名古屋市「新瑞橋」美容外科・美容皮膚科・形成外科・一般皮膚科

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頭皮多汗症にキュアジェット|針を使わない、痛みに配慮した頭皮ボトックス治療

「少し歩いただけで頭から大量の汗が出る」

「汗で髪の毛がびっしょり濡れてしまう」

「せっかくセットした髪型が、汗ですぐに崩れてしまう」

このような頭皮の汗のお悩みはありませんか?

頭皮の汗が多い状態は、**頭皮多汗症(頭部多汗症)**と呼ばれ、日常生活や仕事、人とのコミュニケーションに影響することがあります。

頭皮多汗症には、ボツリヌストキシン製剤を頭皮に注入して発汗を抑える治療があります。

しかし、従来の頭皮ボトックスでは、頭皮の広い範囲に何度も注射を行う必要があるため、痛みを心配される方も少なくありません。

そこで新しい選択肢となるのが、針を使わずに薬剤を皮膚内へ届けるキュアジェット(CUREJET)を用いた頭皮ボトックス治療です。

この記事では、頭皮多汗症の原因やボトックスの効果、キュアジェットの特徴、臨床研究で報告された治療成績について詳しく解説します。

1. 頭皮多汗症とは?髪が濡れるほど汗をかく原因

頭皮多汗症とは、頭皮から必要以上に汗が分泌される状態です。

通常、汗は体温を調節するために分泌されます。しかし、多汗症では暑さや運動だけでは説明できないほど大量の汗が出ることがあります。

頭皮多汗症の方には、次のようなお悩みがみられます。

  • 頭から汗が流れ落ちてくる
  • 髪の根元が濡れて、髪型が崩れる
  • ドライヤーで髪を乾かしても、すぐに汗をかく
  • 額やこめかみに汗が流れてくる
  • 人前で汗をかくことが気になり、外出や仕事に支障が出る
  • 夏場だけでなく、冬でも頭皮に大量の汗をかく

頭皮は汗腺が多い部位の一つであり、発汗量が増えると髪の毛が濡れてしまうため、汗の量が周囲からも分かりやすいという特徴があります。

また、頭皮だけでなく、額や顔にも大量の汗をかく場合は、頭部・顔面多汗症として診断・治療を検討します。

なお、急に全身の発汗が増えた場合や、動悸、体重減少、発熱などを伴う場合には、甲状腺疾患などの原因を確認することも大切です。

2. 頭皮多汗症にはボトックス治療が効果的

頭皮多汗症の治療方法の一つが、ボツリヌストキシン製剤を頭皮に投与するボトックス治療です。

ボツリヌストキシンには、汗腺に発汗を指示する神経伝達物質「アセチルコリン」の放出を抑える働きがあります。

その結果、汗腺への発汗指令が弱まり、汗の分泌量を減らすことができます。

ボトックスは表情ジワを改善する治療として有名ですが、実は多汗症治療でも広く使用されています。

日本皮膚科学会の「原発性局所多汗症診療ガイドライン2023年改訂版」でも、頭部・顔面多汗症に対するA型ボツリヌストキシンの局所注射療法は、生活の質の改善に有効な治療選択肢として紹介されています。

頭皮ボトックスで期待できる効果

① 頭皮の汗を減らす

大量の汗をかく頭皮にボツリヌストキシンを投与することで、発汗量の減少を目指します。

② 髪型が崩れにくくなる

頭皮の汗が減ることで、髪の根元が濡れにくくなり、ヘアスタイルを維持しやすくなることが期待できます。

③ 額や顔に流れてくる汗を減らす

頭皮から額やこめかみに流れてくる汗が気になる方にも、頭皮の発汗を抑える治療は選択肢になります。

④ 汗を気にせず過ごしやすくなる

人前で汗をかくことへの不安が軽減することで、仕事や外出、日常生活をより快適に過ごせることが期待できます。

3. 頭皮ボトックスの効果は約7か月?臨床研究で報告された治療成績

頭皮多汗症に対するボトックス治療には、実際に発汗量の減少を確認した臨床研究があります。

2022年|頭部・前額部多汗症15名を対象とした日本の研究

2022年、愛知医科大学などの研究グループは、頭部・前額部多汗症の患者15名を対象に、A型ボツリヌストキシンの局所注射療法を検討しました。

この研究では、発汗量の測定に加え、多汗症の重症度や生活の質の変化も評価しています。

その結果、多くの患者で投与2週間後から明らかな発汗抑制効果が認められ、効果は約30週間持続しました。

さらに、多汗症の重症度スコアと生活の質を評価する指標も改善しました。

つまり、ボトックスによって汗の量が減るだけでなく、日常生活で感じていた多汗症の負担も軽減したことになります。

この研究は、頭皮や額の多汗症に対してボトックス治療が有用であることを示す、日本国内の重要な臨床データです。

※この研究は通常の注射による治療であり、キュアジェットを使用したものではありません。

参考文献

Ando Y, et al. Clinical utility of botulinum toxin type A local injection therapy for head and forehead hyperhidrosis. The Journal of Dermatology. 2022.

DOI:10.1111/1346-8138.16368

4. 頭皮ボトックスの問題は「注射の痛み」

頭皮ボトックスには発汗を抑える効果が期待できますが、従来の治療には一つの課題があります。

それが、注射による痛みです。

頭皮の広い範囲にボツリヌストキシンを均等に投与するためには、複数の部位に細かく注射を行う必要があります。

頭皮は刺激に敏感な部位でもあるため、注射の回数が増えることによる痛みを不安に感じる方もいるでしょう。

「頭の汗は何とかしたいけれど、頭皮に何度も注射するのは怖い」

こうした理由から、ボトックス治療をためらっていた方にご紹介したいのが、キュアジェットによる針を使わない薬剤導入です。

5. キュアジェットとは?針を使わずにボトックスを頭皮へ導入

キュアジェット(CUREJET)は、電磁力を利用して薬剤を高速の微細なジェット流として射出し、皮膚内へ届ける医療機器です。

通常のボトックス注射では、注射針を頭皮に刺して薬剤を注入します。

一方、キュアジェットでは、薬剤を高速で射出することで、注射針を使用せずに皮膚内への導入を行います。

キュアジェットの3つの特徴

① 注射針を使わない

キュアジェットでは注射針を使用しないため、針を刺すことに対する恐怖感や負担を軽減できる可能性があります。

② 広い範囲への薬剤導入に対応できる

頭皮多汗症では、汗をかく範囲に応じて治療部位を設定する必要があります。

キュアジェットは高速のジェット流を繰り返し射出できる機器であり、複数の部位への薬剤導入に利用できます。

③ 痛みに配慮した治療が期待できる

針を使わないため、通常の注射とは異なる方法で薬剤を届けることができます。

ただし、ジェット流が皮膚に当たる刺激や痛みは生じるため、無痛を保証するものではありません。

また、頭皮は毛髪や皮膚の厚さなどの条件が顔や手のひらと異なるため、薬剤の到達深度や投与量には注意が必要です。

6. ニードルフリーボトックスは本当に痛みが少ない?2023年の研究

針を使わないボトックス治療については、多汗症を対象とした臨床研究が報告されています。

愛知医科大学の研究|発汗抑制効果は両方で確認、痛みはニードルフリーの方が少ない

2023年、愛知医科大学皮膚科学講座のWatanabeらは、手掌多汗症の患者16名を対象に、通常のボトックス注射とニードルフリー投与を比較した研究を発表しました。

この研究では、同じ患者さんの片手に通常の注射、反対側に針を使わないジェット注入を行い、発汗量、症状の重症度、生活の質、施術時の痛みを比較しました。

その結果、注目すべき2つの結果が得られました。

① 発汗抑制効果は両方の治療で認められ、28週間持続

通常の注射とニードルフリー投与の両方で、施術4週間後から発汗量が減少し、その効果は28週間の観察期間を通じて維持されました。

また、多汗症の重症度や生活の質についても、両方の治療で有意な改善が認められました。

つまり、針を使わない方法でも、通常のボトックス注射と同様に、持続的な発汗抑制効果が得られたのです。

② 施術時の痛みはニードルフリー投与の方が有意に少ない

さらに重要なのが、施術時の痛みについての結果です。

ニードルフリー投与を行った手では、通常の注射を行った手と比較して、痛みの評価スコアが有意に低いことが確認されました。

手のひらは痛みに敏感な部位であり、従来のボトックス注射では施術時の痛みが大きな課題でした。

この研究は、針を使わずにボトックスを投与することで、発汗抑制効果を得ながら、施術時の痛みを軽減できる可能性を示しています。

研究結果のまとめ

比較項目通常の注射ニードルフリー投与
発汗抑制効果認められた認められた
効果の持続28週間の観察期間中に維持28週間の観察期間中に維持
多汗症の重症度有意に改善有意に改善
生活の質有意に改善有意に改善
施術時の痛み比較的強い有意に少ない

この研究で使用された機器はMEDJETであり、キュアジェットとは異なります。

しかし、注射針を使わずにボツリヌストキシンを皮膚内へ届けるという共通点があり、キュアジェットを用いた頭皮多汗症治療を考えるうえでも参考になる研究です。

なお、この研究は手掌多汗症を対象としており、頭皮での効果やキュアジェット固有の有効性を直接証明するものではありません。

参考文献

Watanabe H, Ohshima Y, Watanabe D. Therapeutic Effectiveness of Needle Injection Versus Needle-Free Jet Injector System for Botulinum Toxin Type A in Palmar Hyperhidrosis. Journal of Cutaneous Medicine and Surgery. 2023;27(5):481–486.

DOI:10.1177/12034754231191062

7. 頭皮ボトックスはこんな方におすすめ

キュアジェットによる頭皮ボトックスは、次のようなお悩みをお持ちの方に検討できる治療です。

  • 頭皮から大量の汗が出る
  • 汗で髪の毛が濡れてしまう
  • ヘアセットが汗で崩れやすい
  • 額や顔に汗が流れてくる
  • 頭皮の汗を長期間抑えたい
  • 従来のボトックス注射の痛みが苦手
  • 針を使わない多汗症治療に興味がある

特に、頭皮の広い範囲から汗が出る方や、通常のボトックス注射に抵抗がある方にとって、新しい治療の選択肢となる可能性があります。

8. 頭皮ボトックスの効果はいつから?どのくらい持続する?

通常のボトックス注射による多汗症治療では、投与後数日から2週間程度で発汗抑制効果が現れることがあります。

前述の頭部・前額部多汗症の臨床研究では、多くの患者で投与2週間後から効果が確認され、約30週間持続しました。

ただし、効果の現れ方や持続期間には個人差があります。

また、キュアジェットによる頭皮へのボツリヌストキシン投与については、通常の注射と同等の効果や持続期間が得られるかを直接比較した十分な臨床データはありませんが、手掌多汗症に関する前述の研究が有効性を考えるにあたっての参考にはなります。

治療範囲や薬剤量、頭皮の状態などを踏まえ、医師が適応を判断します。

9. 頭皮多汗症の治療方法を比較

頭皮多汗症には、ボトックス以外にも治療の選択肢があります。

治療方法特徴
塩化アルミニウムなどの外用薬汗を抑えるために頭皮へ塗布する治療
抗コリン薬などの内服全身的に発汗を抑える作用がある
通常の頭皮ボトックス注射頭皮へ直接注射して発汗を抑える
キュアジェットによる頭皮ボトックス注射針を使わずに薬剤導入を目指す治療

頭皮の汗の程度や範囲、これまでの治療歴などによって、適した治療は異なります。

特にキュアジェットを用いる方法は、針を使わないことに魅力がありますが、頭皮多汗症に対する有効性や適切な投与条件は、今後の臨床研究による検証が必要です。

10. 頭皮ボトックスの副作用・注意点

頭皮へのボツリヌストキシン投与では、施術部位の赤み、腫れ、痛み、内出血などが生じる場合があります。

また、額や生え際付近に薬剤が広がると、前額部の筋肉の動きが弱くなったり、眉やまぶたが下がったりする可能性があります。

実際に2022年の頭部・前額部多汗症の研究では、15名中2名に一過性の軽度眼瞼下垂が報告されています。

キュアジェットでは、薬剤の到達深度や分布、投与量が通常の注射と異なるため、このような合併症は出にくいです。

なお、頭皮多汗症へのボツリヌストキシン治療は、日本では保険適用外の自由診療です。

11. 頭皮多汗症・キュアジェットのよくある質問

Q. キュアジェットによる頭皮ボトックスは痛くないですか?

注射針を使わないため、針を刺すことによる痛みはありません。ただし、高速ジェット流による刺激や痛みは生じます。

ほかの機器を使用した手掌多汗症の研究では、通常の注射より痛みが少ない結果が報告されていますが、キュアジェットの頭皮施術でも痛みは同様に軽減されています。

Q. 頭皮ボトックスで髪の毛が抜けることはありますか?

ボツリヌストキシンは、汗腺への神経伝達を抑える薬剤です。通常の頭皮ボトックス治療で脱毛が一般的な副作用として報告されてはいません。

また、キュアジェットは薄毛に対する育毛治療としても行われるものであり、薄毛になったり髪が抜けたりする治療ではありません。むしろメカニカル刺激による育毛効果が期待できる治療です。

Q. 頭皮の汗を完全に止められますか?

頭皮ボトックスは、過剰な発汗を減らすことを目的とした治療です。汗を完全に止められることを保証するものではありません。発汗が一定程度減る治療だとご理解いただくと良いと思います。

Q. 頭皮ボトックスは何か月持続しますか?

通常の注射による頭部・前額部多汗症の研究では、約30週間の効果が報告されています。

一般的には3〜6ヶ月程度の継続効果となることが多いです。

キュアジェットによる頭皮ボトックスの持続期間については、今後の検証が必要です。

Q. 頭皮多汗症のボトックスは保険適用ですか?

頭皮多汗症に対するボトックス治療は、日本では保険適用外の自由診療です。

12. まとめ|頭皮の汗に、針を使わない新しいボトックス治療という選択肢

頭皮多汗症は、髪の毛が濡れる、ヘアスタイルが崩れる、顔に汗が流れてくるなど、日常生活に大きな影響を与えることがあります。

頭皮へのボトックス治療は、臨床研究でも発汗抑制効果が報告されている治療法です。

一方、従来の治療では頭皮に複数回の注射を行う必要があり、施術時の痛みが負担になる場合があります。

キュアジェットは、注射針を使わずに薬剤を皮膚内へ届ける医療機器です。

「頭皮の汗を何とかしたい。でも、頭皮への注射は怖い」

そんな方にとって、キュアジェットを用いた頭皮ボトックスは、検討する価値のある新しい治療の選択肢です。

頭皮の汗でお悩みの方は、まずは医師にご相談ください。

参考文献

  1. Ando Y, Ohshima Y, Yanagishita T, et al. Clinical utility of botulinum toxin type A local injection therapy for head and forehead hyperhidrosis. J Dermatol. 2022;49(7):719–723.
    https://doi.org/10.1111/1346-8138.16368
  2. Watanabe H, Ohshima Y, Watanabe D. Therapeutic Effectiveness of Needle Injection Versus Needle-Free Jet Injector System for Botulinum Toxin Type A in Palmar Hyperhidrosis. J Cutan Med Surg. 2023;27(5):481–486.
    https://doi.org/10.1177/12034754231191062
  3. Treatment of Palmar Hyperhidrosis With Needle Injection Versus Low-Pressure Needle-Free Jet Injection of OnabotulinumtoxinA: An Open-Label Prospective Study. Dermatol Surg. 2017.
    https://doi.org/10.1097/DSS.0000000000000970
  4. 日本皮膚科学会.原発性局所多汗症診療ガイドライン2023年改訂版.日本皮膚科学会雑誌. 2023;133(13).
    https://www.jstage.jst.go.jp/article/dermatol/133/13/133_3025/_article/-char/ja/
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