれてしまう大きな有効成分を、針を使わずに真皮層まで届けられること。これこそが、ケアシスが他の導入法と一線を画す最大の強みといえます。

肌悩み別|有効成分の最適な組み合わせ理論

ケアシスの真価は、単一の薬剤だけでなく、複数の有効成分を組み合わせることで生まれる「相乗効果」にあります。肌の悩みの原因は一つではないため、異なるアプローチを持つ成分を同時に導入することで、より立体的で根本的な改善が期待できるのです。

ご自身の悩みにどの成分が対応し、どのように作用するのか、代表的な組み合わせの理論を下表に整理します。

肌悩み主な有効成分の組み合わせ作用の組み合わせ理論
シミ・肝斑・くすみトラネキサム酸

ビタミンC誘導体
トラネキサム酸: メラニン生成の指令を出す「プラスミン」をブロック(生成抑制)
ビタミンC誘導体: 生成されたメラニンを還元し、色を薄くする(還元作用)
→生成と還元、両面からアプローチします。
しわ・ハリ・弾力成長因子 (EGF)

ペプチド
成長因子: 細胞の働きを活性化させ、コラーゲン等の生成を促す「司令塔」役
ペプチド: コラーゲンを構成する「材料」であり、生成を促す「スイッチ」役
→司令塔と材料を同時に補い、肌の再構築を効率化します。
ニキビ・毛穴ボツリヌストキシン

ビタミンC誘導体
ボツリヌストキシン: 皮脂分泌の抑制と立毛筋への作用で毛穴を引き締める
ビタミンC誘導体: 過剰な皮脂分泌を抑制し、酸化を防いで炎症を抑える
→毛穴の形状と皮脂、両方の原因に働きかけます。

これらはあくまで組み合わせの一例です。実際の治療では、医師が肌の状態を詳細に診察した上で、その日の肌コンディションに合わせて最適な成分の「カクテル」を調合し、治療効果の最大化を目指します。

攻めと守りのコンビネーション治療という選択肢

ケアシスは、単独での使用はもちろん、他の美容医療と組み合わせる「コンビネーション治療」でその真価を最大限に発揮します。

レーザーやダーマペンのような「攻め」の治療は、肌に意図的な微細ダメージを与え、肌本来が持つ再生能力(創傷治癒)のスイッチを入れるものです。

しかし、その過程で生じる炎症や赤みは、ダウンタイムや色素沈着のリスクにもなります。

そこで「守り」のケアシスを組み合わせることで、「攻め」の治療で生まれた肌再生のチャンスを最大限に活かしつつ、デメリットを最小限に抑える、という合理的な治療戦略が可能になります。

レーザー・光治療+ケアシス|ダウンタイムを美肌再生期間に

レーザーや光治療の直後にケアシスを組み合わせることで、施術後の炎症を強力に鎮静し、ダウンタイムを単なる回復期間ではなく「積極的な美肌再生期間」へと昇華させます。

シミ取りレーザーなどの治療は、熱エネルギーでターゲットを破壊するため、肌は一種の軽いやけどのような状態になり、赤みやほてりといった炎症反応が起こります。

この炎症が長引くと、炎症後色素沈着(PIH)というシミとは別の色素沈着が残るリスクが高まります。

ケアシスは、このデリケートな状態の肌に対し、2つの重要な役割を果たします。

1. 冷却による炎症の即時鎮静 -20℃まで急速に肌を冷却するクライオ機能が、レーザーによってこもった熱を素早く取り除き、炎症反応を鎮めます。これにより、施術後の赤みやヒリヒリ感を和らげ、PIHの発生リスクを効果的に低減させます

2. 薬剤導入による再生力のブースト レーザー後の肌は、バリア機能が一時的に緩み、美容成分が浸透しやすい絶好の「ゴールデンタイム」です。このタイミングで肌再生に不可欠な成長因子や、抗炎症作用のあるトラネキサム酸などをエレクトロポレーションで大量に導入します。

「攻め」の治療で生じた炎症を「守り」の冷却で抑え込みながら、肌の回復に必要な栄養素を直接送り届ける。このコンビネーションにより、ダウンタイムを短縮し、レーザー治療の効果そのものを底上げできるのです。

ダーマペン+ケアシス|創傷治癒を促進し効果を倍増

ダーマペン治療の直後にケアシスを行うことで、薬剤の浸透効率を飛躍的に高め、創傷治癒プロセスを強力に後押しします。

ダーマペンは、極細針で肌に無数の微細な穴(マイクロチャネル)を開け、肌が自ら治ろうとする力(自然治癒力)を利用してコラーゲン生成を促す治療です。

この施術直後の肌は、薬剤を吸収するための「物理的な通り道」が開いている状態です。

ここにケアシスを組み合わせることで、以下の相乗効果が生まれます。

ケアシスの役割ダーマペンとの相乗効果
エレクトロポレーション・ダーマペンで作られた物理的な穴(点)に、電気の力で作る微細な孔(面)が加わる
・薬剤の浸透経路が飛躍的に増え、成長因子やヒアルロン酸などの高分子成分を肌深層へ大量に送り込める
クライオ機能・ダーマペン後の赤みやヒリつきを強力な冷却で鎮静し、ダウンタイムを軽減
・血管を収縮させ、導入した薬剤が血流で拡散するのを防ぎ、効果を持続させる

ダーマペンで肌再生の「スイッチ」を入れ、その治癒過程で最も必要とされる成長因子などの「材料」を、ケアシスで的確に届ける。

この「攻め」と「守り」の連携は、ニキビ跡や毛穴の開き、肌のハリ改善といったダーマペンの効果を最大化するための、極めて合理的なアプローチといえます。

ポストケアとしての実力

ケアシスは、レーザー治療のような「攻め」の施術で生まれた肌再生のチャンスを最大限に活かしつつ、ダウンタイムというデメリットを最小限に抑える「守り」のポストケアとして優れた実力を発揮します。

レーザー治療後のデリケートな肌に、多くの方が不安を感じる「赤み」と「色素沈着」。 この2つの課題に対し、ケアシスがどのようにアプローチするのか、その仕組みと効果を解説します。

レーザー照射後の赤み・ほてりの鎮静効果

ケアシスの-20℃まで急速に冷却するクライオ機能は、レーザー照射によって生じた肌の赤みやほてりを速やかに鎮めます。

レーザー治療は、肌内部に熱エネルギーを加えてターゲットを破壊するため、肌は一種の軽いやけどのような状態になり、赤みやヒリヒリとした熱感を伴う炎症反応が起こります。

この炎症に対し、ケアシスの強力な冷却機能は2つの重要な働きをします。

ケアシスの冷却作用具体的な効果
血管の収縮肌を急速に冷やすことで血管がキュッと収縮し、赤みの原因となる血流を穏やかにする
炎症の抑制肌にこもった熱を直接取り除くことで炎症反応そのものを抑え、不快な症状を和らげる

レーザー治療後の優れた冷却性能は、ダウンタイムを短縮し、日常生活への影響を最小限に抑える上で非常に重要な役割を担っています

施術後の色素沈着(PIH)予防効果

ケアシスは、レーザー後の炎症を強力に抑えつつ、メラニンの生成をブロックする有効成分を導入することで、炎症後色素沈着(PIH)の発生リスクを低減させます。

レーザー照射後、肌の炎症が長引くと、肌を守ろうとしてメラノサイトが活性化し、メラニンが過剰に生成されることでシミとは異なる茶色い「炎症後色素沈着(PIH)」が残ることがあります。

ケアシスは、このPIHに対して「鎮静」と「予防」の2段構えでアプローチします。

  1. 冷却による「鎮静」アプローチ -20℃の強力な冷却機能で炎症という「火事」を素早く消し止め、PIHの根本原因となる炎症の長期化を防ぎます

  2. 薬剤導入による「予防」アプローチ エレクトロポレーション技術で、肌のバリア機能に妨げられることなく、抗炎症作用やメラニン生成を抑制する成分を肌の深層部へ直接届けます。

    • トラネキサム酸: メラニン生成の指令(プラスミン)をブロックします。
    • ビタミンC: メラニン生成を抑制し、できてしまったメラニンを還元する働きが期待できます。

「冷やして炎症を抑える」ことと、「有効成分でメラニンの発生をブロックする」こと。 この2つの作用により、PIHのリスクを効果的に下げられるのです。

まとめ

ケアシスは、電気の力で美容成分を肌の奥深くまで届け、同時に冷却することでその効果を高め、ダウンタイムを抑える仕組みの施術です。

単に美容成分を導入するだけでなく、肌悩みに合わせた薬剤の選択や、他の治療との組み合わせで真価を発揮します。 特にレーザー治療後の肌を鎮静し再生を後押しする「守りのケア」は、ダウンタイムを抑えながら治療効果を高める合理的なアプローチといえます。

ご自身の肌悩みに最適な治療法や薬剤の組み合わせを知るためにも、まずは一度クリニックで専門の医師に相談してみましょう。

参考文献

  1. Skołucka N, Saczko J, Kotulska M, Kulbacka J, Choromańska A. Electroporation and its application.
このブログをSNSでシェアする!
Dr.ゴノに直接質問
LINEオープンチャット