ミラドライ施術後の痛み・つっぱり・腕の動かしづらさはいつまで?色素沈着などの経過と対処法
ミラドライ施術後に、脇の痛みや腫れ、つっぱり感、腕の動かしづらさが現れ、「これは通常のダウンタイムなのか」「何か異常が起きているのではないか」と不安になる方もいるでしょう。
ミラドライは皮膚を切開しない治療ですが、マイクロ波によって脇の汗腺が存在する層へ熱を加えるため、施術後には一定の炎症反応が起こります。そのため、腫れ、痛み、内出血、感覚の鈍さ、皮膚の硬さなどは比較的よくみられる施術後症状です。
多くは時間の経過とともに改善しますが、痛みや腫れが増している、腕や指に力が入らない、水ぶくれや皮膚のただれがある場合などは、通常のダウンタイムとして様子を見ず、施術を受けた医療機関へ相談する必要があります。
この記事では、形成外科専門医が、ミラドライ施術後によくみられる症状、一般的な経過、対処法、異常を疑うサインについて解説します。
ミラドライ施術後に症状が出る理由
ミラドライは、脇の皮膚を吸引しながらマイクロ波を照射し、真皮深層から皮下組織の浅い部分に存在するエクリン汗腺やアポクリン汗腺を熱によって処理する治療です。
皮膚表面は冷却機能によって保護されますが、汗腺の周囲では意図的な熱反応が起こります。さらに、施術前には局所麻酔液を広範囲に注入します。
そのため、施術後には次の反応が重なります。
- 局所麻酔液による腫れ
- 熱による一時的な炎症
- 吸引による赤みや内出血
- 汗腺周囲の組織修復反応
- 炎症や浮腫による神経への一時的な影響
- 治癒過程に伴う組織の硬さやつっぱり
臨床研究では、施術部位の腫れ、赤み、圧痛、しびれ、皮下のしこりなどが頻繁に認められています。その多くは一時的な反応です。
ミラドライ施術後症状の一覧
| 症状 | 通常みられる範囲 | 一般的な経過 | 主な対処法 |
|---|---|---|---|
| 痛み・ヒリヒリ感 | 軽度〜中等度で、日ごとに軽くなる | 当日〜数日が中心。圧痛は1〜2週間残ることがある | 冷却、処方薬または使用可能な鎮痛薬 |
| 腫れ・むくみ | 両脇にあり、施術直後から翌日に強くなる | 数日〜2週間程度。腕や胸の横まで広がることもある | タオル越しの冷却、安静、腕を少し高くする |
| 赤み・吸引痕 | 照射範囲に一致している | 数日程度で軽快することが多い | 摩擦や刺激を避ける |
| 内出血 | 紫、青、黄色へ変化しながら薄くなる | 1〜2週間程度 | 強いマッサージを避け、自然吸収を待つ |
| つっぱり感 | 腫れや硬さに伴い、徐々に改善する | 数日〜数週間 | 痛くない範囲で腕を動かす |
| 腕の上げづらさ | 痛みや腫れが原因で、徐々に可動域が戻る | 数日〜2週間程度が多い | 無理のない範囲の肩運動 |
| しびれ・感覚低下 | 脇周辺に限局し、少しずつ範囲が狭くなる | 数週間。まれに数か月 | 圧迫や摩擦を避けて経過観察 |
| しこり・硬さ | 小さな皮下硬結で、炎症を伴わない | 数週間〜数か月 | 急性期後の軽いマッサージを医師と相談 |
| 色素沈着・色調変化 | 炎症後の茶色い変色で、悪化していない | 数か月かけて薄くなることがある | 摩擦・刺激・制汗剤によるかぶれを避ける |
| 脇毛の減少 | 照射範囲の毛が減る | 長期間持続する可能性がある | 基本的に治療不要 |
症状の程度や期間には個人差があります。施術範囲、照射エネルギー、局所麻酔量、体格、皮下脂肪の厚さ、過去の施術歴などによっても異なります。
ミラドライ施術後の痛みは通常の経過?
ミラドライ施術後の軽い痛み、ヒリヒリ感、押したときの痛みは、比較的よくみられる反応です。
局所麻酔が効いている間は痛みをほとんど感じなくても、施術当日の夜から翌日にかけて痛みが現れることがあります。通常は施術直後から数日が強く、その後は徐々に軽くなります。
患部を押したときの圧痛や、腕を上げたときの違和感は、1〜2週間程度残る場合があります。
痛みに対する対処法
- 保冷剤を清潔なタオルで包んで冷却する
- 医療機関から処方された鎮痛薬を指示どおり服用する
- 市販薬を使用する場合は、持病や他の薬との飲み合わせを確認する
- 施術直後は激しい運動や重い荷物を持つ動作を避ける
- 脇を強く締めつける衣類を避ける
ミラドライの公式ケア案内でも、施術直後のタオル越しの冷却と、使用可能な消炎鎮痛薬による腫れ・不快感への対応が案内されています。
保冷剤を直接皮膚へ当て続けると、凍傷を起こす可能性があります。感覚が鈍くなっている場合は冷たさに気づきにくいため、必ずタオル越しに使用し、短時間ずつ休憩を挟みながら冷却してください。
異常を疑う痛み
次のような場合は、施術を受けた医療機関へ連絡してください。
- 日を追うごとに痛みが強くなる
- 鎮痛薬を使用しても耐えられない
- 電気が走るような痛みが腕や指まで広がる
- 痛みとともに指や手に力が入りにくい
- 皮膚が白色、黒色または暗紫色に変化している
- 水ぶくれ、ただれ、潰瘍がある
- 発熱や膿を伴っている

腫れやむくみはどのくらい続く?
脇の腫れは、ミラドライ施術後に最もよくみられる症状の一つです。
初期の臨床研究では、施術部位の浮腫が90%に認められました。また、脇の外側、上腕、胸の横などへ広がる腫れも報告され、持続期間の中央値は7日、範囲は2〜23日でした。
通常は施術当日から翌日頃に強くなり、その後、数日から2週間ほどかけて軽くなります。左右差が多少生じることもあります。
医療機関へ相談したい腫れ
- 腫れが急速に拡大している
- 片側だけ著しく腫れている
- 2週間を過ぎてもほとんど改善しない
- 腕全体や手まで強く腫れている
- 赤み、熱感、強い痛み、発熱を伴う
- 呼吸の苦しさ、顔や喉の腫れを伴う
非常にまれですが、上肢のリンパ浮腫やアレルギー反応なども報告されています。改善しない腫れをすべて「ミラドライ後だから」と判断し続けないことが大切です。
脇のつっぱり感は異常?
軽いつっぱり感は、施術後の腫れや皮下組織の硬さによって生じることがあり、必ずしも異常ではありません。
腕を上げたときに脇が引っ張られる、皮膚が短くなったように感じる、脇から上腕にかけて筋肉痛のような違和感が出ることがあります。多くは炎症や硬さが改善するにつれて軽くなります。
ただし、脇から上腕や肘方向へ、ひも状の硬い組織が触れることがあります。いわゆる「コード状のつっぱり」に近い状態では、腕を上げたときに強く引っ張られ、肩の可動域が制限されることがあります。
つっぱり感への対処法
- 強い痛みがない範囲で、少しずつ腕を上げる
- 肩を前後にゆっくり回す
- 肘を曲げ伸ばしする
- 日常動作の範囲で腕を使用する
- 医師の許可が出るまでは、強く揉んだり無理に伸ばしたりしない
急性期の腫れや痛みが強い時期に、硬い部分を強く押しつぶすようなマッサージを行うのは避けてください。炎症が落ち着いた後も可動域制限が続く場合は、診察を受けたうえで、ストレッチ、マッサージ、リハビリテーションなどを検討します。
脇や腕が動かしづらいのは通常の経過?
施術直後は、痛み、腫れ、局所麻酔液による違和感、皮下の硬さなどにより、腕を上げづらくなることがあります。
両腕を完全に上げると脇が痛い、着替えにくい、髪を洗いにくいといった軽度の動かしづらさで、毎日少しずつ改善している場合は、通常の経過である可能性が高いでしょう。
一方、次の症状は単なる痛みによる動かしづらさとは分けて考える必要があります。
- 腕や手に力が入らない
- 物を握りにくい、落としてしまう
- 親指、人差し指、中指など特定の指が動かしにくい
- しびれや電撃痛が脇から手まで続いている
- 腕が上がらない状態が改善せず、むしろ悪化している
マイクロ波治療後の腕神経叢障害、正中神経や尺骨神経の一過性障害はまれですが、症例報告があります。保存的治療で改善した例もありますが、筋力低下を伴う場合は早めの診察が必要です。
しびれや感覚の鈍さはいつまで続く?
脇の皮膚を触っても感覚が鈍い、ピリピリする、麻酔が残っているように感じるといった症状は比較的よくみられます。
臨床研究では、脇の感覚変化が65%に認められ、持続期間の中央値は37日、範囲は4日から4か月でした。腕側の皮膚の感覚変化は中央値50日で、最長12か月続いた例もありましたが、研究内では最終的に改善しています。
通常の感覚低下は、脇周辺に限られ、徐々に範囲が狭くなっていきます。
ただし、手指まで広がるしびれ、筋力低下、強い電撃痛を伴う場合は、神経障害の可能性を考えて診察を受ける必要があります。
皮下のしこりや硬さは異常?
施術後、脇の皮下に小さなしこりや板状の硬さを触れることがあります。
これは汗腺周囲の炎症、浮腫、組織修復、線維化などに伴う変化と考えられます。初期の臨床研究では、触ってわかる皮下の隆起が71%に認められ、持続期間の中央値は41日でした。
痛みや赤みを伴わず、少しずつ小さく、柔らかくなっている場合は、通常の治癒過程である可能性があります。
受診した方がよいしこり
- 赤く腫れて痛みが増している
- 膿や排液がある
- 同じ場所で炎症を繰り返す
- 数か月たっても変化しない
- 急速に大きくなる
- 発熱を伴う
極めてまれですが、施術約1か月後から疼痛を伴う炎症性結節を繰り返し、瘢痕化した症例も報告されています。
皮膚の変色や色素沈着は通常の経過?
施術後の皮膚は、次のように色が変化することがあります。
- 赤み
- 吸引による点状または円形の赤紫色
- 内出血による青紫色
- 内出血が治る過程での黄色や緑色
- 炎症後色素沈着による茶色
- 一時的な色素脱失による白っぽい変化
赤紫色から黄色へ変化しながら徐々に薄くなる場合は、内出血の一般的な経過です。
一方、炎症後色素沈着は、熱や摩擦、かぶれなどの炎症に反応してメラニンが増えることで生じます。数週間から数か月かけて徐々に薄くなることがありますが、皮膚の色が濃い方では目立ちやすく、長く残る可能性があります。
色素沈着への対処法
- 脇を強くこすらない
- ナイロンタオルやスクラブを使用しない
- 炎症が残っている間は刺激の強い制汗剤を避ける
- カミソリによる頻回の剃毛を控える
- きつい衣類による摩擦を避ける
- 美白剤やピーリング剤を自己判断で使用しない
赤みや皮むけが続いている段階で美白剤やピーリング剤を使うと、炎症が悪化して色素沈着が濃くなる可能性があります。まず炎症を落ち着かせることが優先です。
色の変化で早めに連絡すべき状態
- 白色または灰白色になっている
- 黒色に変化している
- 水ぶくれを伴っている
- 皮膚がめくれている
- 傷や潰瘍になっている
- 色の変化とともに強い痛みがある
このような所見は単純な内出血や色素沈着ではなく、熱傷や皮膚障害の可能性があります。
ミラドライ施術後の一般的な経過
施術当日
- 局所麻酔による感覚低下
- 脇の腫れ
- 軽い出血や滲出液
- 麻酔が切れてからの痛み
- 腕を閉じにくい感覚
翌日〜3日程度
- 腫れや痛みが最も目立ちやすい
- 脇以外に上腕や胸の横がむくむことがある
- 赤み、吸引痕、内出血が現れる
- 腕を上げにくく感じる
1〜2週間
- 腫れや痛みが徐々に改善する
- 内出血の色が紫から黄色へ変化する
- しびれや感覚低下が残ることがある
- 皮下のしこりや硬さが目立ち始めることがある
1〜3か月
- 皮下の硬さやしこりが徐々に柔らかくなる
- 感覚が少しずつ戻る
- つっぱり感や可動域制限が改善する
- 茶色い色素沈着が残ることがある
3〜6か月以降
多くの一時的な症状は改善します。ただし、感覚変化、色素沈着、毛量減少などは長く残る場合があります。
痛み、筋力低下、炎症性のしこり、腕全体の腫れなどが続く場合は、期間だけを理由に様子を見続けず、医師の診察を受けましょう。
自宅でできる対処法
施術直後は冷却する
清潔なタオルで包んだ保冷剤を使用し、皮膚の状態を確認しながら冷却します。長時間連続して当てたり、保冷剤を直接皮膚に当てたりしないでください。
処方薬を指示どおり使用する
鎮痛薬や外用薬が処方されている場合は、自己判断で回数や量を変更せず、指示どおり使用します。
脇を清潔に保つ
シャワーや入浴の再開時期は医療機関の指示に従ってください。脇を洗う際は強くこすらず、泡でやさしく洗います。
激しい運動を控える
施術直後は、筋力トレーニング、水泳、長時間のランニング、重い荷物を持つ動作などを控えます。汗や摩擦によって炎症が強くなる可能性があります。
腕をまったく動かさない状態にしない
強い痛みが落ち着いたら、日常生活の範囲で少しずつ腕を動かします。ただし、痛みを我慢して無理に伸ばしたり、コード状の硬さを強く押し切ったりしないでください。
すぐに医療機関へ連絡した方がよい症状
次のような症状がある場合は、通常のダウンタイムと自己判断せず、施術を受けた医療機関へ連絡してください。
- 痛みや腫れが時間とともに悪化する
- 片腕全体または手まで強く腫れる
- 赤みや熱感が広がる
- 発熱、悪寒、膿がある
- 水ぶくれ、皮膚のただれ、潰瘍がある
- 皮膚が白色、灰色、黒色に変化する
- 腕や手指に力が入らない
- 物を握れない、指を動かしにくい
- 電撃痛や強いしびれが手まで続く
- 息苦しさ、顔や喉の腫れ、全身のじんましんがある
呼吸困難、意識が遠のく、急速に進行するアレルギー症状がある場合は、施術施設への連絡だけでなく、救急要請を検討してください。
よくある質問
痛みがある間は脇を冷やし続けてもよいですか?
施術直後の冷却は腫れや痛みの軽減に役立ちますが、冷やしすぎには注意が必要です。特に感覚が鈍い状態では凍傷に気づきにくいため、タオル越しに短時間ずつ行ってください。
つっぱりを早く治すために強くマッサージしてもよいですか?
急性期に強く揉むと、炎症や内出血が悪化する可能性があります。マッサージの開始時期や強さは、施術を受けた医療機関へ確認してください。
色素沈着は消えますか?
炎症後色素沈着であれば、数か月かけて徐々に薄くなる可能性があります。ただし、炎症の深さや肌質によっては長く残ります。水ぶくれや皮膚欠損を伴った色の変化は、単純な色素沈着ではない可能性があるため、早めの診察が必要です。
腕を動かしづらいのは神経障害ですか?
痛みや腫れによって動かしづらいだけであれば、症状の改善とともに可動域も戻ることが一般的です。ただし、手指の筋力低下、握力低下、手まで続く電撃痛やしびれがある場合は、神経障害の可能性を考えて診察を受ける必要があります。
しこりはいつまで様子を見てもよいですか?
赤みや痛みがなく、徐々に小さく柔らかくなっている場合は、数週間から数か月かけて経過を見ることがあります。一方、赤く腫れる、膿が出る、繰り返し炎症を起こす、拡大するといった場合は受診してください。
まとめ
ミラドライ施術後には、痛み、腫れ、内出血、つっぱり感、腕の動かしづらさ、感覚低下、皮下のしこり、色素沈着などが現れることがあります。
症状が軽度で、時間の経過とともに改善している場合は、通常の治癒過程である可能性が高いでしょう。
一方で、日ごとに悪化する痛みや腫れ、皮膚の水ぶくれやただれ、発熱、手指の筋力低下、腕全体の著しい腫れなどは、通常の経過とはいえません。
施術後の症状は、種類だけでなく「いつから始まったか」「改善しているか」「範囲が広がっていないか」が重要です。不安な症状がある場合は、写真を撮って記録し、施術を受けた医療機関へ早めに相談しましょう。
※施術後の経過には個人差があります。本記事は一般的な情報を提供するものであり、個別の診断や治療に代わるものではありません。
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