名古屋市「新瑞橋」美容外科・美容皮膚科・形成外科・一般皮膚科

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JOURNAVX(スゼトリジン)とは?美容皮膚科の痛み治療への効果・安全性を解説

美容レーザー、HIFU(ハイフ)、XERF(ザーフ)などの高周波治療、ソフウェーブ、ヒアルロン酸などの注入治療などを検討するとき、「施術中や施術後の痛みが心配」という方は少なくありません。

こうした美容医療の痛みを軽減する新しい選択肢として注目されているのが、米国で承認された非オピオイド鎮痛薬「JOURNAVX(ジャーナビックス、一般名:suzetrigine/スゼトリジン)」です。

JOURNAVXは、末梢の痛覚神経に発現するNaV1.8というナトリウムチャネルを選択的に阻害します。オピオイドとは異なる仕組みで痛みの信号を弱める、これまでにない種類の内服薬です。

この記事では、JOURNAVXの作用機序、臨床試験の結果、美容医療で期待できる場面、局所麻酔との違い、副作用や薬物相互作用を解説します。

※正式な商品名は「JOURNAVX」です。「JOUNAVX」と表記されることがありますが、綴り間違いです。

結論:美容施術の痛みを軽減する新しい内服薬の選択肢

JOURNAVX(一般名:スゼトリジン)は、痛みを伝える末梢の感覚神経に作用する、新しいタイプの非オピオイド鎮痛薬です。

米国FDAは2025年1月、成人の中等度から高度の急性痛に対する治療薬としてJOURNAVXを承認しました。痛みの信号を伝える電位依存性ナトリウムチャネル「NaV1.8」を選択的に阻害し、痛みの情報が脊髄や脳へ伝わるのを抑えることが特徴です。

美容医療では、次のような施術で痛みを感じることがあります。

  • 医療レーザー脱毛
  • ピコレーザーやフラクショナルレーザー
  • HIFU
  • 高周波(RF)治療
  • ソフウェーブ
  • ポテンツァなどのマイクロニードル治療
  • 注入治療
  • 糸リフト
  • 小手術や美容外科手術後

これらの施術では、麻酔クリーム、局所麻酔、冷却、笑気麻酔、アセトアミノフェンなどが用いられてきました。JOURNAVXは、こうした従来の疼痛対策に加えて検討できる、新しい内服鎮痛薬の選択肢です。

JOURNAVXはオピオイドではないため、オピオイド鎮痛薬で問題となる依存性や呼吸抑制を避けながら、比較的強い急性痛を抑えられる可能性があります。米国で行われた第Ⅲ相試験では、腹部形成術および外反母趾手術後の急性痛に対して、プラセボを上回る鎮痛効果が確認されています。

美容施術の前に内服することで、施術中から施術後にかけて生じる痛みを軽減できる可能性があります。特に、麻酔クリームや冷却だけでは痛みが不安な患者さん、HIFU・RF・フラクショナル治療などで強い刺激を感じやすい患者さん、施術後にも痛みが続く可能性がある治療では、疼痛対策を強化するための選択肢となります。

ただし、JOURNAVXは麻酔薬ではありません。塗る麻酔や局所麻酔のように、施術部位の感覚を完全になくす薬ではなく、末梢の感覚神経が伝える痛みの信号を全身的に抑える内服鎮痛薬です。

そのため、JOURNAVXだけですべての痛みをなくそうとするのではなく、施術内容に応じて次の方法と組み合わせます。

  • 麻酔クリーム
  • 局所麻酔
  • 冷却
  • 笑気麻酔
  • 振動刺激
  • 施術設定や照射速度の調整

JOURNAVXを加えることで、従来の局所的な疼痛対策と内服鎮痛を組み合わせた、より多角的な痛みの管理が可能になると考えられます。

一方、美容レーザー、HIFU、RF、注入治療などを受ける患者さんだけを対象とした臨床試験は、現時点では報告されていません。美容施術における使用は、米国FDAが承認した急性痛治療のデータと作用機序を踏まえた応用であり、効果には個人差があります。

また、日本では2026年9月現在、JOURNAVXは未承認です。使用にあたっては、適応、既往歴、内服薬、肝機能などを医師が確認し、国内未承認薬であることや想定される効果、副作用、代替となる疼痛対策について説明を受ける必要があります。

以上を踏まえると、JOURNAVXは「局所麻酔の代用品」ではなく、レーザー・HIFU・RFなどの美容施術をより快適に受けるために、既存の麻酔方法へ追加できる新しい非オピオイド鎮痛薬と位置づけられます。

JOURNAVX(スゼトリジン)とは

JOURNAVXは、一般名をsuzetrigine(スゼトリジン)という経口鎮痛薬です。開発段階ではVX-548と呼ばれていました。

米国FDAは2025年1月30日、成人の中等度から高度の急性痛に対する治療薬として承認しました。NaV1.8を選択的に阻害する薬としては、米国で初めて承認された薬です。[1,2]

従来、比較的強い急性痛に対しては、アセトアミノフェン、NSAIDs、局所麻酔薬、オピオイドなどが使用されてきました。

オピオイドは強い鎮痛作用を持つ一方、眠気、悪心、便秘、呼吸抑制、依存などが問題になります。スゼトリジンは中枢のオピオイド受容体ではなく、主に末梢の痛覚神経へ作用するため、オピオイドとは異なる鎮痛選択肢として期待されています。

NaV1.8を阻害して痛みの信号を弱める

皮膚や組織に熱、圧力、切開などの刺激が加わると、末梢の痛覚神経に活動電位が発生します。その信号が脊髄を経由して脳へ到達すると、私たちは痛みとして認識します。

NaV1.8は、この活動電位の発生と伝達に関係する電位依存性ナトリウムチャネルです。主に後根神経節などの末梢感覚神経に発現しています。

スゼトリジンはNaV1.8を選択的に阻害し、末梢から脊髄・脳へ向かう痛みの信号を弱めます。[5,6]

薬理学的研究では、ほかのNaVサブタイプと比較してNaV1.8に対する高い選択性が示されています。ただし、これらの作用機序研究にはメーカー関係者が著者となっている研究が含まれる点も考慮する必要があります。[5]

オピオイドとの違い

オピオイドは主として中枢神経系のμオピオイド受容体などに作用します。強い鎮痛作用がある一方、鎮静、呼吸抑制、多幸感、依存などを生じる可能性があります。

スゼトリジンはμオピオイド受容体を刺激せず、NaV1.8を介した末梢の疼痛信号を抑えます。米国では規制薬物に分類されていません。

ただし、「オピオイドではない」ことと「副作用や注意点がない」ことは同じではありません。

局所麻酔薬との違い

JOURNAVXは局所麻酔薬ではありません。

リドカインなどの局所麻酔薬は、施術部位へ塗布または注射し、その周辺の神経伝導を強く抑えます。そのため、レーザー照射や切開、注射に伴う痛みを施術中から抑える目的で使用されます。

一方、JOURNAVXは内服後に吸収され、末梢痛覚神経のNaV1.8を選択的に阻害します。特定の施術部位だけを無痛にする薬ではなく、触覚や運動機能を局所的に消失させる薬でもありません。

比較項目表面・局所麻酔JOURNAVX
投与方法クリーム、テープ、注射など内服
主な作用施術部位周辺の神経伝導を抑える末梢痛覚神経のNaV1.8を阻害
作用する範囲主に塗布・注射部位全身的
施術中の痛み直接的に軽減しやすい末梢痛覚神経の信号を弱めることで、間接的に痛みを和らげる
施術後の急性痛製剤により持続時間が異なる中等度~高度の急性痛に対して承認
美容施術での位置づけ標準的に使用される表面麻酔などを補完し、疼痛対策の選択肢を広げる内服鎮痛薬

効果が現れるまでどのくらいかかる?

JOURNAVXは、飲んですぐに局所麻酔のような効果が現れる薬ではありません。

FDA審査資料では、腹部形成術後の試験における「知覚できる鎮痛」の中央値は34分、「意味のある鎮痛」の中央値は119分でした。

外反母趾手術後では、知覚できる鎮痛が60分、意味のある鎮痛が240分でした。[1]

臨床試験知覚できる鎮痛意味のある鎮痛
腹部形成術後中央値34分中央値119分
外反母趾手術後中央値60分中央値240分

「知覚できる鎮痛」とは、患者さんが痛みの軽減を感じ始めるまでの時間です。「意味のある鎮痛」は、痛みが臨床的に十分軽くなったと感じるまでの時間を示します。

効果が現れる時間には個人差があり、手術の種類や痛みの強さによっても異なります。ただし、試験結果からは、十分な鎮痛効果を期待するには一定の時間が必要であることが分かります。

美容施術では約2時間前の内服が目安

美容医療でJOURNAVXを疼痛対策として使用する場合は、施術開始の約2時間前(120分前)に内服するのが、実務上の一つの目安です。

腹部形成術後の試験では、意味のある鎮痛が得られるまでの中央値が119分だったため、施術直前ではなく、効果が現れる時間を見込んで事前に服用します。

例えば、午後2時から施術を受ける場合は、正午頃の内服が目安です。麻酔クリームを併用する場合は、JOURNAVXを約2時間前に内服し、麻酔クリームを施術開始の30~60分前に塗布するなど、それぞれの発現時間を考慮して組み合わせます。

ただし、「施術2時間前」というタイミングは、美容レーザー、HIFU、RF、注入治療などを対象とした臨床試験によって確立された一律の投与方法ではありません。手術後急性痛の試験結果と薬の作用時間を参考にした、美容医療における実務的な運用目安です。

施術内容、予想される痛み、併用する麻酔方法、患者さんの既往歴や内服薬によって適切なタイミングは異なります。必ず処方医から指定された量と時間を守って服用してください。

なお、米国の承認用法では、初回にJOURNAVX 100mg(50mgを2錠)を空腹時に服用します。初回服用の前後は食事との間隔にも注意が必要なため、具体的な食事時間についても処方医の指示に従ってください。

臨床試験で確認されたJOURNAVXの鎮痛効果

JOURNAVXの有効性は、腹部形成術後と外反母趾手術後という、比較的強い痛みが生じる2つの手術モデルを用いた大規模な第3相試験で検証されています。

いずれの試験でも、JOURNAVXはプラセボと比べて48時間の疼痛を有意に改善しました。

オピオイド受容体に作用せず、末梢痛覚神経のNaV1.8を選択的に阻害する新しい非オピオイド鎮痛薬でありながら、手術後の中等度から高度の急性痛に対して明確な鎮痛効果が示された点が大きな特徴です。

腹部形成術後ではオピオイド配合薬に近い鎮痛効果

腹部形成術後に中等度から高度の急性痛が生じた成人1,118人を対象として、JOURNAVX、プラセボ、ヒドロコドン/アセトアミノフェンが比較されました。

48時間の疼痛改善を評価するSPID48は、次のとおりです。

投与群対象者SPID48最小二乗平均
JOURNAVX447人118.4
プラセボ223人70.1
ヒドロコドン/アセトアミノフェン448人111.8

JOURNAVXとプラセボの差は48.4で、統計学的に有意でした。

さらに、JOURNAVX群のSPID48は118.4で、ヒドロコドン/アセトアミノフェン群の111.8と近い数値を示しました。[1,3]

この試験では、JOURNAVXがオピオイド配合薬を上回ることまでは証明されていません。しかし、依存性や呼吸抑制が問題となるオピオイドとは異なる作用機序で、手術後の強い急性痛に対してプラセボを明確に上回り、オピオイド配合薬に近い疼痛改善が得られたことは重要な結果です。

腹部形成術は美容外科でも行われる手術です。そのため、この結果は、JOURNAVXを美容外科手術後の疼痛管理へ活用するうえでも参考になるデータといえます。

外反母趾手術後でもプラセボを有意に上回った

外反母趾手術後の成人1,073人を対象とした第3相試験でも、JOURNAVXの鎮痛効果が確認されました。

投与群対象者SPID48最小二乗平均
JOURNAVX426人99.9
プラセボ216人70.6
ヒドロコドン/アセトアミノフェン431人120.1

JOURNAVXとプラセボの差は29.3で、統計学的に有意でした。[1,3]

この試験ではヒドロコドン/アセトアミノフェン群の数値が最も高かったものの、JOURNAVXもプラセボを明確に上回る疼痛改善を示しています。

つまり、JOURNAVXはオピオイドではないにもかかわらず、骨の手術後に生じる中等度から高度の急性痛に対しても、有効な鎮痛作用を発揮したことになります。

腹部形成術と外反母趾手術という性質の異なる2つの手術で効果が再現されたことは、JOURNAVXが幅広い急性痛へ応用できる可能性を示す結果です。

83.2%が治療効果を良好以上と評価

手術後または非手術性の急性痛を有する成人256人を対象とした第3相試験では、JOURNAVX 100mgを初回投与し、その後は50mgを12時間ごとに最長14日間投与しました。

治療終了時には、患者さんの83.2%がJOURNAVXの効果を次のいずれかに評価しました。[4]

  • good
  • very good
  • excellent

さまざまな原因による急性痛を対象としながら、8割を超える患者さんが治療効果を良好以上と評価したことになります。

この試験にはプラセボや既存薬との比較群がありませんが、実際の診療に近い多様な急性痛に対して、患者満足度の高い疼痛管理が行えたことを示すデータとして注目されます。

臨床試験から分かるJOURNAVXの強み

3つの第3相試験から、JOURNAVXには次のような特徴があることが分かります。

  • 2つの大規模比較試験でプラセボを有意に上回った
  • 腹部形成術後ではオピオイド配合薬に近い疼痛改善を示した
  • 外反母趾手術後の強い急性痛にも効果を示した
  • 性質の異なる複数の急性痛で有効性が確認された
  • 多様な急性痛を対象とした試験で83.2%が効果を良好以上と評価した
  • オピオイド受容体を刺激せず、末梢の痛みの信号を抑える
  • 依存性や呼吸抑制を避けながら、急性痛を治療できる可能性がある

JOURNAVXは、単に「オピオイドを使わない薬」というだけではありません。

比較的強い手術後痛に対して有効性が確認された、新しい作用機序の非オピオイド鎮痛薬です。美容医療においても、麻酔クリーム、局所麻酔、冷却などへJOURNAVXを組み合わせることで、施術中から施術後までを見据えた、より充実した疼痛管理につながることが期待されます。

美容皮膚科治療におけるJOURNAVXの活用法

JOURNAVXは、美容施術に伴う痛みを軽減する新しい内服鎮痛薬の選択肢です。

麻酔クリームや局所麻酔が施術部位へ直接作用するのに対し、JOURNAVXは末梢の感覚神経に存在するNaV1.8を選択的に阻害し、皮膚や組織から脊髄・脳へ伝わる痛みの信号を弱めます。

そのため、従来の疼痛対策と作用する場所が異なります。

  • 麻酔クリームや局所麻酔:施術部位で痛みを直接抑える
  • 冷却:皮膚表面の熱感や刺激を軽減する
  • JOURNAVX:末梢神経から伝わる痛みの信号を内服薬によって抑える

これらを組み合わせることで、一つの方法だけに頼るよりも、施術中から施術後までを見据えた多角的な疼痛管理が可能になります。

特に、HIFU、RF、フラクショナルレーザー、ポテンツァ、ミラドライなど、刺激が強い治療や施術後にも痛みが残りやすい治療では、JOURNAVXを追加するメリットが期待できます。

美容施術ごとのJOURNAVXの位置づけ

美容治療主に感じる痛みJOURNAVXの活用方法
ボトックス・ヒアルロン酸注入針を刺す瞬間の痛み、注入時の圧迫感冷却や細い針と組み合わせ、注入治療全体の痛みを軽減する選択肢
医療脱毛・IPL・ピコレーザー照射時の熱感、弾かれるような痛み冷却や表面麻酔を補完し、広範囲照射や高出力治療を受けやすくする
HIFU深部へ響く痛み、骨に響くような刺激深部の刺激に対する疼痛対策を強化する内服薬として活用
モノポーラRF蓄積する熱感、部位によって生じる強い刺激冷却や出力調整と組み合わせ、治療中の負担を軽減
ソフウェーブ真皮加熱に伴う熱感や疼痛局所的な冷却と内服鎮痛を組み合わせた疼痛管理に活用
フラクショナルCO2レーザー施術中の熱痛、施術後の灼熱感表面麻酔を補完し、施術中から施術後までの痛みをカバー
ダーマペン・ポテンツァ針の刺激、RFによる熱感表面麻酔と異なる作用機序で痛みの信号を抑える
ミラドライ局所麻酔注射、施術後の腫れや疼痛局所麻酔に加え、施術後の急性痛を軽減する選択肢
脂肪吸引・豊胸・鼻整形手術後の中等度以上の急性痛マルチモーダル鎮痛を構成する非オピオイド鎮痛薬として活用
腹部形成術比較的強い手術後痛第Ⅲ相試験でプラセボを有意に上回る鎮痛効果を確認

注入治療やレーザーでも疼痛対策の選択肢を広げられる

ボトックスやヒアルロン酸注入では、細い針、冷却、振動刺激、麻酔クリームなどが一般的に用いられています。

JOURNAVXは、これらの方法とは異なる仕組みで痛みの伝達を抑えるため、注入箇所が多い治療、広範囲への注入、痛みに敏感な患者さん、不安が強い患者さんでは、従来の対策へ追加できる選択肢となります。

医療脱毛、IPL、ピコレーザーでも、照射範囲が広い場合や高出力で治療する場合には、施術中の痛みが積み重なります。JOURNAVXを施術前に内服しておくことで、冷却や表面麻酔による局所的な対策に、内服鎮痛という別方向からのアプローチを加えられます。

施術直前ではなく、効果が現れるまでの時間を見込んで、一般的には施術の約2時間前に内服します。

HIFU・RF・ソフウェーブとの相性が期待される

HIFU、モノポーラRF、ソフウェーブなどのたるみ治療では、皮膚表面だけでなく、組織の内部に熱を加えます。

そのため、患者さんによっては次のような痛みを感じます。

  • 骨に響くような痛み
  • 奥から突き上げるような刺激
  • 熱が蓄積していく感覚
  • フェイスラインや口周りの強い痛み
  • 施術後に残る熱感や圧痛

麻酔クリームは皮膚表面の痛みを抑えることには適していますが、深部へ伝わる刺激まで十分に軽減できないことがあります。

JOURNAVXは、刺激を受けた末梢痛覚神経から伝わる痛みの信号を弱めるため、表面麻酔だけでは対応しにくい深部の痛みに対しても、異なる方向からアプローチできます。

冷却、表面麻酔、出力調整にJOURNAVXを加えることで、治療効果を重視した設定でも、患者さんの負担を抑えやすくなることが期待されます。

フラクショナルレーザーやポテンツァでは施術後の痛みにも対応

フラクショナルCO2レーザー、ニードルRF、ポテンツァなどは、施術中の痛みだけでなく、終了後にも熱感、ヒリヒリ感、灼熱感が続くことがあります。

麻酔クリームは施術中の表面的な痛みを抑える一方、施術終了後は徐々に効果が弱くなります。

JOURNAVXを施術前から使用することで、表面麻酔の効果が弱くなる時間帯にも内服鎮痛薬の作用をつなげられるため、施術中から帰宅後までを含めた疼痛管理に適しています。

特に、強めの設定でフラクショナル治療を受ける場合、広範囲を治療する場合、過去の施術で痛みが強かった場合には、検討しやすい選択肢です。

ミラドライや美容外科手術後の疼痛管理にも活用できる

ミラドライでは、施術前に局所麻酔を行うため、治療中の痛みは局所麻酔によって抑えられます。一方、局所麻酔が切れた後には、腫れ、熱感、圧痛などが現れることがあります。

JOURNAVXは中等度から高度の急性痛に対して承認された薬であり、局所麻酔が弱くなる時間帯の痛みを補う内服鎮痛薬として活用できます。

脂肪吸引、豊胸、腹部形成、鼻整形などの美容外科手術では、複数の方法を組み合わせるマルチモーダル鎮痛が重要です。

  • 局所麻酔
  • 長時間作用型局所麻酔
  • アセトアミノフェン
  • NSAIDs
  • 冷却
  • JOURNAVX

作用機序の異なる方法を組み合わせることで、鎮痛効果を高めながら、オピオイド鎮痛薬への依存を減らすことが期待できます。

特に腹部形成術後の第Ⅲ相試験では、JOURNAVXがプラセボを有意に上回り、ヒドロコドン/アセトアミノフェン配合薬に近いSPID48を示しました。

美容外科でも行われる腹部形成術で有効性が確認されていることは、術後疼痛管理へJOURNAVXを取り入れるうえで重要な臨床データです。

美容医療におけるJOURNAVXのメリット

美容医療へJOURNAVXを取り入れるメリットは、単に鎮痛薬の種類が一つ増えることだけではありません。

  • 麻酔クリームとは異なる作用機序で痛みを抑えられる
  • 施術部位が広くても内服による疼痛対策ができる
  • 施術中だけでなく、施術後の痛みにも対応しやすい
  • HIFUやRFなどの深部へ響く刺激にも応用できる
  • オピオイドではないため、依存性や呼吸抑制を避けられる
  • 従来の麻酔、冷却、出力調整と組み合わせられる
  • 痛みへの不安が強い患者さんへ新しい選択肢を提示できる

美容レーザーやHIFU、RFだけを対象とした臨床試験は今後の蓄積が待たれますが、JOURNAVXはすでに大規模な第Ⅲ相試験で、中等度から高度の急性痛に対する鎮痛効果が確認されています。

美容医療では、JOURNAVXだけですべての痛みを抑えるのではなく、麻酔クリーム、局所麻酔、冷却などへ組み合わせることで、それぞれの長所を生かした疼痛管理が可能になります。

JOURNAVXは、痛みを我慢して美容施術を受けるのではなく、患者さんがより快適に治療を受けるための選択肢を広げる、新しい非オピオイド鎮痛薬と位置づけられます。

FDAで承認された用法・用量

米国の電子添文に記載された成人の標準用法は、次のとおりです。

  1. 初回に100mgを内服
  2. 初回投与から12時間後より50mgを12時間ごとに内服
  3. 急性痛に必要な最短期間だけ使用
  4. 14日を超える使用は臨床試験で検討されていない

初回100mgは、食事の1時間以上前または食後2時間以上あけた空腹時に内服します。食事と同時に内服すると、初期の血中濃度上昇が遅れるためです。2回目以降は食事の影響を受けずに内服できます。[1]

これは米国FDA承認用量の紹介であり、日本で自己判断による内服を勧めるものではありません。

副作用

腹部形成術と外反母趾手術の試験を統合した874人の安全性データでは、プラセボより多く報告された主な副作用は次のとおりでした。

副作用JOURNAVXプラセボヒドロコドン/アセトアミノフェン
かゆみ2.1%1.6%3.4%
筋けいれん1.3%0.5%0.7%
CK上昇1.1%0.5%0.8%
発疹1.1%0.5%0.7%

有害事象による中止率はJOURNAVX群で0.6%でした。[1]

短期試験では比較的良好な忍容性が報告されていますが、承認後の使用期間がまだ短く、まれな副作用や特殊な患者層における安全性は今後も確認が必要です。

特に重要な薬物相互作用

JOURNAVXを検討する際、最も注意すべき点の一つがCYP3Aを介した相互作用です。

強力なCYP3A阻害薬との併用は禁忌

スゼトリジンとその活性代謝物は、主としてCYP3Aで代謝されます。

強力なCYP3A阻害薬を併用すると血中濃度が上昇するため、米国電子添文では併用禁忌です。イトラコナゾールとの併用では、スゼトリジンの曝露量が約4.8倍に増加しました。[1]

該当する可能性のある薬には、一部の抗真菌薬、抗ウイルス薬、抗菌薬などがあります。薬の種類によって阻害作用の強さが異なるため、薬剤名だけで自己判断してはいけません。

グレープフルーツを避ける

服用期間中は、グレープフルーツを含む食品や飲料を避ける必要があります。

CYP3A誘導薬も避ける

強力または中等度のCYP3A誘導薬を併用すると、スゼトリジンの血中濃度が低下し、効果が弱くなる可能性があります。

一部のホルモン避妊薬へ影響する

JOURNAVXにはCYP3A誘導作用もあります。一部のプロゲスチンを含むホルモン避妊薬の効果を低下させる可能性があるため、治療中および中止後28日間は、非ホルモン避妊法の追加または別の避妊方法が必要になる場合があります。[1]

使用前に申告すべきこと

使用を検討する場合は、次の事項を医師へ伝える必要があります。

  • 現在使用している処方薬、市販薬、サプリメント
  • 抗真菌薬、抗菌薬、抗ウイルス薬の使用
  • ホルモン避妊薬の使用
  • 肝機能障害
  • 重度の腎機能障害
  • 妊娠中、妊娠の可能性、授乳中
  • 薬剤アレルギー
  • 慢性痛や神経障害性疼痛
  • 施術後に使用する予定の鎮痛薬

重度の肝機能障害では使用を避け、中等度の肝機能障害では減量が必要です。妊娠中のヒトでの安全性データは十分ではありません。また、小児に対する安全性と有効性も確立していません。[1]

アセトアミノフェンやNSAIDsと何が違う?

薬剤主な作用主な注意点
アセトアミノフェン中枢を中心に鎮痛・解熱過量投与、肝機能障害
NSAIDsCOX阻害により炎症・痛みを抑える胃腸障害、腎機能、出血、喘息
オピオイド中枢のオピオイド受容体へ作用悪心、便秘、眠気、呼吸抑制、依存
局所麻酔薬局所のナトリウムチャネルを阻害局所麻酔中毒、アレルギー、投与量
スゼトリジン末梢痛覚神経のNaV1.8を選択的に阻害CYP3A相互作用、発疹、かゆみ、肝障害時の調整

どの薬が一律に優れているというものではありません。

美容医療では、施術の侵襲度、痛みが生じる時間、出血リスク、既往歴、併用薬などに応じて鎮痛方法を組み合わせます。

マルチモーダル鎮痛の一部として考える

美容医療の痛みを一つの薬だけで完全に解決しようとすると、副作用や鎮痛不足につながることがあります。

マルチモーダル鎮痛とは、作用機序が異なる複数の方法を組み合わせ、それぞれの薬剤使用量を抑えながら鎮痛効果を高める考え方です。

美容医療では、次のような方法を組み合わせます。

  • 表面麻酔クリーム
  • 局所麻酔注射
  • ブロック麻酔
  • 冷却
  • 振動刺激
  • 笑気吸入
  • アセトアミノフェン
  • NSAIDs
  • 必要に応じた鎮静やオピオイド
  • 施術設定や照射方法の調整

JOURNAVXが将来美容医療に導入される場合も、これらをすべて置き換える薬ではなく、マルチモーダル鎮痛を構成する選択肢の一つになると考えられます。

よくある質問

JOURNAVXを飲むとHIFUやRFの痛みを軽減できますか?

JOURNAVXは末梢の感覚神経に存在するNaV1.8を選択的に阻害し、熱刺激によって生じた痛みの信号が脊髄や脳へ伝わるのを抑える内服鎮痛薬です。

そのため、HIFU、モノポーラRF、ソフウェーブなどで感じる、深部へ響く痛みや蓄積する熱感を軽減する選択肢として期待できます。

美容施術では、効果が現れるまでの時間を見込んで、一般的に施術の約2時間前に内服します。冷却、麻酔クリーム、照射速度や出力の調整と組み合わせることで、複数の方向から痛みに対処できます。

ただし、痛みの感じ方には個人差があり、完全な無痛を保証する薬ではありません。JOURNAVXは「痛みをゼロにする麻酔」ではなく、施術に伴う痛みを軽減し、治療を受けやすくするための内服鎮痛薬です。

麻酔クリームと一緒に使えますか?

JOURNAVXと麻酔クリームは、作用する場所が異なるため、組み合わせて使用できます。

麻酔クリームは塗布した皮膚表面へ直接作用し、レーザー照射や針を刺すときの痛みを抑えます。一方、JOURNAVXは内服後に末梢痛覚神経のNaV1.8を阻害し、痛みの信号そのものを伝わりにくくします。

つまり、両者の役割は次のように整理できます。

  • 麻酔クリーム:施術部位の表面的な痛みを直接抑える
  • JOURNAVX:末梢神経から伝わる痛みの信号を弱める

表面麻酔にJOURNAVXを追加することで、皮膚表面の痛みと、深部へ響く痛みの両方へアプローチできます。特にHIFU、RF、ポテンツァ、フラクショナルレーザーなど、表面的な刺激と深部の熱感が重なる施術では、互いの長所を生かした疼痛管理が期待できます。

オピオイドと同じくらい効きますか?

JOURNAVXは、オピオイドとは異なる仕組みで中等度から高度の急性痛を軽減する薬です。

腹部形成術後の第Ⅲ相試験では、48時間の疼痛改善を示すSPID48が、JOURNAVX群で118.4、ヒドロコドン/アセトアミノフェン群で111.8と近い数値を示しました。

外反母趾手術後の試験では、オピオイド配合薬群の数値がJOURNAVX群を上回りましたが、JOURNAVXもプラセボに対して有意な鎮痛効果を示しています。

JOURNAVXの大きな価値は、オピオイド受容体を刺激することなく、手術後の比較的強い急性痛を軽減できる点です。鎮静、呼吸抑制、依存などが問題となるオピオイドとは異なる、新しい非オピオイド鎮痛薬の選択肢になります。

依存性はありませんか?

JOURNAVXはオピオイド受容体へ作用せず、米国では規制薬物に分類されていません。

臨床試験や乱用可能性を評価した研究でも、オピオイドにみられる多幸感や薬物嗜好性、依存形成を示す所見は確認されていません。

比較的強い急性痛に対応しながら、オピオイドに伴う依存性や呼吸抑制を避けられることは、JOURNAVXの大きな特徴です。

副作用や薬物相互作用への確認は必要ですが、「強い痛みにはオピオイドしかない」という従来の選択肢を広げる薬として期待されています。

NSAIDsを使いにくい人にも選択肢になりますか?

JOURNAVXは、NSAIDsとは異なる作用機序を持つため、NSAIDsを使いにくい患者さんにとっても検討できる鎮痛薬です。

NSAIDsはCOXを阻害して炎症と痛みを抑えますが、胃腸障害、腎機能への影響、出血傾向、NSAIDs過敏喘息などに注意が必要です。

一方、JOURNAVXは末梢痛覚神経のNaV1.8を選択的に阻害します。NSAIDsのようにCOXを阻害する薬ではないため、胃腸、腎機能、血小板機能に対する注意点も異なります。

そのため、次のような場合には新しい選択肢となる可能性があります。

  • NSAIDsで胃が荒れやすい
  • 出血リスクをできるだけ抑えたい
  • NSAIDs過敏症や喘息が心配
  • 美容外科手術後に複数の鎮痛方法を組み合わせたい
  • オピオイドを使用せずに疼痛対策を強化したい

ただし、JOURNAVXにはCYP3Aを介した薬物相互作用があるため、服用中の薬、サプリメント、避妊薬を事前に確認します。どちらが一律に優れているかではなく、患者さんの既往歴や施術内容に応じて使い分けます。

どのような痛みに向いていますか?

JOURNAVXは、成人の中等度から高度の急性痛に対してFDA承認を受けた薬です。

美容医療では、次のような一時的な痛みへの活用が考えられます。

  • HIFUやRFによる深部の熱痛
  • ソフウェーブの照射時痛
  • ポテンツァやニードルRFによる針刺激と熱痛
  • フラクショナルレーザー後の灼熱感
  • ミラドライ後の疼痛
  • 脂肪吸引、豊胸、鼻整形などの術後痛
  • 腹部形成術後の急性痛

特に、施術中だけでなく終了後にも痛みが続く治療では、表面麻酔が弱くなる時間帯を内服鎮痛薬でカバーできる点がメリットです。

一方、JOURNAVXは急性痛を対象とした薬であり、毎日長期間続く慢性痛よりも、美容施術や手術に伴う一時的な痛みへの使用に適しています。

日本でもJOURNAVXを使用できますか?

JOURNAVXは2026年9月現在、日本では未承認ですが、医療機関が所定の手続きを行って輸入し、医師の診察と管理のもとで提供することは可能です。

Re:Birth Clinic NAGOYAでは、美容施術の疼痛対策を充実させる選択肢としてJOURNAVXを導入しています。

当院での費用は次のとおりです。

  • JOURNAVX 100mg(50mg錠×2錠):13,200円(税込)
  • 希望がある場合は施術前の郵送にも対応
  • 郵送費:330円(税込)

施術当日に飲んですぐ効果を期待するのではなく、作用が現れるまでの時間を考慮し、原則として施術の約2時間前に内服します。

郵送を希望する場合も、既往歴、肝機能、服用中の薬、サプリメント、ホルモン避妊薬などを事前に確認したうえで案内します。

国内未承認薬であるため、承認薬と同様の公的な副作用救済制度の対象とならない可能性を含め、効果、注意点、代替となる疼痛対策について説明を受け、納得したうえで使用することが大切です。

まとめ

JOURNAVXは、末梢痛覚神経に発現するNaV1.8を選択的に阻害する、新しい非オピオイド経口鎮痛薬です。

腹部形成術と外反母趾手術後の中等度から高度の急性痛に対し、プラセボを上回る鎮痛効果が確認され、2025年に米国FDAの承認を受けました。

一方、美容レーザー、HIFU、RF、医療脱毛、ボトックス、ヒアルロン酸注入などを対象とした臨床試験はなく、美容施術中の痛みに対する有効性は確立していません。

局所麻酔の代わりになる薬ではなく、応用するとすれば、侵襲の大きな美容外科手術後や比較的強い施術後痛に対するマルチモーダル鎮痛の一部として検討される薬です。

また、強力なCYP3A阻害薬との併用禁忌、グレープフルーツ、一部のホルモン避妊薬、肝機能障害など、重要な注意点があります。

新しい作用機序を持つ有望な薬ですが、「非オピオイド=誰にでも安全」「美容施術が無痛になる」と解釈せず、適応、エビデンス、相互作用、日本での承認状況を確認したうえで慎重に判断する必要があります。

参考文献

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    https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2025/219209s000lbl.pdf
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